〜聖女意思疎通大作戦⑧〜
タイトルとあらすじを変えました。
どうぞこれからもよろしくお願いします。
「ダリキス!敵襲だ!すぐに戦に備えよ!」
銀色のモーニングに身を包んだ金髪のイケメンなのに屈強な肉体をもつおそらくウェールズ辺境伯らしい人が階段を転げ落ちそうになりながら上がってきた。
「父上、今の光でしたら出所はマヤ様なのでご心配無用です」
「…なっ、あの閃光を放ったのか…さすが異世界から来られた聖女様」
「の姉です。ダリキス、いい加減紹介してくれる?」
ダリキスは明らかに渋々と言った様子で紹介してくれた。
「こちら私の父で現ウェールズ辺境伯、ジェラード・ウェールズです」
「先程は敵襲などと失礼した。我が領地にようこそお越しくださいました。聖魔術師マヤ様。私のことはジェラードとお呼びください」
辺境伯は顔に似合わない豪快な笑顔で笑って騎士の礼をしてくれる。
「ウェールズ卿この度はお世話になります!」
私はカーテシーは諦め純日本人流の最敬礼90度のお辞儀をした。
「ジェラードと」
「えぇっと…」
「ジェラード」
意外と押しが強い。なかなか立ち上がってくれない。
「ジェラード様、お世話になります」
もう一度お辞儀をすると
「ふむ、我が領地をよろしく頼む」
と荘厳な顔で頷き、また豪快な笑顔を見せた。
あ、この笑顔はダリキスに似てるわ。
私達が屋上から降りて中庭に向かう途中の廊下、ドゴン!っとすごい音がして右側の部屋の扉が開いた。
「ジェー様、ずるい!私のいないところで先に挨拶しちゃうなんて!!!ダリちゃんもダリちゃんよ!なんですぐに紹介してくれないの?!」
金箔の散りばめられたシニヨンを乱しダリキスとジェラード様に詰め寄る銀髪の美女の怒った顔は大層眼福である。
動くとオーロラのように色が変わって見える不思議なベージュのAラインドレスに身を包み、一見すると妖精のような装いの美女がほっぺを膨らませ目に涙を溜めながらダリキスに詰問している。
「母上、髪が乱れています。化粧まで崩れますよ」
「そんなことより紹介なさい!!!」
「そんなことって…マヤ様、こちらの妖精みたいな見た目に反して怒らせるとある意味手強い女性がウェールズ辺境伯夫人であり、私の母であるアリス・ウェールズです」
「アリス様、聖魔術師のマヤと申します。この度はお世話になります!」
最敬礼直角90度のお辞儀をする。
「まぁアリス様ですって!なんて可愛いの。よろしくね、マヤちゃん」
頬に手を当ててうっとり微笑む美女は本当に妖精のようである。
「はい。よろしくお願いします」
なんとかご機嫌取りは成功したようだ。
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