第13話 なんで怒られるの?カイルさん嫌い!
私が森の入口まで戻った頃だった。
「エミリア様ー!」
後ろから、聞き覚えのある声がする。
「あ、カイルさんたち」
はぁはぁと息を切らしながら、三人が駆け寄ってきた。
――ああ。
さっきゴーレムが言ってた「怪しい人間」って、この人たちだったんだ。
「エミリア様、困ります……!」
カイルさんは真剣な顔だ。
「この森は危険なんですよ。魔物も出ますし」
「そうなんですか?」
私は首をかしげる。
「あ、でも見てください。
このキノコ、すごく美味しいんです。これと魔牛猪でスープ作りますから。楽しみにしててくださいね」
「……いえ、それは正直楽しみなんですが」
カイルさんは額を押さえた。
「だからこそ、もうこの森には来ないでください」
「わかりました」
私は素直に頷く。
「じゃあ次は西の森に行きます。四葉の香草が欲しいんです」
「…………はぁ」
深いため息が聞こえた。
⸻
「女将さーん、帰りましたー!」
宿に戻ると、私は戦利品のキノコを見せた。
「あら、これは珍しいねぇ」
女将は目を細める。
「滋養強壮にもいいし、疲労回復にもなるのよ。今日は豪華なスープにしましょう」
「はーい!」
その日の食事は、ちょっぴり豪華になった。
なお、男性客の何人かが妙に元気だったけど、
それがスープのせいだとは、私は知らない。
⸻
「はぁ……疲れた」
食後、私は自室に戻る。
「今日も岩盤浴しよっと」
「岩盤浴召喚!」
じんわりと熱が広がる。
「あぁ……幸せ……」
これはもう、やめられない。
(レベルって、どうやったら上がるのかしら……今度女将に聞いてみよう)
満足した私は、声をかけた。
「土に帰れ!」
……その時だった。
扉が開いた。
「――っ!?」
「す、すいませんでした!!」
入ってきたのは、カイルさんだった。
目が合った。
一瞬の沈黙。
「……見られた」
⸻
夕食後。(賄いはラストオーダーの後で)
女将に、しっかり叱られた。
「前にも言ったけどね、部屋で裸になるのはやめなさい!」
「でも、体を拭きたくて……」
「それでも全部脱ぐのはダメ!」
「……はい」
(なんで私が怒られるのよ!)
納得いかないまま、私は布団に潜り込んだ。




