魔法合成
さて、いくら怪我人と言ってもやる事がある。
飯だ。飯を作らなければ始まらない。
ということで今日のメニューはカレーチャーハンだ。
ハナからの希望だった。まぁチャーハンは楽でいいからいいか。
味付けはもちろんカレー粉。白米もあるし楽でいい。
という訳でハナの部屋に向かい、さて料理をしようと気合を入れたところ、何やら見慣れぬ機械が置いてあった。
何じゃこりゃ。
形としては普通の合成する奴に似てるが、何が違うんだろう。
キャベツをザクザク切っていたら、ハナが採掘作業から帰ってきた。
せっかくなので聞いてみよう。
「おかえりんこ」
「ただいまんこ!」
「今日はチャーハンだから期待してていいぞ」
「おぉー」
「ところで、その機械なんだ?」
「ん?これ?魔法合成する機械。ほんとは前から買ってたんだけど、使えなかったからしまっておいたんだ」
「へー」
魔法の合成か。
興味はあるな。
そういえばコータにかっこいい魔法使わせてやるって言ってたけど、これが関係してるのか?
「使い方は分かるのか?」
「まーね。ちょっと作ってみていい?」
「あぁ」
ハナは《ファイア》を2枚、《スパーク》を1枚バインダーから取り出した。
「あれ?スパーク?」
「第三階層から出るようになったの。スパークとロック。雷と岩ね」
「へー」
スパーク自体はお店で見た事あったが、ファイアで十分な威力だったので買ってなかったなぁ。
ハナの話によると、どうやら魔法合成に使えるカードや組み合わせがかなり制限されるらしい。
例えば《ファイア》と《ファイア》、《フリーズ》と《フリーズ》で組み合わせても何も起きないのだとか。
「で、今回は何を作ってるんだ?」
「《フラッシュボム》よ。そろそろ1枚欲しくなってきたし」
「あーアレか」
ハナ曰く、魔法合成の成功率は激しく低いそうだ。
フラッシュボムの合成でもハナがやって5割。合成の成功率が上がっているハナでそれだ。巷では3~4割ぐらいか?
元のカードの値段を考えると、フラッシュボムが5000アモルしたのも納得できる気がする。
ちなみに失敗したら遠慮なく元のカードは破壊だそうだ。
「それと、凄い時間がかかるのよねー」
「時間?どれぐらい?」
「1回の合成で10時間ってとこかな」
「あー」
そう考えると《フラッシュボム》を売ってくれたお店はかなり良心的だったなぁ。
チャーハンをハナと二人で食べていると、ハナが相談してきた。
ちなみにコータはつみれの食べ過ぎでお腹いっぱいだそうで、コボルドのところに遊びに行っている。
「ねぇねぇ、物は相談なんだけどさ……」
「どうした?」
「魔法の本格的な研究をしたいんだけど、いいかな?」
「今までもしてたんじゃないか?」
「違うのよ。お金が凄いいっぱいかかる方法でやりたいの」
「あー……」
要は魔法カードの完成したものを町で大量に買い、それを元に更に合成したいのか。
フラッシュボムはかなり強力な魔法カードだ。
それを元に3枚ぐらい使って新しいカードを制作すれば、かなりの威力が出るだろう。
だが、それにはさらに厳しい確率の壁が待っている可能性がある。
「お前の予想では、どれぐらいの金が必要なんだ?」
「安くて10万アモル。高ければその10倍、いやもっとかも」
「うーん」
正直戦争で大量に金が手に入った俺たちには使い道もあまりない。
100万アモルかー。出せなくはない額なんだよなぁ。
しかしぽんと出すのも何というか……。
……まぁいいか。
「今度町に行った時、まとめて買うか。いいよ、乗った」
「ありがとう!あんたのそういうあんま考えない太っ腹な所、好きよ」
「ほめられてねぇ!」
正直二度と売れない高級ブランドバッグを買うような気分だ。
しかしまぁ、俺も白米で遠出させてもらった事だし、これぐらいは飲んでいいかもしれない。




