第17話 私は料理で無双します 後編
さぁ――料理よ!
まずは魔牛猪の煮込みから。
筋の多い部位は、コトコト時間をかけて煮込む。
ネギと、手に入る野菜をいくつか入れて下処理だ。
さて、もも肉は……やっぱりステーキよね。
筋切りをして、余分な脂はカット。
下茹でするか少し悩んだけど――今回は四葉の香草がある。
とてつもなく、大量に。
香草を合わせ、ステーキ用にカットした肉を重ねて熟成。
「まだかなぁ……煮込みスープ」
入れた野菜は後で取り除く。
使うのはスープと肉だけ。
アクは丁寧にすくって――
「ぽいっ」
やっぱり骨も入れると、いい香りになる。
匂いでわかる。
……このスープにも香草を入れる?
いや、まだ早いか。
「あっ」
うっかりしてた。
「塩胡椒してない……」
もう一度、熟成用のステーキに塩胡椒。
岩塩と黒胡椒。
黒胡椒、高すぎなのよね。
1グラムが金1グラムと同じ値段とか、どういうこと?
日本なら25,000円くらいだったのに。
……ほんと、黒胡椒高すぎ。
「あ、スープいい感じ」
余分な野菜を取り除いて――
これで下拵えは完成。
「――あら、昼食の準備かい?」
女将さんが覗き込んできた。
「すごい香りだねぇ……
って、この四葉の香草!
どうしたの、エミリア!?
まさか、また森に行ったんじゃないでしょうね?」
このあと、こってり絞られました。
⸻
お昼
「……なんだこれ。めちゃくちゃうめぇ!」
「信じられねぇ……
俺、こんな肉、初めて食ったかもしれん」
「エールもう一杯だ!
この香り、たまらんわい!」
「この宿、最高だぜ!」
食堂は、一気に大盛況。
――私は、少し離れたところから、その光景を見ていた。
(あれ……?)
(私、料理しただけよね?)
でも、なぜか胸の奥が、ちょっとだけ誇らしかった。
ここだけの話ですが、年老いた両親に、予約投稿して、料理してました。貧乏なので、ブリのアラを使ってぶり大根です。鮮度良さそうなのが売ってたので。
後はほうれん草のおひたしと味噌汁です。
今後ともみなさんよろしくお願いします。




