謎の団体
爆睡していたら、ふとブザーの音で目が覚めた。
ハナより先にブザー音で目が覚めるとは珍しい。
まぁ昼間治療の為寝てたんですけどね。
モニターをチェックすると、大量の人間が明かりを手にナフィ側から入って来ていた。
何だ?レベルを見る限り一部は護衛のようだが、低レベルの奴も多い。
頭を捻っていると、ハナが起きてきた。
「あぁ、こいつらね」
「知ってるのか?」
「うん、昨日も来た。まぁ見てなさいって」
ハナがそう言うのでモニターを眺めていると、壁に穴を開け始めた。
一つ開けてはしばらく距離を空け、またしばらく距離を置いては穴を開け。
これは一体……。
いや、良く見たらフマウン側にも同じ穴ができていてるな。
何だろうコレ。
いや、これはまさか……。
「あいつら、このダンジョンに等間隔で灯りを設置しようとしてるのよ」
「灯りか……」
「今のうちに穴を作っておいて、後で街灯的なものを設置する。安全が欲しいんじゃない?」
「安全ねぇ。まぁ俺達としては灯りがあっても別に奇襲はできるけど、面倒といえば面倒だな」
また、池の近くで俺たちが発生させたあの水流についての調査も兼ねているようだった。
レベルが低かった奴らは学者か?
色々と長さを測っている。
やはり自然発生したものとは考えにくかったか?
とはいえ、彼らも色々調べては首を捻っているようで、なかなか調査は進展しないようだ。
しばらくは放置でよさそうだ。
ちなみに昨日も似たようなことがあったらしい。
フマウン側からおこなわれるその作業にナフィ側からも穴をあける作業が始まるのではと考えたポチによって、大半のカエルは第二階層へ移されたらしい。
今池に残っているのは極僅かな幼体ぐらいだろう。
「ねぇ、あんたこの作業どう思う?」
「どうって?」
「あたしはね、この作業は二つの町で行われた何かの取り決めなんじゃないかと思うのよ」
「取り決め?」
「ナフィとフマウン、この二つの町で共同でこのダンジョンの安全を確保する。みたいな」
「あー」
カエルや俺達のせいで、このダンジョンでそれなりの死者が出ている。
安全なトンネルとして活用したいのか。まぁ気持ちは分かる。
が、そうすると色々不都合がありそうだ。
一番困るのが、明るさの確保によって隠し扉が発見されてしまうことだ。
それにここが安全になってしまうと、俺達が経験値稼ぎをしづらくなってしまう。
うーん悩みものだ。
「いっそあいつら倒しちゃうか?」
「いや、今倒してもいつかは同じ作業がまた始まると思うわ」
「あー」
灯りを設置する作業が行われるたびに、誰かの妨害が入る。
そんな推測が立てられるのは美味しくないか。
うーむ、色々と面倒くさいなぁ。




