第39話 ドラゴン孵化する。名前はタロウ
ダイエット中も、私は毎日――
ドラゴンの卵に、魔力を注いでいた。
残った魔力を、だけど。
……とはいえ、
ほとんど使っていなかったから、
結果的に私の魔力のほとんどを、毎日注いでいた気がする。
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今日ね。
卵が――
ピキッって、割れたの。
中から出てきたのは、
真っ黒な――おチビちゃん。
前の世界で飼っていた、
犬の名前を思い出した。
「あなたの名前は――
タロウ」
「キィィ! キュゥ〜!」
……かわいい。
思わず、ぎゅっと抱きしめた。
タロウは私から離れなくて、
どこに行くのも一緒だった。
⸻
国王に報告しなきゃ。
魔法通信を繋ぐ。
「ねぇ、ハイルちゃん!
ドラゴン、生まれたの!
名前はタロウにしたのよ!」
『おう! そうか!
それは良かったの。
今度、見せてくれるかの?』
『それとな――
丞相のことは、これからは
ベルちゃんと呼んでやってくれ』
『本人の希望じゃ』
「……そうなんですね。
わかりました!」
⸻
タロウは私の周りを、ふわふわ飛び回っている。
時々、
「キィィ!」
「キュゥ〜!」
……って鳴く。
……何を食べるのかしら?
⸻
お肉屋さんに行ってみた。
「ひぃぃっ! ドラゴン〜!!!」
「あ! 大丈夫です。
私のペットなんで」
「……そ、そうですか。
ところで今日は?」
「うん。この子の食べ物をと思って」
「それなら……
このお肉とかどうですか?
魔大牛のもも肉です」
「じゃあ、それをもらうわ」
結構な量だったけど――
タロウは、完食した。
お腹が、ぽんっと膨らんでいるのが可愛かった。
「……食べすぎたら、
ドラゴンの嗜みを
教えてあげるからね」
……どこかで聞いたような言葉。
⸻
「カイル〜!
ねぇ! ドラゴン生まれたよ〜!」
「うぉ!? マジか!
……すげぇな」
「あ、それと――
俺の方も、糸が出来たぜ!」
「本当!?
さすがカイル♡」
カイルは、
何かをやり切った目をしていた。




