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新スキル

 その後の処理は大分あっさりしたものだった。

 俺が百を超えるモンスターカードを抑えた為、ゴブリンたちの抵抗が止まったのだ。

 このカードを持っていると持ち主やその仲間には攻撃できないらしい

 そしてカードの持ち主である俺の許可なしに一度作ったパーティーは解散すらできないらしい。

 つまり、実質的な完全勝利と言ってもいい。


 金カードに関しては正直言ってよく分からない。

 装備しても何も効果がない。

 一旦保留にしよう。マーシュの本屋に何か資料があるかもしれない。


 お金に関しては、物凄い額が溜まっていた。

 ダンジョンに入る前に持っていた額と合わせると、8600弱アモルである。

 ハナもそれとは別に資金を得ているはずなので、かなり大金持ちになった。

 しかし使い道があるから、無駄使いができないのが残念だ。


 ダンジョンからマーシュへは戻らず、自分たちのダンジョンへ直接帰る事にする。

 周囲の安全確保の為、大きく進化したコータに《警戒》をさせる。


「うわっ何だ!? 」

「多いな、こりゃこりゃ」


 コータの探索に出るコウモリの数が、四匹から八匹になっていた。

 試しに《撹乱》させても八匹。さらにただ数が増えただけではない。

 警戒すると、前方に二匹が突出。後方にもしんがりとして二匹。

 残りの四匹が今まで通りの距離でフォーメーションを組んで敵を探す形になる。


 とりあえずステータスを見てみる。まずは自分のだ。

 新しいスキルは《腕力上昇》と《グレードスタンプ》だった。

 ぐれーどすたんぷぅ?スタンプだってお……ハンコかよ。

 いいや、《衝撃波》のままの方がかっちょいい。

 英語にするとショックウェーブですってよ?こっちの方がいいじゃない。


 そして問題のコータだ。ステータスが格段に上がっている。


 《戦闘レベル》 10


 《攻撃力》 17

 《敏捷力》 18

 《器用さ》 13

 《知性力》 17


 敏捷力と器用さが伸び悩んでいるが、《攻撃力》が一気に9上がった。

 いわば、コウモリから大コウモリという新種族に進化したと言ったほうがいいかもしれない。

 そして新スキルが二つ体得した。


 《毒攻撃》


 ついにコータ本人が攻撃するスキルを体得!

 多分牙で噛み付くんだろうなぁ。

 コウモリって毒があるのかよく分からないけど、ゲームではよく毒牙とかやってくるしまぁ気にしないでおこう。

 攻撃力が高くなったので、毒以外のダメージも期待できるかもしれない。

 今度野生動物相手に試し打ちしてみよう。


 《天地逆転》


 何だそりゃ。凄い仰々しい名前がついている。

 ちょっとだけハナの翻訳した時の着色がある気がする。まぁいいか。

 うーん名前だけじゃ判断つかない。誰かで試してみたいけど……。


 ん?ダンが凄い主張してる。

 お前、食らってみたいの? 何かうなづいてるし食らってみたいのか。

 よーしコータ。やってしまえ! 必殺、天地逆転!


 ダンが急に倒れた。

 何だ? 何が起きた?

 しかも起き上がったと思ったらすごい興奮している。やだすごい気になる。

 よっしゃ、コータ! 俺にもかけてくれ!

 必殺! 天地逆転!




 気が付いたら体が地についていた。

 体が自分の意思とは関係なく、右にどんどん傾くのだ。

 よく分からん、よく分からんけどすげえ!


 ちょっと食らった後に気持ち悪い感覚が残る。

 理由を考えた結果、これはコータによる超音波攻撃の一種だと思い至った。

 恐らく、三半規管を一瞬だけかき乱すのだろう。

 天地逆転。想像以上に凄いスキルだった。

 ところでハナ、食らってみるつもりはない? あ、無いのね。はい。



 ■ ■ ■ ■ ■




 ダンジョンから帰った俺は、とりあえず横になって泥のように眠った。

 ベッドは現在ハナと同じく回復量が増強させるものをちゃんと購入している。


 目が覚めるとまず食事にすることにしたが、コータが何を食べるのか分からない。

 とりあえず生肉を差し出してみると喜んで食べてる。

 ちなみに小さいころからつみれを食べていたせいで、魚もよく食べるらしい。


 その後、イアンの遺品をお墓に産めに行く予定だったが生憎の悪天候で断念。

 そういえばここに来て初めての雨かもしれない。

 外出予定の無い日でよかった。

 今度傘かカッパを用意しないと。


 どうせ雨なのでいまのうちに消化したい作業をこなすことにする。

 まず、コボルド達の居住スペースを変更する。

 近いうちにダンジョンは完成を迎えるので、安全地帯内に密かに作った居住スペースに移行してもらう。

 広さはこっちの方がいいし、安全地帯の外に出なくてもスライムが湧く装置も作った。

 コボルド達の家も一家族一部屋から二部屋へと増築。さらに二家族多く住めるようにした。


 ちなみに旧施設のものを一旦資金に変える為、案外お金はかかっていない。

 ダンジョンマスタールームで買ったものは消耗品を除き、ほぼ買ったときと同じ額で売ることが出来る。

 強いて言えば新居住スペースの保健室ベッドが一個多くなったぐらいだろうか。

 あとトイレも増設したな。そういえば。


 例のダンジョンへ潜った際にハナもレベルが上がったお陰で、今日にもダンジョンが完成しそうな勢いだ。

 とはいえ色々と微調整などがあるので、実際には明後日俺のダンジョンの解放をする予定だ。

 ちなみに、光る壁の処理を大幅に変更した。

 戦闘力が突出した俺とコータ、経験値を吸わせたいへきへきの一人と二匹のみで処理をすることに。

 苦戦するかと思いきや、全然そんなことなかった。

 例えばオークが出てくるとする。パワーアップした撹乱と天地逆転でほぼ無力化できるのだ。

 大サソリ等の足が二本じゃない相手に天地逆転を放つと、一瞬動きが止まるだけで倒れはしなかった。ある意味当たり前だが。


 暇な時間が出来たので、コボルド達の居住スペースを訪れる。

 ダンとヴァンを呼び出し、ハリセンを渡して模擬試合を行った。

 MPは使いたくないのでスキルは禁止の方向だ。


 あとは寝る前に雨を見て、明日は晴れますようにとてるてる坊主を作ったぐらいか。

 前日があまりに濃い一日だったので、たまにはこういう日があってもいいだろう。

 何?何も刺激が無さすぎるって?

 仕方ないなぁ、ハナでも脱がせるか……いや、冗談なんでその包丁降ろしてください。



 ■ ■ ■ ■ ■



 翌日はあれほど降っていた雨が何だったのかと思う程の快晴だった。

 ちなみに、コータは置いていくことにした。

 ここまでで大体この周辺には強敵がいないことがわかったし、俺とハナが十分に強くなったという点。

 それとコータ自信があまりに大きくなりすぎた為、偶然そこを飛んでたコウモリでは言い訳が付かなくなったというのもある。

 ごめんよ、後で大きめの魚買ってきてやるから。


 マーシュへ到着すると、まず武器屋に向かい予約しておいた《ハンマー》を三つ購入する。

 これは《強棍棒》を二つ確保する為だ。一つは予備なので余ったら何かに使う。

 どうやら消耗品のようなので数としては少し不安だが、まぁ仕方ない。

 一つ300アモルを三つなので900アモル。ハナが支払う。


 ラッドと会う約束の時間までまだ時間があるので、本屋によってサロメに会う。

 世間話ついでに本を一冊購入。植物に関するものだ。

 現在俺達は《イスピ草》を始め、大量の土から取れる謎に満ちた草を抱えている。

 フマウンにも売っていたものだが、正直用途が不明で困っていた。

 ちなみにフランス語の書物なのでハナにお任せだ。

 そもそも日本語で書かれたものなんてないので全部ハナにお任せなのだが。




 コータとへきへきへのお土産、あんま美味しくないパンの昼食を済ませ、ラッドたちと合流した。

 まずはカードの分配。と言っても俺達はゴブリンのドロップするカードで欲しいものはあまりない。

 ハイゴブリンのドロップカードが《強斧》だったので、それだけもらっておいた。ダンにでも渡そう。

 残ったものは一度ギルドで売却し、売った資金にクエスト成功報酬を足して分配する。

 その結果、《強斧》を取った俺が1700アモル。ハナは2600アモルだった。

 良い稼ぎのように思えるが、結構魔法を乱発した為美味しい額かは結構微妙だ。

 ただしこれは敵を倒した時に得られる資金は含まれていない。

 自己申告になるため、そこまで分配してしまうと後々問題になる。

 後腐れないように、敵からのドロップ資金は取った人のものだと最初に決めてあった。



「あ、そうだ。ラッドさん。ここだけの話なんですが、面白い場所があるんですよ」

「面白い場所?」


 資金の分配が終了したところで、俺はラッドに話を持ちかけた。

 その時、一瞬ハナが悲しそうな顔を浮かべた。 

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