第12話 森と私とカイルさん達
◆ ◆ ◆
【カイル視点】
(……なんだ、あれは)
小型のゴーレム。
全長はせいぜい三十センチ。
だが――
感じる魔力が、異常だった。
(……百体以上だと?)
「ガゼル。ゴーレムは無視しろ」
「は!」
「万が一、女神が森に入った場合、
お前は先行しろ。最優先で守れ」
「了解しました!」
◆ ◆ ◆
(どうかなぁ……)
四葉の香草。
本当に取れるのかな。
なんだか、ちょっとウキウキしている。
でも――
(遅いなぁ)
水の時とか、食べ物の時は、
ゴーレムたち、すぐ戻ってきたのに。
もう一時間くらい経っている。
「……ちょっと見に行こうかな」
歩いていると、足元に見覚えのあるものがあった。
「あ、これ……美味しいきのこじゃん」
迷いなく拾う。
「持って帰ろっと」
「みんなどこ〜?」
◆ ◆ ◆
【魔力通信】
「カイル様、聞こえますか。ベッセルです」
「ああ、聞こえている」
「ゴーレムが大量に出現しています。
全長は三十センチほどですが……
とてつもない魔力です」
「無視しろ。女神の召喚だ」
「カイル様!ガゼルです!
エミリア様の右前方に、
狼型魔物が複数体!」
「応援を要請します!」
「分かった。すぐ向かう!」
◆ ◆ ◆
【カイル視点】
「大丈夫か、ガゼル!」
「はぁ……はぁ……ええ、なんとか」
「魔物は?」
「……排除しました」
周囲に血の匂いはあるが、
エミリア様の姿は――
(……無事だな)
◆ ◆ ◆
「ねぇ〜、みんなどこ〜?」
私はきょろきょろと辺りを見回した。
おかしいなぁ。
その時だった。
「44号です!」
突然、足元から声がした。
「怪しげな人間を三名、発見しました」
「現在、55号、56号、57号が監視中です」
「……殺しますか?」
「だ、だめぇ!」
思わず叫んだ。
「殺しちゃだめ!」
(っていうか……)
「……言葉、喋れるの?」
「はい。私と43号は話せるようになりました」
「……そうなのね」
私は一つ、深呼吸した。
「ところで、四葉の香草はあった?」
「いえ。ここにはありません」
「おそらく、西の森にあります」
「……ここ、西じゃないの?」
「はい。東です」
「…………」
私は、静かに宣言した。
「――土に帰れ!」
ゴーレムたちは、何も言わずに地面へと戻っていった。
「……帰ろうかな」
私は、少しだけ肩を落とし、
森の出口へ向かって歩き出した。
(……方向音痴って、罪だよね)
ここまで、お読み頂きありがとうございます。
喜んでいただけてるといいのですが…
まだ続きますので、よろしくお願いします。
仕事始まると、不定期になるかもですけど。
ブクマでもしておいてくださいね。




