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戯言

作者: 須田ミヨ

暗い部屋の片隅で私は1人で泣いていた。

こんなふうに表現すればありきたりなワンシーンかもしれない。だけど私はほんとうに苦しくて涙を流しているのだ。毎日が幸せの連続である貴様らには私の泣いている理由など、一生かかったって到底理解できやしないだろう。なので説明はしない。ただひたすら泣いていた。


話は変わるが貴様らは一生のうちに死にたいとか消えたいとか思ったことがあるだろうか。いやなに、今後の参考までに聞くだけだ。はっきりと答えろ。

思ったことがないというのならそれはおめでたい馬鹿野郎だ、一生なにごともなく幸せに暮らせ!逆に、思ったことがあるというやつ。貴様はそう思ったところで行動に移せなかった腰抜け腑抜け野郎だ、年を重ねるごとにこんな思想は失って穏やかに生きろ!

さて、この世はついに終わりの始まりを迎えた。ぶつかる思想に聞き取られることのない悲鳴、考えることをやめた消費者、中身のない宗教に能無しが巣食う国会議事堂!改善されぬトイレの詰まり、一辺倒な教育論!!飽和状態となった今現在、残酷なほど甘いケーキがのった皿には気をつけろ…。

もはや信じられるものなど無くなった21世紀だが、絶望するな、世界は広い。ーなどと、言うと思ったか?貴様は知らないだろうが、驚くほど世界は狭い。この間道を尋ねられた外国人が実は腹違いの兄弟、なんてよくある話だ。だから貴様に言葉を送ろう。本当はこんな言葉なんて微塵も送りたくないけどね!

いいか、この世で起こるすべてのことは必然だ。すべての必然はやがて大きな必然へと繋がる。恐れる必要などどこにもない。1秒後に死ぬ確率は、ないとは言えないだろう?どんなに不思議で理解し難くとも、その理解の仕方を貴様が知らないだけなのだ。世界が終わろうとも、自らが終わろうとも、それは必然であり受け入れるべきものなのだ。



あゝ私は少し疲れたようなので貴様と話すのはこれまでとしよう。貴様のせいだからな、私が起きたら食べ物を用意しておくんだぞ。

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