にゅうがく!
「葵、早くしないと遅刻するわよ〜」
そう言って母親は毎朝起こしに来る。
「今日は、転校初日なんだから、遅刻したら大変よ〜」
「分かってるよ。とゆうか、もう準備も出来てるし、じゃあ、いってきます。」
そう、今日から私は転校して、新しい学園で過ごすことになったのである。そうしてドアに手をかけー
「ちょっと、葵」
る前に呼び止められた。
「ん、どうしたの母さん?」
振り向くと母親が小さな包みを持って、
「お弁当忘れてるわよ。」
と言って、その包みを渡してきた。
今日から生活する学園は、簡単に説明すると、『自由な校風』と言えるだろう。
服装は自由で何を着ても良い...とはいえ、ほとんどの人は私服で登校していた。
まあ、私も私服で登校しているんですけどね。
「うわぁ〜話には聞いていたけど、思ったよりも随分大きいなぁ」
学園に着いて思ったことは、これだった。
話によるとこの学園は、3階建てと聞いていたけれど目の前には...
「話が違うじゃないか!!」
5階建てに変わっていました。
そんなことを校門前で叫んでいると後ろから
「ちょっと!そこのあなた、そんなところで突っ立っていたら邪魔よ、どいてくれない」
後ろから声をかけられ振り返ると、金髪のロングヘアをツインテールに縛っている女性がいた。
「聞いてるの?そこ、どけてくれない」
彼女は迷惑そうに私を見ていた。
「あ、すみません」
そう言って道を譲ると彼女は、私の横を通って学園に入って行った。
彼女の言ったとおり邪魔になると思ったので、私も学園に入って行った。