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8.目にモノ見せる話

 ギルド交流戦。ギルド交流祭の午後に行われるギルド対ギルドの対戦。ギルドメンバーから先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の5名を選出してそれぞれタイマンで戦う。


私たちは貴族のギルド【アイアンズ】と戦うことになった。あ、これから私たちがボコボコにして退場させるから別に覚えなくて良い。


【アイアンズ】

先鋒

『氏名:ニッチ 身体能力:Dランク 知性:Cランク 総合:Cランク』


次鋒

『氏名:アッチ 身体能力:Cランク 知性:Cランク 総合:Cランク』


中堅

『氏名:ドル・ドル 身体能力:Bランク 知性:Dランク 総合:Cランク』


副将

『氏名:ギル・ナイフ 身体能力:Bランク 知性:Bランク 総合:Bランク』


大将

『氏名:クライ・ジョン 身体能力:Aランク 知性:Aランク 総合:Aランク』


最低でもCランク。確かに強いけど私たちの相手じゃないね。


【焼肉】

先鋒

『氏名:ロン 身体能力:Dランク 知性:Dランク 総合:Dランク』


次鋒

『氏名:ロック・リー エディター判定:○ エディット詳細:結界展開 Bランク 身体能力:Bランク  知性:Bランク 総合:Bランク』


中堅

『氏名:エミリー・チラックス エディター判定:○ エディット詳細:無効化 Aランク 身体能力:Dランク 知性:Aランク 総合:Aランク』


副将

『氏名:カーマイン・フレシャ エディター判定:○ エディット詳細:火炎魔法 Aランク 身体能力:Bランク 知性:Dランク 総合:Aランク』


大将

『氏名:エニー・マンデー エディター判定:○ エディット詳細:確率操作 Sランク 身体能力:Cランク 知性:Cランク 総合:Sランク』


ロン君は最近雇った新米だからあんまり強くないけど、経験値を積んで貰えばそれで良い。


前は身体能力に難ありだったけどトレーニングを積んでみんな良い感じになってきたし、勝てるっしょ。


「よう、女」


「何?」


「どうだ、俺たちのギルメンは?」


「別に」


「逃げ出すなら今のうちだぞ」


「クライ、私に負けたら土下座しなさい」


「土下座ってモノがよくわからないが、まあ負けないから良いだろう」


「言ったからね......」


絶対土下座させる、この男に!


--------


先鋒戦は相手の勝ちだった。まあこれは仕方がない。次は次鋒戦。頑張ってロック君!


「よろしく」


「女みてーな男だな、ハハッ」


「よく言われるよ......でも!」


ロック君が剣を抜いた、やっちゃえ!


「君の最期にはボクが男だと認めて貰えるようになる!」


「くっ!?」


ロック君は基本剣で戦う。私も武器が剣だから役割分担で支援に回ってもらうことも多いけど、身体Bランクだしその辺のチンピラよりはずっと強い。


「はあっ!!」


的確に相手を攻撃する。私とか雑に剣を振るってるから、勉強になる。


「調子に乗りやがって!!」


「シールド!」


相手の振るった剣が、ロック君のシールドに阻まれる。


「ならば、エンチャント......極太剣!」


相手の......アッチって奴だけ? 名前。アッチが持ってるのは太さが1.5倍になるエンチャント付きの剣だ。重くはなるけど威力が上がるしシンプルに使いやすい効果だと思う。ち●ん●んみたいだけど。


「シールド!」


「おりゃ!!」


アッチの野太い剣によってシールドはガラスのごとく粉砕された。


「......」


「トドメだっ!!」


「辻斬り!」


「何!?」


ロック君は姿勢を低くし、相手の攻撃をかわす。そしてそのまま前進して腹部を切り裂く......という訳にはいかないので2ミリ程度切った。


「うおおおおいっっってええええええ!!!!」


「そこまで!!」


審判が判定を下す。ロック君の勝ちだ。


「勝ったよエニー!」


おおおヲイヲイ、ロック君私を呼び捨て!?


「あああ、ありがと......」


「どうだった? ボクってみんなより強くないし足を引っ張らないか心配だったけど......」


そそ、そんなことないって!!


「つ、強かったよ。むしろ剣術は私よりすごい!!」


「ありがとう」


か、可愛い......。


「にへ〜」


エミリーがなんかこっち見てニヤついてる。おい、エミリーの仕業かいな。何を吹き込んだんだ?


「あ、次アタシじゃーん☆」


「早く行ってこい」


「応援よろ〜」


--------


中堅戦。エミリーは銃を持たせてある。自動追尾もあるから安心だ。


「変な女だな、死ねぇ!!」


「ちょ、殺すのはルール違反なんですけど!」


相手、貴族のクセに教養が無い。あともうちょっとジェンダーに配慮しなよと思う。


「炎の剣!」


「無効化!」


相手は炎のエンチャントが付与された剣を振るったが、エミリーがすかさず無効化する。


「くっ!?」


「銃ゲキ!!」


エミリーはバンっと発砲する。


「当たるかよ!」


相手は回避するが......。


「自動追尾があるもんね!」


そう、一回回避しても自動追尾で一回だけUターンしてくれる。


「それは一回だけだろ!」


しかし、相手はそれを更に回避する。


「またかわした!?」


「髪の毛を切り裂いてやる!!」


「門よ開け......」


「うおおおおおおっ!」


「脈よ静まれ、ダウンライズ!!」


「ぐっ......」


相手に直接ダウンライズをかけた!?

なんか昏睡してるみたいだし魔法が対象じゃなくても聞くのか。


「脚ぐらい、撃っても死なないよね」


バンッ!!


「うああああああああああああっ!!!!」


えぐ、脚......と言ってもかすった程度だけど結構血が出てるし痛そうだ。


「そこまで!」


「弱かったぁ」


エミリーこえぇ。やっぱ怒ってたのか。


「お疲れエミリー」


「おつ〜」


「次は私か?」


「そうだね」


「ここまで1勝2敗、情けない」


「エニー、あれ誰だっけ?」


「さあ」


「我はギル・ナイフ。貴族の誇りにかけて戦う」


ギル、オールBの優等生。普通に強そうだけど、カーマインなら相手じゃない......はず。


「私はカーマイン・フレシャ、元貴族よ」


「ほう......」


ギルが不気味な笑みを浮かべる。


「なんか知り合いだったりする?」


「私は貴族のことほとんど知らないわ。幼い頃の記憶がわずかにある程度よ」


ふーむ。カーマインはほとんど知らないのか。でも相手は......何かを知っている様子。


「貴様とは良い勝負になりそうだな」


「さあね」


「そろそろ試合を始めます、持ち場についてください!」


審判のアナウンスで、ふたりはステージに上がる。


--------


「はじめ!!」


「炎の雨!!!」


「ぐっ!?」


カーマインはいきなり広範囲に攻撃を仕掛ける。無詠唱で広範囲なため威力は相当低いはずだが、まあ普通はびびって避けるよね。


「門よ開け!」


「詠唱はさせぬ!」


相手が体勢を立て直し、ナイフで斬りかかろうとする。


「おりゃ!」


「我星々の中央にある原子の熱よ......」


うおっ!? この熱波はやばい。観客席とステージはある程度離れてるのに......。


「ぐ、これでは近づけん!」


熱波で相手も近づけないようだ。


「瞳の先に映る悪を貫け! フレアアローっ!!」


詠唱を終えた瞬間、強烈な熱線が相手を横切った。熱により相手の服が発火した。


「ぐああっ!!! 暑過ぎるっ!!!」


「そこまで!」


「話は後で聞かせてもらうわよ」


強い。文句ないね。エミリーと戦わせてみたい。


「残るは俺だけか」


クライが私の前にやってきた。


「どうですか、ウチのギルメン?」


「興味ないな」


「はぁ?」


「Sランク様の実力がみたい。早くステージに来い」


この貴族(クライ)......ボコボコにするしかないっぽい。


--------


「始め!!!」


「門よ開け!」


「加速っ!!」


な!? いきなり信じられない速度で突っ込んで来ただと!?


「アイスソード!!」


靴と剣どっちもエンチャント付きか、流石貴族様ってところね......。


「回避!」


「冷波動!」


剣からマイナス45度の吹雪がこちらに襲い掛かる。


「ぐっ!!」


冷てぇ。この吹雪に当たるとまずい。でも......。


「まだまだぁ!!」


更にクライは剣から吹雪を出す。


「門よ開け......」


「どうしたぁ? 早く避けないと凍死しちまうぞ?」


「幾多の星々の誕生のごとく、那由多の分岐の先の巡り合わせにある......」


きついけど......やるしかない......見せてやる......。


「オラオラっ!!」


「奇跡を結び、門の先から終焉の火球の一部を降臨せよ!!」


空から不気味な轟音が鳴る。迫り来るように。


「なんだこの音は?」


「ロック君、シールドを頼む!」


「わかった!」


「おい、なんか空から降ってくるぞ! 何をしたお前!!!」


「気づいた? 死にたくなかったら伏せて」


「......」


「どうしたの?」


「クソッ! 隕石ってのは偶然じゃなかったのかよ!!」


クライが伏せたその瞬間、小型の隕石が落下し衝撃波を起こした。凄まじいエネルギーによって、ロック君が張っている結界より前は全て吹き飛ばされた。

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