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「雨って、ヤバいんじゃないの?」

「ん?何で?」

「だって、あんたたちのゴーレムって見るからに土じゃない」

「いや、案外そうでもない」


 硬いゴーレムかふにゃふにゃのゴーレムか選択できるのだ。

 水分少なめの硬いゴーレムがちょっと水を吸ったところで、ちょっと柔らかくなる程度だ。

 念の為ダンジョンの池の中でしばらく待機を命じた事はあったが、30分経過してもピンピンしていたのであきらめた。


 ただ一つ気になる事は、盾だ。

 これはかなり強引にゴーレムの形を捻じ曲げてつくっている。

 もしかしたら雨による影響が多少出るかもしれない。


「それより、お前の《ファイア》の方が影響あるんじゃねぇか?」

「バカ言っちゃダメよばーか。こんな大きい火の玉よ?焼け石に水ってレベルじゃないわよ」


 そういいながら巨大な火の玉を緑の騎士にぶつけるハナ。

 火の玉自体は元気なんだが、騎士の方が水にぬれてちょっと威力が下がったように見える。

 まぁ、緑の騎士はそんなに頑丈じゃないから、それでも十分一撃なんだけどな。

 そんな様子を見ていたコータが近づいてくる。


「コータはちょっと雨苦手!」

「そうなの?超音波使えないとか?」

「んーん、コウモリは基本的に雨の中飛ばないの」

「なんで?」

「雨の日に餌があんまいないからなんだって」


 そういえばコータは雨の中で飛んだ事が無さそうだな。

 基本的にダンジョン内で育ったからな。室内犬ならぬダンジョン内コウモリだ。

 つまり吸血鬼形態の方がいいのかな。まぁどうせ《天地逆転》は使えないんだが。


 同様に、ター君ももしかしたら飛びにくいのかもしれないな。

 でも飛びにくいけど一応飛べるとかそんな感じなのかな。


 ふと一番の問題を見つけてしまう。

 メーシャのおでこの「おでこ」と書いた文字が、汗でにじんでいる!

 というかもしかして白いワンピースって雨で濡れたら下着まで透けるんじゃ?

 すでに結構汗かいてるから、ワンピースの上からでもブラ紐の形分かるし!

 白のワンピース万歳!もっと雨降ってしまえ!


「なぁあんちゃん、アホな事考えてるとこ悪いんやけど、それどころやなさそうやで」

「どうした!誰の下着が透けてるんだ!」

「何いうとるんやアホ。あのドラゴン見てみぃ、何やらイキイキとしてへんか?」

「……これは」


 ドラゴンを形成しているツタが活発化しているのか?

 その様子を見ていたハナが仮説を提唱した。


「もしかしてさ、ここ大量にツタが生えていたわけじゃない?」

「あぁ」

「ってことは、地面の水を吸い尽くしてたわけさ」

「まぁ、地面カラカラだった訳だしな」

「ってことはさ、ツタは思うように水分を確保できずに困ってたんじゃない?」

「なるほど」


 ……あれ?面倒じゃね?

 緊急会議だ。


「なぁ、もしかしてこれ長期化させず一気に決めないとマズいんじゃないか?」

「そうはゆーても、簡単に倒されてくれる相手とちゃうで?」

「あたしはとにかくあのしっぽのツタをどうにかした方がいいんじゃない?」

「それに関しては……」

「でもその方法だと……」

「せや、ならあんちゃんたちは……」


 手早くドラゴンを倒す方法の案を出し合う。

 会議は2分で終わった。

 じゃないと耐えてくれてるコータとメーシャが大変だからね。


「マスター!そろそろ突破されそう!」

「突破されてもいいさ、どうせ今から右のツタを攻略する」

「ツタ?あの大きいの?」

「おう!俺たちの力を見せてやろうぜ!」

「うん!」


 ふと見るとメーシャへの作戦の説明も済んだようだ。

 すごい一体感を感じる。今までにない何か熱い一体感を。

 俺は弓を念じて消し、代わりにいつもの《強棍棒》2本を取り出した。

 やっぱり俺はこっちじゃないと。


「よしゃー行くぞー!」

「いえー!」

「ひゃっはー!」


 俺はまだ湿りはじめたばかりの地面を蹴る。

 崩れかけてる味方のゴーレムごと、俺は《衝撃波》でツタの雑魚を吹き飛ばした。

 ツタだかなんだか知らんが、調味料の為に死んでもらわないといけない。

 調味料の容器を洗って待ってろよ!


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