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この世界の秘密

今日は初の外出日。の前にちょっとした座学があった。ずっと気になっていた魔物のような生物の話だ。

「これらはタイル…と呼ばれています…で、大型のものが総称してタイルド…名前から分かる通り、疲れが具現化されて…魔物化したものです…」

前の世界の俺ならばとっくの昔に発現していたそうだ。

「発現者はどうなるんだ?」

「意識はタイルド…本体に全て持っていかれるため…失神します…タイルドを倒せば…意識を取り戻し…再び息を吹き返します…」

なるほど。それは安全だな。

「制限時間とかはあるのか?」

「個々によりけり…ですが…発現からだいたい…6時間…発現者は息を引き取り…タイルドはより強力になります…」

穏やかな話では無かった。なるほど、だからこの会社のような討伐隊があるわけだ。

「出現場所は?やはり森とか、草むらとかか?」

「いえ…完全に街中…です…発現者が倒れた場所…そこがタイルドの発生地…ですから…」

うーむ、隔離されてたのは俺の身の安全を守るため、とも取れなくない…。

「あ…はぐれた時だったり…危険な時は近くの落ち葉でも燃やしてください…すぐに駆けつけます…」

「なるほど、狼煙か。オッケー分かった」

「では、そろそろ…参りましょうか…」

「あぁ、そうだな」

こうして俺は初の外出へと赴くのだった。


「なぁ!あれはなんだ!?」

大はしゃぎの子供そのものだった。

「あれは…ちょっとした娯楽施設…ですね…私は苦手…なのですが…」

そんな風に何気なく会話してる時

「いたっ」

近くで女の子が転んでしまっていた。

「気にしないでください…日常茶飯事です…」

紡はそうは言うが、やはり心配になる

「大丈夫か?次はちゃんと気をつけるのだぞ?」

手を取り、立ち上がらせる。目には一切の涙はない。ついでに床にも段差はない。

「ありがとう!お兄ちゃん!」

そう言って少女は再び駆け出す。しかし、だいたい5メートル走ったところで

「いたっ」

少女は再び転んでしまった。

「ほら、気を付けろって」

再び手を取る。

「えへへぇ、ごめんねお兄ちゃん。私ってこういう能力だから。何度もありがとう!お兄ちゃん、また転んじゃうけど、次は大丈夫だから!」

能力?能力ってなんだ?ふと周りを見渡す。

突如として浮遊する人間。たまに尻尾やら大きな耳が見え隠れする人間。ものすごく挙動不審な人間。

普通じゃなかった。この世界は、見る限り全然前の世界と異なる様相を呈していた。

「お、おい、紡。これってどういう…」

紡の方に説明を求めるため振り返る。

「お兄ちゃん…私…甘いものが食べたいです」

交換条件のようだった。

近くの喫茶店(紡の案内)に足を運ぶ。紡はパフェを、俺はコーヒーを頼んだ。(料金は紡持ち)

「では…軽く説明しましょうか…」

店内はガヤガヤと、盛況しているようだった。

「私達は皆それぞれ…能力を持っています…例えば…ちょうどあの方は…」

紡は子供の方を指差す。

「いっただっきまーす!」

そう言ってスプーンでカレーをすくって食べる。しかし、ちゃんとすくったはずのスプーンの上には何もなくなっている。

「あの子の能力は…持っているもの…もしくは間接的持っているものを…限りなく小さくします。食べ物に限る…という制限付きで…他にも…あの人」

そう言って別のテーブルを指差す。

「うわあっつ!あっつ!」

ラーメンを食べようとしたギラギラの装飾品を身につけた中年男性がものすごく熱そうにラーメンを食べようとしている。

「あれは…猫舌です。酷い猫舌です…」

なるほど、みんな誰しも能力を持っていて、それは悪い効果、という事か。

「なぁ、それなら俺の能力って…なんなんだ?」

「お兄ちゃんは少し…いえ…大分特殊…なんです…この世界の能力というのは…本人が…これは欠点だ…と思うものが能力となり…発現します…」

やけに勿体ぶる。

「なに、どんな能力でも受け入れる。覚悟は出来てる」

「では…お兄ちゃんの能力は…周りの人の能力を…消し去ります…」

「?どういうことだ?この世界では欠点が能力になるのだろう?」

「えぇ…この世界では利点…ですね…でも…他の世界では…大きな欠点…なのです…他者の近くにいると…本来その人が得意とする事が…出来なくなります…そういった経験…おありですよね…?」

心当たりは無くもない。なら…

「もしかして…軟禁したのって、その能力のため?」

「そう…ですね…私の作った能力拡散装置を使い…軟禁部屋を社の中心に置き…社内の能力を全て打ち消してました…すいません…」

なるほど、そういう理由だったのか。

「いや、あれは俺にも非はある。謝ることでもない」

「そうですね…取り消します…」

「いや、別にそこまで冷たくしなくても良くない!?」

そこで店員さんが見えた。

「お待たせしました。コーヒーと、季節のパフェでございます。ごゆっくりどうぞ」

パフェとコーヒーが机に置かれ、店員が離れていった事を見計らい、俺は聞く。

「なぁ、紡。お前の能力って…なんなんだ?」

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