Season 10 True heroes always show up late
早くも四章も10話目。
三章のポセドニア は11話で完結しましたが
四章はこれからが本番です。
挿絵効果のせいか
ジュダスが、人気で驚いていますが
この話からツバキが遂に解放します。
もう、やっと笑
待たせてごめんねー!笑
では、楽しんで!!
N
前回までの千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜は
煉獄 冥府大監獄へ突入した
ツバキ達は冥王軍副団長であるサラセニアに
各監獄に飛ばされてしまった。
第一監獄にはチョウランが
飛ばされ
子供の人体実験の成れの果てである
小鬼を攻撃する事が出来ず
逃げ回ってばかりいた。
しかし途中でアキレイが参戦し隊長格としての
覚悟を説くとチョウランは意を決して
迎撃することができた。
そして、第三監獄に
飛ばされたラナンキュラスと戦うジュダスは
十鬼槍の黒薔薇部隊
隊長ペチュニア と副隊長のサフィニアの
兄である事が発覚しジュダス自身が天空山の
拳闘僧侶である事も告げられ衝撃が走る。
一方、看守長マンディと戦うジジとツバキは
遂に鞘の力を解放し戦局を動かし始めた。
そして、看守長アセヴィと戦うリナリアの運命はいかに。
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N
作者 REN’sJackson
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
煉獄 冥府大監獄篇
Season10
True heroes always show up late
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マンディ
「ケケケケケ!!!!
オラ!!どうした!!!
殺し合いたいだろ?
なぁ!?なぁ!??
花を咲かせてくれょぉ!!!!!」
N
ツバキはパリンッと自ら障壁を割ると
その一瞬の隙で
目の前のマンディを蹴り飛ばした。
マンディ
「ガッッッッ」
ツバキ
「貴公は何か
勘違いをしている。
コレは殺し合いでも
勝負でも
戦でも無い。
ただ、一方的な、、」
ツバキ
「処刑だ。」
N
ツバキは自身の胸に手を当てて静かに
そして見下すように口上を唱えた。
すると、辺り一面の剣山、岩、全てのものが
渦を巻きながら砕けていく
ツバキ
『『天輪•眩静•螺旋の盞
無冠の玉座に並べし妖
終と成りけり夢夢離別
穿ち 斬り裂け双散の刃
統べてを此の両手に
我が、錆と亡れ』』
『『灰裂斬刃 •嵯峨鼠鼠』』
N
嵯峨鼠色の二振りの刀身が
鈍く輝きマンディに向けられた。
マンディ
「鞘が二振り、、、
おもしれー!!!おもしれえぇぇえ!!!
裂き殺してやるよぉ!!!!!」
『乱爪斬!!!!』
N
飛ぶ斬撃が次々と飛んでくる。
ジジ
「ハッ、嵯峨鼠鼠の前じゃ
そんなの意味ねーよ。」
ツバキ
「忘れたわけではあるまい。
コレは一方的な、、処刑だ。」
N
ツバキは嵯峨鼠鼠を
ユラッとくねらせるように振るった。
ツバキ
『天元八卦白驟雨』
N
空間がマンディの周りに
8個生まれると
その生まれた空間から
マンディが放った乱爪斬が
8倍となって
次々と襲い掛かった。
マンディ
「なんだと!??増えた!!!
ギャァァア!!!!!!!!!!!」
ジジ
「おい、気を抜いてんじゃねーよ。
俺もいんだぜ!!!」
『滅刃 二十二 飛雷鳥』
『地獄の沙汰は光線次第!!』
「義忠ぁあ!!!」
N
ツバキはジジが嘲獸機関銃から放った光線を
天元八卦白驟雨の中に入れると
更に8本の光線となって
マンディを貫いた。
マンディ
「ガハッッ!!」
ジジ
「やったか?」
ツバキ
「いや、、、」
N
煙が晴れると
風穴だらけのマンディが立っていた。
ジジ
「おい、、あれで立ってんのかよ、、」
ツバキ
「元より人間と思って対峙してはない」
ジジ
「ぁあ。そうだな。」
マンディ
「ケケケケケッ
ケケケケケッ!!!!!
イッテェよォォオ!!!!!!
イッテェよォォオ!!!!!!
ハァ、、血が、血が、、ドバドバドバドバ
なぁ、、見てくれよ、、綺麗だろ?」
N
マンディは血を空に掲げていた。
すると、ザクッと剣山がマンディの肩に刺さる。
マンディ
「アガッ」
N
ここは第二監獄
剣山と鍾乳洞ひしめく湿地帯
少しの揺れで天井にぶら下がっている
鋭くとがった岩が
身体を貫いていく串刺地獄
しかし、ツバキとジジは落ちてくる岩を
虫を払うように躱しては砕いていた。
ジジ
「避けもしてねぇ。」
ツバキ
「当たったところで死ぬわけもあるまい。」
マンディ
「なぁ、、千刃花、、
お前ら、、、余裕かましてんじゃねーよ。
一体ここを何処だと思ってんだぁあ?
第二監獄!!!
串刺地獄だろううううがァァ!!」
N
マンディは武器である庇刄傷刃を
思いっきり地面に刺した。
マンディ
『傷心世界』
N
地震の様な揺れが起きると
刃が次々と地面と天井から飛び出し
ツバキ、ジジを襲う。
ジジ
「俺がやるか?」
ツバキ
「俺がやる。」
『天消天涯花時雨』
N
嵯峨鼠鼠を天に向けると
半透明の花ビラが雨の様に全体に降り注ぎ
ピンポイントにマンディが放った無数の刃に
向かって行った。
そして、その花ビラに触れた瞬間
パチンパチンと刃が消えてなくなってしまった。
ツバキ
「無機物であるなら消すのは容易い」
マンディ
「な、、なんだ、、その力、、、」
N
マンディは人生で初めて
恐怖を覚えた。
マンディ
((俺は!!
いつだって狩る側の人間だ!!!
狩られてたまるかよ!!!!!!!!
この先も!!コレからも!!!
それは変わらねぇ!!!変わらねぇ!!!!
変わらねーんだよぉぉ!!!!))
ジジ
「おい、どうした?ぶるってんのかよ」
マンディ
「何!?」
N
ツバキの力で
マンディのすぐ後ろにジジは移動していた。
ジジ
『地獄の沙汰は弾次第零距離』
N
ゼロ距離でマンディの腹を砲弾が突き破った。
マンディ
「イギャァァア!!!!!」
N
痛みのあまり、のたうち回るマンディ
ジジ
「のたうち回る元気はあんのかよ」
ツバキ
「とどめだ。」
マンディ
「はぁ!!はぁ!!!!
クソやろうドモ!!!!
内臓ぶちまけて、、やるからなぁあ!!!
ズタズタズタズタズタズタズタズタに!!
ぶっ殺してぇぇえ!!!!!」
ツバキ
「叶わぬ願いだ。
貴公の未来は決まっている。」
マンディ
「なんだ、、と!?
2人して姑息な手を
使いやがってぇ!!!!」
ジジ
「おい、長髪。姑息だと?
遊びに来てんじゃねーんだよ。
連携取るのは当然だろうが。
俺らは隊長、副隊長だぜ?
幾千もの修羅場を一緒にくぐってんだよ!!」
マンディ
「うるせぇええええええ!!!」
N
マンディはそう叫ぶと
震えた声で、かすれた声で
弱々しくも不気味な声で
口上を唱えた。
すると、黒い煙が辺りを覆う
ジジ
「なんだ、、こいつ、、、」
ツバキ
「距離を取れ。」
ジジ
「まさか、、、」
マンディ
『『身降ろし身降ろし
袖ツリ墓場
灯しべ灯しべ堕つべき仲間
捧げし捧げし我が子の命
我が此の命
....我•温羅ナリ』』
N
ーーリナリアサイドーー
極寒の中でアセヴィによる
隠れんぼが開催されていた。
アセヴィ
「かわいい女の子ぉぉお!!!!!
大事に育てられたのが
その体臭から伝わるぅうう
甘美な、、、スメル!!!!!!!!!
おぞましいわぁあ!!!
こんな壁作って隠れて
探すのも大変な、の、よ、?
ど、こ、、か、、しら、っ!!!
あんっ、また違った、、、」
N
アセヴィは雪の迷路を通りながら
氷の壁を壊して進んでいた。
リナリア
((アイツの強さ、、尋常じゃない、、、
もう少し、、刃汽を練らないと、、
まともに戦ったら負けるッ))
N
リナリアは膨大な刃汽を練るために
吹雪の中で瞑想を行なっていた。
アセヴィ
「本当、、器用な子ねぇ、、、
刃術で氷の壁を作って
迷路にしちゃうなんて、、、
でも、、あたし、、責めるよりも
責められたいのよ、、、
つまんないじゃない???
仲良くしましょーよ。
あっ、そぉーだ。
こういうのはどう??
顔のもう半分を焼いてもいいから
あなたの顔の半分を焼かせて!!お願いよぉ!!」
リナリア
((よしっ、、溜まった!!!))
N
するとリナリアは氷の壁を駆け上がり
上空へと飛んだ。
リナリア
『滅刃の一 •刀』
『滅刃の五 •氷舞染』
『形状変化、、解放!!』
『凍て殺せ、、、白ノ雪秘』
N
半透明の美しい氷の弓を携えたリナリアは
弓をグイッと引き狙いを定めた。
アセヴィ
「あーら!!!そこにいたの!?
もう!!隠れんぼの天才ね!!」
リナリア
「気持ち悪いのよ、、お、ば、さ、ん」
アセヴィ
「ぁあん。足りない!!!
そんなんじゃ足りないわぁーーん!!!
もっと!!もっーーー」
リナリア
「もっとあげるわよ!!!」
N
そういうとリナリアは
天井に向かって氷の矢を放った。
アセヴィ
「ん?天井?
明後日どころの方向じゃないわよ、、
リナリアちゃん」
リナリア
「あんたにはコッチよ!!!」
『滅刃 二十三 乱氷華』
『悲劇•氷劇と氷撃!!』
N
リナリアは特大の氷の矢を
アセヴィに向かって放った。
アセヴィ
「ムフフッ!!こんな氷なんて!!」
リナリア
「忘れたのかしら?」
アセヴィ
「忘れた?一体何かしら?...ん?雪?」
リナリア
「凍れ!!!!!」
アセヴィ
「な!?まさかさっき天井に撃った矢!!??」
リナリア
『序幕!!•世界で一番美しい魔女の魔の手!!』
N
叫びと同時に
空から世界で一番美しい魔女の魔の手の効果により
数えきれないほどの矢がアセヴィに降り注ぐ
さらに氷劇と氷撃が
アセヴィを貫くと
アセヴィの傷口から徐々に凍り付いていった。
アセヴィ
「アガッ」
リナリア
「まだ舞台は整ってないわよ。
せっかく刃汽を練りに練ったんだから!」
N
そして、リナリアは手に血が滲むほど
強く弓を引くと氷の結界が無数に展開されていく。
リナリア
『剋刃 二十一 鏡乱八面葬!!』
「目眩く白銀世界へ招待するわ。」
『開幕•冷気過ぎの舞踏会!!!』
N
恐ろしいほどの冷気が更に凍り付いていく
周りの監獄は寒さのあまり、ひび割れ崩れていく
吹雪く雪は、氷に変わり次々と氷柱に
姿を変えて行った。
アセヴィ
「この力、、リナリアちゃん、、
鞘花顔負けね、、、
いーわん!!いーわよーん!!
もっと!!ちょうだい!!!!!!」
リナリア
「氷雪使いの私は
この環境下なら鞘花にだって劣らない!!
あなたを殺す舞台は整った。
準備はいいかしら?」
アセヴィ
「このっ、、程度の氷で、、
この、、私を弄べるの?」
N
アセヴィは身体に刺さった氷の矢を
引き抜きながら引きつった笑みを浮かべていた。
リナリア
「さっきからベラベラ喋ってるけど
氷の耐性がないと肺が凍るわよ?」
アセヴィ
「ムフフッ、、、氷耐性!?
面白いことを言うのねぇ。。」
リナリア
「なんですって!?」
アセヴィ
「ここをどこだと思ってるの!?
第四監獄 紅蓮地獄!!
リナリアちゃんの氷なんて、、
大したことないのよ!!!!
この私を誰だと思ってたわけ?」
リナリア
「ただの変態妄想熟女でしょ。」
アセヴィ
「ムフフッ。正解。
んもー。可愛い顔してお口が悪いのね!!
でもぉお。気が強い人って好きよ。
ただし、私より強ければね。」
『『咲け•肉芽 !!』』
機械音
ーー声紋認証 完了ーー
ーーー対鞘花特殊魔装兵器ーーー
ーーー起動しますーーー
アセヴィ
『『雅に踊れ•亡憎之縄』』
リナリア
「させないわ!!!」
『滅刃 二十三 乱氷華』
「え!?何これ!!!キャア!!!」
N
アセヴィの背中から
無数のムチが勢いよく飛び出すと
リナリアを打ち払い
アセヴィに巻きついた。
そのムチ一本一本には謎の唇がついており
舌を出してベロベロと空気をなめていた。
アセヴィ
「ぁあんん。気持ちいい。
程よい寒さに程よい締め付け。
最、、高ぉぉぉお!!!!!!!!!!
ねぇ!!リナリアちゃーーーん。
一緒に逝きましょっ!!!!」
リナリア
「気持ち悪いっこと!!
言わないで、、よね!!!!!」
アセヴィ
「ぁあん。だからそんな弓矢 効かないって。」
N
アセヴィはリナリアが放った矢を
ムチではたき落とした。
リナリア
「キャアッ」
N
アセヴィの亡憎之縄が
リナリアの腕に巻き
巻きついた先に付いていた唇が
リナリアの腕に吸い付いた。
リナリア
「何よ、、これ!!!」
N
するとアセヴィは
おもむろにナイフを取り出し
自分の身体を傷つけ始めた。
アセヴィ
「ぁあん。」
リナリア
「信じられない、、何やっ、、グッ」
N
アセヴィが自身の身体を傷つける度に
リナリアの身体に痛みが走る。
そして、アセヴィの身体についた傷が
リナリアの身体にもそのまま滲み出てきた。
リナリア
「アグッッ」
アセヴィ
「ぁあん。私だけ傷が残らないのが
たまらなく嫌なんだけど、、、
私だって痛みはあるのよ??
さぁ、痛みを共有しながら
仲良く逝きましょーね!!
ウフフフフッフフッ」
N
ーーツバキサイドーー
マンディは鬼人化により
ツノが生えトカゲの様な化け物へと
変貌していた。
ツバキ
「、、これが報告にあった鬼人化。
なるほど、、人外になるのは
嘘ではなかったらしい。」
ジジ
「ぁあ。刃汽が跳ね上がったな。
傷も再生してやがる。」
マンディ
「ケケケケケッ
引き裂いてズタズタにしてやるっ!!!!」
N
マンディは四足歩行で
ドスドスと向かってきた。
ツバキ
「意識はある。」
ジジ
「自我はありそうだな。」
ツバキ
「自我はあるが知能は下がったようだ。」
ジジ
「元々ねーだろ。」
ツバキ
「そのようだ。」
マンディ
「俺が!!俺がぁあ!!
狩る側なんだよぉぉ!!!!!!」
N
迫り来るマンディを
ツバキは嵯峨鼠鼠を
グイッとマンディに向け天井に移動させた。
ジジ
「テメーらが鬼人化しようがしまいが
嵯峨鼠鼠の前じゃ
何の意味もなさねぇんだよ。」
マンディ
「ココは、、天井!?
なっ、!!!いつのまにッッッ!!!
その鞘の力は、、
一体なんなんだ!!!!!!!!!」
ツバキ
「これより刑を執行する。
数々の残酷かつ残忍な殺人を繰り返し
罪もない人々を恐怖の底へと陥れた。」
ジジ
「マンディ•レイクリー•レイカー
お前は16件の強盗及び殺人罪により死刑に処す」
ツバキ
「死を、死を以て償え」
『神立鬼洗』
N
マンディは地面に叩きつけられその反動で
起き上がるも大きく渦を巻く空間に
引き寄せられていく。
ツバキ
「何か言い残すことはあるか?」
マンディ
「や、、やめろ!!!!!
なんなんだ!!!
お前の鞘は一体ッッッ
グッッッッ
吸い込まれッッッコレは!!!!!!」
ツバキ
「最後の最後まで哀れなやつだ。
貴公でも分かるように説明しよう。
嵯峨鼠鼠は二刀一対
過ぎ去った空間を削り
まだ見ぬ空間を生み
斬り開く」
N
グニュンっと
マンディはゆっくりと
すりつぶされながら
空間へと吸い込まれていった。
ツバキ
「時空の狭間に、呑まれて消えろ」
マンディ
「ギッギャァァア!!!!!」
N
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
煉獄 冥府大監獄篇
Season10
True heroes always show up late(完)
おまけ
配役変更一覧
N▶︎▶︎▶︎謎の声
アセヴィ▶︎▶︎▶︎ペチュニア (幼少期)
リナリア▶︎▶︎▶︎サフィニア(幼少期)
ジジ▶︎▶︎▶︎サラセニア
ツバキ▶︎▶︎▶︎N
マンディ▶︎▶︎▶︎ジュダス
ジュダス
「はぁっ、、はぁ、、、
嘘だろ、、、
ペチュニア !!!サフィニア!!!!」
N
数年前
ナーベルク帝国最北端にある
魚と船の町イリス
以前は漁師町としても造船業としても
とても有名な町だった。
そして、ラミオラス帝国軍が
まず初めに手にかけた町でもある。
当時、苛烈を極めた戦争が続き
帝国の守護を手厚くしたナーベルク帝国軍は
最北端の町を見放していた。
ジュダス
「ペチュニア !!サフィニア!!!」
N
ジュダスはボロボロの自宅の扉を開けると
荒らされた形跡も無く
自分が出て行ったままのリビングがそこにはあった。
しかし、いつも元気よく迎えてくれる
双子の妹たちの姿は無かった。
ジュダス
「クソッ!!!ペチュニア !!サフィニア!!
どこだ!!!お兄ちゃんが帰ってきたぞ!!!」
N
その声も虚しく言葉だけが空を切る。
それもそのはず、ジュダスは
朝の漁から帰ってくると
町の異変に気付いていた。
黒い煙が空を灰色に染め上げ
爆発音が鳴り響いていたからだ。
ジュダスはラミオラス帝国軍に
見つからぬように
地元民しか知らない狭い道を通って
自宅へと向かったおかげで
無事に帰宅することが出来た。
ジュダス
「まさか、、、」
N
ジュダスは外へと出ると
屋根に登り遠くを見渡した。
ジュダス
「あれか!!」
N
移動用陸上魔進が見えた。
ジュダスは屋根から飛び降り
すぐさま走って行った。
すると、何やら子供を沢山、魔進に
乗せているのが見えた。
ジュダス
「ん、、、のヤロォォォ!!!!!」
N
ジュダスは沢山の兵がいるのにも関わらず
怒りのまま突っ込んでいった。
ジュダス
「妹たち、、を、、返せ!!!!!」
N
ジュダスが振り上げた拳は指一本で
いとも簡単に止められてしまった。
サラセニア
「どうかなさいましたか?」
ジュダス
「なん、、だと、、」
N
わざとらしく嫌味ったらしく
とぼけた顔で聞いてくる緑髪の男は
不気味に微笑んでいた。
すると、他の兵が飛んできたが
その男が静止させるとポケットから
何か機械を取り出して
その機械に向かって話し始めた。
サラセニア
「威勢よし、肉体も健康
しかし、筋肉が少し多いですね、、
この子は、、、」
ジュダス
「妹達を返せ!!!!!」
サラセニア
「年齢の割には成熟した肉体を持っている。
おそらく、脳の発達はすでに成人か、、」
ジュダス
「てめえー!話聞いてんのかよ!!」
サラセニア
「髪の毛をいただけますかな?」
ジュダス
「はあ!?、、いってぇ!!!」
N
男は問答無用で
ジュダスの髪の毛を一本ぬくと
小さな小瓶に入れた。
ジュダス
「何しやがる!!!!!」
サラセニア
「ほうほう、、青か、、処分」
N
サラセニアは小瓶に入った液体の色が
変わると取り出した機械をしまい
目の色が変わったように
突然、ジュダスの首を掴み持ち上げた。
ジュダス
「アグッッ」
サラセニア
「ぁあ!!!神よ!!!!!
選別の儀に
選ばれぬこの迷える子羊の魂が
安らかに眠れるよう
どうか!!どうか!!お導きを!!!」
N
そう言うとサラセニアは
そのままジュダスを地面に叩き付けた。
そして、何度も何度も何度も何度も殴った。
ジュダス
「アガッ!!ガッ!!グッ!!ガハッッ」
サラセニア
「妹がッ乗っているかッなんてッ
あなたにはッは関係のない事!!!
例え、そうだとしても!!!
記憶を消すので!!!!
かつてのっ!!
兄妹ではッありません!!!」
ジュダス
「き、、記憶、、を消すだ、、と、、」
サラセニア
「そう!!!全ては我が君主の意志!!
そう!!それこそが全能!!!!
すなわち!!!愛なのです!!!!」
ジュダス
「ガッッ、、君主だと?
妹達を、、返せ、、」
サラセニア
「パチン」
N
男が指を鳴らすと
周りを囲む兵士達は一斉に構えた。
サラセニア
「このゴミは神に選ばれぬウジ虫
あなた達の好きになさい。
犯すも殺すも自由です。
さぁ!!!!!!!!!」
N
すると薄汚い男の一人は鎧を脱ぎ
一人は鉄のパイプを持ち
一人はナイフ持ち
一人は服を脱ぎ始めた。
サラセニア
「もうこの町には用はありません。
あなた達の苦労を労いましょう!!
さぁ!!!!このサラセニアの名の下に
イリス全土を蹂躙せよ!!!!!!」
ジュダス
「やめろぉぉ!!やめろぉお!!!!」
N
すると声が聞こえる
頭の中で響いている
謎の声
((北へ。導かれん。そして巡れ、、))
ジュダス
「グッッ、、やめてぇ!!
イダい!!イダァアい!!!」
N
男がまだ少年のジュダスの身体に覆いかぶさった。
ーー1ヶ月後ーー
3日間に渡り身も心もズタズタにされた後、
スキを見て逃げ延びたジュダスは
謎の声に悩まされていた。
謎の声
((北へ。導かれん。そして巡れ))
ジュダス
「だから、、北に行ったじゃねーかよ」
N
あれからジュダスの頭の中で
時折、声が聞こえていた。
その言葉どおりジュダスは北にある
ラミオラス帝国首都シンシャドゥールに来ていた。
情報を得ようと酒場や通りを歩いていると
一部のラミオラス帝国軍が秘密裏に
侵略し子供をサラッていることが分かった。
しかし、周りの人々に聞くも
聞く耳さえ持ってもらえなかった。
そこで、ジュダスは身分を偽り名前を変えて
ラミオラス帝国軍へ入隊する。
当時のラミオラス帝国は
極度の兵士不足に悩まされていたため
若い男であれば簡単に入隊することが出来た。
そして、すぐ戦場へと送られた。
しかし、そこでとんでも無いものを
見せつけられる。
ジュダス
「あれが、、海王軍団長、、ジギタリアスと
副団長、、トギリ、、
副団長でもあの実力かよ、、、
ってことは、、サラセニアも、、」
N
圧倒的な武力であっという間に
島を沈めてしまった。
そこでジュダスは痛感した。
ジュダス
((格が、、違う、、
強く、、強くならねーと、、
妹達を取り戻せねぇ、、))
N
ーー2ヶ月後ーー
ジュダスは
ラミオラス帝国兵士になったおかげで
妹達がいると思われる施設までは特定出来ていた。
そして遂にジュダスは妹達を助ける為に
第7 魔装研究所に来ていた。
予定通り記録保管庫へ向かい
ペチュニア とサフィニアのファイルを探し出すと
驚くべき内容が記されていた。
ジュダス
「おい、、なんだよこれ!!!!!
投薬実験記録、、、治癒限度制限、、
第三世代鞘化計画OGA だと、、
この名前は...ソープワイト!!!」
N
そこには囚人のように番号を割り振られ
投薬された薬のデータが載っていた。
そして、責任者の名前には
ソープワイトと記してあった。
ジュダスは怒りのあまり身体が震え
血が流れるほど強く拳を握りしめた。
ジュダス
「ソープワイト!!!!」
N
ジュダスはそのファイルを内ポケットに
いれると記録保管庫を出た。
そして、バレぬように
研究所員の制服を手に入れ施設を回っていると
ドアの向こう側に見覚えのある姿があった。
ジュダス
「ペチュニア !!
サフィニア!!!!!!」
N
ジュダスは研究所員のカードキーで
扉を開けると
2人に駆け寄り抱きしめた。
サフィニア
「え?誰??
気持ちいいお薬くれる人?」
ペチュニア
「だ、誰ですか??
やめてください!!
サフィから、、はな、、れてよっ!!」
ジュダス
「グッ、、ペチュニア !サフィニア!!
ジュダスだよ!!
お前達のお兄ちゃんだよ!!」
サフィニア
「オ、、ニ、、イ、、チャ、、ン、、」
ペチュニア
「、、、誰なの!?
お兄ちゃんなんて、いないし!!」
サフィニア
「オ、、ニ、、イ、、チャ、、ン、、
オ、、ニ、、イ、、チャ、、ン、
オ、、ニ、、イ、、チャ、、ン、」
ペチュニア
「ちょっと!!!
サフィ??サフィ??大丈夫!?」
ジュダス
「サフィニア!!!
落ち着け!!どうしたんだ!!
サフィニア!!!」
ペチュニア
「ど、、うしよう、、、
このままだと、、サフィニアが、、、
抑えられ、、ない、、、」
ジュダス
「このままじゃマズい!!
ペチュニア !!サフィニア!!
お兄ちゃんと来るんだ!!
ここから出よう!!!」
ペチュニア
「嫌よ!!!
知らない人と行くわけないでしょ!!!」
ジュダス
「知らな、、い、、人、、、
知らなくてもいい!!!
ここを出てから考えよう!!」
サフィニア
「オニ、、イ、、チャ、、ン、、コロス」
N
すると突然、サフィニアの身体が
みるみる大きくなりツノがはえ
皮膚は鎧のように黒く硬くなった。
ジュダス
「サフィニア、、コレは一体、、、」
N
ジュダスは驚きのあまり動けなかった。
サフィニアが部屋で暴れ出したその瞬間
サイレンが鳴り響く。
ジュダス
「マズい、、」
ペチュニア
「逃げて!!!!!」
ジュダス
「お前達を置いていけない!!!」
ペチュニア
「人が来る!!!逃げて!!!
いいから!!!!」
N
そう言ってペチュニア はジュダスを突き飛ばした。
ジュダスはそのまま廊下に出ると
数人の足音が聞こえてきた。
ジュダスは身を隠す為に隣の部屋に入った。
そこには赤毛の軍人と金髪の少年がいたが
2人とも仲良くヘッドホンをして
音が漏れるほどの音楽を聞いていたおかげで
ジュダスに気付くことはなかった。
すると、隣の部屋から声が聞こえる。
サフィニア
「ギャァ!!イヤぁあ!!
どうして!!どうしてぇ!!!」
ペチュニア
「サフィニア!!!
やめて!!やめて!!
ごめんなさい!ごめんなさい!
ごめんなさい!!!
ロージア先生!!!!」
N
その時、ジュダスは不安と怒りで
頭がいっぱいだった。
ジュダス
((薬物投与に、、人体実験、、だと?
アイツら...許さねえ!!許さねえ!!
しかも、、記憶がなくなってやがる、、
ペチュニア 、、サフィニア、、
ごめんな、、ごめんな、、、
、、もう少し耐えてくれ、、
今のままじゃ、、
お兄ちゃん、、お前らを
助けてあげられねぇ))
N
ーー数ヶ月後ーー
サラセニアとソープワイトを倒す為に
ラミオラス帝国軍内部を調べ回っていた。
そして、天空山の存在と、
対鞘花特殊魔装兵器の存在を知った。
ジュダス
((天空山か、、
鞘と刃術が誕生した地、、
それと不倒不苦痛があれば
サラセニアとソープワイトを
倒せるかもしれねぇ、、))
N
ーー数ヶ月後ーー
ジュダス
「ココが天空山、、」
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ジュダスはラミオラス帝国軍から脱走したあと
片っ端から天空山へ導くと言われる場所を調べ上げ
ようやく辿り着いた。
しかし、ラミオラス帝国軍から脱走するという事は
重罪である為、すぐに指名手配されてしまった。
しかし、ジュダスには長期的かつ
しっかりとした計画があった。
ジュダス
「俺がココから出た時、、
俺はもっと強くなれる!!」
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しかし、ジュダスの記憶がこの場所で途切れる。
気付けば、シンシャドゥールにいた。
ジュダス
「グッ、ここは、、、あれ、、俺、、
確か、、拳闘僧侶になって、、
それから、、それから、、」
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ジュダスは拳闘僧侶として学んだ技 以外
天空山での出来事は
何も覚えていなかった。
しかし、聞き覚えのある
低く深い声だけはハッキリ覚えている。
そのお方の声だけが頭に響く。
ジュダス
「北へ。導かれん。そして巡れ、、、
またかよ、、、」
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だがジュダスの目的だけは明確だった。
サフィニアとペチュニア を助け出すこと。
ジュダスは外へ出るとすぐさま警察に向かった。
その道中でジュダスはある事に気付く
なんと、あれから10年の月日が経っていたのだ。
ジュダス
「おい、、うそだろ!!!!!
ペチュニア とサフィニアは、、」
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呆然と立ち尽くしていると
指名手配になっていたジュダスは
呆気なく捕まってしまった。
しかし、それは10年前に立てた計画通りだった。
ジュダスはすぐに煉獄 冥府大監獄へと
収監される為に地獄列車で
冥府大監獄へと向かっていた。
そして列車内にて他の囚人の会話を聞いていると
驚愕の事実を知る事になる。
ジュダス
「おい!!!本当か!?!?
サフィニアっていう副隊長が
八刃花隊の隊長と
戦って死んだのか!?本当か!?
嘘だろ?!?!?
嘘だ!!!!ふざけんな!!!
この野郎!!!!!!」
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ジュダスは立ち上がり
手錠に繋がれたままその囚人に
頭突きをした。
しかしすぐに止められ
別車両にある貨物室にて鎖で縛られた。
ふと暗闇の窓に映る自分の姿を見ると
異様な姿に驚いた。
ジュダス
「モヒ、、カン、、、
なんだよこれ!!!!!!!!!!」
『唵!!解脱!!』
『唵!!解脱!!薩婆訶!』
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ジュダスは何度やっても解除する事が
出来なかった。
ジュダス
「おい、、強力すぎるだろ、、、
誰かに、、かけられたのか、、?
一体、、誰に、、、」
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しかし、それは好都合であった。
自分の正体を隠すのにはうってつけだったからだ。
ついでに貨物の中にあったゴーグルを付け
変装は更に完璧を増した。
ジュダス
「何、、この格好、、ウケるッ」
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ーーそして現在ーー
ジュダスの力によって
ラナンキュラスは身動きが取れなかった。
ジュダス
「サフィニアの仇だ。
死ねぇ!!!!!!ラナンキュラス!!!」
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すると、ある男がラナンキュラスの後方から
ゆっくりと歩いてきた。
謎の声▶︎▶︎▶︎ダチュラ
ダチュラ
「貴様の事は調べさせてもらった。」
ジュダス
「だからなんだよ。邪魔だからドケ。」
ダチュラ
「フッ。」
ジュダス
「何でテメーがここにいんだよ。
第一監獄 看守長 ダチュラ」
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すると突然、ダチュラは
容赦なくジュダスにむかって
攻撃を仕掛けた。
ジュダス
「ガハッ」
ダチュラ
「死ぬがいい。
閣下に仇為す愚か者め。」
ダチュラ▶︎▶︎▶︎ジニア
ジニア
「なーんつって」
(完)
ふっふっふ。
タイトル通り
真のヒーローは後から登場するのさ!
実は四章構想段階から
初めからジニアはこう言う登場って
決まっていたのさ!!!
ジニア出なくて寂しいと言う声が
ある中で、俺は実は出るんだけどなーって
思いながらTwitter拝見してました。
さぁ、意外に多いジニアファン!!
こっから大活躍だぜ!!!!!
ポセドニア のPartX2/2のおまけ以来ですな。
おかえりジニア!!!