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異世界旅行 途中参加~妹よ、モタモタしていると置いて帰るぞ 編~

掲載日:2015/05/09

続きはありません。

異世界召喚というものをご存じだろうか?

なんらかの役目を背負わされ、強制的に異世界に拉致られるというやつだ。

私は、なんて損な役割を押し付けられているのだろうと思う。

命の危機にさらされ、無償奉仕でチート級の魔王を倒せと来たもんだ。

いっぺん、死んでこいや! そんな役目を押し付ける奴ら!

子どもを脅して、自分は安全なところで高みの見物。

そんな世界は、救う価値すらない。

まあ、そういうのは異世界で正義の味方きどりをしたいお花畑脳の奴にさせるべきだ。ようするに、偽善者。

よく、元の世界に戻れないとかあるけど、そんなのは真っ赤なウソ。

異世界と異世界の次元の狭間に穴をを無理に空けて、異世界から無関係の適正者を連れ去る。

次元の狭間の穴を空けるには、膨大なエネルギーを使って開けるので簡単には次元の狭間の穴は修復しない。

人間の時間にすると、徐々に穴は塞がっていくが一年以上は空き続ける。

それまでに、拉致した異世界人を戻さないために確実に次元の狭間の穴が塞がる旅の仲間にする人選をする。

ぶっちゃけ、異性であんまり実力のない奴を顔だけで選ぶ。

それが、拉致した異世界人を戻させないために異世界の住人たちがする方法だ。


私は夏崎《かざき》真彩《まや》。

病名は、親友命名『シスコン病末期』。

異世界に拉致られた妹を迎えに来た日本のごく普通の女子大生。

目の前で、逆ハーレムを築いている妹の和沙《かずさ》のいつもの姿に安心する。

和沙は、どこぞの乙女ゲーム世界に転生という小説に出てくる調子に乗った電波少女とか逆ハーレムを築いて「私のために争わないで!」なんて不思議台詞を吐ける持ち主ではありません。

むしろ、自分の容姿にだけで寄って惚れただの腫れただの言ってくる男どもを心の底から見下しています。

ですが、ゲームのヒロインのように男を物にする手腕はある意味尊敬します。あと、他人の目を気にせずに欲望のままに突き進む姿とか。

なんだかんだ言っても、かわいい妹であることには変わりません。

今日も、和沙ちゃんは絶 好 調 !

私を見ると、和沙が近寄って抱きついてきた。

和沙の腰に腕を回し、頭を撫でていると睨みつけてくるイケメン五人組。

「...顔だけの人たちだな」

「お姉ちゃん、それは言わないお約束だよ」

「やっぱり、思ってたのか...」

それから、馬鹿《イケメン》どもに話声が聞こえない距離にいるので、馬鹿《イケメン》たちに対する、愚痴、愚痴、愚痴。

彼らが、街々で寄り道をし時間がかかるのでイライラすると言った。

それに、魔物を倒すのに自分たちが守るはずの巫女に守られている状態だとも。

どうやら、和沙の役目は巫女様のようだ。

守るはずの少女に守られ、すべての責任を背負わし、自分がカッコイイからと調子に乗って口説いてくる。しかも、自分に惚れないはずがないと思い込んでいるのだとか。

あまりのイタさに、惚れる要素が全くない!

気持ち悪すぎる!

元の世界であまりにも和沙にしつこい相手は、私が闇討ちしたり、脅したり、性格を捻じ曲げたりするコミュニケーションを取っていたが。


和沙に付き合って、馬鹿《イケメン》たちと旅をするのだが、本当に、本当に、奴らが町に行くたびに遊びすぎて街の滞在期間を要する。

これは、『本当に、真面目に世界を救うため、魔王を倒す気があるのか?』と問い詰めたいレベルだ。

本当に、顔だけで人選されたんだな。

これで、真の実力者を選んでいないとこを痛感した。

これで時間稼ぎか。汚いな。

「和沙」

「どうしたのお姉ちゃん?」

「そろそろ、魔王が待ちくたびれて魔王が自分の下に私たちを強制転移しそうな気がするのだが?」

「うん、そんな気がするわ。ここまでくるのに、ものすっごい時間がかかってるもの」

そんな会話をして、馬鹿《イケメン》たちと宿で合流すると空間がグニャリと歪んだ。

次の瞬間には、魔王城にいた。

「よく来たな、人間ども! 待ちくたびれたぞ」

驚く馬鹿《イケメン》たち、納得して頷く私と和沙。

「おぉ、異世界の少女たちはやっぱりそう思うか!」

顔を真っ青にして、慌てふためく馬鹿《イケメン》たちを無視して、私は魔王をボコった。

ボロボロになる魔王。

そんな魔王を見て、急にカッコつけ始める馬鹿《イケメン》たち。

馬鹿《イケメン》たちは、私と和沙の背に隠れ、魔王に圧倒的な優位な立場に立ったと思い込み、なにやら喚きだした。

おっと、もう時間だ。

あともう少しで、次元と次元の狭間に空いた穴が塞がって修復する。

「和沙、元の世界に戻るぞ」

「分かったわ、お姉ちゃん」

そこに声をかけてくる、魔王。

「いや、ちょっと待てよ。俺を倒さなくてもいいのか!?」

「どうでもいいですし、後《あと》はそちらでごゆっくり。もう、元の世界に帰らないといけないですし」

「そういうことよ」

「ああ、達者でな」

何とも言えない表情をして、見送るボロボロの魔王。

行くなと喚く、馬鹿《イケメン》たち。

馬鹿《イケメン》たちを無視して、和沙の手を引っ張り、私は次元と次元の狭間の穴に飛び込んだ。

【夏崎真彩】

本人は普通だと自称しているが、実はハイスペック。

しかし、本人の性格が残念すぎてハイスペック感をすべて台無しにしている。

妹、大好き。

実は、妹が過去に異世界に拉致られた時も彼女が迎えに行っている。


【夏崎和沙】

かなりの美少女。

お姉ちゃんが大好き。

イケメンたちよりも、強い。

顔だけが取り柄の奴らに好かれる体質を持つ。(本人はこの体質に迷惑している)

いつか、本当に自分を見てくれる人を探して恋をしたい。


【イケメンたち】

顔だけが取り柄の五人組。

実力が全くないことを自覚しているので、街に滞在して時間稼ぎをしていた。

彼らを選んだ奴らは、ここまで酷い結果になると思わなかったはず?


【魔王】

遠見の水晶で、巫女と仲間たち?の旅を見ていたのだが、その過程を見てイライラして自分の下に強制転移させた。

真彩に徹底的に叩きのめされるが、彼女と妹が帰った後は言うまでもなく魔族側が有利な展開に。

侵略行為には興味がないが、自分の支配下にある領地に人間たちが侵略してきたので、彼らを叩きのめして追い出したい。

実は、作中で一番の常識人。



読んでくださり、ありがとうございました。

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