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コータ

 マスタールームへ戻ると、ハナが無言でハリセンを作っていた。

 ハリセンの脇に謎の金属的な物質がある。何に使うんだよソレ。


「あ、あの……ただいま」

「やぁ馬鹿」


 うーん怒ってる。

 相手が弱かったからいいものの、見かけによらず強い敵でしたーとかだったら危なかったからな。

 今までの敵は強敵だったし。


「あのー」

「ん? どうした?」


 ハリセンが完成したらしい。

 ハナがビュンビュン素振りしながら聞いてくる。

 何か針っぽいのが仕込まれてるように見えるんだけど。



 とりあえず必殺の土下座を発動。

 昨日より高価な肉を夕食で出すという条件でなんとか許される。

 二人分80アモル近い高級なものだ。

 多分普通に焼くだけで美味いだろう。

 肉を買い、付け合わせも適当に買い足す。

 そういえば《ステータス》を見てなかったな。


 と思いステータスを開くと、《戦闘レベル》が5になっていた。

 アモルは30だけしか増えていない。やはり雑魚の部類だったのだろうか。

 まぁそれは良い。問題はそこではなかった。


「おぉう!?」

「どうした?」

「6ポイント振れるようになってる……」

「ほほう……」


 レベル4の時は確かに残りポイントを使い切ったはずだ。

 レベル5になって6ポイントになっているということは、レベルが五つ上がるとボーナスで5ポイント貰えるのだろうか。

 一気に《敏捷力》に振ってもいいかもしれないが、うーん。悩む。


 ハナの話によると、ハナの持っている《カートリッジ増設》等のスキルはポイントで得られるらしい。

 合成の確率を上げるのはハナだけで良いのが、装備出来るカードが増えるのはいいなぁ。

 ちなみに一律で5ポイント。取得は一応出来る。



 結局《カートリッジ増設》は得る事にした。

 二刀流はかなり強そうだが、カートリッジが三つ埋まってしまう。

 四つあるのは物凄い便利だろう。


 ハナの指示に従い操作をする。

 《ステータス》にスキルが一つ増えている。《カートリッジ増設》だろうか。

 残りのポイントが1ポイント残ったな。

 とりあえず半端な《敏捷力》に振っておくか。

 そんな軽い気持ちで《敏捷力》に振り、《ステータス》を閉じようとする。



「……あれ? 」

「どうした? 」

「スキルが、二つ増えてる」

「ほほう……」


 何かさっきもこんなやりとりしたような気がする。

 ひ……じゅ……ときゅ……ヒット。

 読めん。

 ハナに聞いたら《ハイジャンプ》と《クイックヒット》らしい。

 あれ、これってリザードマンが持ってたスキルじゃないか……? 



 ■ ■ ■ ■ ■



  スキルを試してみたい気持ちを抑えて肉を焼く。

 《ハイジャンプ》と《クイックヒット》。

 どちらも戦いで非常に有効なスキルなのは明白だろう。

 《クイックヒット》で《カウンター》や《二刀流》は適用されるのだろうか。

 非常にウズウズしてくる。


 《敏捷力》が25になった時にスキルを覚えた。

 俺の《器用さ》は20、ハナのは24だ。

 とすると、これが25になったら何か覚えるのだろうか。



 ちなみに肉はかなり美味かった。

 ハナが珍しく「美味しい」と呟くぐらいだから相当だろう。

 しかしちょっと高いよなぁ。毎日は食べれない。



 食後に《採掘》をこなした。

 理由はハナの《戦闘レベル》を5にする為だ。

 現状モンスターと戦うのは光る壁を探す必要がある。

 一つ空いたカートリッジには《卵》を装備してある。


 しかしこういう時に限って光る壁は出なかった。

 棍棒だの短剣だの杖…正確には《ワンド》が出たものの、正直要らない

 こういう要らなくなったものを宝箱にでも入れてダンジョンに配置して、冒険者を釣るのだろうか。

 金カードも一切出る気配がない。ハナがヘソクリにしてる可能性はあるが。



 一日に二度戦ったからか、この世界に慣れてきたからか、ベッドに入るとすぐに眠りに落ちた。

 ちなみにちゃんと歯は磨いている。

 夢の中で現実世界についてちょっと思い出した気がするが、目が覚めたら忘れた。



 パタパタパタ……。



 何か羽ばたく音がして目が覚める。

 設定を変えて光度を調整すると、マスタールームの中で何かが飛んでる。

 黒い生物だ。羽ばたくと言うと……。


「コウモリか……?」


 うん。コウモリだ。

 モンスターというか、普通のサイズのコウモリだ。

 装備を見てみると、卵がNo Nameになってる。

 卵から生まれたのだろうか。コウモリが?

 No Nameということは名前をつけろってことか?

 うーん。名前かー。そういうセンス無いからなあ。


「よし、お前はコウモリだからコータな。」


 コウモリだからコータ。

 何と我ながら安直なのだろうか。

 というかオスかメスかも分かってないのに。

 まぁいざとなれば後で変えればいいだろう。


 カードを見てみるとCoaterとなっていた。

 あんな感じで本人に言えば決定されるらしい。

 うーん何か違う気がするけど……。

 まぁ、いいか。



 ■ ■ ■ ■ ■




「おはよう」

「ん、おは……何ソレ」


 歯を磨き終えたハナがコータに気付く。

 コータは俺が移動すると付いてくるらしい。

 思ったより小さいモンスター(?)が仲間になったのでちょっと残念ではあったが、ついてくるのを見ると可愛い。

 ちなみに《コータ》のカードを装備していない時、コータは俺のマスタールームに滞在するらしい。

 パッと消えたりするんじゃなくて良かったのかどうなのか。


「紹介しよう、コウモリのコータだ」


 言葉が分かるのかどうなのか、紹介されたコータはハナのマスタールームをパタパタと飛びまわっている。

 気持ち嬉しそうに見える。


「どうしたの、その……コータは」

「あぁ、卵から還った。」

「卵から?」

「卵から。」


 言いたい事は分かる。

 何で哺乳類のコウモリが卵から生まれるのかは俺も気になった。

 でも可愛いからいいや。


「コータ、こっちこっち」


 と手招きをする。

 コータはパタパタと寄ってきて手招きをした手にとまる。

 やっべえ超可愛い。


 マスタールームで気付いた事が二点。

 まず俺の《ステータス》の項目が倍になった。


 《戦闘レベル》0


 《攻撃力》5

 《敏捷力》12

 《器用さ》8

 《知性力》10



 それとスキルが二つ程。

 これはコータのステータスなのだろう。

 攻撃力の低さを見ると、共に闘うのではなくサポート型なのだろうか。

 スキルをハナに翻訳してもらうと《撹乱》と《警戒》だった。

 撹乱辺りは戦闘で使えそうなスキルと期待したい。


 もう一つ、なんたらミールというものが販売されるようになった。

 恐らくコータ用の食事なのだろう。

 買ってみたら何かのペーストだった。

 ミミズ…だろうなぁ。

 ハナもコータを羨ましく思ってたみたいだが、これで諦めたと後で言っていた。


 しかし食事が一緒に取れるのはいいものだ。

 コータ用の皿を購入し、ペンで「コータ」と書いておいた。

 ハナとの二人の食事が若干華やかになった。

 ハナと違って凄い美味しそうに食べてるしな。

 生まれたばかりなのにミルクとかじゃないのは便利といえば便利か?


 新たなスキル《クイックヒット》《ハイジャンプ》、スキルを強化するカード《二刀流》。

 そして《卵》から生まれた《コータ》。《カウンター》の条件も判明した。

 リザードマンと戦った頃と比べると、かなりの進展があると見える。

 そろそろアイツと再戦してみたい。

 ある意味原点であるアイツと。 

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