劇情版Zinnia's Side Story 「The Something Just Like This」 B part
緊急事態宣言が
ようやく解除されてもまだまだ油断は出来ないですね。
あ、どうもREN'sProduction代表のREN'sJacksonです。
皆さん知ってました?
千刃花の小説版があるんですって。
ホームページに行けば
見に行けるらしいですよー。(鼻ホジホジ)
それと、ベストバウト決定戦
投票していただきありがとうございました。
ラナンキュラスとアイビーの悲恋
そしてジギタリアスとのバトル。
選ばれたのはジギタリアス総集編でした。
作者としても嬉しいぜ。
後から読み返したら
おもしれーもん。
あれ?まだ本題行ってない??
まぁいっか!
はっじまるよーん。
では、楽しんで!!
ポルター▶︎▶︎▶︎N
N
前回までの千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜は
N
妖精蜂の星屑で描かれた"銀嶺 の少女"を
盗み出すことに成功したジニア、ふみ子、モンティ。
その目的は銀嶺 の少女に描かれた幻の都
" 銀ノ箱庭"に居ると言われている
女王妖精蜂から生み出される純度100パーセントの金
"女王妖精蜂の星屑"を手にする為であった。
しかし、手に入れる為には 銀ノ箱庭に向かう必要があったが
幻の都という名の通り、行き方が依然として不明なまま
銀嶺 の少女を
天王空軍 のパシェリハ、タンジーに奪われてしまった。
銀嶺 の少女を奪い返す為に
パシェリハ達がいるヤーレスの丘を駆け上がる3人だったが
そこに現れたのは
奴隷として苦楽を共にしたポルターだった。
天王空軍 のパシェリハとタンジー。
三刃花隊 隊長のポルターの戦いに巻き込まれる3人。
果たして、無事銀嶺 の少女を奪い返し
銀ノ箱庭に行けるのか。
はたまた、タンジーはタコ抜き焼きの代金を返すのか。
月が満ちるまでタイムリミットは残りわずか。
ジニア達の大冒険が今、幕を開ける。
タンジー
『『咲け•肉芽 !!』』
アナ/機械音 兼任
ーー声紋認証 完了ーー
ーーー対鞘花特殊魔装兵器ーーー
ーーー起動しますーーー
タンジー
『『潰せ・鉄頭鉄尾!!』』
タンジー
「おいコラ!!ドケよ雑魚が!!」
ポルター
「さっきぶりやね。」
パシェリハ
「そのクソみたいな顔
次見たら殺す。って私言ったよね?
覚悟出来てんの?」
タンジー
「おう!おう!兄ちゃんよぉ!
俺らとヤるってのかい??」
ポルター
「覚悟?フフッ笑ろてまうわぁ。
こんだけ部下殺されて
まさか敵に覚悟問われると思わんやろ。」
タンジー
「何だと!?!?」
ポルター
「こっちの台詞やで...
覚悟。出来とるんやろな?
生きて帰さへんぞ。」
ジニア
「ちょっと待ったぁああ!!!!」
パシェリハ・タンジー・ポルター
「ッッ!?!?」
ジニア・ふみ子・モンティ
「トウッッ!!!!」
パシェリハ
「誰だお前ら!!!」
ジニア
「ぁあ!!風が泣く!!
誰かが俺を呼んでいる!!
巻き起こす旋風!!
神出鬼没の大泥棒!!K .T Z!!
華麗に参上!!」
ふみ子
「人生山あり谷間あり!!
拳が斬り裂く夜の蝶!!! ブチュッ
ある時は美少女!!またある時は美女!!
電光石火の 圧倒的暴力 !!
F. L. G!!優雅に参上!!」
モンティ
「安月給!!遅寝早起き社畜の所業!!
迸るパルス!!
この世の 機密警護なんて
俺にかかれば少数派 !!
疾風怒濤の天才ハッカー!!
S. C. Jこと俺参上!!」
アナ
「ANAもいるよー!!」
モンティ
「返してもらうぜ
銀嶺 の少女!!!」
ふみ子
「迎えに来たわよポルターきゅん!!」
ジニア
「金返せぇええ!!!!!!」
ふみ子
「え!?そっち!?!?」
モンティ
「バ、バカ!!」
N
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作者 REN’sJackson
劇情版
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
2nd Anniversary Special Edition
Zinnia's Side Story
【 The Something Just Like This 】 B part
※音楽がある場合鳴り止むまで待つ
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アナ▶︎▶︎▶︎N
タンジー
「あん!?金なんて借りてねーぞ!!
か、借りてねーっすよね!?ね!?ねぇさん!!」
パシェリハ
「知らねーよ!!!
アンタまたどっかで博打やったんじゃねーの?」
タンジー
「え!?!?
そ、そうだっけな...うーーーん。ハッ!!
お、俺は、か、借りてねーぞ!!!」
ジニア
「シラ切んねや!?上等やないーーーンーーッッ」
N
するとモンティがジニアの口を 咄嗟に塞いだ。
モンティ
「バカバカバカバカ!!!
正体バラすきか!!!
それに怪盗Zは標準語設定だったろ!?!?」
ジニア
「あっ。」
ふみ子
「アンタ達!!
怪盗からお宝盗むなんて良い度胸ね!!
この盗っ人 !!!!!」
モンティ
「盗っ人 猛々 しいな!!」
ふみ子
「何よ!!ソーサリーJ!!
本当の事でしょ!?」
ジニア
「そ、そうだ!!返せ!!
俺達からお宝盗むなんて良い度胸してるな!!」
パシェリハ
「盗まれる方がワリィだろ??
大体、変な格好の怪盗に
とやかく言われる筋合いなんて
どこにもねーよ!!」
タンジー
「そうだそうだ!!!!
それとも俺達から力づくで奪うか?あん!?」
ポルター
『滅刃 二十一 •砂刃大天!!』
パシェリハ
「チッ!!」
タンジー
「うおっと!!」
パシェリハ
「厄介だね!!!」
N
ポルターから放たれた砂の刃が
パシェリハ達をかすめた。
ポルター
「なんや... 避 けたんか。
仕留めよ思てたんに。
そのまま話しとってかまわへんで?
続きは地獄で話したらええからな。」
パシェリハ
「舐めんじゃないよ。
やっちまいな!!タンジー!!!」
タンジー
「へい!!」
パシェリハ
「私は先に行く!!」
ポルター
「行かせるわけない...やろ!!」
『滅刃の九• 鉄砕牙!!』
タンジー
「させっか!!
鉄頭鉄尾!! 突進!!」
N
ジャラジャラと鎖が音を立てながら
ポルターの放った鉄のトゲを鉄頭鉄尾の鉄球で弾いた。
そしてその隙を見てパシェリハは銀嶺 の少女を片手に
時計塔へと走った。
ふみ子
「あ!!待ちな!!」
ジニア
「待て!!パシェリハ!!!」
モンティ
「お前らが待てって!!
この戦いに巻き込まれたらタダじゃすまねぇぞ!」
ポルター
「お前らも行かせるわけないやろ!!!!」
ふみ子
「え!?あたいのそばに居たいって!?」
モンティ
「一言も言ってねぇよ!!」
ポルター
『滅刃の七・渦螺旋!!』
N
ポルターは手をかざすと
渦の様に廻る衝撃波がジニア達の足元に奔った。
モンティ
「マジかよ!!衝撃波だ!! 避 けろ!!」
ジニア・モンティ・ふみ子
「グッ!!!」
パシェリハ
「フンッ。
解放出来ないその甘さが命取りだよ!ポルター!!」
ポルター
「一般人巻き込む訳いかんやろ!!」
ふみ子
「ポ、ポルターきゅん!!」
タンジー
「ならここで大人しく死ね!!
鉄頭鉄尾!! 突進!!
ウォオオリャォア!!」
N
タンジーは放った鉄頭鉄尾を旋回させると
ジニア達に向かって突進した。
ポルター
「コイツらは関係ないやろ!!」
タンジー
「大有りだろ!!!!
お前の動きを止められるんだからよ!!」
モンティ
「ヤバいヤバいヤバいヤバい!!!」
ふみ子
「任せな!!!」
ジニア
「Fレディガール!!」
ポルター
「ガハッ」
ふみ子
「ポルターきゅん!?!?」
モンティ
「ポルター!!!!」
ジニア
「何やってんだ!!」
N
ポルターは瞬時に移動し
鉄頭鉄尾を受け止めると拳で弾いた。
ポルター
「グッ...はよ帰らんかい...ドアホ」
タンジー
「やっぱりな。
足手まといが居た方がヤりやすいぜ!!
鉄頭鉄尾!!帰還 !!」
N
タンジーは鉄頭鉄尾の鎖を引き寄せ
更に空中でグルグルと振り回し始めた。
ふみ子
「ポルターきゅん!!だ、大丈夫!?」
ジニア
「何で...解放しないんだ!!」
ポルター
「アホ...軍人同士の...いざこざに
一般市民を...巻き込む訳に...いかんやろ。グッ」
モンティ
「...ポルター」
ポルター
「しっかし一発が
こんな重いとは思わへんかったわぁ。
鎧砂 が無かったらモロ食らってまうとこやったで。
なぁ?タンジー」
N
額からツーーっと血を流しながら
ポルターはニィッと笑っていた。
タンジー
「知らねーかもしんねーけどよぉ
対鞘花特殊魔装兵器は
鞘花の天輪浄衣を
計算に入れて作られてんだよ。
お前ら鞘花をぶっ殺す為に...な!!」
モンティ
「あんなもん振り回せるってバケモンかよ!!」
タンジー
「鉄頭鉄尾!!食撃!!」
N
タンジーは振り回した鉄頭鉄尾を放つと
鉄球がパカっと口の様に開き
地面を呑み込みながらジグザグに迫ってきた。
ジニア
「ぬぉお!!こっち来る!!」
ふみ子
「地面がエグれてる!!!!!」
ポルター
「お前ら逃げへんのやったら
パシェリハ追いかけぇ!!!」
モンティ
「え!?」
ふみ子
「ふみ子ポルターきゅんといる!」
ポルター
「戦いの邪魔や!!!」
ジニア
「いいのか?俺らが奪い返したら
渡さねーぞ??」
ポルター
「ラミオラス帝国の手に渡るよかマシやわ。
ここは任せてーーーーーーー」
タンジー
『逆流スル 暴食ノ嘔哮!!!』
N
タンジーがそう叫ぶと
鉄頭鉄尾は開いた口から
エグり呑み込んだ大地の倍以上の土砂やガレキを
濁流の様に勢いよく吐き出した。
ジニア・ふみ子・モンティ
「ギャァァァァァァア!!!!!」
ジニア
「喰うたもん以上に吐き出しとるぅう!!」
モンティ
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅ!!」
ふみ子
「何コレぇええ!!!!」
タンジー
「鉄頭鉄尾は
喰った分を倍以上に吐き出す事が出来んだよ!!
泥にまみれて死ね!!!」
ポルター
「下がっときぃ!!!!!」
『剋刃 四十一•五角羅生門!!』
N
ジニア達に襲いかかる土砂を
ポルターが五角形の鋼鉄で出来た障壁で
ジニア達を守った。
タンジー
「余計な事しやがって!!」
ポルター
「おいタンジー!!!
人んとこの国て分かっとるんやろな!?
派手に暴れて目立っとったら
困るんはそっちやぞ!!
九龍連が駆けつけ...何!?」
N
逆流スル 暴食ノ嘔哮を防ぎ切ったポルターは
土煙が晴れるのを待って
タンジーのいる方角を見たが
そこにタンジーの姿は無かった。
ポルター
「な!?
まさかコレをオトリに時計塔に向かったんか!!
おい!お前らこの隙にーーーー何やと!?」
N
なんと、ジニア達の姿も見当たらなかった。
ポルター
「なんやんねん!!あいつら!!」
N
するとポルターは目の端で
土砂に埋もれる何かをとらえた。
ポルター
「...これ...は」
パシェリハ▶︎▶︎▶︎N
N
ーージニアサイドーー
鉄頭鉄尾が放った逆流スル 暴食ノ嘔哮を隠れ蓑に
ジニア達は時計塔の裏手側から侵入した。
ふみ子
「ハァ!!ハァ!!
タンジーの奴!!
鉄球に乗って突進したと思ったら
3階から行っちゃったわね!!」
ジニア
「ハァ!!ハァ!!なんやねん!!あいつら!!」
モンティ
「ハァ!!ハァ!!何者か検討もつかねーよ!!」
ふみ子
「あっ!こういう時にANAじゃない!!
ANA!!!タンジーは何者なの!?」
アナ
「え!?知らないよ!」
ふみ子
「アンタの存在意義ないじゃない!!」
アナ
「ひどいなぁ!!
それは君もだろ?Fレディガール!!」
ふみ子
「ちょっとソーサリーJ!!!
コイツぶっ壊していい!?」
ジニア
「俺達の与えとる情報が少ないからやろ!!」
モンティ
「その通りだ!!
ANA!!パシェリハは何者なんだ!!」
アナ
「パシェリハはポルターが言ってたよ?
天王空軍 ウラノース所属 五大星だって!」
ジニア
「何やねんそれ!!」
ふみ子
「五大星!?!?」
アナ
「ラミオラス帝国軍には空域を守護する天王空軍 がいるのさ!
その幹部5人が五大星で
第五星はその幹部の内の1人の様だね!
実力は折り紙付きさ!!!
普通に戦ったら死ぬね!!!!」
モンティ
「よし!撤退!!!」
ふみ子
「バカ言ってんじゃないよ!!
あんな細腕のブスにあたいが負けるって!?」
ジニア
「せやで!!お宝奪われて
ノコノコ逃げれるかい!!!」
モンティ
「マジかよ!!タンジーだって
充分ヤベーのに!!!!
俺らがどうこう出来るかよ!!」
ジニア
「...よし。Fレディガール。お前ならヤれる!!
元気でな。墓にはポルターの写真でも
供えといて...やるよ...」
ふみ子
「え!?今生の別れ!?」
アナ
「僕が付いてるよ!
すぐに楽になれるさ!!Fレディガール!!」
モンティ
「お父ちゃんとお母ちゃんが待ってるぜ」
ふみ子
「いやだから死んでないっての!!」
N
3人は勢いよく階段を上がっていくと
最上階にたどり着いた。
ジニア・モンティ・ふみ子
「ハァ...ハァ...ハァ」
N
ふと夜空を見上げると
満天の星空に美しい月が輝いていた。
アナ
「とても綺麗だね。」
モンティ
「こんなに眩しいのか」
ジニア
「こんなん見たことないわぁ
まんまるやなぁ」
ふみ子
「んもう!!ありがと!!ンーッブチュ 」
ジニア
「お前に言ーてへんわ!!このドスコイザウルス!!」
ふみ子
「え!?ものっ凄いサービス!?」
ジニア
「耳イッちゃってんの!?!?」
アナ
「あ!!もう9時になっちゃった!!!
ほら!!見て!!」
モンティ
「どうした!?アナ!!何かーーーウワッ!!」
ジニア
「ソーサリーJ!!何やねん!!ぬぉっ!!」
アナ
「妖精蜂だ!!!!!
みんな伏せて!!!!」
N
月明かりに照らされた銀嶺 の少女の周りには
銀色に光る妖精蜂が
とてつもない速さでビュンビュンと飛行していた。
アナ
「これが妖精蜂...可愛いね!!」
N
誰もが想像する妖精らしい姿はとても可愛らしかった。
ジニア
「可愛い!!?あぶな!!!!ハヤッ!!!
ウォオオオオオ!!!!!何やねんこれぇぇ!!」
モンティ
「マジか!!!こんなにいっぱい居んのかよ!
当たったら怪我するぞ!!頭守れ!!!」
ふみ子
「え?みんなしてどうしたの!? パシッ 」
アナ・モンティ・ジニア
「どぇぇぇえええええ!?!?」
N
ふみ子は躊躇いもせず
妖精蜂を素手で掴んだ。
モンティ
「妖精蜂を掴みやがった!!」
アナ
「信じられないね!!
でも実際見てみると時速300キロには
到底、及ばないかなー!!
ざっと見ても60キロだね!!」
ジニア
「体感は充分300キロやん!!!!」
ふみ子
「やっぱりあたい、小さい頃に捕まえた事ーー」
アナ
「Fレディガール!!!
妖精蜂を掴んだの!?
早く離して!!
妖精蜂は掴んだら一斉に襲ってくるよ!」
N
仲間を助けようとふみ子に向かって
妖精蜂が次々と飛んできた。
モンティ
「バカ!!妖精蜂を離せ!!
Fレディガール!!」
ふみ子
「あっ」
N
ふみ子は妖精蜂を離した。
すると咄嗟に
ジニアがふみ子の前に飛び出した。
ジニア
「グッ!!」
ふみ子
「怪盗Z!!」
モンティ
「おい!怪盗Z!!だ、大丈夫なのかよ!!」
アナ
「怪盗Z!?」
ジニア
「アホ!!ボーっとすんなや!!」
N
ジニアは右腕に直径1メートルほどの円形の盾を作り
妖精蜂達の突進を防いでいた。
ふみ子
「大丈夫!?」
モンティ
「おい、それどうしたんだよ!」
ふみ子
「光る盾??」
ジニア
「あ!?これか!?
なんか知らんけどちょっと前から出来る様になってん!!
よう分からんから
キラッキラの盾って呼んでんねん!!」
アナ
「そんな事よりも銀嶺 の少女を!!早く!!」
ふみ子
「そうね!!!」
ジニア
「行くで!!!」
N
しかし妖精蜂は群れをなして
ジニア達に向かって襲いかかった。
アナ
「攻撃してくるって思ってるんだよ!!」
モンティ
「やべ!!!!」
ポルター
『剋刃 十四・ 金鳴切縛』
モンティ
((しまった!!))
N
キーーンッと高音が辺りに響き渡ると
ボタボタと妖精蜂が落下していった。
それと同時にふみ子達の動きも止まった。
ポルター
「何してんねん!!妖精蜂は
B級 魔獣生物 やぞ!!!!
安易に近づいたらあかんねん!!!」
アナ
「ポルター...」
ポルター
「ハァ...遅かったか...
怪盗Z。Fレディガール。ソーサリーJ。」
N
先程とは打って変わって
神妙な面持ちのポルターはアナを 睨 んだ。
アナ
「人違いだよ!!」
ポルター
「嘘つけ。
冗談に付き合うとる気分やないねん」
アナ
「ぼ、僕達をどうする気だい?」
ポルター
「ん?な、なんや??
ホログラム...カラクリ時計か?
なんやこの丸っこいの。」
アナ
「僕はANA!!
人工知能搭載のハイパーウォッチさ!!」
N
すると、ポルターは
ジニアのANAウォッチに映し出されたANAに向かって
ゆっくりと歩いて来た。
ポルター
「あいつらはどこや」
アナ
「知らないよ!!
僕達が来た時にはもう居なかったよ!?」
ポルター
「...ホンマか?」
アナ
「本当だよ!!」
ポルター
「...そうか。やっぱしな。
おいお前ら。これはもうお宝の奪い合いやない。
怪盗ごっこは終いや。
アイツらは部下を皆殺しにした。
俺は...仇討たんと気がすまへん。」
アナ
「急にどうしたんだい??」
ポルター
「お前に関係ないやろ。」
アナ
「だって悲しそうじゃないか。」
ポルター
「ふぅーーー 。パチン」
N
ポルターは指を鳴らすとジニア達の金鳴切縛が解けた。
ジニア・ふみ子・モンティ
「ゴホッゴホッゴホッ」
ふみ子
「ポルターきゅん!!助けに来てくれたのね!!
さぁ!!眠れる美女に目覚めのキスを!!」
ポルター
「ゴリッゴリに起きとるやないかい。
ずっと眠っとけアホ。」
ふみ子
「んもう!いけずぅ!」
モンティ
「おい...下で何があったんだ」
ポルター
「いいからもう帰れ。
パシェリハは追わんでええ。」
ジニア
「お宝目の前にして帰る怪盗がどこにおんねん!!」
ポルター
「帰れ言ーとるやろ!!!!!
死にたいんか!!!!!」
ジニア
「帰らへんゆーとるやろ!!!」
ポルター
「何やと!?遊びは終いやぞ...って怪盗Z!!!
何やねんその口調!!!」
ジニア
「あっ!!!」
モンティ
「あちゃぁ...」
ふみ子
「もう!ポルターきゅんったら!!
こんな奴なんて放って置いて
お姉さんと良いことしましょ!!」
ポルター
「お前まさか...」
ジニア
「お、落ち着け!!
これには訳があんねんて!!」
モンティ
「そ、そうだ!!深ーい訳が!!」
アナ
「今更気づいたのかい?」
ポルター
「何や!!同郷なんかい!!!イサンカか!?
トーヨキか!?カサオか!?
なんや今日は珍しいなぁ!!
さっきも懐かしい顔に会ーててん!」
ジニア・モンティ
((バカで良かったぁあーー!!))
モンティ
「おい怪盗Z!!こいつ大丈夫か!?」
ジニア
「知らん!!」
ポルター
「そうか...ナーベルク国民なんやな。
ほんなら、余計に帰らなあかん。」
アナ
「どうしてだい?」
ポルター
「鉄頭鉄尾の土砂には
俺の部下の死体も混ざっとった。」
ジニア・ふみ子・モンティ
「え!!?!?!?」
ポルター
「部下の死体が混ざった攻撃をぶつけられるんは
心無い非道な奴しか出来へん。
そんな事...微塵も気にせんちゅう話しや。
危険すぎる。そもそも思考回路がぶっ壊れてんねん。
他にもあんねやろ?狙える宝は。
今回はやめときぃ。」
ジニア
「狙った獲物は逃さへん。
お宝奪えへんかったら怪盗の名折れやぞ。」
ポルター
「死んでもかまへんのか?」
ジニア
「死なへんし。」
ポルター
「仲間の命はどう考えてんねん。」
ふみ子
「あたいは不死身だしぃ
可愛いしぃ強いしぃ、ふみーーんーーっっ!!」
N
口が滑りそうになったふみ子を
モンティが後ろから口を抑えた。
モンティ
「怪盗Zは一度言ったら聞かねーんだよ。」
ジニア
「俺達は世界を股にかける大泥棒!!!
金持ちと悪党しか狙わへん正義のヒーローや!!」
ポルター
「護れるもん護ってこそのヒーローやぞ。
それに盗んで儲けた金はどないすんねん。」
ジニア
「貧しい子に配って周るに決まっとんやろ!
それが俺の夢じゃ!!!!!」
ポルター
「綺麗事ばっか並べてからに。
ナーベルク帝国が悪とでも言んかい!!
銀嶺 の少女はナーベルクの国宝やぞ!」
ジニア
「大悪党やないかい!!
貧しい子が何万人
餓死しとる思てんねん!!」
ポルター
「せやけど死んだら夢は叶わへんぞ!!!!」
ジニア
「諦めても夢は叶わへん!!!!」
ポルター
「分かっとるんやろな!!!
これは戦争やぞ!!!
俺にはナーベルク国民を守る義務があんねん!!
お前らもおんなしや!!」
ジニア
「俺の事はどうでもええねん!!!
銀嶺 の少女があれば
救われる生命がぎょーさんおる!!」
ポルター
「お子ちゃまやなぁ。
世界は思っとる以上に広いんやぞ。
全員助けるなんて無理や!!
俺は千刃花に入隊してから
死ぬほど見てきた!!!
お前にはそれに立ち向かうだけの力が無いやんけ!!
苦しんどるのは子供達だけやない!!!
お前は口だけのアホや!!!!」
ジニア
「何やと!?」
ポルター
「どんな命も平等なんは変わらへん!!!!
救える命は救う!!
救われへん命は救われへん!!
ほんまに助けたいんやったら
仲間を死なせへんくらい強くなってみぃ!!」
N
睨 み合う2人を見たモンティは
ため息をついて言った。
モンティ
「ハァー。やめとけやめとけ。
俺らはどうやっても行くぜ。
止めるだけ無駄だ。」
ふみ子
「んーーんーー!!」
モンティ
「あっ」
ふみ子
「プハッ!!いつまで口抑えてんのよ!
殺す気か!!!!」
モンティ
「お前が余計な事言うからだろうが!!」
N
しかし険悪な雰囲気を感じ取ったふみ子は
ポルターに向かってウィンクした。
ふみ子
「大丈夫よポルターきゅん!
みんなはあたいが守るから!!」
ポルター
「遊びや無い。
生きるか死ぬかの話ししとんねん。」
ふみ子
「...ポルターきゅん」
ジニア
「二度も言わすなハゲ。俺は死なへんし。
こいつらも死なへん。
お前に指図される覚えないわぁ。
いつまでスカしとんねん。」
ポルター
「何やと?」
ジニア
「俺は自由にさせてもらうで。
別に護ってくれなんて言ーた覚えないし」
ポルター
「ハァーー。もうええ。
勝手にしたらええ。
何や、どっかのアホ思い出したわ。」
ジニア
「フンッッ。そのアホめっさカッコええやん」
ポルター
「なに言ーてんねん。
融通きかんドアホにそっくりや。
こっちにはもう時間がないねん。俺は行くで。」
ふみ子
「時間!?」
モンティ
「何かあるのか?」
N
ポルターは妖精蜂を指差した。
ポルター
「もうじき金鳴切縛が解ける。
はよ行かんと閉じてまうで?」
ジニア
「閉じる!?」
ポルター
「せや。」
N
ポルターは銀嶺 の少女の真上を見た。
モンティ
「何だありゃ!!」
ふみ子
「気づかなかった!!!」
ジニア
「あれって...」
アナ
「もしかして 銀ノ箱庭の入り口かい!?」
N
そこには空間が歪み小さな渦があった。
ポルター
「亜空間の扉が閉じてまう」
アナ
「亜空間!?!?
まさか...妖精蜂がこんなに大量発生してるのは
亜空間から移動して来てるって事かい!?」
モンティ
「そうか...妖精蜂の星屑で出来た銀嶺 の少女が
妖精蜂を引き寄せるってのは
亜空間から来てたって事か。」
ポルター
「なんや。何も知らんと盗も思てたんかい。
妖精蜂は妖精蜂の星屑に
引き寄せられるんやない。探しに来てんねん。
妖精蜂の星屑の持つ輝きを
仲間と勘違いしてな。」
アナ
「物知りだねー!ポルター!!」
ジニア
「よう知っとるな...」
ポルター
「当たり前や。
銀嶺 の少女の警備が任務やぞ。
あと忠告やけど下手に触ろうとせん方がええ。
元々、妖精蜂は仲間意識が強い 魔獣生物 。
仲間がピンチになれば命をかえりみずに
身体張って助けに来んねん。
大群に襲われて死んだ奴は腐るほど居るからな。
不思議やろ? 魔獣生物 のくせして
人間みたいなとこあんねんで。
妖精蜂は優しい奴なんやなぁ」
ふみ子
「仲間を探しに来た妖精蜂を触ろうとするなんて
最低ね!!!!!」
ジニア
「お前が言んかい!!!」
ポルター
「どっかの誰かさんが勘違いしてたみたいやけど
月明かり浴びに来とるんとちゃうで。
正確には満月の夜にしか探しに来れへん。
この亜空間は最も月明かりが強い
満月の夜にしか開けへんみたいやからな。知らんけど」
モンティ
「なんか訳があるのか??」
ポルター
「分からへん。銀狼にでも聞くしかないんちゃうか?」
ジニア
「そんなんどうでもええってソーサリーJ。
おいポルター。お前さっき言てたやろ?
時間が無いって。どう言う事や」
ポルター
「そのまんまやぞ。
亜空間は月明かりの光度に
左右される不安定な扉。
月光が弱まれば扉は早く閉じてまう。
俺は先行っとるで。
アイツらが 銀ノ箱庭を
メチャクチャにする前にな。」
アナ
「やっぱり 銀ノ箱庭に繋がってるんだね!!」
N
そう言ってポルターは砂に包まれて
亜空間に吸い込まれていった。
ジニア
「おいポルター!!」
アナ
「行っちゃったね!!」
ふみ子
「亜空間...まぁまぁ位置が高いわね...どうする!?」
アナ
「あそこから行けばいんじゃない!?
きっと管理室だよ!!」
N
時計塔の最上階には鉄塔が建っており
そこにはハシゴが掛けられていたが
そこまで行くには鍵のかかった部屋に入る必要があった。
ジニア
「せやな!!!!
おし!!こじ開けるで!!」
モンティ
「バカ!こじ開ける必要ねーって!」
ふみ子
「扉?ぶっ壊すけど!?」
モンティ
「お前らなぁ何でもかんでも壊すなよ!!
形跡を残さない様にすんのがプロだろ?
俺の魔術で華麗に開けてやる!!任せておけって!」
N
モンティはそう言ってドアノブの前に立つと
胸ポケットから小さな針金を取り出した。
そして、扉に耳を当て鍵穴に挿すと叫んだ。
モンティ
『アペリエンス・解錠せよ!!』
ジニア
「ただのピッキングやないかい!!バシッ」
モンティ
「イデッ!!ちげーよ!!」
ふみ子
「そんなんが魔術だったら
あたいのパンチで開けたって魔術じゃないのよ!
もっと杖とか使って
嘘でもそれっぽく出来ないの!?」
モンティ
「バカバカ!!
俺の家系は魔術師だけど錬金術師の方だって
何回も言ってんだろ!!!
錬金したもんに魔術を込めてんだよ!
この"盗人の独りよがり"だってな!!
れっきとした魔術が込めてあんだよ!!
お前らの変態仮面 だって
ANAだって錬金術だぜ!?
科学にしちゃあ、ぶっ飛んでんだろ!?」
N
しかしジニアとふみ子はすでに部屋に入り
ハシゴに登っていた。
モンティ
「おい!!!聞けよ!!」
ジニア
「たまに入るその自慢イタいからやめた方がいーですよー」
モンティ
「急に敬語はやめてぇ!!」
ふみ子
「恩着せがましいのよ!足臭いくせに!!」
モンティ
「足関係ねーだろ!!」
アナ
「ほら、みんな行っちゃったよ?
僕らも行こうよ!ソーサリーJ!!
君は最高さ!!!!!」
モンティ
「はぁ...アナだけだぜ
優しいのは」
アナ
「足臭いけど」
モンティ
「おい!お前に鼻ねーだろ!!!」
N
モンティはブツクサ言いながら
ハシゴを駆け登った。
モンティ
「あっそうだお前ら。」
ふみ子
「ちょっと上見ないでよ!
パンツ見えちゃうじゃない!!」
モンティ
「何でティーバック履いてんだよ!!」
N
するとふみ子の蹴りが上から降ってきた。
モンティ
「おい!!落ちるだろ!!!!!」
ふみ子
「ぶっ殺すわよ!!!!!」
モンティ
「お、落ち着けって!不可抗力だろ!!!」
ジニア
「揺らすなアホ!!
ハシゴごとハズレてまうやろ!!!」
ふみ子
「怪盗Z!!
モンティにパンティ盗まれました!!」
モンティ
「嘘つくな!!!!
この状況で盗むって脱がしてんじゃねーか!」
ジニア
「うわぁ...モンティってパンティ好きやったんや...
しかもふみ子の...オェェッ」
ふみ子
「ん!?オェェッてどう言う事よ!!!」
ジニア
「アホ!!足掴むな!!!落ちるやろ!!」
モンティ
「ちょっ!!揺らすなって!!
それでも脆そうなんだからよ!!」
ふみ子
「ちょっとパンティ!!静かにしてて!!」
モンティ
「おい!!誰がパンティだ!!!
せめて今はソーサリーJと呼べって!!」
ジニア
「で、パンティ。なんか話したい事あったんやろ?」
モンティ
「ソーサリーJって言ってくれぇえ!!!!」
ふみ子
「次あたいのパンティ見たらパンティのモンティ
ティンティンにするからね!!!」
モンティ
「どう言う事!?」
アナ
「平和だねーーー。」
ジニア・ふみ子・モンティ
「どこが!?!?」
モンティ
「あーめんどくせぇ。もういいよ。
あっそうだ!!
この先戦闘になるかもしれねーだろ?
だからこれ渡しとくぜ!!」
ジニア
「今!?ハシゴ登ってる最中に!?」
ふみ子
「もっとタイミングあったでしょ!?」
モンティ
「お前らが先行くから渡しそびれたんだよ!!
って言ってもANAを介して
データ送るだけだからよ!!」
N
そしてモンティはANAウォッチから
それぞれにプログラムコードを送った。
ジニア
「何やこれ」
ふみ子
「何よこれ!!」
モンティ
「ANAはただの人工知能じゃねーんだよ!
プログラム次第では変形出来るんだぜ!?
いざって時にこのコードに書かれた言葉を叫べば
たちまち俺が仕込んだ魔術が発動する!!」
ジニア
「お、おう。...いらね」
モンティ
「おい!!送り返してくんな!!」
ジニア
「いや、これはよう言われへん」
モンティ
「普段言わない様な言葉選ばねーと
勝手に起動すんだろうが!!!!」
ジニア
「えぇーーーー。」
モンティ
「えぇーーーじゃない!!!
ったくよ!!ふみ子!お前もだぞ!!」
ふみ子
「ちょっとまたパンティ見たで...しょ!!」
モンティ
「え!?グハッッ!!」
ふみ子
「このパンティが!!!!」
モンティ
「ブヘッ!!!」
N
すると遂にハシゴがバキバキっと折れ
真後ろにゆっくり落ちていった。
ジニア
「どどどどとないすんねん!!」
モンティ
「落ちる落ちる!!!」
ふみ子
「ぇえええ!!!アンタのせいよ!」
ジニア・モンティ
「お前だろ!!!!」
アナ
「飛ぶしかないよ!!」
ジニア
「何してくれてんねん!!!!」
N
するとジニアはゆっくりと倒れるハシゴから
亜空間に向けてダイブした。
ジニア
「おりゃ!!!」
ふみ子
「そうね!!!!ウリャ!!!」
モンティ
「マジかよ!!!!!!ウォォオ!!」
アナ
「みんな大胆だね!!
そういえばFレディガールのパンティってピンーーー」
N
ジニアに続いた2人は亜空間に吸い込まれていった。
アナ▶︎▶︎▶︎N
N
ーーパシェリハサイドーー
銀ノ箱庭にて。
パシェリハ
「アハハハッ!!!!
銀がザックザクだね!!
これだけの銀を持ち帰ればベロニカ様も
ロージア様もお喜びになられる!!!
そうだろ!?タンジー!!」
タンジー
「ヘイ!!そうっすねー!!
オラオラ!!鉄頭鉄尾!!食撃!!!
妖精蜂を呑み込めぇ!!」
N
タンジーは鉄頭鉄尾を振り回し
放り投げると妖精蜂を呑み込んでいった。
少し離れた所にいたパシェリハは
襲ってくる妖精蜂を叩き潰し投げ捨てては
高笑いを上げていた。
パシェリハ
「アハハハッ!!アハハハッ!!」
タンジー
「ねぇさん流石っす!!!
解放もせずに素手でヤっちまうなんて!!
あっ。でも貴重な資源なんで
丁重 に殺して下さいね!!」
パシェリハ
「何でだよ!!!
そんな面倒な事!!すると思うかい!?」
タンジー
「頼みますよぉー」
パシェリハ
「おいタンジー!!
何で私がこの任務に選ばれたと思う?」
タンジー
「え!分かんないっす!!足止めすか!?」
パシェリハ
「そりゃあお前だよ!!!」
タンジー
「え!?そうなんすか!?」
パシェリハ
「私はねぇ!!宝石に目がない!!
美しい宝石の為なら手段を選ばない!!
だから私の執着心を買ってくれたって訳さ!
必ず 銀ノ箱庭に行き着けるってね!!
銀ノ箱庭の行き方が分かった今
私は軍隊を連れてここに戻ってくる!!!
その時には根こそぎ奪ってやる!!!
この全ての銀と!!あの黄金の大樹をね!!!」
タンジー
「流石っすねぇさん!!!」
N
そしてタンジーは鉄頭鉄尾の鎖を
グイッと引き寄せた。
タンジー
「鉄頭鉄尾!!帰還 !!
よしよし!!良い子だ!!!
沢山喰ったみたいだな!!」
N
そう言ってタンジーは
鉄頭鉄尾を撫でた。
パシェリハ
「前から気になってたけどよぉ
食ったもんはどこに行ってるんだい?」
タンジー
「鉄頭鉄尾の胃は4つあるんすよ。
その内のどっかっす。俺も分かんねーっす!!」
パシェリハ
「あーそうかい。聞いた私がバカだった。
じゃぁ早くこのウザったい妖精蜂殺して
あの大樹にいくよ!!!
妖精蜂が邪魔ばっかして
前に進めやしないからね!」
タンジー
「ヘイ!!!」
N
すると砂が突然舞い上がりパシェリハ達を襲った。
パシェリハ・タンジー
「グッ!!!!」
パシェリハ
「この砂...ポルターか!!!!」
タンジー
「思ったより早かったっすね。」
パシェリハ
「足止めしとけよバカが!!」
タンジー
「ちゃんとしましたよー!!」
パシェリハ
「どこがだよ!!しっかり来てんじゃねーか!」
ポルター
「おーおー。派手にやってくれはったみたいやなぁ。
それ以上はさせへんで。
ここはナーベルクの保護区域。自然文化遺産やぞ。
他国の兵士が簡単に踏み荒らして良いと思てんのか?」
タンジー
「部下を土葬してやった礼にしちゃぁ
荒っぽいじゃねーか。」
ポルター
「土葬?笑えへん冗談やなぁ。
しっかり礼は返させてもらうで。」
パシェリハ
「タンジー!!耳!!!」
タンジー
「へい!!」
ポルター
『剋刃 十四・ 金鳴切縛!!』
N
キーーンッと高音が辺りに鳴り響くと
妖精蜂達の動きが止まり
地面にボタボタと落ちていった。
しかし、パシェリハとタンジーは 咄嗟に耳を塞ぎ
やり過ごした。
ポルター
「器用な奴らやわぁ。
刃汽で覆った手で耳を塞いだんか。」
パシェリハ
「私らがサルバドルに来るのに
テメェの事ぉ調べねぇ訳ねーだろ。
ポルター砂漠霊!!」
タンジー
「流石っす!ねぇさん!!」
パシェリハ
「私ら魔装兵士は
刃術が使えなくなっただけで
刃汽は扱えんだよ。」
タンジー
「ナメんなよ!!!」
ポルター
「ほぅ。報告しとくわ。」
パシェリハ
「お前の扱う刃術系統だって把握してんだよ。」
タンジー
「え!?そうなんすか!?」
パシェリハ
「黙ってな!タンジー!!」
タンジー
「へい!!」
ポルター
「ベラベラ誰かが喋ったみたいやなぁ
どうせなら聞いとこか?
ホンマに合っとるかどうか。」
パシェリハ
「ハッ。私らの情報網ナメんなよ?
そもそも刃術の系統は鞘神の数に比例してる。
そんで人が扱える刃術系統は
誰もが扱える无属系を除いて
基本は4つぐれぇだ。
だが適正刃術系統は誰もが1つに絞られる。
ポルター。お前は元々、土砂系統が不得意だったはずだ。」
タンジー
「えー!!そうだったんすか!?」
パシェリハ
「お前は鞘花になる事で
後天的に土砂系統を手に入れたって訳だ。
鞘神様様だな。」
ポルター
「よう知ってはるなぁ。
誰から聞いたか教えてもらわな。
そいつは完全なるスパイ。見つけ出さなあかん。」
パシェリハ
「フン。私らのボスは何でもお見通しなんだよ。
お前の最も得意な刃術は波動系だ。
今回、妖精蜂の動きを止めるには
お前の系統だと波動系に属する剋刃の可能性は
充分にあった。対策考えるのは当然だろーが」
ポルター
「用意周到って事か。だから...なんやねん。
そもそも1つ間違うとるで。
誰もが扱える系統は无属を除いて4つとは限らへん。
所謂、天才って奴は4つ以上を扱えんねん。
それだけやない
照刃や剋刃に限って使えるもんも居る。
単純な足し算じゃ計り知れんのが刃術なんやで。
もういっぺん勉強し直してこんかい。アホ。
コイツも鼻で笑うてるで?
なぁ!? 金色木乃伊!!」
パシェリハ
「お前はここじゃあ解放出来ない。
刃術で闘うしかねーのも知ってんだよ。」
ポルター
「...ほぅ。」
パシェリハ
「自分で言ってたじゃねぇか。
ここはナーベルクの保護区域。自然文化遺産だってな。
千刃花は帝国の犬。
軍法に則ってんだろ?
激しい戦闘でココがぶっ壊れたら困るもんなぁ?
鞘解放は凄まじい余波がある。
全部、砂に還ったら責任取れねぇだろ?」
ポルター
「だからワザとここを選んだんか?」
パシェリハ
「いや?サルバドル共和国での解放は
そもそも和平協定違反だろ?
お前はサルバドルにいても 銀ノ箱庭にいても!!
解放なんて出来ねーんだよ!!!!!」
タンジー
「そうなんすか!!!
知らなかったっす!!!!」
ポルター
「フフッ。ホンマにアホやなぁ。
解放も出来ん鞘花が何で
わざわざ銀嶺 の少女の警備任務に就いとるんか
分かってないんか。めでたいやっちゃ。」
パシェリハ
「何だと?」
ポルター
「解放しない鞘花が弱いとでも
思てんのか???
俺の実力知らんみたいやなぁ」
パシェリハ
「じゃぁ見せてくれんのかい?
お前の死に顔をさ!!!!!」
タンジー
「やべ!!巻き込まれちまう!!!」
パシェリハ
『『咲け•肉芽 !!』』
ポルター
「グッ!!!何やこの刃汽!!」
アナ/機械音 兼任
ーー声紋認証 完了ーー
ーーー対鞘花特殊魔装兵器ーーー
ーーー起動しますーーー
パシェリハ
『『死亡 め... 餐窮吸沈 !!』』
N
銀粉が巻き上がり
禍々しい刃汽と黒い花粉が
辺り一帯を包み込んだ。
そしてメリメリと背中から
赤紫色の種子がびっしりと付着した巨大な花を
背中に生やしたパシェリハが現れた。
ポルター
「なんや...その姿。」
N
巨大な花は翅に見間違えるほど大きく
パシェリハにツタが絡まると
その姿はまるで翼の生えた蛇の様に見えた。
タンジー
「鉄頭鉄尾!! 離脱 !!
ねぇさん!!先行ってますねーー!!」
N
その様子を見たタンジーは
鉄頭鉄尾の背に乗って
すぐさまその場から離れた。
パシェリハ
「さて、どう嬲り殺してやろーかな。」
ポルター
「まんま...蛇やんか。
性格悪いお前にお似合いやなぁ。パシェリハ」
パシェリハ
「毒々しいこの姿こそ
お前の死に顔に花を咲かせんだよ!!」
タンジー▶︎▶︎▶︎N
N
ーージニアサイド亜空間内部にてーー
ジニア達は洗濯機の中に放り込まれた様に落ちていた。
ジニア
「目がぁぁ回るぅ!!!!」
モンティ
「なんじゃこりゃぁあ!!!」
ふみ子
「ウップッッあたい吐きそう!!」
アナ
「亜空間の中ではじっとしてないと!!」
ジニア
「そんなん無理やん!!!!」
モンティ
「お、おい!!ふみ子!!吐くなよ!!
吐くなよ!?」
ふみ子
「さっき食べた豚バラが...」
ジニア
「頼む!!やめてくれぇ!!!」
モンティ
「お前いつの間に食ったんだよ!!」
ふみ子
「吐く!!あたい!!吐くかーーー」
N
グニュンと亜空間の扉が開き
地面に3人は放り出された。
ジニア・ふみ子・モンティ
「イデッ!!!」
N
3人が辺りを見渡すと
そこには様々な木、地面、妖精蜂が作ったとされるオブジェなど
全てが銀色に輝く幻の都が広がっていた。
そしてその奥には黄金の大樹がそびえ立ち
銀ノ箱庭を照らす月明かりが
都全体を反射し照らしていた。
ジニア
「ウヒョォーー!!
ここが 銀ノ箱庭!!」
ふみ子
「銀だらけじゃない!!!」
モンティ
「見ろ!!あっちにデケェ黄金の大樹がある!!」
アナ
「女王妖精蜂がいるんじゃないかな。」
モンティ
「そうだろうな。」
ジニア
「いかにもって感じやなぁ!!
さっさと女王妖精蜂の星屑持って帰るで!!」
ふみ子
「あ!!あたい達の目的それだった!!」
モンティ
「ったく。命懸けで来たんだぞ?忘れんなよ...」
アナ
「にしても...静かだねぇ。
僕達...侵入者なんだけどなー」
ふみ子
「そうね。もっとワンサカいるかと思ってたけど」
モンティ
「少し予想外だな。」
ふみ子
「見て!!妖精蜂の星屑だらけ!!」
モンティ
「うお!!」
N
ふみ子は地面の砂を掴むと
サラサラと妖精蜂の星屑が落ちた。
ジニア
「ちょっと持って帰ろか。」
ふみ子
「もうポッケに入らないわよ!」
ジニア
「早ッッ!!!
女王妖精蜂の星屑
持って帰れんくなんで!!」
ふみ子
「あっ。」
モンティ
「こっち見てみろ!この木!!銀だぞ!!
この岩も!!花も!!」
ふみ子
「まるで異世界ねぇ。」
ジニア
「ほんま...銀嶺 そのもんやなぁ。
昔、銀嶺 の少女描いた奴も
ここに来たことあるんやろなぁ。」
N
しばらく3人はこの景色に見惚れていた。
すると、フワフワと1匹の妖精蜂が
微笑みながら飛んできた。
ジニア
「妖精蜂や!!こいつ追っ掛ければ
女王妖精蜂のとこまで行けるかもしれん!」
アナ
「帰巣本能ってやつだね!!!
追いかけよう!!!」
N
3人はゆっくりと飛ぶ妖精蜂を
追いかけていった。
アナ
「随分と遅いね!ほぼ歩ける速度だね!」
ジニア
「いつも、全速力じゃ疲れてまうからな!」
モンティ
「ありがたいぜ!!
見失わなくて済む!!」
ふみ子
「待ってよぉー!妖精蜂ちゃぁあん!」
アナ
「やめなよ。
Fレディガールが言ったら逃げちゃうだろ!」
ふみ子
「何でよ!!」
アナ
「だって怖いじゃないか!!」
ふみ子
「ちょっとソーサリーJ!!
早くOS更新して!!
バグだらけじゃない!!
もしくは作り直して!!」
モンティ
「え!?無理だって!!
2度と作れねーもん!!
形状記憶合金を錬成すんのに
何年かかったと思ってんだよ!!
しかも更新なんて必要ねーし!
人工知能の意味分かってんのかよ!!」
アナ
「残念だったね!!Fレディガール!!」
ふみ子
「ぶっ壊してやる!!」
モンティ
「バカバカバカバカ!!!」
ジニア
「やかましい!!!!」
ふみ子
「あっそうだ!!
教えればいいのね!?
ゴホンッッ。ANA?」
アナ
「何だい?」
ふみ子
「ふみ子。美しい。」
アナ
「ふみ子 難しい」
ふみ子
「ううん。違うのよぉ?
繰り返すの。ほら、ANA?
ふみ子。美しい。」
アナ
「ふみ子 悩ましい」
ふみ子
「ANAちゃーん?
ふみ子は悩ましくないのよぉ?
良い?ふみ子。美しい。」
アナ
「ふみ子 懐かしい」
ふみ子
「うわぁ、小さい頃よく来た所だぁ!
懐かしい 銀ノ箱庭!!
って来たことないわよ!!!!!!
ねぇよく聞いて!!!ふ!み!!子!!美しい!」
アナ
「ふみ子 ふつくしい」
ふみ子
「ちょっとモンティ!!人工知能って何ぃ!?!?」
ジニア
「あーうるさ!!!
正直やないかい。なぁ?ANA!!
お前の滑舌が悪いんちゃうか??
言語変えてみ!?な!?ANA!!
ゴホンっ。ジニア イズ ナイスガイ」
アナ
「ジニアはカッコいい!!!」
ジニア
「そやでぇ!!ええ子や!!!」
アナ
「エヘヘ!!」
モンティ
「いや、それ翻訳しただけじゃ...」
ふみ子
「そう言う事ね!!
ゴホンッ!!ふみ子 イズ ビューティ!!」
アナ
「ふみ子 イズ ビーフ!!」
ふみ子
「エクスキューズミー!?!?」
モンティ
「おいおい!!壊すな壊すな!!!」
ジニア
「止まれ。」
ふみ子
「このポンコツAI!!」
アナ
「ふみ子 イズ ビーフ!!」
ふみ子
「まだ言う!?」
モンティ
「もう諦めろよ...」
ジニア
「止まれ言ーとるやろ!!」
ふみ子・モンティ・アナ
「え?」
N
ジニアが叫ぶと辺りを見渡した。
ジニア
「周り見てみぃ。」
アナ
「これは...」
N
沢山の銀で出来た木に
数え切れないほどの丸いボールがぶら下がっていた。
ふみ子
「松ぼっくり?にしては
3メートルぐらいない?」
モンティ
「一体...いくつあんだよ。」
アナ
「まさか...これって」
N
妖精蜂はクスクス笑いながら
大きなボールへと入っていった。
ここは 銀ノ箱庭にある妖精蜂の巣。
決して近づく事なかれ。触れれば命は無い危険区域。
ジニア
「何や...誘導されたんか?
そーっと離れるで。この数の妖精蜂に襲われたら
死んでまうからな」
ふみ子
「おっけー。」
モンティ
「了解」
N
するとドーーーンっと地鳴りが響いた。
ジニア
「なんや!?」
N
更にドーーーンっと轟音が鳴り響く
ふみ子
「まさか!!ポルターきゅん!?」
モンティ
「闘ってんのか!!!」
ジニア
「あの野郎!!」
アナ
「まずいよ!!巣が揺れてる!!!」
N
すると妖精蜂達が次々と表に出てきた。
ジニア
「逃げるで!!!!!」
N
しかし時速60キロの速度には敵わず
先回りされると妖精蜂達は
高速回転し亜空間を作り出した。
ジニア
「え??」
アナ・ふみ子・モンティ
「怪盗Z!!」
ジニア
「ぇえええ!!」
N
亜空間は上空に出口を作り
ジニアは落下していく。
ふみ子
「ワープ!?って!!あれ!?」
N
ふみ子も上空から落下していた。
モンティ
「亜空間に近づくな!!って!えぇえ!!」
N
モンティも上空から落下していた。
妖精蜂は落ちては着地する前に
上空に亜空間を作り出し
ジニア達はまるで
バンジージャンプを永遠に繰り返す様だった。
ジニア
「やめっ!!」
ふみ子
「ギャァ!!!」
モンティ
「また!?」
ジニア
「えーー!?」
ふみ子
「落ちるぅ!!!」
モンティ
「いつまで!!」
ジニア
「落ちたら!!」
ふみ子
「いいのぉ!?!?」
アナ
「お手玉みたいだね!!
遊ばれてるよ!みんな!!」
ジニア
「分かっ」
ふみ子
「てん」
モンティ
「だよぉおおお!!!」
パシェリハ▶︎▶︎▶︎N
N
ーータンジーサイドーー
タンジー
「あっぶね。ねぇさんの戦いに巻き込まれたら
危うく死ぬ所だったぜ!!!」
N
タンジーは鉄頭鉄尾から降りて
銀ノ箱庭を歩いていた。
鉄頭鉄尾はタンジーの歩く速度に合わせて
5メートルもの巨体を引きずりながら進んでいた。
モンティ・ふみ子
「ウォオオオオオ!!!!」
タンジー
「さっさと任務終わらせ...ん?」
タンジー・ふみ子・モンティ
「グハッッ!!!」
N
タンジーは
上空から落下して来たモンティとふみ子に激突した。
モンティ
「イテテテッ」
ふみ子
「アタタタッ」
モンティ
「ん!?ん!?た、助かったぁ」
タンジー
「イッテェな!!!!」
ふみ子
「会いてえな!?
何よ急に告白!?
一体誰...ぇええ!!!!!!」
モンティ
「やっと...終わった...
え!?タンジー!?!?」
タンジー
「お前らかよ!!!!」
ふみ子
「悪いけどあたい!!
アンタに興味ないから!!!」
モンティ
「んな事どうでもいんだよ!!!」
タンジー
「来なきゃ死なずに済んだのによ。バカなのか?」
アナ
「アナもいるよ!!」
タンジー
「邪魔すんなら殺すだけだっつーの。
鉄頭鉄尾!!! 突進!!」
モンティ
「いきなりかよ!!!」
N
モンティとふみ子は立ち上がり
ギリギリの所で 避 けると
咄嗟に距離をとった。
ふみ子
「アンタ達のせいで
ひどい目にあったじゃない!!
どうしてくれんのよ!!」
タンジー
「あ!?何の話ししてんだよ!!
黙って死んどけって!!!!!
ヴッォオラァッ!!!!!」
モンティ
「ふみ子!!」
ふみ子
「オッケ!!」
N
するとモンティは変態仮面 のフチを
ポチッと押すと変態仮面 から
強烈な閃光が迸った。
モンティ
「ソーサリーフラッァァシュッ!!!!!」
タンジー
「何!?目が!!!見えねぇ!!!!
クソ!!どこ行ったーーー」
ふみ子
「チェストォオオ!!!」
タンジー
「グハッッッ!!!!」
ふみ子
「グッ!!!硬い!!」
モンティ
「違う違う違う違う!!
逃げんだよ!!!!」
ふみ子
「え!?モンティどこ行ったの!?」
N
変態仮面 のお陰で
目が見えているふみ子は
タンジーの顔面を思いっきり殴り飛ばしたが
モンティを完全に見失ってしまった。
タンジー
「クソ!!」
N
タンジーは再び目を開けると
そこには荒ぶる鷹のポーズを取ったふみ子しかいなかった。
ジニア▶︎▶︎▶︎N
N
説明しよう!!
ソーサリーJの変態仮面には
透撮金曜日という機能が付いている。
ソーサリーフラッシュの掛け声で
閃光を発した後に透明人間になる事ができる代物だ!!
ただし、ソーサリーフラッシュを再び発動すると
透明化が解除されてしまうのが難点。
使いすぎると回路がショートして
変態仮面 が壊れるので要注意!!
ちなみに掛け声が無くても発動出来るぞ!!
パシェリハ▶︎▶︎▶︎N
タンジー
「ソーサリーJはどこ行きやがった!!」
モンティ
「Fレディガール!!逃げる気ねぇなら
闘うしかねぇ!!!
浮かび上がる文字を声に出せば
声紋認証で起動できる!!!!こんな風にな!!
行くぜANA!!インストール完了!!!」
アナ
「ほいさ!!!」
モンティ
「悪を罰する正義の鉄棍!!」
『正義ノ !!懲罰棒!!』
タンジー
「な、なんだ!!!何が来るんだ!!」
N
するとモンティが叫んだ瞬間
ANAウォッチが野球バットに変形した。
しかし、モンティは透明人間になっている為
バットだけが見えていた。
ふみ子
「居場所バレバレじゃない!!!」
モンティ
「うるせぇ!!調整する時間が無かったんだよ!!」
ふみ子
「バットが喋ってるみたいになってるから!!!」
タンジー
「おいおいおいヤル気あんのか?お前ら。
鉄頭鉄尾!! 狩猟 !!!
あのバットを狙え!!!!!」
モンティ
「うぉ!!追っかけてくんのかよ!!!」
タンジー
「鉄頭鉄尾は
自立型対鞘花特殊魔装兵器!!
俺の命令に呼応して動けんだよ!!」
モンティ
「何だそれ!!反則だろ!!!!
一体どんな科学だよ!!!!」
タンジー
「知らねぇよ!!!」
モンティ
「知らねぇのかよ!!!」
タンジー
「ソープワイト様に聞けぇ!!」
モンティ
「誰だよそれぇええ!!!!」
N
犬の様に迫り来る鉄頭鉄尾に
背を向けながら逃げるモンティ。
それを見ていたふみ子はANAウォッチを
いじっていた。
ふみ子
「あたいらもヤルよ!ANA!!
おし!!!インストール完了!!!」
アナ
「ガッテン承知!!!」
タンジー
「今度は何だ!?」
ふみ子
「悪をブチのめす正義の鉄拳!!」
『正義ノ !!剛拳ッッ!!』
N
ふみ子の叫びに呼応しANAウォッチが変形すると
右拳にグローブが装着された。
ふみ子
「チェスト!!!」
N
ふみ子は
鉄頭鉄尾の軌道を殴ってズラした。
モンティ
「ナイスだFレディガール!!
こっちも溜まった!!!!!
タンジーに打ち返してやる!!!オラァ!!!」
タンジー
「何!?!?」
N
モンティは軌道をズラされた鉄頭鉄尾を
タンジーに打ち返した。
タンジー
「うおっ!!!マジかよ!!
鉄頭鉄尾!! 待機!!!
バカ野郎!!止まれ!!!
グァァァ!!!!!!!!」
モンティ
「どうだ!!その重量だと
急には止まれねーだろ!?」
ふみ子
「やるじゃない!!!
あんな重い鉄球を打ち返すなんて!!!」
モンティ
「すげーだろ!?1分チャージすれば
斥力増幅装置が起動する仕組みなんだぜ!?
弾く力を3倍にする事が出来る最高のバットだ!!」
ふみ子
「何それ!アンタだけズルくない!?」
モンティ
「お前のグローブも1分チャージすれば
絶対離れない粘着増幅装置が付いてる!!
もうそろそろ使えるはずだ!!」
ふみ子
「粘着増幅装置ね!!分かった!!!」
モンティ
「そうだ!!どんな物が飛んできても
絶対取りこぼさない!!!!」
ふみ子
「ん?取りこぼさない!?!?
へーー!!!!!このグローブがねぇ...
ってこれ!!キャッチャーミットじゃない!!」
モンティ
「そうだよ!!!!!」
ふみ子
「そうだよ!!じゃないわよ!!!」
モンティ
「仕方ねーだろ!!!!
戦闘を想定して作ってねーんだよ!!」
ふみ子
「だからって野球想定してんじゃないよ!!
粘着したら次の攻撃出来ないじゃない!!!
アンタ言ってたわよね!?
この先、戦闘になるかもしれないから渡しとくって!!
こんなのいつ使うのよ!!!!!」
モンティ
「心配すんな!!
怪盗Zのは野球とは関係ねーから!」
ふみ子
「そうなの!?なら良かった。
ってなるかー!!!!!」
アナ
「2人とも!!来るよ!!
戦いに集中するんだ!!」
ふみ子
「どおりで打ち込みづらいと思った!!
覚えときなさいよ!!ソーサリーJ!!!!!」
アナ
「Fレディガール!!タンジーが起きたよ!!」
タンジー
「グッ...予想外だったぜ...
ってなんだそれ!!
グローブとバットが喋んのかよ!!」
アナ
「やぁ!アナだよー!!」
タンジー
「遊びに付き合ってる暇ねーからな!!
大体よぉ刃術も使えねぇ一般人が
俺の相手出来ると思ってんのか!?あん!?」
モンティ
「お前みたいなチンパンジーが
一般人の相手できると思うなよ!!!!」
タンジー
「一般人がこの俺に楯突いてんじゃねーよ!!
さっさと殺して終わりだゴラ!!!」
ふみ子
「チンパンジーは認めんのかい!!」
モンティ
「こっちにはな!!ゴリラがいんだよ!!」
タンジー
「何!?」
ふみ子
「どこ!?」
モンティ
「ツインテールのゴリラがな!!!」
ふみ子
「あたいの事かーい!!!」
モンティ
「ゴフッ!!イッデ!!殴んなよ!」
アナ
「んもう!!!構えて!!!」
タンジー
「鉄頭鉄尾!!
エサの時間だ!!!!! 突進 !!」
アナ
「また食べてるよ!!!
吐き出される前になんとかしなきゃ!!」
モンティ
「さっきのか!!」
ふみ子
「ソーサリーJ!!
あたいが鉄頭鉄尾を止める!!」
モンティ
「出来るのか!?」
ふみ子
「なめんじゃないよ。
武極めし乙女の拳!!
唸るは波濤の飛沫かな。
ライティング...バイ...」
N
ジグザグに大地を呑み込みながら進む
鉄頭鉄尾に向かって
ふみ子は拳を叩きつけた。
ふみ子
「チェストォオオ!!!」
タンジー▶︎▶︎▶︎N
N
ーーパシェリハサイドーー
ジニア
「アタタタッ
やっと...終わった...ヴッ...吐きそう」
ポルター
「何しにきてん!
さっさと銀でも盗って帰らんかい!!」
パシェリハ
「よそ見?余裕だねぇ!!ポルター!!」
N
パシェリハは 餐窮吸沈 を
翼の様に羽ばたかせると黒い花粉が舞い
種子がカタカタと更に激しく音を立て始めた。
それはまるで幼児の啜り泣く声の様に聞こえ
不気味な雰囲気を醸し出していた。
パシェリハ
『咽ビ泣ク者 』
ポルター
「あかん!!」
ジニア
「ぬぉおお!!!」
N
すると無数の種子がポルターとジニアに襲いかかった。
ジニア
「マシンガンやんけ!!!」
パシェリハ
「死ねよ!!!」
ジニア
「怖っ!!!ってか
なんちゅー姿してんねん!!!」
ポルター
『剋刃 三十九・照盾楼壁!!』
N
ポルターは光り輝く巨大な円形の壁を前方に出すと
種子からジニアと自身の身を守った。
パシェリハ
「甘いんだよ!!!」
ポルター
「何やと!?」
N
照盾楼壁の表面に
種子が根を張ると一瞬で種子が弾け
パリンッと音を立てて崩れた。
ポルター
「チッ!!」
『剋刃 三十六・空乗波濤!!』
パシェリハ
「逃すかよ!!!」
N
パシェリハは
ジニアを抱えて滑る様に
空中を波乗りするポルターを追い
更に種子を放った。
ジニア
「助かったぁ!!!」
ポルター
「ホンマ邪魔やな!!!!!
何でこっち来てんねん!!」
ジニア
「しゃーないやろ!!!!
亜空間入ったら落下しててんから!!」
パシェリハ
「逃がさないよ!!!」
ポルター
「グッ!!しつこいやっちゃな!!」
『滅刃 二十一 ・砂刃大天!!!』
パシェリハ
「効くかよ!!んなもん!!!!」
N
砂の刃が種子と衝突するも
数で種子が勝り、逃げ回るポルターを
徐々に追い詰めていった。
ジニア
「もうええって!!
自分の身は自分で守る!!」
ポルター
「お、おい!!怪盗Z!!!」
パシェリハ
「笑わせんな!!ただの泥棒が!!!」
ジニア
「何やと!?
あんましナメとったら痛い目ぇみるで!!
えーっと何やったっけな...
せや!!これ言えばえーんやな!
おっしゃ!!ANA!!!インストール完了!!」
アナ
「はいよ!!」
ジニア
「悪を滅する正義の鉄板!!!
鉄板!?え!?鉄板!?」
『じゃ...正義ノ !! 障壁 !!』
ポルター
「なんやそれ!!!ただの板やないかい!!」
アナ
「ただの板じゃないよ!鉄板だよ!!!」
パシェリハ
「喋る板かよ。どこまでもふざけてんな!!
殺す!!!!!!!」
ジニア
「な、なんや!!これ!!
ど、どう言う事やねん!!!」
アナ
「僕は怪盗Zを守る壁さ!!!
どんな悪口だって防いでみせる!!」
ジニア
「悪口だけ!?」
パシェリハ
「あん?カスがドケよ。」
アナ
「ね?聞こえないでしょ!?」
ジニア
「はっきり聞こえてますけど!?」
N
すると種子がマシンガンの様に
ジニアに向かって次々と飛んできた。
ポルター
「怪盗Z!!」
N
しかし鉄板は破壊される事なく全て防ぎ切っていた。
アナ
「ソーサリーJからメッセージだよ!」
モンティ
((怪盗Z。お前ならどんな壁でも乗り越えられる!))
ジニア
「やかましわ!!」
アナ
「良い鉄板ネタができて良かったね!!」
ジニア
「いらんわ!!!!」
パシェリハ
「チッ!!刃汽で作られてねーのかよ!
やっかいな板なんて出しやがって!!」
ポルター
「なるほど...刃汽で構成されたもんが
種子に破壊されるんか。面倒やな。」
パシェリハ
「ウケる。今更かよ。
案外、頭悪りぃんじゃねーの?」
ポルター
「よう気付けたって褒めるとこやろ!!」
パシェリハ
「ふざけやがって!!」
ポルター
「ふざけてんのは...どっちやっちゅーねん!
お前らの目的はなんや!!」
パシェリハ
「周りみりゃぁ分かるだろ?
金銀財宝さ!!!
これだけあれば軍資金に困る事はねぇ!!
これでラミオラス帝国軍は更なる進化を遂げる!!
ナーベルクだけに独り占めさせるかよ!!」
ポルター
「アホか。ナーベルクは鞘神と共におる。
自然を護るのも役目の1つなんやで。
ナーベルクがここに手ぇ付ける訳ないやろ。
お前らラミオラス人と一緒にすな。」
パシェリハ
「バカ抜かしてんじゃねーぞ。
自分の国の人間しか護らねぇ偽善者が!!!
お前ら鞘花がいる限り戦争は終わんねーんだよ!!」
ポルター
「自分の国の為やない!!
護りたいもんを護れん世界を変える為に
俺は鞘花になった!!
邪魔はさせへんぞ...パシェリハ!!!」
ジニア
「...ポルター」
ポルター
「怪盗Z。分かったら
その鉄板に隠れときぃ。」
パシェリハ
「カッコばっか付けやがって。
さみぃんだよ!!!」
N
パシェリハは更に種子を飛ばすと
妖精蜂の星屑と共に
黒い花粉が舞い上がった。
ポルター
『剋刃四十一・五角羅生門!!』
パシェリハ
「無駄だっての!!!」
N
パシェリハは花弁を羽ばたかせて
黒い花粉を飛ばすと更に種子はマシンガンの様に
五角羅生門に打ち込まれては破裂していく。
ポルター
「何!?
鋼鉄の五角羅生門もかい!!」
パシェリハ
「無駄だって言ってんだろ!!
根を張り出した種子は
一瞬で刃汽を吸収して破壊すんだよ!!」
ジニア
「 避 けんかい!!ポルター!!!!」
N
五角羅生門が
ガラガラと音を立てて崩れ落ちると
ポルターの肩や身体に種子が根を張り
みるみる肥大化し種子が破裂した。
ポルター
「グハッッッッ!!!!何や...これ...力が...」
N
ポルターは震える手で
破裂していない種子を引き抜き投げ捨てると
片膝をついた。
ポルター
「ハァ...ハァ...ハァ...」
パシェリハ
「まだまだまだまだ!!!!!」
N
すると、パシェリハは更に種子を放った。
ポルター
「グァァァ!!!!
ガハッ!!!!アカン...刃汽が...」
ジニア
「オオオオオ!!!!!!」
N
雄叫びを上げるジニアがポルターの前に飛び出すと
正義ノ 障壁 で種子を防いだ。
パシェリハ
「雑魚は引っ込んどけよ!!
ちょこまかウゼェんだよ!!!!!!」
ポルター
「何してん...ねん
隠れとけ...言ーたやろ。」
ジニア
「難儀なやっちゃなぁ。
まずはありがとうやろ!!」
ポルター
「お礼 言うんはまず...お前から...やろ」
ジニア
「なに言ーてんねん。
助けたってんねんぞ。」
ポルター
「アホ抜かせ...それは俺やぞ」
ジニア
「元気そやなポルター。
んな事より...見たか?
あの姿はあんま動かれへんみたいやで。
さっきからパシェリハはあの位置から動いてへん。」
ポルター
「なら...何で逃げへんねん。」
ジニア
「何でやろな。」
ポルター
「フフッ。アホか」
ジニア
「アホやなぁ」
N
鉄板で種子を防ぐ最中
2人は顔を見合わせて笑った。
ポルター
「ん?お前...もしかして...」
アナ
「怪盗Z!!ポルターは大丈夫かい!?
この威力を浴び続けたら
いくら種子に吸われる刃汽がなくても
僕が保たないよ!!」
ジニア
「もうちょい踏ん張れ!!!」
アナ
「無理があるよ!!」
ジニア
「せや!!ANA!!
変形したまんまポルターの状態見れるか!?」
アナ
「出来るよ!!モンティが
1分エネルギーをチャージすれば
ANAウォッチとしての機能が使える
ダブルタスク装置を付けといてくれたんだ!!」
ジニア
「ダ、ダブルなんて!?
よう分からんけど
ほんなら頼むわ!!!」
アナ
「分かったよ!!」
N
すると正義ノ 障壁 から
ANAのホログラムが飛び出すと
ポルターの身体をスキャンし始めた。
アナ
「怪盗Z!!
ポルターの体内エネルギーが
凄い勢いでこの種に吸われてるよ!
それと並行してポルターの心拍数が下がって来てる!
ん?待って!!この種ポルターに根を張り始めた!
ポルター!!早く抜かないとダメだ!!」
ポルター
「わーっとるが腕が上がらへんのや」
ジニア
「貸してみ!!!抜くで!!せーの!!」
ポルター
「ウグッ!!!!!ハァ...ハァ...助かったわ。
楽になった。ハァ...ハァ...
この種...刃汽を急速に吸うみたいやな。
鞘花の俺の刃汽 根こそぎ
持っていく気やぞ」
アナ
「大丈夫かい!?」
ポルター
「当たり前...やろ。
隊長...ともなれば...照刃で傷ぐらい治せんねん」
『照刃 三十七・砂漠十字ノ錫杖』
N
ポルターは砂で30センチほどの長細い棒を造り出し
怪我した箇所をゆっくりとなぞった。
すると、その傷が徐々に塞がっていった。
ポルター
「グッ...刃汽を...だいぶ消耗してもうた。」
ジニア
「さっきから刃汽言ーとるけど
なんやそれ。」
ポルター
「汽の能力...
生命エネルギーみたいな...もんやねん。
それが尽きれば...例外なく死んでまう。」
ジニア
「そうなんや...」
パシェリハ
「チッ。やっぱり壊れねーか。」
アナ
「来るよ!!!」
ポルター
「せや。怪盗Z。名案があんねんけど」
パシェリハ▶︎▶︎▶︎N
ーータンジーサイドーー
タンジー
『暴虐舞踏陣 破滅ノ終!!』
N
鉄頭鉄尾が
縦横無尽に駆け抜け
銀で出来た障害物に当たっては跳ね返ると
何度も何度もモンティ達に襲いかかっていた。
ふみ子
「グアッッ!!」
モンティ
「ガハッ!!」
アナ
「みんな!!!」
タンジー
「ヴォラヴォラヴォラヴォラ!!!」
モンティ・ふみ子
「グッ!!ガハッ!
ウグッ!!ゴホッ!!
ガッッ!!アガッ!!!!!」
タンジー
「ヴォラァァア!!!!!!」
モンティ
「ガハッ!!」
ふみ子
「グハッッ!!!」
タンジー
「こんなもんかよ!!」
N
鉄頭鉄尾に吹き飛ばされた2人は
地面に倒れていた。
アナ
「逃げるんだ!!!!!!!」
ふみ子
「グッ...このあたいが...」
モンティ
「インテリの俺が...なんでこんな目に...」
アナ
「立って!!立つんだ!!!!!」
N
すると、モンティはヨロヨロと立ち上がった。
モンティ
「死ぬ気で走れぇええ!!!」
ふみ子
「オッケー!!戦略的撤退!!!」
タンジー
「逃すかよ!!」
『逆流スル 暴食ノ嘔哮!!!』
モンティ
「ソーサリーフラァァッッシュッッ!!!!」
タンジー
「眩しっ!!!!
クソ!!目がやられた!!!」
N
濁流が迫る中
モンティとふみ子は一斉に走った。
アナ
「よく走れるね!!凄いよ!!
あ、興奮してるからアドレナリンが出てるんだね!」
ふみ子
「そう言われると身体中が痛いような...!!」
モンティ
「耳貸すな!!現実に引き戻されるぞ!!」
アナ
「人間の身体って凄いなぁ。
今度中身見せてよ!!」
ふみ子・モンティ
「見せれるかぁ!!!」
モンティ
「ったく!!
あんな奴とまともに闘えるかよ!!!」
ふみ子
「ちょっとソーサリーJ!!アンタの姿見えないから
どこに向かったら良いか分からないんだけど!!」
モンティ
「バット見ろバット!!ここだよ!!
ふみ子!!俺についてこい!!!」
アナ
「あ!!
そういえば妖精蜂が見当たらないね!」
モンティ
「おそらく巣に帰ってんだよ!
こんだけ大暴れしたら警戒もすんだろ!!」
アナ
「警戒!?」
モンティ
「そうだ!!俺たち亜空間で遊ばれたろ!?
って事は知能があるって事だ!!」
アナ
「おー!!流石はソーサリーJ!!
確かにB級 魔獣生物 の中には
知能指数が高い種族がいるみたいだね!」
ふみ子
「それでどうすんだい!?」
モンティ
「俺たちじゃアイツには敵わねー!!」
ふみ子
「それで!!?」
モンティ
「言ったろ?俺たちじゃってな!!
そこ曲がれ!!タンジーの視界が回復したら
すぐ追いつかれるぞ!!」
アナ
「何する気だい!?」
タンジー
「待てコラァ!!!!!」
アナ
「来たよ!!!!!」
タンジー
「鉄頭鉄尾!!狩猟 だ!!
あのバットを追いかけろ!!!」
N
タンジーは鉄頭鉄尾に乗り
追いかけて来た。
ふみ子
「ヤバっ!!!!」
モンティ
「ドケ!!Fレディガール!!!
狙いは俺だ!!!!!」
ふみ子
「ちょっと!!そんな傷で立ち向かったら!!」
モンティ
「ぬぉおおおお!!!!!!」
N
モンティはふみ子を突き飛ばすと
鉄頭鉄尾を正義ノ 懲罰棒で受け止めた。
ふみ子
「ソーサリーJ!!」
モンティ
「ォォオオオオオオ!!!!」
アナ
「ソーサリーJ!!限界だ...僕...もう!!」
モンティ
「踏ん張れ!!ANAァア!!」
タンジー
「鉄頭鉄尾!! 回転!!」
N
その瞬間、正義ノ 懲罰棒が
バキンッと折れた。
アナ
「ごめ...ん」
モンティ
「悪りぃ...」
ふみ子
「ANA!!!!!!」
モンティ
「ふみ子!!そのまま移動しながら闘え!!」
タンジー
「ウオォオラァァ!!!!」
モンティ
「ヤッベ... グァァァッッ!!!!!」
N
モンティのANAウォッチが
崩れ落ちると同時にそのまま吹き飛ばされてしまった。
ふみ子
「ソーサリーJ!!!!」
タンジー
「ぁーあ。飛んでいっちまったな。殺せねーじゃん」
アナ
「Fレディガール!!ソーサリーJが...」
タンジー
「アイツの喋る武器はぶっ壊した。
後はテメェの喋る武器とマスクでもぶっ壊すか。
素顔がどんなか拝んでやるよ!!」
ふみ子
「ソーサリーJをよくも!!!」
タンジー
「あん?」
ふみ子
「あたい許さない!!」
タンジー
「ほざけ!!!
鉄頭鉄尾!!食撃 !!だ!!
この女を喰い殺せ!!!!」
N
すると、ふみ子は自身の変態仮面 のフチのボタンを
ポチッと押して叫んだ。
ふみ子
「ふみ子ギャラクシーパワー!!チェーンジナップ!!」
タンジー
「何!?また目眩ましか!!」
N
ふみ子の身体は淡くピンク色に輝き出すと
電磁波が揺らぎ5人に分身した。
タンジー
「な、なんだその姿は!!!」
ふみ子
「コスプレ何それ珍百景!!!
ヤマトナデシコ七変化!!!
美遁 五人衆!!ステージ!!オン!!」
タンジー
「何!?5人に増えた!!!
刃汽で何となく目星付けるしか...って
コイツら刃汽ほぼねーから分からねえ!!」
モンティ▶︎▶︎▶︎N
N
説明しよう!!
Fレディガールの変態仮面には
美遁 五人衆という機能が付いている!!
ギャラクシーパワーの掛け声で
様々な声と衣服、自分自身を透影した分身を
任意の場所に作り出すことが出来る代物だ!!
ただし、分裂ではなく分身の為
ふみ子本体以外はホログラムであり
分身限度は4体!!時間制限は10分!!
でも本当は掛け声が無くても発動出来るぞ!!
国立美術館でポルターを欺いたのも
美遁 五人衆の能力のお陰だ!
パシェリハ▶︎▶︎▶︎N
ふみ子
「さぁ!!覚悟しな!!ある時は美人ナース
ある時はトキメキ女子高生!!
そして今日は特別大特価!!
絶世の美女5人が相手してあ、げ、る!!」
タンジー
「絶世の美女!?ど、どこにいんだ!!」
ふみ子
「ここよ!!」
タンジー
「どこだよ!!」
N
赤、オレンジ、水色、緑の服を着たふみ子は
タンジーに向かって走り出した。
タンジー
「チッ!!どれが本物か分かんねぇ!!」
ふみ子
「こっちかな?こっちかな!?こっちかな!?
それともこっちかな!?いや!!こっちかな!?」
タンジー
「クソが!!!!
どうせ水色の方だろ!!!ヴォラァァア!!」
N
タンジーはガムシャラに鉄頭鉄尾を
振り回したが本体をとらえる事は出来なかった。
タンジー
「何!?すり抜けた!?ホログラムか!!!
どこだ!!!まさか...上!?」
ふみ子
「チェストォオオ!!!!」
タンジー
「ガッッ!!!!!」
タンジー
((一発が重い!!!))
タンジー
「ガハッ!!」
ふみ子
「チェスチェスチェスチェスチェスチェス」
タンジー
「グァァァ!!!」
ふみ子
「近距離戦ならあたいは!!!
負け!!!ない!!!!
チェストォオオオ!!!!」
タンジー
「グァァァッッ!!!」
N
タンジーを吹き飛ばすも
鉄頭鉄尾が急旋回し
タンジーの壁となった為
すぐさま体勢を立て直した。
タンジー
「ペッ!!!
良くやった鉄頭鉄尾!!」
ふみ子
「チェストォオオ!!」
タンジー
「早い!!!
けどよぉ!!
殴り合いなら俺が負けるわけねーだろ!!!」
N
そして2人は激しい攻防戦を繰り広げていた。
タンジー
「ヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラ
ヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラ
ヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラ
ヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラ!!」
ふみ子
「チェスチェスチェスチェスチェスチェスチェス
チェスチェスチェスチェスチェスチェスチェス
チェスチェスチェスチェスチェスチェスチェス
チェスチェスチェスチェスチェスチェスチェス!!」
タンジー
「ドォオリャァ!!!」
ふみ子
「チェストォオオ!!!」
タンジー・ふみ子
「グァァァッッ!!」
N
クロスカウンターを決めた2人は同時に吹き飛んだ。
ふみ子
「ウグッ...」
タンジー
「グッ!!女のクセに良いパンチじゃねぇかよ。
だが、本体は分かったぜ!!」
ふみ子
「ハァ...ハァ。
アンタバカなの?
本体の分身も自由に切り替えられるのよ!!」
N
ふみ子は分身を元に戻すと再び分身した。
タンジー
「...やるじゃねぇか。
だが運が悪かったな!!
鉄頭鉄尾は
お前のニオイを覚えた!!!
俺が認識しなくても
狙った獲物は逃さねぇ!!
鉄頭鉄尾!!
Fレディガールを喰え!!」
ふみ子
「追尾か!!ん!?」
N
するとタンジーは鉄頭鉄尾の鎖を手から離した。
ふみ子
「武器を手放すなんて...何を企んでんのよ!」
アナ
「Fレディガール!!!
鉄頭鉄尾が見当たらない!!」
ふみ子
「ッッ!!本当だ!!」
タンジー
「鉄頭鉄尾!!解放!!
お前は自由だ!!!!!」
『暴暴暴暴暴暴暴暴!!』
N
すると大地が割れふみ子の足元から
鉄頭鉄尾が飛び出した。
ふみ子
「下か!!!」
タンジー
「遅せぇよ!!!」
アナ
「Fレディガール!!!!!」
N
鉄頭鉄尾に下から突き上げられたふみ子は
上空に打ち上げられると
更に真横に吹き飛ばされた。
ふみ子
「ガッハッ」
タンジー
「鉄頭鉄尾は自立型魔装兵器!!
命令を遂行するまでコイツの暴走は止まらねぇ!!」
N
地面に叩きつけられたふみ子の変態仮面 は衝撃で割れ
分身と変身が解かれた。
その瞬間、少しシュッとしていた身体が元の体型に変化し
同時に金髪だった髪は徐々に黒髪に戻っていった。
すると、遠くから鉄頭鉄尾がふみ子に迫って来ていた。
タンジー
「ちょっと遠くに飛ばしすぎたか...
おいコラ待て!!!」
ふみ子
「グッ...こんな所で!!!チェスーーえ!?何!?」
N
ふみ子の身体が真横に引っ張られた。
タンジー
「何だあの動き!!」
モンティ
「走れ!!」
ふみ子
「え!?」
モンティ
「周りを見ろ!!」
ふみ子
「アンタまだ透明だったの!!?
ってあれ!?!?あたいの変身が解かれてる!!
変態仮面 !!
壊れちゃったの!?!?」
モンティ
「そんなの今は良いんだよ!!
周り見てみろ!!」
N
モンティの言う通り周りを見渡すと
なんと、そこは妖精蜂の巣だった。
モンティ
「調べた結果
あの巣1つにつき1匹の妖精蜂がいる事が分かった。
俺が1匹刺激して外に出す。後は分かるな?」
ふみ子
「え!?ちょーー」
モンティ
「ポルターの言葉思い出せ!!
あっ!!ヤベー!来た!!」
N
鉄頭鉄尾とタンジーは
すぐそこまで来ていた。
タンジー
「やれ!!鉄頭鉄尾!!」
N
すると銀色の閃光がふみ子に向かって飛んできていた。
モンティ
「Fレディガール!!!1匹そっちに行ったぞ!!
お前なら捕まえられんだろ!!!」
ふみ子
「え!!?!パシッ」
モンティ
「よし!!粘着増幅装置を起動したら
そのままグローブごとタンジーに投げろ!!!
早く!!!!!!!!」
N
すると、ふみ子はポルターの言葉を思い出した。
----------------------------
ポルター
「あと忠告やけど下手に触ろうとせん方がええ。
元々、妖精蜂は仲間意識が強い 魔獣生物 。
仲間がピンチになれば命をかえりみずに
身体張って助けに来んねん。
大群に襲われて死んだ奴は腐るほど居るからな。」
----------------------------
ふみ子
「まさか...」
アナ
「粘着増幅装置、起動したよ!!
Fレディガール今だ!!!」
ふみ子
「でもそんな事したらアンタ!!!」
アナ
「大丈夫!!また会えるさ!
Fレディガール!!さぁ!!!早く投げて!!!」
ふみ子
「ANA...」
アナ
「早く!!!」
ふみ子
「チェエエエエストォオオオ!!」
タンジー
「ん!?遂にヤケクソか!?
ってお前!!!昼間の!!」
N
問いかける間もなく
ふみ子が投げたグローブをタンジーは胸で受け止めた。
タンジー
「ん!?何だこりゃ!!剥がれねえ!!!!」
N
そしてそのグローブの中には妖精蜂がいた。
タンジー
「何の真似だ!!」
モンティ
「ソーサリー!!!フラァァシュッ!!!」
N
発動と同時にモンティの変態仮面 は
発動限界を超過し壊れてしまった。
タンジー
「クソ!!またかよ!!!目がぁあ!!」
モンティ
「伏せろぉおお!!!!!!!!」
N
その瞬間、数万もの妖精蜂が
タンジー目掛けて突進していった。
タンジー
「目が...見えーーー何だ!?」
モンティ
「やれぇ!!!妖精蜂!!!!」
N
刹那、激しい銀色の閃光が
タンジーと鉄頭鉄尾を包み込む。
タンジー
「アゴガゴゴゴゴカガゴアガゴゴコァガ
アガゴアアガゴガゴゴガガゴゴゴ!!!!」
N
そして、タンジーはゆっくり倒れ
シューッッと鉄頭鉄尾は消えていった。
タンジー
「覚え...とけ...よ」
ふみ子
「終わった...勝ったの?」
モンティ
「ぁあ!!俺たちの勝ちだ!!!!!!」
ふみ子
「変態仮面 !!」
モンティ
「もういいよ!!」
N
タンジーVSふみ子・モンティ・ANA
妖精蜂数万匹の衝突によりタンジーを撃破。
勝者、ふみ子・モンティ・ANA
タンジー▶︎▶︎▶︎N
N
ーージニアサイドーーー
餐窮吸沈 の咽ビ泣ク者 によって
種子を打ち込まれ続ける正義ノ 障壁 。
その壁の裏でジニアはポルターの提案を受けていた。
ジニア
「提案!?」
ポルター
「その鉄板貸しぃ」
ジニア
「どぉする気ぃや」
ポルター
「見とったら分かんで」
N
そう言ってポルターはフラフラと立ち上がった。
パシェリハ
「やっとお出ましかよ。
コソコソ隠れやがって。
神に選ばれた鞘花が
怪盗に護ってもらうなんて笑っちまうよ!!
まだ立ってる事に驚きだけどね!」
ポルター
「鞘花の刃汽量は底無しって
聞いててんけど
間違おてたみたいやな。」
パシェリハ
「解放もせずにこの私に勝てると思ってんの?
もしそうなら、頭お花畑かよ」
ポルター
「何べんも言わなあかんか?
ここはナーベルクの保護区域。
護るべき場所やねん。
そんなとこで解放したらエグい事になるやんけ。」
パシェリハ
「ハッ!!
エグい事になんのはテメェだろーがよ!!」
ポルター
「それはどうやろな?」
パシェリハ
「何!?」
ポルター
「鞘花には解放せんでも
闘える方法なんて幾らでもあんねん。
見せたる。 金色木乃伊の能力の一端!!
顕現する天輪浄衣をな!!」
パシェリハ
「 顕現する天輪浄衣だと!?」
N
するとポルターは右手をバッと天高く掲げて叫んだ。
ジニア
「な、なんや!!
砂が巻き上がって前が見えへん!!」
パシェリハ
「...刃汽が跳ね上がりやがった!!」
ポルター
『剋刃 四十•天賦鳳倫!!』
パシェリハ
「何だよ...その姿...なんなんだ!!!」
ポルター
『『 木乃伊神憑』』
N
妖精蜂の星屑と砂が巻き上がり
ポルターを包むと刃汽が辺りにワッと広がった。
パシェリハ
「金色の鎧かよ...
いちいち鼻につく奴だな」
ジニア
「...すげぇ」
N
"剋刃 四十•天賦鳳倫 "とは
鞘花のみが行える憑依刃術である。
本来、鍛錬によって未解放状態でも
鞘の力の一端を扱えるが
その力を数倍に引き出す事ができる刃術である。
鞘を解放するとき
解放の余波で周りの建物などを巻き込んでしまうが
その心配も恐れもない。
いわゆる擬似解放に近い状態である。
普段、鞘花の肉体は天輪浄衣によって
見えない鎧で護られているが
刃汽を押し固める事によりそれを可視化し
闘う事ができる。
ただし、その擬似解放時間は約3分間。
そして、1日1度が限度である。
ポルター
「手加減せぇへんで。
あんまし時間ないからな!!」
ジニア
「これが...鞘花。」
アナ
「これなら勝てそうだね!!」
ポルター
『剋刃 四十八・砂門弁天!!』
ジニア
「な、なんや!!!」
アナ
「砂の壁!?」
ジニア
「いや...これは砂の巨像や!!」
ポルター
「こっからは激しい戦いになる。
そこに居らんかったら死ぬで!!」
パシェリハ
「調子に乗ってんじゃ...ねーよ!!!」
N
パシェリハは 花弁を絞る様に
巨大な種子を生成し始めた。
ポルター
「貸りんで!!!!」
アナ
「行ってくる怪盗Z!!
ダブルタスク機能で外の様子は映し出すから安心して!!!!」
ジニア
「待たんかいANA。
ソーサリーJとFレディガールはどないなった」
アナ
「...大丈夫!! 何にも無いよ!」
ポルター
「...」
ジニア
「そうか!!ならええ!!
ほんなら行ってこい!!」
ポルター
「行くで。ANA。」
N
ポルターは正義ノ 障壁 を片手にパシェリハへと走った。
ポルター
「随分 とデカイ種やなぁ」
アナ
「あれを受け止める気かい!?」
ポルター
「受け止める?デカイのには
デカイのをぶつけるに決まっとるやろ!!」
アナ
「来るよポルター!!!」
ポルター
「押し潰したる!!!!」
『滅刃 四十二・巖天髑砲!!』
パシェリハ
『咽ビ泣ク者 喚キ怒レル者 !!!!』
「ウォォオ!!ラァッッ!!!!」
N
ポルターが両手を前に突き出すと
巨大な土石の奔流が
まるで光線の様に放たれた。
パシェリハ
「クッ!!四十番の滅刃かよ!!」
N
咽ビ泣ク者 喚キ怒レル者 は高速で回転し
更に小さな種子を無数に放ちながら突き進んでいく。
そして、2つの技が着弾と同時に
ドーーーンッと轟音が辺りに鳴り響いた。
パシェリハ
「クソ!!押し負け...」
ポルター
「砂塵の鞘花が放つ土砂系滅刃は
通常よりも威力が増す。
しかも天賦鳳倫やぞ?
四十番の滅刃なら尚更や」
N
パシェリハは巖天髑砲に呑み込まれていった。
パシェリハ
「グァァァァァァァァァア!!!」
ジニア
「やったんか!?」
アナ
「...分からない」
ポルター
「いや...奴の刃汽をまだ感じとる。
それに、滅刃の威力が軽減されとった...
餐窮吸沈 の能力かなんか知らんけど
本来ならトドメを刺せたはずやったのに」
ジニア
「ん!?なんや!?声も聞こえとるんか!!」
ポルター
「みたいやなぁ」
N
すると土石流が一気に弾け飛んだ。
ポルター
「せやろな」
ジニア
「嘘...やろ?」
パシェリハ
「ガハッ!!...ハァ...ハァ...
この私が...ただの滅刃で...グッ!!」
ポルター
「ただの滅刃?よう言わはるわぁ
刃汽 分解せんかったら死んでたで?」
パシェリハ
「私がこんな!!無様な姿を!!見せるなんて!!
テメェ!!許さねぇかんな!!!!」
ポルター
「何やと?」
N
するとパシェリハは黒い花粉を再び撒き散らした。
ポルター
「さっきからずっとなんの意味があんねん!!」
パシェリハ
「意味ねー事なんかしねーんだよ!!!!」
ポルター
「...なんや。」
アナ
「何か来るよ!!」
ポルター
「わーっとる!!」
パシェリハ
「種は充分に蒔いてきた!!目覚めな!!!」
『飢エニ苦シム者!!!』
アナ
「何だいこれ!!花粉がお互いに密集して...
いや!!お互いを取り込んでるんだ!!!」
パシェリハ
「ざっと100って所だね。
ほら!!咲くよ!!死の花がねぇ!!!」
ジニア
「黒い花粉から...えぇえ!!?
花が咲いとるやん!!!
って!根っこが足になって動いとるぅ!!
キッショ!!」
パシェリハ
「飢エニ苦シム者は
空気中に漂う刃汽を吸って成長し
強い刃汽だけに反応して
対象を捕食する殺人花。」
アナ
「じゃぁ種子が弾けてたのは刃汽を
空気中に放出してたんだね!!」
ポルター
「どおりで空気中の刃汽濃度が濃い思たわ。
せやから刃汽吸われても多少は動けたんやな。」
ジニア
「めちゃくちゃやんけ!!
ん?でもどう言う事やねん。
吸い出してもまた取り込めるんやろ?」
ポルター
「無いよりマシやけど
口から刃汽を摂取しても取り込めるんは
ほんの少しなんやで」
パシェリハ
「何ぶつくさ言ってんだよ!!
そんな余裕あんのかよ!!!!!」
やれ!!!飢エニ苦シム者!!」
ポルター
「えらい事してくれはるわ!!全く!!」
N
すると、100輪もの殺人花が迫り来る中
ポルターは片手を地面にあてた。
そして金色に輝く筒の長いライフルを形成すると
ゆっくり地面から引き抜いた。
ポルター
『砂奏数•砂漠砂射銃砂射波!!』
N
更にポルターは砂漠砂射銃砂射波を構えながら
正義ノ 障壁 を上に放り投げた。
アナ
「え!?」
N
すると同時にポルターは高く跳躍し叫んだ。
ポルター
『剋刃 三十六・空乗波濤!!』
ジニア
「あいつ!!ANAに乗りよった!!
その為に借りたんかい!!」
パシェリハ
「サーフィンかよ!!くだらねぇ!!」
『咽ビ泣ク者 !!!』
N
ポルターは華麗に正義ノ 障壁 で
咽ビ泣ク者 を弾きながら
砂漠砂射銃砂射波で
飢エニ苦シム者を撃ち抜いていく。
パシェリハ
「1回1回引き鉄引かねーと
撃てねーんじゃ隙だらけじゃねーか!!」
ポルター
「何 言ーてんねん!!その為の空乗波濤やろ!」
パシェリハ
「テメェを見てると!!ムシズが走る!!!
何が護りたいもんを護るだ!!!反吐が出る!!」
ポルター
「やかましいわ!!
お前には関係ないやろ!!!」
パシェリハ
「護りたいもんなんて!!
初めから居なきゃ護る必要もねーんだよ!!」
ポルター
「なんやそれ。
じゃあ何でラミオラス軍に居んねん!!
何の為にここに来て俺と闘うてんねん!」
パシェリハ
「何の為??そりゃあ...」
ポルター
「なんや!!答えられへんのか!!」
パシェリハ
「うるせえ!!うるせえ!!うるせえ!!
くだらねぇ事!!聞いてんじゃねーぞ!!」
ポルター
「...そうか。護るもんが今は無いだけか。」
パシェリハ
「なんだと?」
ポルター
「理由のない行動なんてあらへん。
この戦争に参加したいと思うほどの理由が
俺らにはあんねん!!
いや!!なきゃあかん!!」
パシェリハ
「ウッザ。そんな事どーでもいーんだよ!!
それっぽい事ばっか並べてんじゃねーぞ!!」
ポルター
「そーえば 言ーてたよな。
護りたいもんなんて
初めから居なきゃ護る必要も無いって。
ルバーブも似たようなこと 言ーてたん思い出したわ。」
パシェリハ
「ルバーブ...だと!?
あんな奴と一緒にすんなぁあ!!!」
ポルター
「俺はちゃうと思うで。
護りたいもんは気付いたら傍に居るもんやろ」
パシェリハ
「気付いたらいるって!?フフッ!!
友情!?愛情!?信頼!?心酔!?
1番可愛いのは!!結局自分なんだよ!!」
ポルター
「なんやそれ。
人と関わることを避けて来たんか。
結局怖かったんやろ?
誰かを信じる事が。」
パシェリハ
「やめろ!!!」
ポルター
「裏切られるんが怖かったんやろ?」
パシェリハ
「やめろ!!!!」
ポルター
「正義でも悪でもどっちでもええ!!
それなりの理由も答えられへんのやったら
軽々しく戦争に参加すな!!!!!!
人の命は!!!!重いんやぞ!!!!」
N
ポルターの叫び声が 銀ノ箱庭に
響いた。
パシェリハ
「あんまり...調子こいてんじゃねーよ!!
飢エニ苦シム者!!殺せぇ!!」
N
パシェリハに呼応するかのように
飢エニ苦シム者は急激に速度を上げた。
ポルター
「クソッ!!アカン!!
もう時間が切れてまう!!!」
ジニア
「時間が切れる!?どういうことやねん!!」
ポルター
「この姿は3分しか保たへんねん!!」
アナ
「え!?そうなの!?」
ポルター
「次で決めなあかん!!」
N
そう言うとポルターは急旋回し
砂漠砂射銃砂射波を構えると
パシェリハに狙いを定めた。
すると、銃口が金色に輝き始め
吸い込まれる様に砂が集まっていく
アナ
「何する気だい!?」
ポルター
「砂漠砂射銃砂射波は
一発だけ 金色木乃伊の技を
弾丸として込める事が出来んねん。
ただ、発動したら天賦鳳倫が解けてまう。
せやから最後まで使われへんかった。」
アナ
「じゃあそのライフルは?」
ポルター
「コレは天賦鳳倫専用の
形状変化なんや」
アナ
「そうなんだ!てっきり刀の形だけかと思ってた!
ってポルター!!鎧が解けて来てる!!」
ポルター
「わーっとるっちゅーねん。
これで...終いや!!パシェリハ!!!」
ジニア
「いっけぇええええ!!!!」
ポルター
「鞘魂...天装!!!」
『砂塵百大天!!』
パシェリハ
「何!?砂の竜巻!?
それにこの速度今までの比じゃねぇ!!
クソ!!!!!!!!飢エニ苦シム者!!
壁になれ!!!!!」
N
全ての飢エニ苦シム者が
砂塵百大天の盾となったが
悉く貫かれてしまった。
パシェリハ
「チッ!!! 餐窮吸沈 !!」
N
咄嗟に 餐窮吸沈 の 花弁で
自らを包み込んだパシェリハだったが
砂塵百大天は更に回転し
餐窮吸沈 の表面を干からびせると
パシェリハを一気に切り裂いた。
パシェリハ
「ギャァァァァァァァア!!!!」
ポルター
「砂は乾き与え...刃は命を絶つ。」
アナ
「ポルター!!!やったね!!」
ジニア
「殺人花も...みんな死んでもうた...」
N
天賦鳳倫が解けて
ゆっくりと地上に降りたポルターは
刃汽が尽きかけていた。
ポルター
「グッ...あかん...フラフラや」
アナ
「解放もせずによく頑張ったね!!」
ジニア
「ようやった!!」
ポルター
「フフッ...他人事かい。せやけど...」
N
ポルターはパシェリハのいる方を見ていた。
間
パシェリハ
「ゴホッゴホッゴホッゴホッ」
N
すると、 餐窮吸沈 はゆっくりと花開き
中から血まみれの姿となったパシェリハが現れた。
ジニア
「まだ生きとるんかい!!」
パシェリハ
「クソ...が...」
ポルター
「放っといたらええ。」
パシェリハ
「この世界は...クソだ...何の価値もねぇ...」
アナ
「もう...死にそうだね。」
パシェリハ
「ゴホッ...ゴホッ...
ぁーあ...やりたく無かったのによ!!!
テメェ...が...あんまし...調子こくから...よ...
どうせなら...鞘花も...道連れに...
いや!! 銀ノ箱庭ごと
道連れにしてやるよ!!!!!!」
ポルター
「なんやと!?
何するつもりやーーー」
パシェリハ
『 解キ放ツ者 花ニ散ル者 !!!!!』
N
----------------------------
作者 REN’sJackson
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
2nd Anniversary Special Edition
Zinnia's Side Story
【 The Something Just Like This 】 Bパート (完)
※音楽がある場合鳴り止むまで待つ
----------------------------
N
おまけ
配役変更一覧
----------------------------
モンティ▶︎▶︎▶︎N
ジニア▶︎▶︎▶︎アスター兼任
アナ▶︎▶︎▶︎看護師
----------------------------
パシェリハ
「アスター。あんた...もうやめなって。」
N
身支度を整えるアスターは
大きなリュックを背負って靴を履いていた。
アスター
「パシェリハ心配すんなよ。
今回は戦地とは遠いからさ。」
パシェリハ
「そう言う事じゃないって!!」
アスター
「大丈夫。俺は兵士じゃないから戦わないし。
ただ街の復興で行くだけだからさ。」
パシェリハ
「今までは大丈夫だったけど
今度は分からないだろ?
いくら人がいないからって
大工は沢山いるだろ??」
アスター
「本当に心配性だな。
半月もあれば帰ってくるって!!
毎回金だけは良いからな!この国!!
今回もたんまり貰って来るからよ!!
そん時にはお前の誕生日を盛大に祝ってやるから!」
パシェリハ
「盛大に??
宝石とかじゃないと喜ばないけど?」
アスター
「ったく金のかかる女だなー!!」
パシェリハ
付き合って3年。
だけどアスターはその半分以上の期間
復興で呼ばれるたび各地へ赴き、家を空けていた。
私は元々ラミオラス軍に所属していたが
悲惨な光景ばかりで精神を病み退役した。
だからこそ、戦争跡地がどんなものかも知っていた。
焼ける肉の匂いに消毒液のイヤな匂い
全てが凄惨足るもので
とてもじゃないが私には耐えられなかった。
アスター
「じゃあな!!」
N
アスターはパシェリハの頬にキスをすると
外で待っていた魔進に乗り込んだ。
パシェリハ
「バーカ。」
N
5日後。急報が入る。
パシェリハ
「何でだよ!!!!」
N
アスターが向かったエンデバーに
ナーベルク帝国軍が攻めて来たとの事だった。
パシェリハは急いで元同僚に電話をして情勢を聞いた。
パシェリハ
「え!?どうして!!
何でエンデバーに千刃花が!!
しかも...殲鎚のルバーブ!?」
N
当時、殲鎚のルバーブが現れた戦場は
何も残らないと言われていた程に恐れられていた。
パシェリハ
私は居ても立っても居られなかった。
すぐに魔進を呼びエンデバーへと向かった。
N
ーー3時間後ラミオラス帝国エンデバー
緊急野戦病院にてーー
パシェリハ
「アスター!!アスター!!」
N
焼ける肉の匂い
消毒液のイヤな匂い。
泣き崩れる人々。
所狭しと並ぶ死体。
パシェリハは懸命に声を上げていた。
パシェリハ
「アスター!!!どこ!!アスター!!!
ちょっと!!!!あの...すみません。
5日前に復興で来た団体は...どこに...いますか?」
看護師
「落ち着いてください!!
沢山患者がいるんです!!」
パシェリハ
「分かってます!!
だから!どこに居るか聞いてるんです!!
5日前に!!復興で来た団体です!!」
看護師
「ちょっと!離して下さい!!」
パシェリハ
「お願いします!!
お願いします!!!!」
N
看護師は渋々カルテをめくると
ニガ虫を噛んだ様な顔をした。
パシェリハ
「どうしたの!!」
看護師
「...こちらです。
身元確認をお願いします。」
N
パシェリハは案内されると
そこに横たわるアスターがいた。
顔は青ざめ、腕は拉げ下半身は無かった。
パシェリハ
「アスター!!!!!」
N
その姿を見たパシェリハは泣き崩れた。
看護師
「この度はお悔やみ申し上げます。
エンデバーは4日前、千刃花による襲撃を受けました。
その後、ラミオラス軍との交戦に巻き込まれ...。
おそらく即死だったのでは無いかと。」
パシェリハ
「だから!!言ったじゃない!!!!
アスターァァ!!どうして!!どうして!!」
看護師
「それとコレを。」
パシェリハ
「...え?」
看護師
「指輪です。胸ポケットに入っていて
裏の刻印にパシェリハと彫られていました。」
パシェリハ
「...そんな。」
N
そしてパシェリハはアスターの言葉を思い出した。
----------------------------
アスター
「本当に心配性だな。
半月もあれば帰ってくるって!!
毎回金だけは良いからな!この国!!
今回もたんまり貰って来るからよ!!
そん時にはお前の誕生日を盛大に祝ってやるから!」
----------------------------
N
プラチナが輝く指輪の裏をそっと覗くと
そこにはこう書いてあった。
アスター
「"永遠の愛をパシェリハへ"」
パシェリハ
「帰って来るって言ったじゃない!
誕生日祝ってくれるって言ったじゃない!!!
ねぇ...どうして...よ...アスター」
看護師
「もし、よろしければサインを。
他にも沢山、身元不明の遺体がありますので。」
パシェリハ
「ねぇ!!どうして!!!」
看護師
「ちょっ!!」
N
パシェリハは看護師に掴みかかった。
パシェリハ
「何で戦場跡地になって何もないエンデバーに
ルバーブが来たのよ!!!!
ここには一般市民しかいないでしょ!!!
どうして!!!!どうしてよ!!」
看護師
「落ち着いて下さい!!
私達だって分かりませんから!!!
離して!!!警備を呼びますよ!!」
パシェリハ
「どうして!!どうしてよ...ねぇ...アスタァァ」
N
するとドーーーンっと野戦病院の半分が
跡形も無くなった。
どよめきが広がりパシェリハは 咄嗟にアスターの身体を
抱きしめていた。
パシェリハ
「何...よ...これ」
N
そして、目の前に居た看護師も一瞬で居なくなってしまった。
パシェリハ
「あっ」
配役変更一覧
----------------------------
ふみ子▶︎▶︎▶︎ルバーブ
----------------------------
ルバーブ
「そういえば忘れてた。」
N
上空からフワッと着地した少女は漆黒の刀を持ち
冷めた目付きで泣きじゃくるパシェリハを見ていた。
ルバーブ
「確かココもそうだったよね。」
パシェリハ
「え?」
ルバーブ
「汽点霊地。」
パシェリハ
「...殲鎚の...ルバー...ブ」
N
足がすくみ、あまりの強大な刃汽に
震えが止まらなかった。
ルバーブ
「ねぇ、何で死体持ってるの?」
パシェリハ
「これは...」
ルバーブ
「ふーん。」
N
か弱い容姿とは裏腹に
光の無い淀んだ瞳。
そこに立っていたのは紛れもなくルバーブだった。
パシェリハ
「お前...が...アスター...を」
ルバーブ
「ちょっと、お姉さん。どいてもらっていい?
邪魔なんだけど。」
パシェリハ
「お前が...アスター...を」
ルバーブ
「あー。この前の戦いで死んだってことね。
ここ野戦病院だもんね。
まぁ大切な人なのは見たら分かるけど
無力なあなたに責める権利なんて無いよ。」
パシェリハ
分かっていた。私では勝てないと。
しかし、ルバーブの姿を見れば見るほど
恐怖よりも怒りが込み上げてきた。
ルバーブ
「きっとあなたの持ってるソレ。私が殺したと思う。」
パシェリハ
「分かってん...だよ。
お前が!!!アスターを殺したんだ!!」
ルバーブ
「威勢がいいのね。」
N
すると、ブォンっと見えない 塊 が
上から押しつぶす様にパシェリハに降り注ぐと
アスターを抱えたまま地面に叩き付けられた。
パシェリハ
「アガッ!」
ルバーブ
「正当化するつもりは無いし言い訳もしないけど
そんな大切なら
あなたが護ってあげたらよかったんじゃない?」
パシェリハ
「なん...だと?」
ルバーブ
「それが出来ないなら
初めから護りたい人なんて作るべきじゃないよ。
だって。意味ないもの。」
N
そして、更に身体は地面にめり込んでいく。
パシェリハ
「グァッッ!!!
お前ら...鞘花なんて!!地獄に堕ちやがーー」
ルバーブ
『 黒十字零重』
N
突然パシェリハは見えない 塊 に吹き飛ばされた。
パシェリハ
「なっ!?ァァァァァァア!!!」
ルバーブ
「地獄に堕ちてなかったら
此処にはいないよね。
知らないのかなー。ここってもう...地獄だよ。」
N
そしてアスターを抱えたまま吹き飛ばされたパシェリハは
死体を抱えたまま意識を失った。
パシェリハ
「グッ...ここは...」
N
目覚めた時には
すでにエンデバーは存在していなかった。
何もない新地。ガレキもない。
ルバーブは文字通り何をも残さなかった。
パシェリハ
「ハハッ。バカじゃねーの。
アハハハッ!!アハハハッ!!!
何も!!何もねぇ!!!
何も...ねぇ...よ」
N
パシェリハはアスターをその場に埋めた。
目の前から隠すように。
2度と目に入らないように。
もう2度と護らなくて済むように。
パシェリハ
その後、私はラミオラス軍に復隊した。
ひたすら訓練に耐え、ひたすら人を殺した。
初めて人を殺した時
その征服感に愉悦を覚えた。
強者である事が
いかに大切な事だと言う事を知った。
だが、何故か心が晴れる事は無かった。
理由は分からない。
ただ、
あの日から、曇りきった私の心は
その答えを探し続けていた。
今回は環境をうまく利用したバトルが
とっても難しかったし
書いてて楽しかった。
一般市民が魔装兵器士に勝てるわけないよね!!笑
そこは流石のモンティとふみ子!!
そして!!
ポルターでっせ!!
ジニアより先に
天賦鳳倫出しちまったよ!!
だけど仕方ない!!
解放出来ないんだもの!!笑
それでは来月でサイドストーリーも終焉!!
Cパートを待っててくれよな!!
ジャンケンっぽい!!
うふふふふ