遺志
俺の指示を受けたしっぽツタは命令を受け、ドラゴンと緑の騎士の中間ぐらいに登場した。
ちょうど緑の騎士の後ろを取る形だ。
そしてそのまま緑の騎士を一掃するしっぽツタ!
強いぞ!かっこいいぞ!
ゴーレムがちょっと巻き込まれてやられてるのはご愛嬌だ!
ドラゴンは俺たちに左半身を向けている形だ。
流石に緑の騎士は無理と判断したのだろうか。
とうとう、しっぽとウロコ以外のモンスターを召喚し始めた。
まず分離したのは左の前足と後ろ足。
そして次に、背中につつましく生えている翼を分離した。
2本の足は地面にポトリと落ちると、4本足の獣へと姿を変えた。
まるで丸々太ったクマだな。
翼は互いにくっつき1つの塊になると、ガーゴイルの姿になってしっぽツタへ向かっていった。
恐らく、こいつらは賢く思考を設定されているのだろう。
しっぽツタがジャックされているという事実を認識し、しっぽツタへ攻撃している。
クマもどきの片方はしっぽツタに噛み付き、動きを止めようとする。
しかししっぽツタはそのクマもどきを投げ飛ばし、ドラゴンへとぶつける。
すごい、3体相手に互角以上に立ち回っている。
流石だ!強靭!無敵!最強!
『あのツタすごいわね』
「いやーすごいな。これならあいつらがこっちのツタに気を向けてる間に、ドラゴンの近くに行けるぞ」
『そうね』
「コータの遺志、無駄には出来ないからな」
通信機から、遠くで「まだコータ死んでないよ!」という声が聞こえる。
硬直から解放されたか。元気そうで良かった。
『で、これからなんだけど、ちょっと向かって欲しいところがあるの』
「向かって欲しいところ?」
『ドラゴンの弱点といえばって場所が一カ所あるのよ』
「ほう」
ハナからの指示を受けてメーシャを手招きする。
メーシャもツタ同士の戦いを見とれている場合じゃない。
早く行くぞ。
メーシャを引き連れてドラゴンの近くにこっそり近寄る。
ドラゴン自体から攻撃はない。気づかれてないのか、本体には攻撃能力が無いのか。
とにかくドラゴンの上半身の方へ向かう。
到着したのはドラゴンの首だ。
えーっと、これかな。
ドラゴンには『逆鱗』というものがあるらしい。
他のウロコとは逆の方向に生えているウロコで、これを触るとドラゴンが怒り狂う。
つまり『逆鱗に触れる』という事だそうだ。
まぁ遠慮なく攻撃するんですけどね。
朧月夜の奇弓を取り出し、逆鱗を撃とうとする。
しかし、その前に逆鱗がポロリと落ちた。
逆鱗は急速に姿を変える。
現れたのは、最初のツタ使いだった。




