<IF番外編>もし獲得したのがカレー粉ではなかったとしたら<触手>
俺達は非常に苦労してアイヴィードラゴンを倒した。
戦いは泥沼となり、合計2000枚程の《土》カードが消費される程の長期戦となった。
それはそれは非常に長い戦いとなった。
アイヴィードラゴンは結果調味料を落とさなかった。
その代わり落としたのは一枚のカード。
《卵》の金カードだった。うわ、懐かしい。
さて、このカードをどうするか話し合った結果、まずカロリーナが辞退した。
ター君とヘビちゃんズで十分だと。
次にメーシャも辞退した。
今回の戦い、ドラゴンを最後まで削りきった事で勝利をおさめた。
その際、メーシャはあまり活躍出来なかったのだ。
自分より、活躍してた俺達が受け取るべきだと。
調味料だったら互いに分割できたが、モンスターカード1枚だと分ける事が出来ないのが難点だ。
まぁ、いいと言ってくれているのだから受け取っておこう。
翌日、《卵》が無事孵った。
経験値を送るスピードが違うのか、ダンジョンに戻りカードを装備し、大量に光る壁を処理したらすぐだった。
が、生まれたモンスターは可愛いものではなかった。
見るからに緑色のボール。
ツタの塊だ。
マリモと言った方がいいかもしれない。
これがモンスターなのか怪しいレベルだ。
だが、正直このモンスターを見て考える事は一つだ。
「コーォタ!」
「コータちゃーんかもーん」
「やだ!マスターもハナちゃんも何か様子がおかしいもん!」
「いやねーあたしたちがおかしいわけないじゃなーい」
「それにどんなに逃げても呼び寄せ使っちゃえばいいんだけどね。そらっ」
「キャッ」
幼女がいる。
触手がある。
答えは一つだろう。
「やだ!怖い!」
「大丈夫だって、モンスター同士の軽いふれあいだからさ」
「行け!アイヴィードラゴンの末裔よ!世の中の需要を満たす時だ!」
ハナの号令と共にツタがコータにまとわりつく。
本体はそうでもないが、せっかくなのでローションでぬるぬるにしておいた。
乾いてる触手なぞ触手ではない!
「ふえぇ……ぬるぬるするよぉ」
「分かってるな?ハナ。流石にやりすぎるなよ?口とか危ないところとかに色々と突っ込むのはナシだからな?」
「そうだけど、うっかり操作間違えちゃう時ってあるよね?」
「あーそれなら仕方ないな」
「仕方なくないよっ!絶対ダメだかんね!」
お?前フリか?
いや、本当にやりはしないけど。
「ハナ、ちょっとツタを握ってみてくれないか?」
「うん」
「どう?どんな感じ?」
「えーっとね。思ったより太くて立派。たくましい感じがする」
「ブハッ」
おい、そこの幼馴染。鼻血出てるぞ鼻血。
いやぁ幼女と触手。絵面として凄いいいなぁ。
ちなみにツタにはちゃんとちょっとぐらい服破いてもいいよの指示を出している。
モンスター同士の交流は微笑ましいなぁ。ぐへへ。
「あ!そうだ!」
「どうした!」
「どうせコータよりレベルが低いなら《幻惑》が効くはず……効かない!?なんで!?」
残念だったな!へきへきの《催眠術》で頭の中をハナへの忠誠でいっぱいにしてあるから《幻惑》は効かない!
これがアイヴィードラゴンに効けば楽だったんだけどなぁ。
ツタはコータの両手を縛りあげている。
ええぞ!それでこそ触手や!
分かってる!分かってるで!
コータも恥ずかしそうな顔をしてる!ええぞ!ええぞ!
「あ!これならどうだ!」
「……何ぃ!?」
コータは思い出したように変身を使い、コウモリ姿となって触手の拘束を解いた。
くそっこの手段があったか。
コウモリの姿では仮に連れ戻したとしてもあまり絵的に美味しくない。
コウモリの触手プレイなんて誰が好むんだよ。
「ねぇ、この番外編どうするのよ」
「仕方ない、お前が触手の餌食になれ」
「え!?あたし!?」
ツタがハナの事をじっと見ている。
襲いたいのだろうか。恐らく触手魂に何か訴えかけるものがあるのだろう。
ツタはじっとハナの上から下までチェックする。
そして目線らしきものををハナの胸元で留める。
そこに目があるのか。
少し考えた後、ツタはそっと首らしきものを横に振った。
「なっ」
「あー、無乳はダメと」
「許さない、絶対に許さないこのツタ野郎!」
どこからか巨大なハサミを持ってきたハナ。
ツタよ、俺はこればっかりはフォローできないぞ。
俺はそっとその場を後にし、コータの機嫌を直す方法を考え始めた。
後ろからツタの悲鳴のようなものが聞こえた気がする。
恒例の番外編でした。
この回をもって、第六章が終了となります。
やや短めの章となりましたが、書きたい事が書けたと思うので個人的には満足な章でした。
よろしければ評価、感想等をいただければ、それが糧となり次の番外編へとつながると思います。




