秘密
農夫のおじさんは、約束通り袋詰めのお米を用意してくれた。
俺が10キロ、コータが5キロ、へきへきが15キロを背負って運ぶ。
へきへき凄い!流石コータを背負って走り回ってただけはあるな!
ちなみに傷はすっかり治っている。
念の為に包帯は巻いているが、大丈夫だろう。
女将さんの仲介で、ナフィまで馬車で移動する商人と同行することになった。
トンネルでは何故か知らないけど行方不明者がたびたび出ている。
そこで護衛が欲しいとの事。
安心しろよ、俺がいるだけでその謎の現象はピタっと止まるはずだ。
帰りは保障しないけどな。
そんなこんなで、俺たちは無事ダンジョンまで戻った。
合計30キロのお米。なるべく慎重に消費するが、3人もいるのですぐに消費してしまいそうだ。
傷の様子を見たが、まだ跡として残っている。
完全に消えるまで2日はかかりそうだなぁ。
こうして、俺たちは食糧の質の安定性を確保した。
困ったときはカレーの選択肢になってしまうし、やはり十分とは言えないが確実な前進と言えよう。
そういえばここしばらく、他のダンジョンマスターとかなり関わった気がする。
良い意味でも悪い意味でも。
これよりしばらく、俺達はまた自分のダンジョン作りに励む事になる。
「あ、ところでへきへき!何か変わった事無かった?浮気とか派手な怪我とか」
ダンジョンに戻ってすぐ、ハナによるチェックが行われた。
しかしへきへきはチラッとこちらを見ると首を横に振った。
俺とへきへきは強い絆で結ばれているからな。
主に高級ビーフジャーキー3本分で。
「ふーん。ねぇ、コータ。何か変わった事なかったー?」
「な、ないよ!ねぇマスター!」
「無いって言ってるだろ、疑り深いなぁ」
「……何か怪しいのよねぇ」
へきへきがダメだからって俺のお供に手を出したってダメに決まっているだろう?
「……冷凍バナナ!」
「だめっ!」
ダメッじゃねえ。
なにかあるって言ってるようなもんじゃねぇか。
「……魚のつみれ一週間分もセットで!」
「ダメッ秘密だもん!」
コータの目が泳いでる。
コータつみれ好きだったのか。
コウモリ時代からよく食ってるからな。
おもむろにコータの肩に手を回すハナ。
そして口をコータの耳元に近づける。
「すっごいかっこいい魔法使わせてあげようか」
「……新しいダンジョンに潜った際に、何か黒い機械でマスターが攻撃されて二日間寝込んでました」
こ、コォーータァーー!




