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天才画家の異世界無双  作者: ZENOS
5/7

天才画家、宿屋の双子と出会う

 コンコンと扉をノックする音で目を覚ました。


 「おーい、夕飯できたぞ!」


 まだ幼い子供の声だ。

 宿屋の女将の息子だろうか。


 「ああ今いく。」


 まだ寝起きで少しふらつく体を起こして部屋を出ると、七、八歳の少年がいた。


 「起こしてくれて礼を言うぞ。」

 「ああまぁ仕事だからな!」

 「その年でもう仕事をしているのか?」

 「は?なに言ってんだ?このくらいの年になると大抵の家の子供はその家の仕事を手伝い始めるぜ?このくらいの年になっても働かないのは病弱な奴か家に余程余裕があるような貴族様だけだ。

そんなことも知らないなんて、あんた貴族様なのか?」


 ふむ。この世界の事についていろいろ知れたのはいいがなんか腹立つなこのガキ。


 「イタイイタイイタイイタイーーー」


 おっと。いつのまにか無意識的にこのガキの頭にアイアンクローをかましてしまった。

 まぁここは俺も大人だ。

 大人げないことはすまい・・・


 「すまんな。ちょうどよい位置に掴みやすい中身の空っぽそうな頭があったのでな。ついつい掴んでしまった。大した力は入れてないハズなんだが・・・子供には少し力を入れすぎたようだな。」

 「大人げなぇーな!おい!」

 「そんなことより早く夕飯を食いにいくぞ」

 「いきなりあからさまに話題変えようとすんなよな!」


 そう言いながらも笑顔でついてくる辺りが子供らしいと思いながら階段を降りると辺りにいい匂いが充満していた。


 「どうだ!いい匂いだろ!旨そうだろ!」


 自慢げに言いながらついてくる。少しウザくなってきたな。

 またアイアンクローをかけてやろうかと思ったがそれより夕飯が先だと思い直し空いている席に座る。

 メニューを見ると日本では見られないようなものが並んでいた。

 見たことがないような肉の名前がいろいろ乗っている。

 ここはガキに聞いてみるか。

 

 「おいガキ。この中で何がおすすめだ?」

 「あぁ?そうだな・・・これなんかどうだ?モギューのステーキ。」

 「じゃあそれで。」

 「おい!自分でも選ばなくていいのかよ。」

 「は?お前がオススメしたんだろ?それともなにかお前はわざわざ俺に不味いものでも紹介したのか?」

 「いや・・・そんなことねぇけど。」

 「じゃあいいだろうが。」

 「わかった!期待して待ってな!家のモギューのステーキは絶品だぜ!」


 ふぅやっと落ち着いたな。

 あのガキがいるとうるさくてかなわん。

 暫くするとガキが同じくらいの女の子と一緒におそらく俺のであろうモギューのステーキを運んできた。


 「待たせたな!」

 「ああ。後は食うだけだから帰っていいぞ。」

 「つれないこと言うなよ。俺もそろそろ休憩の時間なんだ一緒に食おうぜ!」

 「他の客の相手をしなくていいのか?」

 「ああ。今いるのは昔からの常連だし。そもそもあんた起こしに行ったの三回目だぜ?客も少なくなってるよ。」


 そうだったのか・・・

 それよりガキの隣にいる少女がさっきから所在なさげにうろうろしていて見ていてかわいそうなのだが。

 連れてきたのなら紹介ぐらいしろよ。

 そう目線でガキに伝えると歯をニカッと出して笑ってきた。

 そうじゃねぇよ。誰もお前のキメ顔なんて求めてないんだよ。

 しょうがないから俺から話しかけてみるか。


 「君名前は?」


 こういう少女というか幼女には警戒させない為に笑顔で話しかける事が重要だ。

 すると女の子は顔を赤くさせながらこちらを見てきた。


 「わっ私の名前はエミリーです!よっよろしくお願いしますっ!」


 なにこれ。見ていてとても微笑ましいというか愛くるしいというか、なにか新しい扉を開きそうな気がする。


 「ああ。俺はナオヤだ。よろしく頼む。」


 内心の乱れを外に出さないよう気を付けながら自己紹介を終わらせる。


 「おい!俺の名前まだいってないだろ!終わらせようとすんなよな!」

 「はいはい。あなたのお名前は何ですか?」

 「くそコイツ腹立つな!あからさまに態度変えやがって!まぁいい。俺の名前はデネブだ!よろしくな!ちなみにエミリーとは双子だぜ!」


 なんか時を越えれそうな名前だな。

 それにしても双子か・・・あまり似てないな。

 まぁどうでもいいが。

 そうこうしているうちにモギューのステーキは無くなってしまっている。

 コップの中に残った水を飲み干したら今日は寝るか。


 「おし!お前ら俺はもう部屋に帰るからな。ついてくんなよ。」

 「わかってるよ!また明日な!」

 「おっおやすみなさいっ!」


 双子の賑やかな声を聞きながら俺は部屋に戻り、再びベッドへダイブした。

 

 

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