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暁(あかつき)

作者: たら

 翔太には、それは輝いて見えた。

 高校を出たら、暁は東京に行くらしい。高校二年の初夏、空は青々と晴れていて、親友の顔は眩しすぎるほど輝いて見えた。


「翔太、あんた都会に行こうなんて考えていないわよね?」

「…」

「あんた、そうしたら誰がこの店を継ぐのよ。あんたがお父ちゃんの跡を継がなくて、誰が継ぐのよ?」

 翔太は押し黙って、器用に動く母の唇を見ていた。

 翔太の家は、所沢市にある、狭山茶専門の茶屋だ。茶葉や陶磁器を扱っている。

 家と店の仕切りが曖昧な一軒家のリビングで母と向き合っていた。リビングといっても、そこは三和土を上がった、扉を通年開けっ放しの居間で、翔太がテレビを見ていると、客が途絶えた隙に母から切り出されたのだった。

 翔太は一人っ子で、親族にも未成年は翔太だけだ。五月に入って、一番茶の仕入れが始まり、お茶屋の息子として、翔太は毎日お茶を飲んでいた。今日は、やぶきたを飲んで、一番茶の香り、色、味を噛みしめていた。制限なしに動く、母の唇はまるで壊れたロボットのようだ。

「まったく、あんたは何考えてるのよ。そのお茶だって、お父ちゃんがてっきりあんたが来年店を継ぐと思って、火入れさせてもらったのよ。どうするのよ?」

 母の言葉は、渦を巻いて止まらない。一〇分聞いていただけで、熱を持った脳みそを雑巾みたいに絞りたくなった。

「暁くんはやりたいことがしっかりしてるから、あっちのお母さんもきっと何も言わないのよ。あんたはまず何がしたいの?」

 母の口調は、翔太にとって脅迫めいて聞こえた。きっと、店を継ぐと言ったら、母の唇も止まって、この熱を帯びた脳みそも落ち着くだろう。

 しかし、翔太は口を割らず、母も今日のところは諦めたのか、それ以上何も言ってこなかった。

 リビングでは、二つ湯呑茶碗から湯気が上がっていて、それは上るにつれ、バラバラになっていく。空気に取り込まれて、湯気なんてまるでなかったように、目に見えなくなる。

 暁は、翔太の一番の友だ。成績も優秀で、見た目も爽やかで、女子に大変人気がある。長身で、髪の毛や制服は清潔に整えられ、俯きがちな目元が神秘的なのだ、と女子が熱弁しているのを聞いたことがあった。それでも男子にやっかまれることもなく、クラスメイトは全員一目置いている、そういう存在だった。

 中学1年で同じクラスになり、席も近かったので、翔太から話しかけた。始めこそ一緒にいることで劣等感を感じていたが、最近は意識しなくなっていた。

 沈黙の間を、テレビから流れるワイドショーだけが騒いでいた。いちげんさんと思しき若い女性が自動ドアをくぐり、母はよいしょ、とカウンターに立った。

 当たり前だが、こっちから見えるということは、向こうからも見える。翔太と目があったことで、居心地が悪かったのか、女性は視線を逸らし、お茶の見本が並ぶショーケースを屈んで見出した。翔太が湯気の冷めた茶碗を二つ、片づけるために立ち上がると、母がお愛想をする声が聞こえた。


「翔太、どうするか決めた?」

 暁が学校帰りの道程で、翔太の顔を覗き込んだ。

「うーん。それがまだ」

「そうか」

 暁はそれ以上は何も言わず、十字路の交差点で「また明日な」と去っていった。

 暁が東京に行く理由は、彼の眉目秀麗がもたらしたものだった。

 春休みに連れ立って行った渋谷で、見知らぬ男性に声をかけられ、暁はそのまま東京に吸い込まれていくことを決めたのだった。

「家族のために働くよ。たいしてやりたいこともないしな」

 道が決まった親友に、嫉妬も感じたが、まるで方向さえ決められない自分に、翔太は苛立ちと虚無を感じていた。

 モラトリアムというそうだ。炎が燃えたぎる道の先に飛び込まなければいけない。決断できなくて、先送りすることで炎の本質を偶然にでも知ることができたら…そう思っていた。

 通学路には、とっくに花の散った桜の木が、これでもかというほど緑をはためかせている。散った花びらは、もう跡形もなく掃除されていた。踏みつけて歩いた春が、嘘のようだった。

 東川沿いは桜の時期になると、提灯が蛍のように夜は光って見え、昼間もカメラを携えた人々で賑わう。翔太も毎年そこで花見をし、いつもの通学路が、実は贅沢な道なのだ、と春になると思い知らされていた。

 毛虫がいるかもしれない、と翔太は注意深く足元を見て歩く。いても良いのだが、誤って踏みつけた時の感触が嫌で、この時期は特に足元に警戒をしていた。

 そうしてその結果、足元に気を取られ過ぎて、周囲を見ていなかった。

 暁と別れた交差点の方から、大きな音が聞こえて、それが数秒後には接近していて、振り返るより前に頭が働かなかった。

 後ろから、猛スピードで走ってきたオートバイに、翔太の体は宙に舞った。

 何が起きたのかわからなかった。突然体が軽くなり、飛び上がったかと思うと、地面がスローモーションで近づいてきて、そのまま体が落ちた。ボンッだかヒシャッだか音がしたのだが、あとで思い返してみても、翔太にはわからないままだ。


 目を開くと、やけに角ばった白い部屋にいた。自分は箱に入れられたのか、と翔太は思った。このまま世の中に出荷されるのだ、と諦めを感じた。

「翔太。翔太」

 母の声だ。手を握って、温めるように包んでいる。父も暁もそこにいて、自分はまだ眠っている。自分の寝顔を初めて見て、翔太はむず痒かったが、そこに違和感を覚えた。

 何かがおかしい。ベッドには目を閉じ眠る自分がいる。身動ぎもせず、酸素吸引機をあてがわれて、包帯やギブスに巻き付かれている自分がいる。

 死んでいるのか? と思ったが、脈は打っているようで、機械が反応している。

 それでは、いったいどうしたのだ? 何ごとだ? 声にしようとして、声が出ないことに気づいた。

 自分を見下ろしている、今の自分の目は、これは天井から見ている視点だ。そのまま周りを見渡して、ようやく翔太は現状を悟った。

 夢にしては、現実的すぎる。どうやら、幽体離脱しているらしい。テレビで見たことはあったが、まさか自分がそうなるとは。呆気にとられる心と、しかし突然の幸福に舞い上がりそうな気持ちがあった。

 これで、進路という難問から解放された。重荷が下りたように清々しかった。

 相変わらず、眠っている自分のそばには両親と暁がいて、しかし翔太は好奇心が勝って、

「このまま外に出てみよう」

 そう思い、開け放たれた窓から表へ出た。

 確認してみたところ、たとえ窓が閉まっていても、窓がなくてそこが壁でも、幽体は通り抜けるらしかった。耳も明瞭に聞こえ、自分の脈を画面に映す機械の電子音が、耳障りだった。

「どこへ行こう」

 とりあえず家へ向かおう。そう思い、上空へ移動し、町を見下ろした。

 生きている時は、終着点が見えていそうな、この町だけが世界だ、そう漠然と感じていた。空高くから見下ろす街は、とても小さくまとまっていて、車や人の流れがおもちゃのようで、翔太は優越感を感じた。

 自分はこれからどこへだって行ける。その空想は、とても美味に思えた。

 家につくと、店はシャッターを下ろして、その上に「臨時休業」と書かれた紙が貼られていて、勝手口も閉められていた。人通りから外れたところにある家は、心許なく見えた。中に入ることはせず、しばらく翔太は家を眺めた。

 この古い日本家屋は、曾祖父の代からお茶屋を営んでおり、父が三代目、もしかしたら翔太が四代目になるかもしれなかった。

 店でてきぱきと働く両親の姿は、幼少期、とても頼もしく見え、自分もいずれはそうなるであろうことはわかっていた。それが幸せであることもわかっていて、しかし、ここから出て他の景色を見たい、という気持ちもあり、葛藤していた。ここに残ったとしても、東京に出たとしても、どちらにも未練があるだろうことがわかっていて、翔太は決断できずにいた。

 軒先を見知らぬ人ばかりが通り過ぎていく。自分がいなくなっても、世界は回るんだな。そう感じると、知った顔を見たくなって、翔太は学校へ行くことにした。

 五月になって日暮れが遅くなったといっても、もう夕方だ。移動しながら通学路に見える公園の時計は、十七時を指していた。太陽は、空より地平線に近いところで、橙色に光っている。

 学校では、たくさんの生徒が部活に精を出していた。それを指導する先生も熱が入っている。陸上部とサッカー部がグラウンドを使っていて、野球部がその端に作られたコートで練習をしていた。いつもの光景だった。翔太も暁も帰宅部のため、毎日帰りしな、その様子を横目で見ていた。最近の翔太は、目的に向かって張り切る部活動を苛立たしく感じていた。自分が見つけられないものを見つけた人たち。かといって、それぞれが違うため、答えは共有できない。だから、翔太は斜に構えて横目でやり過ごして、通学路を歩いていた。

 暁のことだって、翔太はすべては納得できないでいた。中学生の時に転校してきた暁。最初は物怖じしているようで、誰が話しかけても俯いて首を振るだけだった。それでも、翔太は積極的に話しかけて、二人は唯一無二の親友になった。その暁が、自分を置いて東京に行く。探してもいないのに答えを差し出され、それに従う暁。捨てられた、そう翔太は感じていた。


 幽体は、ひどく快適だった。自分の姿を自分で見ることも出来ないけど、手をかざしてみてもそこには何もないけど、縛るものも何もない。もし、本当に死ぬのなら、このまま彷徨っていたい。翔太はそう感じた。

 小学生と思しき子供たちが、さよならをしている声がして、その中に顔見知りを見つけ、翔太はその子供と同じ帰路を進んだ。

 それは男の子で、小学三年生。確か七人兄弟の四番目で、暁の弟だ。家路を急ぐその足取りは、五年前に見た時より頼もしくなっていた。

 暁は七人兄弟の長男で、彼の父親はすでに他界しており、母親は一日中近所のスーパーでレジを打っている。暁は、中学時代から新聞配達をし、家事をこなし、副業もしているらしかった。高校には行かず大工見習いになるつもりだったが、母親の強い意志で高校へ入ったと本人から聞いていた。暁は、でも嘆くわけでも、恵まれているのに不満ばかり言う翔太に対して、嫉妬しているようでもなかった。

 高校生になってからも、暁は朝は新聞配達を、放課後にはデリバリーのピザ屋でアルバイトをしていた。十六歳になってすぐ、原付バイクの免許を取り、ピザ屋では、調理も配達もできる人材として重宝されてるようだった。東京へ行く話だって、家族のためにお金を稼ぐためにそうすることにした、と暁は言っていた。全寮制だし、空いている時間にアルバイトもできるし、モデルっていっても写真を撮られるときにだけそこに行けばいいんだから、とうそぶいていた。強がりにも見える暁が、翔太には、やけに輝いて見えた。

 暁の弟は、団地の階段を二段飛ばしで上り、目的の扉を開けて流れ込んだ。留守番をしていた下の子を撫でまわし、台所で夕食を作る長女に話しかける。

「あれ、兄ちゃんは?」

 長女は返事をせず料理を進め、テレビを見ていた次女が

「病院だよ。翔太くんが大変だって、電話があって、兄ちゃんすっ飛んでった」

「そんなことより、手伝ってよ。兄ちゃん何時に帰ってくるかもわかんないから、片付けして、小さい子と遊んであげて」

 長女はすっかり大人になったように弟に申し付けた。五年前に見た時は、まだ小学生でその時もしっかりはしているようだったけど、久しぶりに見ると、容姿もすっかり大人へと進化していることが、窓の外からでもわかった。そういえば、自分がここへ来たのは五年ぶりだな、それに気づき、翔太はその時の感情を思い出した。

 暁と仲良くなって、招待され初めて上がった団地。一人っ子の翔太にとって、大家族は魅力的で、だからその後は訪れることをしなかった。自分が持っていない宝物を、暁は持っていて、それをここに来ると目の当たりにさせられる。普段意識していない、自分がとても憐れに思えたのだった。

 自分は何も成長していなくて、何も手にしていなくて、未来もどうしたら良いのか決断できない。暁は、兄妹の面倒を見て、家族のためにアルバイトをして、未来も決めている。ひどく居心地が悪くて、翔太は団地を後にし、大きな公園へ向かった。


 そこは、日本初の滑走路が作られた場所として、記念館やその跡地に本物の航空機が鎮座し、休日にもなると親子連れで賑わう、その一帯に住む人たちにとって、絶好の行楽地であり、運動施設であり、散歩コースだ。

「航空記念公園」

 と、大きな建物の前にその文字を植木でかたどってあり、通るたびに、翔太はなんだか嬉しくて、何回か写真も撮っていた。幼少期には毎週のように家族で通っていたらしいが、あまり詳しくは覚えてなかった。

 そのうちに祖父が隠居し、父が三代目として跡を取ったため、家族の時間はあまりなくなり、時々、暁や別の友人と訪れるだけになっていた。

 暁と来る時は、まず正面から入って、アスレチックコーナーを見過ごし、大きな塔にある時計で時間を確認し、営業中であればソフトクリームを買って、それをデッキで食べ、夏の暑い日は隣接の図書館に逃げ込む、というお決まりのコースがあった。高校生にもなって、翔太はそれが一番好きな時間だった。思い出して、苦笑いが出た。

 地面に降り、絨毯のようにあたりいっぱい広がる緑を大の字で寝転がった。

 今日は空気が澄んでいる。翔太はその空気をめいいっぱい吸い込んだ。広げる手足も、吸い込む口もまるで見えないが、五感はあった。「航空記念公園」の文字をかたどられた植木を見上げ、思い出して逡巡した。

 ソフトクリームの幟は今日も上がっていて、見慣れた店員さんもそこにいた。しかし、体のない幽体では、それを手にすることはできなかった。

 自分がひどく惨めに思えた。嘆くだけで、踏み出すことをせず、結局何も手に入れられない自分。

 虚しくなって、翔太は建物を出て空高く上がった。上って、上って、どこかへ行ってしまいたい。そう思って、目を閉じ、鼻も耳も口も閉じ、上へ上へと力の限り上った。

 この町から逃げて、進路から逃げて、将来からも、何もかもから逃げ出したい。家族も、暁も、他の友達も、自分だって、もう知らない!

 いつの間にか閉じなくても感覚がなくなっていて翔太は、不安を感じて上昇を止めた。

 下を見ると、まるでおもちゃのようだ、と感じていたものたちが、ひとつひとつが呼吸をしていて、そしてそれ全体がひとつの生き物で、鼓動しているように見えた。

 まるで、自分の知らない世界。

 熱を持って、意志を持って、動く世界。

 はみ出して、冷静を装う、何物でもない自分。

 家族のために、未来を決め、進む暁。

 臆病で、卑屈で、何も決められない自分。

 これが、世界なんだよ。地上のひとつひとつが、語り掛け、自分を諌めているように翔太は感じた。暴れることでも、逃げ出すことでも掴み取れない。

 じゃあ、どうすれば良い? どうすれば笑える? どうすれば強くなれて、どうすれば歩いて行ける? どうすれば自分が納得する?

 どうすれば… 

 頭の中が真っ白になって、真っ黒にもなって、激しい熱を感じた。そうして次の瞬間、視界がグワンと揺れた。

 大きな波に吞み込まれたように、翔太の意識は飛んでいった。

 天地が入れ替わるような、大きなうねりだった。抵抗することも出来なくて、翔太はうねりに身を任せた。

 突然、電気が走ったように体が震えて、感覚を思い出した。体中が温かくて、右手に熱を感じた。鼓動を数える機械の音が、耳障りで、でも懐かしく鳴っていた。

 目を開けると、母と暁がいた。母の手のひらで、自分の右手が温かい。

 翔太が目を開けたことを大声で叫ぶ、暁がいた。その声に父が病室に入ってきて、母に抱き付いた。

「翔太! 翔太! 翔太!!」

 父が叫んで、母は涙で崩れそうで、父の腕に寄りかかっているようだった。よく見ると、二人とも仕事中に駆け付けたようで、父は前掛けを、母は店のジャンパーを着ていた。

「翔太」

 母が離した翔太の右手を、暁が包み込む。

「良かった…」

 そう言うと、暁は手を離し、その手で自らの顔を覆い、走って病室を出て行ってしまった。肩が震えていた暁の背中を、翔太はいつまでも忘れないだろう。

 そのまま翔太は再び眠り、次に起きた時には大部屋へと移っていた。

 はじめのうちは、入れ代わり立ち代わりやってきたクラスメイトはすぐに途絶え、暁だけが、毎週会いに来てくれた。

 いつか感じていた、暁への嫉妬心は、跡形もなく消えていた。

 

 暁が上京する日が来た。

 季節は巡り、もうすぐ新しい春が来ようとしている。

 暁は高校を中退し、本格的にモデルとして活動していた。まだ、オーディションを受ける日々で、書類審査で落とされることも多い、と笑っていたが、その笑顔は相変わらず眩しかった。母親は、高校中退を反対したそうだが、暁の、早くたくさん稼いで弟や妹の将来に備えたい、という強い希望で、しぶしぶ決心したらしかった。

 見送りには仕事や学校の関係で、暁の家族は来ていなかったが、先週大々的に送別会を開いてくれた、と嬉しそうに語っていた。

 翔太と暁は、駅のホームに並んで、急行の電車を待っていた。

 埼玉から東京は、近いようで遠い。電車に乗ればすぐだが、家族と離れることは心配だと暁も言っていた。しかし、気丈に旅立つ、暁のその眼に、翔太は光を見ていた。

 翔太はといえば、熊谷市にある、農業専門の大学に受験を決めていた。茶屋を継ぐため、幅広い農業の知識を学ぼうと思ったからだった。

 あの日、自分の体に戻った数日後、翔太はこれまでの無関心を覆すかのように、自分の中に訪れた鼓動に乗り、自分の心と向き合った。

 そうすると、そこには熱い塊があり、それを丁寧にほぐしてみると、本心が眠っていた。

 そうっと起こしてみると、それは柔で、到底暁には敵わないように見えたけれど、翔太は決心した。

 もうすぐ春が来る。次の春も、その次の春も、暁に負けないような笑顔でいたい。

 旅立ち際、上空を飛行気が飛んで、二人して見上げた。

 真っ青な空は、どこまでも輝いて見えて、二人して笑った。

                                     (了)

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