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凡ミス

 ハナとのハリセン修行の際に見つけたものの一つにこういうものがあった。

 《ハードヒット》で三連撃を行った後、何も行動はできないのか。

 いろいろ試している内に一つ、可能な行動を見付けた。

 ちなみに《クイックヒット》でも、《二刀流》が無い状態でも可能だった。


 朦朧とする意識の中、俺はオークに右の棍棒を投げた(・・・)

 そして続いて左の棍棒も。

 仮に相手を仕留め切れなかった場合、唯一投擲だけはすることが出来る。

 そもそもハリセンでの殴り合いで仕留めるとかは無いんだが。

 俺はこれを「スキルの投擲派生」と呼ぶことにしている。


 正直命中したのかは分からない。

 視界がぼやけて緑の塊ぐらいにしか認識できないからだ。

 しかし、僅かな時間の後その緑の塊は光となって散った。

 俺はそれを見て、安心して意識を手放した。




 目が覚めたら、ハナのベッドの上だった。

 ハナの反応が「お、起きた。」だったので、さほど長い時間気絶していなかったのだろうか。

 しかし体を起こそうにも頭と足が物凄い痛いので、安静にしていることにした。

 何故かハナの様子がちょっとおかしいのが気になる。


 《ステータス》を見る。

 お、俺の《戦闘レベル》が6になってる。

 そういえばハナの戦闘レベルを上げるのが目的だったな。

 えーっと……お、ちゃんと上がってる。……ん?



 《攻撃力》10

 《敏捷力》10

 《器用さ》24

 《知性力》36



 器用さが25で何か覚えるのだろうと予測できるので、これは単純にミスだろう。

 多分知性力を連打しちゃったんだろうな。うん。

 様子がおかしかったのはこのせいか。

 ちなみにコータのレベルも4まで上がっていた。


「お前、バカだろ」

「うっさい!」

「お前、アホだろ」

「もーうっさい!」

「お前、可愛いな」

「だからうっさ……えっ」


 その後ハナは一人で《採掘》作業に入った。

 《知性力》が大幅に上がったのでMPが一気に上がった。

 これにより、予定されていた三日後という日程を一日繰り上げる事となる。 



 ■ ■ ■ ■ ■




 このダンジョンは間もなく完成になる。

 そこでハナと計画したこのダンジョンの全貌や、様々な情報をノートにまとめておく事にした。

 いくら回復が早くても、絶対安静に変わりはない。


 まず大事なのは、ダンジョンをどこに配置するかということになる。

 その為にはまずこの世界について知っている事が基本だ。

 主な舞台となる場所はアミサガン大陸と言い、「東」「西」「南」「北」「中央」と大きく五つに分ける事ができる。


 この大陸最大の都市は東部にある。

 ファンタジー設定らしく大きな城があり、非常に強い警備体制が存在する。

 存在するか分からないが、勇者や英雄と言った存在がいるならここにいておかしくない。

 魔法が発達しているという設定も律儀に挟まれている。

 山の多いこの大陸で、唯一広い平野を有している。


 続いて南部。

 つい近年まで東部の国と戦争を繰り返していたようで、軍事力は非常に高い。

 強いて言えば海軍が強力なので、ダンジョンにはあまり関係ないかもしれない。

 東部が魔法主体に対し、こちらは剣が主体の古風な国だそうだ。


 西部には砂漠が広がっている。

 点々と存在するオアシスにいくつか町が存在する。

 そもそも人が少ないので軍事力という点では少ないかもしれない。

 しかしこういうパターンではその分強力なモンスターがいて、厄介な事になる予感しかしない。


 中央部は非常に高い山に囲まれた盆地になっている。

 遊牧民族が住んでいて、鉱物も豊富だ。

 しかしその地形の影響で、他の地域とは隔離されている。


 そして北部。

 東部と北部はこれまた大きな山脈で分断され、通行が困難。

 中央部も例のごとく山が阻み、大都市に行くには山脈越えか砂漠越えか海路しかない。

 しかし海流の関係で東部への道のりは非常に困難になり、人の手が入り辛い分モンスターが好き勝手やっているらしい。

 つまりここは非常に田舎になっている。

 ほのぼのとした漁村やちょっと大きな町がある程度だ。



 何度も打ち合わせを重ねた結果、俺らはこの北部にダンジョンを出現させることにした。

 理由は簡単だ。

 塩が欲しいんだよ! 食事のバリエーションが欲しいんだよ!

 漁村ということで美味しいものが確保できるかもしれない。

 まぁ全体的に見て一番安全そうというのもポイントか。


 北部地方には三つの集落が存在する。

 西の商業の町 トーノ

 中央にして北部最大の町 フマウン

 東の辺境にある小さな漁村 マーシュ

 フマウンとマーシュの中央、ややマーシュ寄りの森林の中に出現させることにする。

 まずはモンスターをなんとかしてダンジョンに引き込む事が目標になるだろうか。



 ■ ■ ■ ■ ■




 ダンジョンの形は現在L字型になっている

 Lで例えると右下がマスタールームとボス部屋、左上が出入り口の予定だ。

 左下は以前作った仕掛け部屋になっている。


 Lとは言うが実際は縦の長さが全長二キロ近い。

 仕掛け部屋は隠しドアをさらにカモフラージュさせてある。

 部屋に入ると巨大な扉で塞がれている。

 この扉はクイズを正解すると開くという仕組みになっている。


 しかし、このクイズまず解かれることはないと思っている。

 なぜなら問題が日本語(・・・)で書かれているからだ。



 例を挙げるとこういう問題だ。

 Hi no tama wo tobasu syohotekina mahou ha? 


 火の玉を飛ばす初歩的な魔法は?

 正解はファイアだが、日本語が解けなければダメだろう。

 問題:いい国つくろう? 解答:鎌倉幕府

 という問題はできなかった。

 このような問題を解かなければならない為、しばらくその先は安全地帯になるはずだ。

 だが俺たちがこんな問題を出せたように、ほかのプレイヤーも存在するのなら同じことが出来る。

 アラビア語とかで書かれていたらお手上げだ。


 ちなみにこのクイズ扉、かなり高かった。

 800アモルもしたので、現在二人ともほぼ無一文だ。

 序盤から採用するソロプレイヤーはほぼいないとみて間違いないだろう。


 安全地帯以外は基本的にただの通路にする

 たまに戯れに通路引いて行き止まり作ったり、謎空間つくったりしてただの直線ではないが。

 ここには強力なモンスターや罠も仕掛けない。

 なぜなら、あくまで自然発生した洞窟を装うからだ。


 ちなみにこれはハナのダンジョンとなる。

 俺のダンジョンはもうちょっと完成は後に遅らせる予定だ。



 ノートに書き終えると、モニターを眺める。

 ハナが一生懸命に《採掘》をしている。

 よくあんな長い通路を堀ったものだ。

 正直移動だけで一苦労である。


 コータは天井でさかさまになって休憩している。

 そうだ、後であのバスタオルを使ってベッドのようなものを作ってやろう。

 ちなみにコータはマスタールームではフンをしない。

 なんて偉い子なんだ。あとで専用トイレみたいなの作ってやりたいなぁ。


 モニターを見ると、ハナが採掘を終えて帰る準備をしている。

 何か嬉しそうに見える。

 お、手に金カードが握られている。ようやく待望の二枚目か。

 ちなみにこのとき発見された金カードはまたもや《卵》だった。

 この卵はハナが大事に育てることになった。

アミサガン大陸の詳しい解説については、活動報告に掲載しています。

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