第14話 レベルってどうやってあげるの?
翌朝。
私は早速、女将に質問した。
もちろん、朝食の後である。
「ねぇ、女将さん。レベルって、どうやって上げるの?」
「レベル?」
女将は少し考えてから言った。
「エミリアちゃん、まだレベル1だったわね。
別に市民は無理に上げる必要はないのよ。私だって基本レベルは4だもの」
「え、そうなんですか?」
「それより大事なのはね、固有スキルとか魔法のランクよ」
女将は指を立てる。
「多分エミリアちゃん、料理スキルとか家事スキルは、もう結構上がってると思うわよ」
「へぇ……」
「基本レベルはね、魔物を倒さないと上がらないの。だから難しいのよ」
魔物。
「この辺りだと、弱い魔物でもワイルドウルフくらいかしらね」
「それって、強いんですか?」
「ランクDよ」
……意外と高い。
「スライムみたいなFランクもいるにはいるけど、ずいぶん遠い場所だからねぇ」
「そうなんだ……」
女将は笑った。
「まぁエミリアちゃんは料理が上手なんだから、いっそ私の後を継いだら?」
「えっ」
それはちょっと考える。
⸻
ワイルドウルフ、ランクDかぁ。
じゃあ、私のゴーレムたちは、ランクいくつなんだろう?
気になって、私は部屋に戻った。
「ゴーレム、10体召喚!」
小さなゴーレムたちが、わらわらと現れる。
「ねぇ、あなたたちってランクはいくつなの?」
「ランク?」
「ランク?」
「私は55号です!」
「俺は56号だ!」
「俺っちは57号っす!」
「ちょっと待って!」
私は手を叩いた。
「いい?
AとかBとかCとかFのランクのこと!」
「アルファベットだ!」
「フランスベット?」
「エミリアのベット!」
「……もういいわ」
私は深く息を吐いた。
「土に帰れ!」
ゴーレムたちは、にこにこしながら消えていった。
……だめね。
多分、すごく弱いんだと思う。
44号とかなら、わかるのかもしれないけど。
まぁいいや。
それより――
(私って、強いのかな?)
武器とか、買った方がいいのかな。
……そうだ。
「カイルさんに聞いてみよう」
⸻
カイルさんの部屋の前。
「えっと……ここかな?」
私は軽くノックした。
「カイルさーん?いますかー?」
返事はない。
おかしいな。護衛なのに。
「開けますよー?いいですかー?」
……やっぱり返事はない。
私は、そっとドアを開けた。
――なぜか。
カイルさんは、服を着ておらず、ベッドで寝ていた。
「……」
寝顔、ちょっと可愛い。
……と思った瞬間、視線が下がった。
「……ちっさ」
私は、そっとドアを閉めた。
自室に戻り、心に誓う。
(見なかったことにしよう)
シリアス系が得意なんですけど、なぜか楽しい今日この頃です。




