表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/21

三番目の母親

 名古屋の新しい家に着いた。そこで待っていたのは

3人目になる新しい母親と連れ子の3歳になる女の子だった。

孝之は、名古屋の家に着いても泣き出すこともなく

淡々と挨拶をした。

新しい家は、比較的新しい6階建てのビルの

3階部分にあった。

三番目の母親は、背の高いすらっとした綺麗な人だった。


 孝之はなぜこの人が父親と一緒にいるのか

不思議でたまらなかった、

孝之には父親の良いところが何一つ無いと

思っていたからである。

名古屋に着いてすぐに新しい小学校へ行けるものと

思っていたのだが前の小学校からの

転校、転入等の手続きを何もしてこなかったので、

小学校への転校手続きが終わったのが

名古屋へきて2週間後だった。

その事でも、何も考えていない父親の行動が分かる。


 新しい小学校は歩いてすぐの場所にあった

転校というものは緊張するし、心細いものである。

その頃の孝之は前の家での食生活が良かったのか、

同年代の子供たちと比べても体は大きく、身長も高く

並びはいつも一番後だ。

その体の大きさが少しは影響したのだろうか

新しいクラスにはわりとすんなり受け入れられた。

名古屋はプロ野球中日ドラゴンズの本拠地という事もあり

皆、ドラゴンズの帽子を被っていた、

野球にはあまり興味がなかった孝之だったが、

皆が野球の話で盛り上がる中、にわか中日ファンになり

話の輪の中へはいり、話を合わせるようになった。

日本シリーズで中日とロッテが日本一をかけて戦った時、

もちろん孝之も中日を応援していた。

しかし、惜しくも負けてしまう。

孝之は「もうロッテのお菓子はかわない!」と変な決心をすることになる。


 名古屋へきて数ヶ月が経った頃、雲行きが怪しくなってきた

3番目の母親と父親がよく口論するようになったからだ

内容はよく覚えていないがお金の事だったと思う。


 3番目の母親は働いていなかったが、

ある時から夜働きへ出るようになった。

父親は、夜居る時もあったけど

居ないときのほうが圧倒的に多かった。

3歳の義理の妹の世話をしながら

夜は2人で留守番という日が続いた

父親が居るときに、酔っ払って帰ってきた

3番目の母親に対して

父親が文句を言う時があり

それが原因で、口論から喧嘩になるときもあった。

又、家賃の支払いも滞っていた。

大家さんから家賃の催促もあり

その事でもよく喧嘩をしていた。

とにかく喧嘩をしない日が無いくらいよく喧嘩をしていた。

当時も孝之は、父親がどこで

働いているのかは知らなかった。

ようやく新しい学校も慣れたそんなある日

いきなり高知へ行くと父親に告げられた。


名古屋へきて半年後の事だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ