暇
その日の昼ごろには、足はほとんど跡が残らないレベルまで回復していた。
銃による傷は治りが悪いのかなぁ。
とにかく治ったからいいか。
という訳で俺も参加だ!
光る壁の処理だ!とっととやるぞ!
と思っていたのだが、衝撃的な事が判明した。
モンスターたちのレベルは総じて12を超えている。
15を超えているメンバーもいる。
そうするとどういうことが起きるのか。
第三階層、確かに未知のエリアだ。
でも、正直俺の出番がまったくない。
いざという時の為に待機はしているものの、やる事がほとんどない。
うーん腕が鈍りそうだなぁ。久々にヴァンと一緒にハリセンのしばきあいでもしようかなぁ。
「マスター、ハイゴブリンがドロップしたカードです」
「あ、ありがとう。問題ないようなら進めてみて」
「かしこまりました」
こう流暢な日本語を話しているのはアンだ。
いやぁ、ちょっと見ない間に凄い日本語ペラペラになっててビックリしたよ。
まぁビックリしたといえばハナとコータなんだけどね。
勉強してたとはいえ、コボルド語をペラペラと話すようになっていた。
何だろう、俺の中の言語に対する基準がおかしくなっている。
一週間もあれば一つの言語がペラペラになるのは当たり前だっけ?あれ?
という訳で、俺の気分はプロ野球を引退して草野球の監督になった感じだ。
いや、ここまでのモンスター育てたのを誇ってもいいのかもしれないけど。
あ、リザードマンの上位種だ。
ぼこぼこにされてる。ざまぁないな。
「マスター、出ました」
「お、出たか。行くぞ」
「はい」
どうやらボムスライムが出たらしい。
今回の俺の数少ない役割だ。
ボムスライムの前にゴーレムを召喚する。
ゴーレムを使った移動。
これにより、失敗しても被害はゴーレムだけで済むという寸法だ。
2、3回失敗してから気づいた事だが、ボムスライムはどうやら水分を元に判断しているようだ
どうやら自身に水分が触れると爆発するらしい。
カラッカラに乾燥させたゴーレムで掴むと、多少荒くしても爆発はしない。
そこに少しでも水をかけると爆発した。
何度か失敗した甲斐があった。
爆発させるたびにコボルド達から白い目で見られた甲斐があった。
いいじゃん!俺だって役に立ちたいんだよ!
だからコータの《幻惑》使えばいんじゃね?みたいな目で見るのやめろよ!
その後、ヴァンやザンとハリセンでバシバシ殴りあってみたり、モンスターたちの食用スライムをいっぱい集めるのを手伝ったりしてみた。
が、正直張り合いが無かった。
うーん暇だ。
最近色々な場所に出かけてたからかなぁ。
だってさー、アイヴィードラゴンの後に何見たって、刺激無いって。
まぁ必要な作業なのは分かるけど、ぶっちゃけ飽きたと言えば飽きた。
最初のころの気持ちはどこに行ってしまったんだ。
いかんいかん、こうやって腐ってるからリボルバーとかにやられるんだ。
もっと戦いの幅を広げないといけないなぁ。
何だかんだでメーシャには負けっぱなしな訳だし。
そうだ、新技だ!
新技を考えよう!
……何かどこかの国のバカ王子みたいな感じになってきたな。




