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千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜 台本版  作者: REN'sJackson
零章 Characters Side Story 番外篇
9/176

劇情版Zinnia's Side Story 「The Something Just Like This」 B part

緊急事態宣言が

ようやく解除されてもまだまだ油断は出来ないですね。

あ、どうもREN'sProduction代表のREN'sJacksonです。


皆さん知ってました?

千刃花の小説版があるんですって。

ホームページに行けば

見に行けるらしいですよー。(鼻ホジホジ)


それと、ベストバウト決定戦

投票していただきありがとうございました。


ラナンキュラスとアイビーの悲恋

そしてジギタリアスとのバトル。

選ばれたのはジギタリアス総集編でした。


作者としても嬉しいぜ。

後から読み返したら

おもしれーもん。


あれ?まだ本題行ってない??


まぁいっか!



はっじまるよーん。


では、楽しんで!!




ポルター▶︎▶︎▶︎N


N

前回までの千刃花(センジンカ)〜帝国特務(テイコクトクム)戦闘部隊〜(セントウブタイ)



挿絵(By みてみん)



N

妖精蜂(グレーべ)の星屑で描かれた"銀嶺 (ギンレイ)の少女"を

盗み出すことに成功したジニア、ふみ子、モンティ。

その目的は銀嶺 (ギンレイ)の少女に描かれた幻のミヤコ 

" 銀ノ箱庭(アルゲントューム)"に居ると言われている

女王妖精蜂(クイーングレーべ)から生み出される純度100パーセントの金

"女王妖精蜂(クイーングレーべ)の星屑"を手にする為であった。

しかし、手に入れる為には 銀ノ箱庭(アルゲントューム)に向かう必要があったが

幻のミヤコという名の通り、行き方が依然として不明なまま

銀嶺 (ギンレイ)の少女を

天王空軍 (テンオウクウグン)のパシェリハ、タンジーに奪われてしまった。

銀嶺 (ギンレイ)の少女を奪い返す為に

パシェリハ達がいるヤーレスの丘を駆け上がる3人だったが

そこに現れたのは

奴隷として苦楽を共にしたポルターだった。

天王空軍 (テンオウクウグン)のパシェリハとタンジー。

三刃花隊(サンジンカタイ) 隊長のポルターの戦いに巻き込まれる3人。

果たして、無事銀嶺 (ギンレイ)の少女を奪い返し

銀ノ箱庭(アルゲントューム)に行けるのか。

はたまた、タンジーはタコ抜き焼きの代金を返すのか。

月が満ちるまでタイムリミットは残りわずか。

ジニア達の大冒険が今、幕を開ける。



タンジー

『『咲け•肉芽 (ナノシード ブルーム)!!』』


アナ/機械音 兼任

ーー声紋セイモン認証 完了ーー

ーーー対鞘花(タイショウカ)特殊魔装(トクシュマソウ)兵器ヘイキーーー

ーーー起動しますーーー


タンジー

『『潰せ・鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!』』


挿絵(By みてみん)



タンジー

「おいコラ!!ドケよ雑魚が!!」



ポルター

「さっきぶりやね。」


パシェリハ

「そのクソみたいな顔

次見たら殺す。って私言ったよね?

覚悟出来てんの?」


タンジー

「おう!おう!兄ちゃんよぉ!

俺らとヤるってのかい??」



ポルター

「覚悟?フフッ笑ろてまうわぁ。

こんだけ部下殺されて

まさか敵に覚悟問われると思わんやろ。」


タンジー

「何だと!?!?」


ポルター

「こっちの台詞やで...

覚悟。出来とるんやろな?

生きて帰さへんぞ。」



ジニア

「ちょっと待ったぁああ!!!!」



パシェリハ・タンジー・ポルター

「ッッ!?!?」


ジニア・ふみ子・モンティ

「トウッッ!!!!」


パシェリハ

「誰だお前ら!!!」


ジニア

「ぁあ!!風が泣く!!

誰かが俺を呼んでいる!!

巻き起こす旋風!!

神出鬼没のオオ泥棒!!Kカイ .Tトウ ゼット!!

華麗に参上!!」


ふみ子

「人生山あり谷間あり!!

拳が斬り裂く夜の蝶!!! ブチュッ(リップ音)

ある時は美少女!!またある時は美女!!

電光石火の 圧倒的暴力 (テクニシャン)!!

Fエフ. Lレディ. Gガール!!優雅に参上!!」


モンティ

「安月給!!遅寝早起き社畜の所業!!

(ホトバシ)るパルス!!

この世の 機密警護(セキュリティ)なんて

俺にかかれば少数派 (マイノリティ)!!

疾風怒濤シップドトウの天才ハッカー!!

Sソー. Cサリー. Jジェイこと俺参上!!」


挿絵(By みてみん)


アナ

ANA(アナ)もいるよー!!」


モンティ

「返してもらうぜ

銀嶺 (ギンレイ)の少女!!!」


ふみ子

「迎えに来たわよポルターきゅん!!」



ジニア

カネ返せぇええ!!!!!!」



ふみ子

「え!?そっち!?!?」


モンティ

「バ、バカ!!」






N

----------------------------


挿絵(By みてみん)



作者 REN’sJackson


劇情版

千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

2nd(セカンド) Anniver(アニバー)sary(サリー) Special(スペシャル) Edition(エディション)

 Zinnia's(ジニアズ) Side Story(サイド ストーリー)

The () Something(サムシング) Just Like(ジャスライク) This (ディス)】 B part



※音楽がある場合鳴り止むまで待つ



----------------------------


アナ▶︎▶︎▶︎N



タンジー

「あん!?金なんて借りてねーぞ!!

か、借りてねーっすよね!?ね!?ねぇさん!!」


パシェリハ

「知らねーよ!!!

アンタまたどっかで博打バクチやったんじゃねーの?」




タンジー

「え!?!?

そ、そうだっけな...うーーーん。ハッ!!

お、俺は、か、借りてねーぞ!!!」


ジニア

「シラ切んねや!?上等やないーーーンーーッッ」


N

するとモンティがジニアの口を 咄嗟(トッサ)に塞いだ。


モンティ (囁きながら)

「バカバカバカバカ!!!

正体バラすきか!!!

それに怪盗Zは標準語設定だったろ!?!?」


ジニア

「あっ。」


ふみ子

「アンタ達!!

怪盗からお宝盗むなんて良い度胸ね!!

この盗っ人 (ヌスット)!!!!!」


モンティ

盗っ人 (ヌスット)猛々 (タケダケ)しいな!!」


ふみ子

「何よ!!ソーサリーJ!!

本当の事でしょ!?」


ジニア

「そ、そうだ!!返せ!!

俺達からお宝盗むなんて良い度胸してるな!!」


パシェリハ

「盗まれる方がワリィだろ??

大体、変な格好の怪盗に

とやかく言われる筋合いなんて

どこにもねーよ!!」


タンジー

「そうだそうだ!!!!

それとも俺達から力づくで奪うか?あん!?」


ポルター (遮る様に)

滅刃(メツハ) 二十一(ニジュウイチ)砂刃大天(サジンダイテン)!!』


パシェリハ

「チッ!!」


タンジー

「うおっと!!」


パシェリハ

「厄介だね!!!」


N

ポルターから放たれた砂の(ヤイバ)

パシェリハ達をかすめた。


ポルター

「なんや...()けたんか。

仕留めよ思てたんに。

そのまま話しとってかまわへんで?

続きは地獄で話したらええからな。」


パシェリハ

「舐めんじゃないよ。

やっちまいな!!タンジー!!!」


タンジー

「へい!!」


パシェリハ

「私は先に行く!!」



ポルター

「行かせるわけない...やろ!!」

滅刃(メツハ)キュウ)鉄砕牙テッサイガ!!』


タンジー

「させっか!!

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!! 突進(ゴー)!!」



N

ジャラジャラと鎖が音を立てながら

ポルターの放った鉄のトゲを鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)の鉄球で弾いた。

そしてその隙を見てパシェリハは銀嶺 (ギンレイ)の少女を片手に

時計塔へと走った。


ふみ子

「あ!!待ちな!!」


ジニア

「待て!!パシェリハ!!!」



モンティ

「お前らが待てって!!

この戦いに巻き込まれたらタダじゃすまねぇぞ!」



ポルター

「お前らも行かせるわけないやろ!!!!」


ふみ子

「え!?あたいのそばに居たいって!?」


モンティ

「一言も言ってねぇよ!!」


ポルター

滅刃(メツハ)ナナ渦螺旋ウズラセン!!』


N

ポルターは手をかざすと

ウズの様に廻る衝撃波がジニア達の足元にハシった。



モンティ

「マジかよ!!衝撃波だ!!()けろ!!」



ジニア・モンティ・ふみ子

「グッ!!!」



パシェリハ

「フンッ。

解放出来ないその甘さが命取りだよ!ポルター!!」


ポルター

「一般人巻き込む訳いかんやろ!!」


ふみ子

「ポ、ポルターきゅん!!」


タンジー

「ならここで大人しく死ね!!

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!! 突進(ゴー)!!

ウォオオリャォア!!」


N

タンジーは放った鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)を旋回させると

ジニア達に向かって突進した。


ポルター

「コイツらは関係ないやろ!!」


タンジー

「大有りだろ!!!!

お前の動きを止められるんだからよ!!」


モンティ

「ヤバいヤバいヤバいヤバい!!!」


ふみ子

「任せな!!!」


ジニア

「Fレディガール!!」


ポルター

「ガハッ」


ふみ子

「ポルターきゅん!?!?」


モンティ

「ポルター!!!!」


ジニア

「何やってんだ!!」


N

ポルターは瞬時に移動し

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)を受け止めると拳で弾いた。


ポルター

「グッ...はよ帰らんかい...ドアホ」


タンジー

「やっぱりな。

足手まといが居た方がヤりやすいぜ!!

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!帰還 (ハウス)!!」


N

タンジーは鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)の鎖を引き寄せ

更に空中でグルグルと振り回し始めた。


ふみ子

「ポルターきゅん!!だ、大丈夫!?」


ジニア

「何で...解放しないんだ!!」


ポルター

「アホ...軍人同士の...いざこざに

一般市民を...巻き込む訳に...いかんやろ。グッ」


モンティ

「...ポルター」



ポルター

「しっかし一発が

こんな重いとは思わへんかったわぁ。

鎧砂 (ヨロイサラサ)が無かったらモロ食らってまうとこやったで。

なぁ?タンジー」


N

(ヒタイ)からツーーっと血を流しながら

ポルターはニィッと笑っていた。


タンジー

「知らねーかもしんねーけどよぉ

対鞘花(タイショウカ)特殊魔装(トクシュマソウ)兵器は

鞘花(ショウカ)天輪浄衣(テンリンジョウエ)

計算に入れて作られてんだよ。

お前ら鞘花(ショウカ)をぶっ殺す為に...な!!」


モンティ

「あんなもん振り回せるってバケモンかよ!!」


タンジー

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!食撃(スマッシュ)!!」


N

タンジーは振り回した鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)を放つと

鉄球がパカっと口の様に開き

地面を呑み込みながらジグザグに迫ってきた。




ジニア

「ぬぉお!!こっち来る!!」


ふみ子

「地面がエグれてる!!!!!」



ポルター

「お前ら逃げへんのやったら

パシェリハ追いかけぇ!!!」


モンティ

「え!?」


ふみ子

「ふみ子ポルターきゅんといる!」


ポルター

「戦いの邪魔や!!!」


ジニア

「いいのか?俺らが奪い返したら

渡さねーぞ??」



ポルター

「ラミオラス帝国の手に渡るよかマシやわ。

ここは任せてーーーーーーー」


タンジー(遮る様に)

逆流スル (グラトーニャ)暴食ノ嘔哮(ロアテッサ)!!!』



挿絵(By みてみん)



N

タンジーがそう叫ぶと

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)は開いた口から

エグり呑み込んだ大地の倍以上の土砂ドシャやガレキを

濁流の様に勢いよく吐き出した。


ジニア・ふみ子・モンティ

「ギャァァァァァァア!!!!!」


ジニア

「喰うたもん以上に吐き出しとるぅう!!」


モンティ

「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅ!!」


ふみ子

「何コレぇええ!!!!」


タンジー

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)

喰った分を倍以上に吐き出す事が出来んだよ!!

泥にまみれて死ね!!!」


ポルター (遮る様に)

「下がっときぃ!!!!!」

剋刃(ゴクハ) 四十一シジュウイチ五角ゴカク羅生門(ラショウモン)!!』



N

ジニア達に襲いかかる土砂ドシャ

ポルターが五角形の鋼鉄で出来た障壁で

ジニア達を守った。


タンジー

「余計な事しやがって!!」


ポルター

「おいタンジー!!!

人んとこの国て分かっとるんやろな!?

派手に暴れて目立っとったら

困るんはそっちやぞ!!

九龍連(クーロン)が駆けつけ...何!?」


N

逆流スル (グラトーニャ)暴食ノ嘔哮(ロアテッサ)を防ぎ切ったポルターは

土煙ツチケムリが晴れるのを待って

タンジーのいる方角を見たが

そこにタンジーの姿は無かった。


ポルター

「な!?

まさかコレをオトリに時計塔に向かったんか!!

おい!お前らこの隙にーーーー何やと!?」


N

なんと、ジニア達の姿も見当たらなかった。



ポルター

「なんやんねん!!あいつら!!」


N

するとポルターは目の端で

土砂ドシャに埋もれる何かをとらえた。



ポルター

「...これ...は」



パシェリハ▶︎▶︎▶︎N


N

ーージニアサイドーー

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)が放った逆流スル (グラトーニャ)暴食ノ嘔哮(ロアテッサ)を隠れミノ

ジニア達は時計塔の裏手側から侵入した。


ふみ子 (走りながら)

「ハァ!!ハァ!!

タンジーの奴!!

鉄球に乗って突進したと思ったら

3階から行っちゃったわね!!」


ジニア (走りながら)

「ハァ!!ハァ!!なんやねん!!あいつら!!」


モンティ (走りながら)

「ハァ!!ハァ!!何者か検討もつかねーよ!!」


ふみ子 (走りながら)

「あっ!こういう時にANA(アナ)じゃない!!

ANA(アナ)!!!タンジーは何者なの!?」


アナ

「え!?知らないよ!」


ふみ子 (走りながら)

「アンタの存在意義ないじゃない!!」


アナ

「ひどいなぁ!!

それは君もだろ?Fレディガール!!」



ふみ子 (走りながら)

「ちょっとソーサリーJ!!!

コイツぶっ壊していい!?」


ジニア (走りながら)

「俺達の与えとる情報が少ないからやろ!!」


モンティ (走りながら)

「その通りだ!!

ANA(アナ)!!パシェリハは何者なんだ!!」


アナ

「パシェリハはポルターが言ってたよ?

天王空軍 (テンオウクウグン)ウラノース所属 五大星ウィリアムズだって!」


ジニア (走りながら)

「何やねんそれ!!」


ふみ子(走りながら)

五大星ウィリアムズ!?!?」


アナ

「ラミオラス帝国軍には空域を守護する天王空軍 (テンオウクウグン)がいるのさ!

その幹部5人が五大星ウィリアムズ

第五星ミランダはその幹部の内の1人の様だね!

実力は折り紙付きさ!!!

普通に戦ったら死ぬね!!!!」


モンティ (走りながら)

「よし!撤退!!!」


ふみ子 (走りながら)

「バカ言ってんじゃないよ!!

あんな細腕のブスにあたいが負けるって!?」


ジニア (走りながら)

「せやで!!お宝奪われて

ノコノコ逃げれるかい!!!」


モンティ (走りながら)

「マジかよ!!タンジーだって

充分ヤベーのに!!!!

俺らがどうこう出来るかよ!!」


ジニア (走りながら)

「...よし。Fレディガール。お前ならヤれる!!

元気でな。墓にはポルターの写真でも

ソナえといて...やるよ...」


ふみ子(走りながら)

「え!?今生コンジョウの別れ!?」


アナ

「僕が付いてるよ!

すぐに楽になれるさ!!Fレディガール!!」


モンティ (走りながら)

「お父ちゃんとお母ちゃんが待ってるぜ」


ふみ子(走りながら)

「いやだから死んでないっての!!」


N

3人は勢いよく階段を上がっていくと

最上階にたどり着いた。


ジニア・モンティ・ふみ子

「ハァ...ハァ...ハァ」


N

ふと夜空を見上げると

満天の星空に美しい月が輝いていた。


アナ

「とても綺麗だね。」


モンティ

「こんなに眩しいのか」


ジニア

「こんなん見たことないわぁ

まんまるやなぁ」



ふみ子

「んもう!!ありがと!!ンーッブチュ (投げキッス)


ジニア

「お前にーてへんわ!!このドスコイザウルス!!」


ふみ子

「え!?ものっ凄いサービス!?」


ジニア

「耳イッちゃってんの!?!?」


アナ

「あ!!もう9時になっちゃった!!!

ほら!!見て!!」


モンティ

「どうした!?アナ!!何かーーーウワッ!!」


ジニア

「ソーサリーJ!!何やねん!!ぬぉっ!!」


アナ

妖精蜂(グレーべ)だ!!!!!

みんな伏せて!!!!」


N

月明かりに照らされた銀嶺 (ギンレイ)の少女の周りには

銀色に光る妖精蜂(グレーべ)

とてつもない速さでビュンビュンと飛行していた。



アナ

「これが妖精蜂(グレーべ)...可愛いね!!」



挿絵(By みてみん)



N

誰もが想像する妖精らしい姿はとても可愛らしかった。


ジニア

「可愛い!!?あぶな!!!!ハヤッ!!!

ウォオオオオオ!!!!!何やねんこれぇぇ!!」


モンティ

「マジか!!!こんなにいっぱい居んのかよ!

当たったら怪我するぞ!!頭守れ!!!」


ふみ子

「え?みんなしてどうしたの!? パシッ (手を叩く音)



アナ・モンティ・ジニア

「どぇぇぇえええええ!?!?」


N

ふみ子は躊躇タメラいもせず

妖精蜂(グレーべ)を素手で掴んだ。


モンティ

妖精蜂(グレーべ)を掴みやがった!!」


アナ

「信じられないね!!

でも実際見てみると時速300キロには

到底、及ばないかなー!!

ざっと見ても60キロだね!!」


ジニア

「体感は充分300キロやん!!!!」


ふみ子

「やっぱりあたい、小さい頃に捕まえた事ーー」


アナ (遮る様に)

「Fレディガール!!!

妖精蜂(グレーべ)を掴んだの!?

早く離して!!

妖精蜂(グレーべ)は掴んだら一斉に襲ってくるよ!」


N

仲間を助けようとふみ子に向かって

妖精蜂(グレーべ)が次々と飛んできた。


モンティ

「バカ!!妖精蜂(グレーべ)を離せ!!

Fレディガール!!」


ふみ子

「あっ」


N

ふみ子は妖精蜂(グレーべ)を離した。

すると咄嗟トッサ

ジニアがふみ子の前に飛び出した。


ジニア

「グッ!!」


ふみ子

「怪盗Z!!」


モンティ

「おい!怪盗Z!!だ、大丈夫なのかよ!!」



アナ

「怪盗Z!?」


ジニア

「アホ!!ボーっとすんなや!!」


N

ジニアは右腕に直径1メートルほどの円形の盾を作り

妖精蜂(グレーべ)達の突進を防いでいた。



ふみ子

「大丈夫!?」


モンティ

「おい、それどうしたんだよ!」


ふみ子

「光る盾??」


ジニア

「あ!?これか!?

なんか知らんけどちょっと前から出来る様になってん!!

よう分からんから

キラッキラの盾(ミステリーサークル)って呼んでんねん!!」


アナ

「そんな事よりも銀嶺 (ギンレイ)の少女を!!早く!!」


ふみ子

「そうね!!!」


ジニア

「行くで!!!」


N

しかし妖精蜂(グレーべ)は群れをなして

ジニア達に向かって襲いかかった。


アナ

「攻撃してくるって思ってるんだよ!!」


モンティ

「やべ!!!!」

























ポルター

剋刃(ゴクハ) 十四ジュウヨン金鳴切縛(カナキリシバリ)


モンティ(心の声)

((しまった!!))


N

キーーンッと高音が辺りに響き渡ると

ボタボタと妖精蜂(グレーべ)が落下していった。

それと同時にふみ子達の動きも止まった。


ポルター

「何してんねん!!妖精蜂(グレーべ)

B級 魔獣生物 (ドラゴン)やぞ!!!!

安易に近づいたらあかんねん!!!」


アナ

「ポルター...」


ポルター

「ハァ...遅かったか...

怪盗Z。Fレディガール。ソーサリーJ。」


N

先程とは打って変わって

神妙な面持ちのポルターはアナを(ニラ)んだ。


アナ

「人違いだよ!!」


ポルター

「嘘つけ。

冗談に付きうとる気分やないねん」



アナ

「ぼ、僕達をどうする気だい?」


ポルター

「ん?な、なんや??

ホログラム...カラクリ時計か?

なんやこの丸っこいの。」


アナ

「僕はANA(アナ)!!

人工知能搭載のハイパーウォッチさ!!」



N

すると、ポルターは

ジニアのANA(アナ)ウォッチに映し出されたANA(アナ)に向かって

ゆっくりと歩いて来た。


ポルター

「あいつらはどこや」


アナ

「知らないよ!!

僕達が来た時にはもう居なかったよ!?」


ポルター

「...ホンマか?」


アナ

「本当だよ!!」


ポルター

「...そうか。やっぱしな。

おいお前ら。これはもうお宝の奪い合いやない。

怪盗ごっこはシマいや。

アイツらは部下を皆殺しにした。

俺は...カタキ討たんと気がすまへん。」


アナ

「急にどうしたんだい??」


ポルター

「お前に関係ないやろ。」


アナ

「だって悲しそうじゃないか。」


ポルター

ふぅーーー (ため息)パチン(指を鳴らす音)


N

ポルターは指を鳴らすとジニア達の金鳴切縛(カナキリシバリ)が解けた。


ジニア・ふみ子・モンティ

「ゴホッゴホッゴホッ」


ふみ子

「ポルターきゅん!!助けに来てくれたのね!!

さぁ!!眠れる美女に目覚めのキスを!!」


ポルター (遮る様に)

「ゴリッゴリに起きとるやないかい。

ずっと眠っとけアホ。」


ふみ子

「んもう!いけずぅ!」


モンティ

「おい...下で何があったんだ」


ポルター

「いいからもう帰れ。

パシェリハは追わんでええ。」


ジニア

「お宝目の前にして帰る怪盗がどこにおんねん!!」


ポルター

「帰れーとるやろ!!!!!

死にたいんか!!!!!」


ジニア

「帰らへんゆーとるやろ!!!」


ポルター

「何やと!?遊びはシマいやぞ...って怪盗Z!!!

何やねんその口調!!!」


ジニア

「あっ!!!」


モンティ

「あちゃぁ...」


ふみ子

「もう!ポルターきゅんったら!!

こんな奴なんて放って置いて

お姉さんと良いことしましょ!!」


ポルター

「お前まさか...」


ジニア

「お、落ち着け!!

これには訳があんねんて!!」


モンティ

「そ、そうだ!!深ーい訳が!!」


アナ

「今更気づいたのかい?」
























ポルター

「何や!!同郷なんかい!!!イサンカか!?

トーヨキか!?カサオか!?

なんや今日は珍しいなぁ!!

さっきも懐かしい顔にーててん!」


ジニア・モンティ (心の声)

((バカで良かったぁあーー!!))


モンティ(囁きながら)

「おい怪盗Z!!こいつ大丈夫か!?」


ジニア (囁きながら)

「知らん!!」


ポルター

「そうか...ナーベルク国民なんやな。

ほんなら、余計に帰らなあかん。」


アナ

「どうしてだい?」


ポルター

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)土砂ドシャには

俺の部下の死体も混ざっとった。」


ジニア・ふみ子・モンティ

「え!!?!?!?」


ポルター

「部下の死体が混ざった攻撃をぶつけられるんは

心無い非道な奴しか出来へん。

そんな事...微塵も気にせんちゅう話しや。

危険すぎる。そもそも思考回路がぶっ壊れてんねん。

他にもあんねやろ?狙える宝は。

今回はやめときぃ。」


ジニア

「狙った獲物は逃さへん。

お宝奪えへんかったら怪盗の名折れやぞ。」


ポルター

「死んでもかまへんのか?」


ジニア

「死なへんし。」


ポルター

「仲間の命はどう考えてんねん。」


ふみ子

「あたいは不死身だしぃ

可愛いしぃ強いしぃ、ふみーーんーーっっ!!」


口が滑りそうになったふみ子を

モンティが後ろから口を抑えた。


モンティ(遮る様に)

「怪盗Zは一度言ったら聞かねーんだよ。」


ジニア

「俺達は世界を股にかける大泥棒!!!

金持ちと悪党しか狙わへん正義のヒーローや!!」


ポルター

「護れるもん護ってこそのヒーローやぞ。

それに盗んで儲けた金はどないすんねん。」


ジニア

「貧しい子に配って周るに決まっとんやろ!

それが俺の夢じゃ!!!!!」


ポルター

「綺麗事ばっか並べてからに。

ナーベルク帝国が悪とでもんかい!!

銀嶺 (ギンレイ)の少女はナーベルクの国宝やぞ!」


ジニア

「大悪党やないかい!!

貧しい子が何万人

餓死しとるオモてんねん!!」



ポルター

「せやけど死んだら夢は叶わへんぞ!!!!」


ジニア

「諦めても夢は叶わへん!!!!」


ポルター

「分かっとるんやろな!!!

これは戦争やぞ!!!

俺にはナーベルク国民を守る義務があんねん!!

お前らもおんなしや!!」


ジニア

「俺の事はどうでもええねん!!!

銀嶺 (ギンレイ)の少女があれば

救われる生命イノチがぎょーさんおる!!」


ポルター

「お子ちゃまやなぁ。

世界は思っとる以上に広いんやぞ。

全員助けるなんて無理や!!

俺は千刃花(センジンカ)に入隊してから

死ぬほど見てきた!!!

お前にはそれに立ち向かうだけの力が無いやんけ!!

苦しんどるのは子供達だけやない!!!

お前は口だけのアホや!!!!」


ジニア

「何やと!?」



ポルター

「どんな命も平等なんは変わらへん!!!!

救える命は救う!!

救われへん命は救われへん!!

ほんまに助けたいんやったら

仲間を死なせへんくらい強くなってみぃ!!」


N

(ニラ)み合う2人を見たモンティは

ため息をついて言った。





モンティ

「ハァー。やめとけやめとけ。

俺らはどうやっても行くぜ。

止めるだけ無駄だ。」


ふみ子

「んーーんーー!!」


モンティ

「あっ」


ふみ子(息を切らしながら)

「プハッ!!いつまで口抑えてんのよ!

殺す気か!!!!」


モンティ

「お前が余計な事言うからだろうが!!」


しかし険悪な雰囲気を感じ取ったふみ子は

ポルターに向かってウィンクした。


ふみ子

「大丈夫よポルターきゅん!

みんなはあたいが守るから!!」


ポルター

「遊びや無い。

生きるか死ぬかの話ししとんねん。」


ふみ子

「...ポルターきゅん」


ジニア

「二度も言わすなハゲ。俺は死なへんし。

こいつらも死なへん。

お前に指図される覚えないわぁ。

いつまでスカしとんねん。」


ポルター

「何やと?」


ジニア

「俺は自由にさせてもらうで。

別に護ってくれなんてーた覚えないし」


ポルター

「ハァーー。もうええ。

勝手にしたらええ。

何や、どっかのアホ思い出したわ。」


ジニア

「フンッッ。そのアホめっさカッコええやん」


ポルター

「なにーてんねん。

融通きかんドアホにそっくりや。

こっちにはもう時間がないねん。俺は行くで。」


ふみ子

「時間!?」


モンティ

「何かあるのか?」


N

ポルターは妖精蜂(グレーべ)を指差した。


ポルター

「もうじき金鳴切縛(カナキリシバリ)が解ける。

はよ行かんと閉じてまうで?」


ジニア

「閉じる!?」


ポルター

「せや。」



N

ポルターは銀嶺 (ギンレイ)の少女の真上を見た。




モンティ

「何だありゃ!!」


ふみ子

「気づかなかった!!!」


ジニア

「あれって...」


アナ

「もしかして 銀ノ箱庭(アルゲントューム)の入り口かい!?」



N

そこには空間が歪み小さなウズがあった。



ポルター

「亜空間の扉が閉じてまう」


アナ

「亜空間!?!?

まさか...妖精蜂(グレーべ)がこんなに大量発生してるのは

亜空間から移動して来てるって事かい!?」


モンティ

「そうか...妖精蜂(グレーべ)の星屑で出来た銀嶺 (ギンレイ)の少女が

妖精蜂(グレーべ)を引き寄せるってのは

亜空間から来てたって事か。」


ポルター

「なんや。何も知らんとヌスオモてたんかい。

妖精蜂(グレーべ)妖精蜂(グレーべ)の星屑に

引き寄せられるんやない。探しに来てんねん。

妖精蜂(グレーべ)の星屑の持つ輝きを

仲間と勘違いしてな。」


アナ

「物知りだねー!ポルター!!」


ジニア

「よう知っとるな...」


ポルター

「当たり前や。

銀嶺 (ギンレイ)の少女の警備が任務やぞ。

あと忠告やけど下手に触ろうとせん方がええ。

元々、妖精蜂(グレーべ)は仲間意識が強い 魔獣生物 (ドラゴン)

仲間がピンチになれば命をかえりみずに

身体張って助けに来んねん。

大群に襲われて死んだ奴は腐るほどるからな。

不思議やろ? 魔獣生物 (ドラゴン)のくせして

人間みたいなとこあんねんで。

妖精蜂(グレーべ)は優しい奴なんやなぁ」


ふみ子

「仲間を探しに来た妖精蜂(グレーべ)を触ろうとするなんて

最低ね!!!!!」


ジニア

「お前がんかい!!!」


ポルター

「どっかの誰かさんが勘違いしてたみたいやけど

月明かり浴びに来とるんとちゃうで。

正確には満月の夜にしか探しに来れへん。

この亜空間は最も月明かりが強い

満月の夜にしか開けへんみたいやからな。知らんけど」


モンティ

「なんか訳があるのか??」


ポルター

「分からへん。銀狼(ギンロウ)にでも聞くしかないんちゃうか?」


ジニア

「そんなんどうでもええってソーサリーJ。

おいポルター。お前さっきてたやろ?

時間が無いって。どう言う事や」


ポルター

「そのまんまやぞ。

亜空間は月明かりの光度コウド

左右される不安定な扉。

月光が弱まれば扉は早く閉じてまう。

俺は先行っとるで。

アイツらが 銀ノ箱庭(アルゲントューム)

メチャクチャにする前にな。」


アナ

「やっぱり 銀ノ箱庭(アルゲントューム)に繋がってるんだね!!」


N

そう言ってポルターは砂に包まれて

亜空間に吸い込まれていった。


ジニア

「おいポルター!!」


アナ

「行っちゃったね!!」


ふみ子

「亜空間...まぁまぁ位置が高いわね...どうする!?」


アナ

「あそこから行けばいんじゃない!?

きっと管理室だよ!!」


N

時計塔の最上階には鉄塔が建っており

そこにはハシゴが掛けられていたが

そこまで行くには鍵のかかった部屋に入る必要があった。


ジニア

「せやな!!!!

おし!!こじ開けるで!!」


モンティ

「バカ!こじ開ける必要ねーって!」


ふみ子

「扉?ぶっ壊すけど!?」


モンティ

「お前らなぁ何でもかんでも壊すなよ!!

形跡を残さない様にすんのがプロだろ?

俺の魔術で華麗に開けてやる!!任せておけって!」


N

モンティはそう言ってドアノブの前に立つと

胸ポケットから小さな針金を取り出した。

そして、扉に耳を当て鍵穴に挿すと叫んだ。


モンティ

『アペリエンス・解錠せよ!!』


ジニア

「ただのピッキングやないかい!!バシッ(叩く音)


モンティ

「イデッ!!ちげーよ!!」


ふみ子

「そんなんが魔術だったら

あたいのパンチで開けたって魔術じゃないのよ!

もっと杖とか使って

嘘でもそれっぽく出来ないの!?」


モンティ

「バカバカ!!

俺の家系は魔術師だけど錬金術師の方だって

何回も言ってんだろ!!!

錬金したもんに魔術を込めてんだよ!

この"盗人の独りよがり(ピッキングベーション)"だってな!!

れっきとした魔術が込めてあんだよ!!

お前らの変態仮面 (ギャガーマスク)だって

ANA(アナ)だって錬金術だぜ!?

科学にしちゃあ、ぶっ飛んでんだろ!?」


N

しかしジニアとふみ子はすでに部屋に入り

ハシゴに登っていた。


モンティ

「おい!!!聞けよ!!」


ジニア

「たまに入るその自慢イタいからやめた方がいーですよー」


モンティ

「急に敬語はやめてぇ!!」


ふみ子

「恩着せがましいのよ!足臭いくせに!!」


モンティ

「足関係ねーだろ!!」


アナ

「ほら、みんな行っちゃったよ?

僕らも行こうよ!ソーサリーJ!!

君は最高さ!!!!!」


モンティ

「はぁ...アナだけだぜ

優しいのは」


アナ (遮る様に)

「足臭いけど」


モンティ

「おい!お前に鼻ねーだろ!!!」


N

モンティはブツクサ言いながら

ハシゴを駆け登った。


モンティ

「あっそうだお前ら。」


ふみ子

「ちょっと上見ないでよ!

パンツ見えちゃうじゃない!!」


モンティ

「何でティーバック履いてんだよ!!」


N

するとふみ子の蹴りが上から降ってきた。


モンティ

「おい!!落ちるだろ!!!!!」


ふみ子

「ぶっ殺すわよ!!!!!」


モンティ

「お、落ち着けって!不可抗力だろ!!!」


ジニア

「揺らすなアホ!!

ハシゴごとハズレてまうやろ!!!」


ふみ子

「怪盗Z!!

モンティにパンティ盗まれました!!」


モンティ

「嘘つくな!!!!

この状況で盗むって脱がしてんじゃねーか!」


ジニア

「うわぁ...モンティってパンティ好きやったんや...

しかもふみ子の...オェェッ」


ふみ子

「ん!?オェェッてどう言う事よ!!!」


ジニア

「アホ!!足掴むな!!!落ちるやろ!!」


モンティ

「ちょっ!!揺らすなって!!

それでもモロそうなんだからよ!!」


ふみ子

「ちょっとパンティ!!静かにしてて!!」


モンティ

「おい!!誰がパンティだ!!!

せめて今はソーサリーJと呼べって!!」


ジニア

「で、パンティ。なんか話したい事あったんやろ?」


モンティ

「ソーサリーJって言ってくれぇえ!!!!」


ふみ子

「次あたいのパンティ見たらパンティのモンティ

ティンティンにするからね!!!」


モンティ

「どう言う事!?」


アナ

「平和だねーーー。」


ジニア・ふみ子・モンティ

「どこが!?!?」


モンティ

「あーめんどくせぇ。もういいよ。

あっそうだ!!

この先戦闘になるかもしれねーだろ?

だからこれ渡しとくぜ!!」


ジニア

「今!?ハシゴ登ってる最中に!?」


ふみ子

「もっとタイミングあったでしょ!?」


モンティ

「お前らが先行くから渡しそびれたんだよ!!

って言ってもANA(アナ)を介して

データ送るだけだからよ!!」


N

そしてモンティはANA(アナ)ウォッチから

それぞれにプログラムコードを送った。


ジニア

「何やこれ」


ふみ子

「何よこれ!!」


モンティ

ANA(アナ)はただの人工知能じゃねーんだよ!

プログラム次第では変形出来るんだぜ!?

いざって時にこのコードに書かれた言葉を叫べば

たちまち俺が仕込んだ魔術が発動する!!」


ジニア

「お、おう。...いらね」


モンティ

「おい!!送り返してくんな!!」


ジニア

「いや、これはよう言われへん」


モンティ

「普段言わない様な言葉選ばねーと

勝手に起動すんだろうが!!!!」


ジニア

「えぇーーーー。」


モンティ

「えぇーーーじゃない!!!

ったくよ!!ふみ子!お前もだぞ!!」


ふみ子

「ちょっとまたパンティ見たで...しょ!!」


モンティ

「え!?グハッッ!!」


ふみ子

「このパンティが!!!!」


モンティ

「ブヘッ!!!」



N

すると遂にハシゴがバキバキっと折れ

真後ろにゆっくり落ちていった。



ジニア

「どどどどとないすんねん!!」


モンティ

「落ちる落ちる!!!」


ふみ子

「ぇえええ!!!アンタのせいよ!」


ジニア・モンティ

「お前だろ!!!!」


アナ

「飛ぶしかないよ!!」


ジニア

「何してくれてんねん!!!!」


N

するとジニアはゆっくりと倒れるハシゴから

亜空間に向けてダイブした。


ジニア

「おりゃ!!!」


ふみ子

「そうね!!!!ウリャ!!!」


モンティ

「マジかよ!!!!!!ウォォオ!!」


アナ

「みんな大胆だね!!

そういえばFレディガールのパンティってピンーーー」



N

ジニアに続いた2人は亜空間に吸い込まれていった。



アナ▶︎▶︎▶︎N


N

ーーパシェリハサイドーー

銀ノ箱庭(アルゲントューム)にて。


パシェリハ

「アハハハッ!!!!

銀がザックザクだね!!

これだけの銀を持ち帰ればベロニカ様も

ロージア様もお喜びになられる!!!

そうだろ!?タンジー!!」


タンジー

「ヘイ!!そうっすねー!!

オラオラ!!鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!食撃(スマッシュ)!!!

妖精蜂(グレーべ)を呑み込めぇ!!」


N

タンジーは鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)を振り回し

放り投げると妖精蜂(グレーべ)を呑み込んでいった。

少し離れた所にいたパシェリハは

襲ってくる妖精蜂(グレーべ)を叩き潰し投げ捨てては

高笑いを上げていた。


パシェリハ

「アハハハッ!!アハハハッ!!」


タンジー

「ねぇさん流石っす!!!

解放もせずに素手でヤっちまうなんて!!

あっ。でも貴重な資源なんで

丁重 (テイチョウ)に殺して下さいね!!」


パシェリハ

「何でだよ!!!

そんな面倒な事!!すると思うかい!?」


タンジー

「頼みますよぉー」


パシェリハ

「おいタンジー!!

何で私がこの任務に選ばれたと思う?」


タンジー

「え!分かんないっす!!足止めすか!?」


パシェリハ

「そりゃあお前だよ!!!」


タンジー

「え!?そうなんすか!?」


パシェリハ

「私はねぇ!!宝石に目がない!!

美しい宝石の為なら手段を選ばない!!

だから私の執着心を買ってくれたって訳さ!

必ず 銀ノ箱庭(アルゲントューム)に行き着けるってね!!

銀ノ箱庭(アルゲントューム)の行き方が分かった今

私は軍隊を連れてここに戻ってくる!!!

その時には根こそぎ奪ってやる!!!

この全ての銀と!!あの黄金の大樹をね!!!」


タンジー

「流石っすねぇさん!!!」


N

そしてタンジーは鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)の鎖を

グイッと引き寄せた。


タンジー

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!帰還 (ハウス)!!

よしよし!!良い子だ!!!

沢山喰ったみたいだな!!」


N

そう言ってタンジーは

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)を撫でた。


パシェリハ

「前から気になってたけどよぉ

食ったもんはどこに行ってるんだい?」


タンジー

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)の胃は4つあるんすよ。

その内のどっかっす。俺も分かんねーっす!!」


パシェリハ

「あーそうかい。聞いた私がバカだった。

じゃぁ早くこのウザったい妖精蜂(グレーべ)殺して

あの大樹にいくよ!!!

妖精蜂(グレーべ)が邪魔ばっかして

前に進めやしないからね!」


タンジー

「ヘイ!!!」



N

すると砂が突然舞い上がりパシェリハ達を襲った。



パシェリハ・タンジー

「グッ!!!!」



パシェリハ

「この砂...ポルターか!!!!」


タンジー

「思ったより早かったっすね。」


パシェリハ

「足止めしとけよバカが!!」


タンジー

「ちゃんとしましたよー!!」


パシェリハ

「どこがだよ!!しっかり来てんじゃねーか!」


ポルター

「おーおー。派手にやってくれはったみたいやなぁ。

それ以上はさせへんで。

ここはナーベルクの保護区域。自然文化遺産やぞ。

他国の兵士が簡単に踏み荒らして良いとオモてんのか?」



タンジー

「部下を土葬してやった礼にしちゃぁ

荒っぽいじゃねーか。」


ポルター

「土葬?笑えへん冗談やなぁ。

しっかり礼は返させてもらうで。」


パシェリハ

「タンジー!!耳!!!」


タンジー

「へい!!」


ポルター

剋刃(ゴクハ) 十四ジュウヨン金鳴切縛(カナキリシバリ)!!』



N

キーーンッと高音が辺りに鳴り響くと

妖精蜂(グレーべ)達の動きが止まり

地面にボタボタと落ちていった。

しかし、パシェリハとタンジーは 咄嗟(トッサ)に耳を塞ぎ

やり過ごした。


ポルター

「器用な奴らやわぁ。

刃汽(ジンキ)で覆った手で耳を塞いだんか。」


パシェリハ

「私らがサルバドルに来るのに

テメェの事ぉ調べねぇ訳ねーだろ。

ポルター砂漠霊(ゴースト)!!」


タンジー

「流石っす!ねぇさん!!」


パシェリハ

「私ら魔装兵士(マソウヘイシ)

刃術(ジンジュツ)が使えなくなっただけで

刃汽(ジンキ)は扱えんだよ。」


タンジー

「ナメんなよ!!!」


ポルター

「ほぅ。報告しとくわ。」


パシェリハ

「お前の扱う刃術(ジンジュツ)系統だって把握してんだよ。」


タンジー

「え!?そうなんすか!?」


パシェリハ

「黙ってな!タンジー!!」


タンジー

「へい!!」


ポルター

「ベラベラ誰かが喋ったみたいやなぁ

どうせなら聞いとこか?

ホンマに合っとるかどうか。」


パシェリハ

「ハッ。私らの情報網ナメんなよ?

そもそも刃術(ジンジュツ)の系統は鞘神(サヤガミ)の数に比例してる。

そんで人が扱える刃術(ジンジュツ)系統は

誰もが扱える无属ムゾク系を除いて

基本は4つぐれぇだ。

だが適正刃術(ジンジュツ)系統は誰もが1つに絞られる。

ポルター。お前は元々、土砂ドシャ系統が不得意だったはずだ。」


タンジー

「えー!!そうだったんすか!?」


パシェリハ

「お前は鞘花(ショウカ)になる事で

後天的に土砂ドシャ系統を手に入れたって訳だ。

鞘神(サヤガミ)様様だな。」


ポルター

「よう知ってはるなぁ。

誰から聞いたか教えてもらわな。

そいつは完全なるスパイ。見つけ出さなあかん。」


パシェリハ

「フン。私らのボスは何でもお見通しなんだよ。

お前の最も得意な刃術(ジンジュツ)は波動系だ。

今回、妖精蜂(グレーべ)の動きを止めるには

お前の系統だと波動系に属する剋刃(ゴクハ)の可能性は

充分にあった。対策考えるのは当然だろーが」


ポルター

「用意周到って事か。だから...なんやねん。

そもそも1つ間違マチゴうとるで。

誰もが扱える系統は无属ムゾクを除いて4つとは限らへん。

所謂イワユル、天才って奴は4つ以上を扱えんねん。

それだけやない

照刃(ショウハ)剋刃(ゴクハ)に限って使えるもんもる。

単純な足し算じゃ計り知れんのが刃術(ジンジュツ)なんやで。

もういっぺん勉強し直してこんかい。アホ。

コイツも鼻でワロうてるで?

なぁ!? 金色木乃伊(コンジキミイラ)!!」


パシェリハ(遮る様に)

「お前はここじゃあ解放出来ない。

刃術(ジンジュツ)で闘うしかねーのも知ってんだよ。」


ポルター

「...ほぅ。」


パシェリハ

「自分で言ってたじゃねぇか。

ここはナーベルクの保護区域。自然文化遺産だってな。

千刃花(センジンカ)は帝国の犬。

軍法にノットってんだろ?

激しい戦闘でココがぶっ壊れたら困るもんなぁ?

(サヤ)解放は凄まじい余波がある。

全部、砂に還ったら責任取れねぇだろ?」


ポルター

「だからワザとここを選んだんか?」


パシェリハ

「いや?サルバドル共和国での解放は

そもそも和平協定違反だろ?

お前はサルバドルにいても 銀ノ箱庭(アルゲントューム)にいても!!

解放なんて出来ねーんだよ!!!!!」


タンジー

「そうなんすか!!!

知らなかったっす!!!!」


ポルター

「フフッ。ホンマにアホやなぁ。

解放も出来ん鞘花(ショウカ)が何で

わざわざ銀嶺 (ギンレイ)の少女の警備任務にいとるんか

分かってないんか。めでたいやっちゃ。」


パシェリハ

「何だと?」


ポルター

「解放しない鞘花(ショウカ)が弱いとでも

オモてんのか???

俺の実力知らんみたいやなぁ」



パシェリハ

「じゃぁ見せてくれんのかい?

お前の死に顔をさ!!!!!」


タンジー

「やべ!!巻き込まれちまう!!!」


パシェリハ

『『咲け•肉芽 (ナノシード ブルーム)!!』』



ポルター

「グッ!!!何やこの刃汽(ジンキ)!!」



アナ/機械音 兼任

ーー声紋セイモン認証 完了ーー

ーーー対鞘花(タイショウカ)特殊魔装(トクシュマソウ)兵器ヘイキーーー

ーーー起動しますーーー


パシェリハ

『『死亡 (シボ)め... 餐窮吸沈 (エキドーナコルダーダ)!!』』



挿絵(By みてみん)




N

銀粉ギンプンが巻き上がり

禍々(マガマガ)しい刃汽(ジンキ)と黒い花粉が

辺り一帯を包み込んだ。

そしてメリメリと背中から

赤紫色の種子がびっしりと付着した巨大な花を

背中に生やしたパシェリハが現れた。


ポルター

「なんや...その姿。」


N

巨大な花は(ハネ)に見間違えるほど大きく

パシェリハにツタが絡まると

その姿はまるで翼の生えた蛇の様に見えた。


タンジー

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!! 離脱 (アウト)!!

ねぇさん!!先行ってますねーー!!」


N

その様子を見たタンジーは

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)の背に乗って

すぐさまその場から離れた。


パシェリハ

「さて、どうナブり殺してやろーかな。」


ポルター

「まんま...蛇やんか。

性格悪いお前にお似合いやなぁ。パシェリハ」


パシェリハ

「毒々しいこの姿こそ

お前の死に顔に花を咲かせんだよ!!」



タンジー▶︎▶︎▶︎N



N

ーージニアサイド亜空間内部にてーー

ジニア達は洗濯機の中に放り込まれた様に落ちていた。


ジニア

「目がぁぁ回るぅ!!!!」


モンティ

「なんじゃこりゃぁあ!!!」



ふみ子

「ウップッッあたい吐きそう!!」


アナ

「亜空間の中ではじっとしてないと!!」


ジニア

「そんなん無理やん!!!!」


モンティ

「お、おい!!ふみ子!!吐くなよ!!

吐くなよ!?」


ふみ子

「さっき食べた豚バラが...」


ジニア

「頼む!!やめてくれぇ!!!」


モンティ

「お前いつの間に食ったんだよ!!」


ふみ子

「吐く!!あたい!!吐くかーーー」



N

グニュンと亜空間の扉が開き

地面に3人は放り出された。



ジニア・ふみ子・モンティ

「イデッ!!!」


N

3人が辺りを見渡すと

そこには様々な木、地面、妖精蜂(グレーべ)が作ったとされるオブジェなど

全てが銀色に輝く幻のミヤコが広がっていた。

そしてその奥には黄金の大樹がそびえ立ち

銀ノ箱庭(アルゲントューム)を照らす月明かりが

ミヤコ全体を反射し照らしていた。



ジニア

「ウヒョォーー!!

ここが 銀ノ箱庭(アルゲントューム)!!」


ふみ子

「銀だらけじゃない!!!」


モンティ

「見ろ!!あっちにデケェ黄金の大樹がある!!」


アナ

女王妖精蜂(クイーングレーべ)がいるんじゃないかな。」


モンティ

「そうだろうな。」


ジニア

「いかにもって感じやなぁ!!

さっさと女王妖精蜂(クイーングレーべ)の星屑持って帰るで!!」


ふみ子

「あ!!あたい達の目的それだった!!」


モンティ

「ったく。命懸けで来たんだぞ?忘れんなよ...」


アナ

「にしても...静かだねぇ。

僕達...侵入者なんだけどなー」


ふみ子

「そうね。もっとワンサカいるかと思ってたけど」


モンティ

「少し予想外だな。」


ふみ子

「見て!!妖精蜂(グレーべ)の星屑だらけ!!」


モンティ

「うお!!」


N

ふみ子は地面の砂を掴むと

サラサラと妖精蜂(グレーべ)の星屑が落ちた。


ジニア

「ちょっと持って帰ろか。」


ふみ子

「もうポッケに入らないわよ!」


ジニア

「早ッッ!!!

女王妖精蜂(クイーングレーべ)の星屑

持って帰れんくなんで!!」


ふみ子

「あっ。」



モンティ

「こっち見てみろ!この木!!銀だぞ!!

この岩も!!花も!!」


ふみ子

「まるで異世界ねぇ。」


ジニア

「ほんま...銀嶺 (ギンレイ)そのもんやなぁ。

昔、銀嶺 (ギンレイ)の少女描いた奴も

ここに来たことあるんやろなぁ。」



N

しばらく3人はこの景色に見惚ミトれていた。

すると、フワフワと1匹の妖精蜂(グレーべ)

微笑みながら飛んできた。



ジニア

妖精蜂(グレーべ)や!!こいつ追っ掛ければ

女王妖精蜂(クイーングレーべ)のとこまで行けるかもしれん!」


アナ

帰巣キソウ本能ってやつだね!!!

追いかけよう!!!」



N

3人はゆっくりと飛ぶ妖精蜂(グレーべ)

追いかけていった。


アナ

「随分と遅いね!ほぼ歩ける速度だね!」


ジニア

「いつも、全速力じゃ疲れてまうからな!」


モンティ

「ありがたいぜ!!

見失わなくて済む!!」


ふみ子

「待ってよぉー!妖精蜂(グレーべ)ちゃぁあん!」


アナ

「やめなよ。

Fレディガールが言ったら逃げちゃうだろ!」


ふみ子

「何でよ!!」


アナ

「だって怖いじゃないか!!」


ふみ子

「ちょっとソーサリーJ!!

早くOSオーエス更新して!!

バグだらけじゃない!!

もしくは作り直して!!」


モンティ

「え!?無理だって!!

2度と作れねーもん!!

形状記憶合金を錬成すんのに

何年かかったと思ってんだよ!!

しかも更新なんて必要ねーし!

人工知能の意味分かってんのかよ!!」


アナ

「残念だったね!!Fレディガール!!」


ふみ子

「ぶっ壊してやる!!」


モンティ

「バカバカバカバカ!!!」


ジニア

「やかましい!!!!」


ふみ子

「あっそうだ!!

教えればいいのね!?

ゴホンッッ。ANA(アナ)?」


アナ

「何だい?」


ふみ子(優しく)

「ふみ子。美しい。」


アナ

「ふみ子 難しい」


ふみ子(優しく)

「ううん。違うのよぉ?

繰り返すの。ほら、ANA(アナ)

ふみ子。美しい。」


アナ

「ふみ子 悩ましい」


ふみ子(優しく)

ANA(アナ)ちゃーん?

ふみ子は悩ましくないのよぉ?

良い?ふみ子。美しい。」


アナ

「ふみ子 懐かしい」


ふみ子(優しく)

「うわぁ、小さい頃よく来た所だぁ!

懐かしい 銀ノ箱庭(アルゲントューム)!!

って来たことないわよ!!!!!!

ねぇよく聞いて!!!ふ!み!!子!!美しい!」


アナ

「ふみ子 ふつくしい」



ふみ子 (イライラしながら)

「ちょっとモンティ!!人工知能って何ぃ!?!?」


ジニア

「あーうるさ!!!

正直やないかい。なぁ?ANA(アナ)!!

お前の滑舌が悪いんちゃうか??

言語変えてみ!?な!?ANA(アナ)!!

ゴホンっ。ジニア イズ ナイスガイ」


アナ

「ジニアはカッコいい!!!」


ジニア

「そやでぇ!!ええ子や!!!」


アナ

「エヘヘ!!」


モンティ

「いや、それ翻訳しただけじゃ...」


ふみ子

「そう言う事ね!!

ゴホンッ!!ふみ子 イズ ビューティ!!」


アナ

「ふみ子 イズ ビーフ!!」


ふみ子

「エクスキューズミー!?!?」



モンティ

「おいおい!!壊すな壊すな!!!」




ジニア

「止まれ。」


ふみ子

「このポンコツAI!!」


アナ

「ふみ子 イズ ビーフ!!」


ふみ子

「まだ言う!?」


モンティ

「もう諦めろよ...」


ジニア

「止まれーとるやろ!!」


ふみ子・モンティ・アナ

「え?」


N

ジニアが叫ぶと辺りを見渡した。


ジニア

「周り見てみぃ。」



アナ

「これは...」


N

沢山の銀で出来た木に

数え切れないほどの丸いボールがぶら下がっていた。



ふみ子

「松ぼっくり?にしては

3メートルぐらいない?」


モンティ

「一体...いくつあんだよ。」


アナ

「まさか...これって」


N

妖精蜂(グレーべ)はクスクス笑いながら

大きなボールへと入っていった。

ここは 銀ノ箱庭(アルゲントューム)にある妖精蜂(グレーべ)の巣。

決して近づく事なかれ。触れれば命は無い危険区域。



ジニア

「何や...誘導されたんか?

そーっと離れるで。この数の妖精蜂(グレーべ)に襲われたら

死んでまうからな」



ふみ子

「おっけー。」


モンティ

「了解」



N

するとドーーーンっと地鳴りが響いた。



ジニア

「なんや!?」


N

更にドーーーンっと轟音が鳴り響く


ふみ子

「まさか!!ポルターきゅん!?」


モンティ

「闘ってんのか!!!」


ジニア

「あの野郎!!」



アナ

「まずいよ!!巣が揺れてる!!!」


N

すると妖精蜂(グレーべ)達が次々と表に出てきた。


ジニア

「逃げるで!!!!!」


N

しかし時速60キロの速度には敵わず

先回りされると妖精蜂(グレーべ)達は

高速回転し亜空間を作り出した。


ジニア

「え??」


アナ・ふみ子・モンティ

「怪盗Z!!」


ジニア

「ぇえええ!!」



N

亜空間は上空に出口を作り

ジニアは落下していく。


ふみ子

「ワープ!?って!!あれ!?」


N

ふみ子も上空から落下していた。


モンティ

「亜空間に近づくな!!って!えぇえ!!」


N

モンティも上空から落下していた。

妖精蜂(グレーべ)は落ちては着地する前に

上空に亜空間を作り出し

ジニア達はまるで

バンジージャンプを永遠に繰り返す様だった。


ジニア

「やめっ!!」


ふみ子

「ギャァ!!!」


モンティ

「また!?」


ジニア

「えーー!?」


ふみ子

「落ちるぅ!!!」



モンティ

「いつまで!!」


ジニア

「落ちたら!!」


ふみ子

「いいのぉ!?!?」


アナ

「お手玉みたいだね!!

遊ばれてるよ!みんな!!」


ジニア

「分かっ」


ふみ子

「てん」


モンティ

「だよぉおおお!!!」




パシェリハ▶︎▶︎▶︎N



N

ーータンジーサイドーー


タンジー

「あっぶね。ねぇさんの戦いに巻き込まれたら

危うく死ぬ所だったぜ!!!」


N

タンジーは鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)から降りて

銀ノ箱庭(アルゲントューム)を歩いていた。

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)はタンジーの歩く速度に合わせて

5メートルもの巨体を引きずりながら進んでいた。



モンティ・ふみ子

「ウォオオオオオ!!!!」


タンジー

「さっさと任務終わらせ...ん?」


タンジー・ふみ子・モンティ

「グハッッ!!!」


N

タンジーは

上空から落下して来たモンティとふみ子に激突した。



モンティ

「イテテテッ」


ふみ子

「アタタタッ」


モンティ

「ん!?ん!?た、助かったぁ」


タンジー

「イッテェな!!!!」




ふみ子

「会いてえな!?

何よ急に告白!?

一体誰...ぇええ!!!!!!」


モンティ

「やっと...終わった...

え!?タンジー!?!?」



タンジー

「お前らかよ!!!!」


ふみ子

「悪いけどあたい!!

アンタに興味ないから!!!」



モンティ

「んな事どうでもいんだよ!!!」


タンジー

「来なきゃ死なずに済んだのによ。バカなのか?」



アナ

「アナもいるよ!!」


タンジー

「邪魔すんなら殺すだけだっつーの。

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!! 突進(ゴー)!!」


モンティ

「いきなりかよ!!!」


N

モンティとふみ子は立ち上がり

ギリギリの所で()けると

咄嗟(トッサ)に距離をとった。


ふみ子

「アンタ達のせいで

ひどい目にあったじゃない!!

どうしてくれんのよ!!」


タンジー

「あ!?何の話ししてんだよ!!

黙って死んどけって!!!!!

ヴッォオラァッ!!!!!」


モンティ

「ふみ子!!」


ふみ子

「オッケ!!」


N

するとモンティは変態仮面 (ギャガーマスク)のフチを

ポチッと押すと変態仮面 (ギャガーマスク)から

強烈な閃光が(ホトバシ)った。


モンティ

「ソーサリーフラッァァシュッ!!!!!」


タンジー

「何!?目が!!!見えねぇ!!!!

クソ!!どこ行ったーーー」


ふみ子 (遮る様に)

「チェストォオオ!!!」


タンジー

「グハッッッ!!!!」


ふみ子

「グッ!!!硬い!!」


モンティ

「違う違う違う違う!!

逃げんだよ!!!!」


ふみ子

「え!?モンティどこ行ったの!?」


N

変態仮面 (ギャガーマスク)のお陰で

目が見えているふみ子は

タンジーの顔面を思いっきり殴り飛ばしたが

モンティを完全に見失ってしまった。


タンジー

「クソ!!」


N

タンジーは再び目を開けると

そこには荒ぶる鷹のポーズを取ったふみ子しかいなかった。



ジニア▶︎▶︎▶︎N


N

説明しよう!!

ソーサリーJの変態仮面(ギャガーマスク)には

透撮金曜日(フライデー)という機能が付いている。

ソーサリーフラッシュの掛け声で

閃光を発した後に透明人間になる事ができる代物だ!!

ただし、ソーサリーフラッシュを再び発動すると

透明化が解除されてしまうのが難点。

使いすぎると回路がショートして

変態仮面 (ギャガーマスク)が壊れるので要注意!!

ちなみに掛け声が無くても発動出来るぞ!!




パシェリハ▶︎▶︎▶︎N



タンジー

「ソーサリーJはどこ行きやがった!!」


モンティ

「Fレディガール!!逃げる気ねぇなら

闘うしかねぇ!!!

浮かび上がる文字を声に出せば

声紋認証で起動できる!!!!こんな風にな!!

行くぜANA(アナ)!!インストール完了!!!」


アナ

「ほいさ!!!」


モンティ

「悪を罰する正義の鉄棍テッコン!!」

正義ノ (ジャスティース)!!懲罰棒バット!!』


タンジー

「な、なんだ!!!何が来るんだ!!」


N

するとモンティが叫んだ瞬間

ANA(アナ)ウォッチが野球バットに変形した。

しかし、モンティは透明人間になっている為

バットだけが見えていた。



ふみ子

「居場所バレバレじゃない!!!」


モンティ

「うるせぇ!!調整する時間が無かったんだよ!!」


ふみ子

「バットが喋ってるみたいになってるから!!!」


タンジー

「おいおいおいヤル気あんのか?お前ら。

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!! 狩猟 (ハント)!!!

あのバットを狙え!!!!!」


モンティ

「うぉ!!追っかけてくんのかよ!!!」


タンジー

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)

自立型対鞘花(タイショウカ)特殊魔装(トクシュマソウ)兵器!!

俺の命令に呼応して動けんだよ!!」


モンティ

「何だそれ!!反則だろ!!!!

一体どんな科学だよ!!!!」


タンジー

「知らねぇよ!!!」


モンティ

「知らねぇのかよ!!!」


タンジー

「ソープワイト様に聞けぇ!!」


モンティ

「誰だよそれぇええ!!!!」


N

犬の様に迫り来る鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)

背を向けながら逃げるモンティ。

それを見ていたふみ子はANA(アナ)ウォッチを

いじっていた。


ふみ子

「あたいらもヤルよ!ANA(アナ)!!

おし!!!インストール完了!!!」


アナ

「ガッテン承知!!!」


タンジー

「今度は何だ!?」


ふみ子

「悪をブチのめす正義の鉄拳テッケン!!」

正義ノ (ジャスティース)!!剛拳グローブッッ!!』


N

ふみ子の叫びに呼応しANA(アナ)ウォッチが変形すると

右拳にグローブが装着された。


ふみ子

「チェスト!!!」


N

ふみ子は

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)の軌道を殴ってズラした。


モンティ

「ナイスだFレディガール!!

こっちも溜まった!!!!!

タンジーに打ち返してやる!!!オラァ!!!」


タンジー

「何!?!?」


N

モンティは軌道をズラされた鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)

タンジーに打ち返した。


タンジー

「うおっ!!!マジかよ!!

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!! 待機(ステイ)!!!

バカ野郎!!止まれ!!!

グァァァ!!!!!!!!」


モンティ

「どうだ!!その重量だと

急には止まれねーだろ!?」


ふみ子

「やるじゃない!!!

あんな重い鉄球を打ち返すなんて!!!」


モンティ

「すげーだろ!?1分チャージすれば

斥力(セキリョク)増幅装置が起動する仕組みなんだぜ!?

弾く力を3倍にする事が出来る最高のバットだ!!」


ふみ子

「何それ!アンタだけズルくない!?」


モンティ

「お前のグローブも1分チャージすれば

絶対離れない粘着増幅装置が付いてる!!

もうそろそろ使えるはずだ!!」



ふみ子

「粘着増幅装置ね!!分かった!!!」


モンティ

「そうだ!!どんな物が飛んできても

絶対取りこぼさない!!!!」


ふみ子

「ん?取りこぼさない!?!?

へーー!!!!!このグローブがねぇ...

ってこれ!!キャッチャーミットじゃない!!」


モンティ

「そうだよ!!!!!」


ふみ子

「そうだよ!!じゃないわよ!!!」


モンティ

「仕方ねーだろ!!!!

戦闘を想定して作ってねーんだよ!!」


ふみ子

「だからって野球想定してんじゃないよ!!

粘着したら次の攻撃出来ないじゃない!!!

アンタ言ってたわよね!?

この先、戦闘になるかもしれないから渡しとくって!!

こんなのいつ使うのよ!!!!!」


モンティ

「心配すんな!!

怪盗Zのは野球とは関係ねーから!」



ふみ子

「そうなの!?なら良かった。

ってなるかー!!!!!」


アナ

「2人とも!!来るよ!!

戦いに集中するんだ!!」


ふみ子

「どおりで打ち込みづらいと思った!!

覚えときなさいよ!!ソーサリーJ!!!!!」


アナ

「Fレディガール!!タンジーが起きたよ!!」


タンジー

「グッ...予想外だったぜ...

ってなんだそれ!!

グローブとバットが喋んのかよ!!」


アナ

「やぁ!アナだよー!!」


タンジー

「遊びに付き合ってる暇ねーからな!!

大体よぉ刃術(ジンジュツ)も使えねぇ一般人が

俺の相手出来ると思ってんのか!?あん!?」


モンティ

「お前みたいなチンパンジーが

一般人の相手できると思うなよ!!!!」


タンジー

「一般人がこの俺に楯突いてんじゃねーよ!!

さっさと殺して終わりだゴラ!!!」


ふみ子

「チンパンジーは認めんのかい!!」


モンティ

「こっちにはな!!ゴリラがいんだよ!!」


タンジー

「何!?」


ふみ子

「どこ!?」


モンティ

「ツインテールのゴリラがな!!!」


ふみ子

「あたいの事かーい!!!」


モンティ

「ゴフッ!!イッデ!!殴んなよ!」


アナ

「んもう!!!構えて!!!」


タンジー

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!

エサの時間だ!!!!! 突進 (ゴー)!!」


アナ

「また食べてるよ!!!

吐き出される前になんとかしなきゃ!!」


モンティ

「さっきのか!!」


ふみ子

「ソーサリーJ!!

あたいが鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)を止める!!」


モンティ

「出来るのか!?」


ふみ子

「なめんじゃないよ。

モノノフ極めし乙女のコブシ!!

ウナるは波濤ハトウ飛沫シブキかな。

ライティング...バイ...」


N

ジグザグに大地を呑み込みながら進む

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)に向かって

ふみ子は拳を叩きつけた。


ふみ子

「チェストォオオ!!!」



タンジー▶︎▶︎▶︎N



N

ーーパシェリハサイドーー


ジニア

「アタタタッ

やっと...終わった...ヴッ...吐きそう」


ポルター

「何しにきてん!

さっさと銀でも盗って帰らんかい!!」


パシェリハ

「よそ見?余裕だねぇ!!ポルター!!」


N

パシェリハは 餐窮吸沈 (エキドーナコルダーダ)

翼の様に羽ばたかせると黒い花粉が舞い

種子がカタカタと更に激しく音を立て始めた。

それはまるで幼児オサナゴススり泣く声の様に聞こえ

不気味な雰囲気をカモし出していた。


パシェリハ

咽ビ泣ク者 (デルピューネ)


ポルター

「あかん!!」


ジニア

「ぬぉおお!!!」


N

すると無数の種子がポルターとジニアに襲いかかった。


ジニア

「マシンガンやんけ!!!」


パシェリハ

「死ねよ!!!」


ジニア

「怖っ!!!ってか

なんちゅー姿してんねん!!!」


ポルター

剋刃(ゴクハ) 三十九サンジュウキュウ照盾楼壁ショウシュンロウヘキ!!』


N

ポルターは光り輝く巨大な円形の壁を前方に出すと

種子からジニアと自身の身を守った。


パシェリハ

「甘いんだよ!!!」


ポルター

「何やと!?」


N

照盾楼壁ショウシュンロウヘキの表面に

種子が根を張ると一瞬で種子が弾け

パリンッと音を立てて崩れた。


ポルター

「チッ!!」

剋刃(ゴクハ) 三十六サンジュウロク空乗波濤(クラノリハトウ)!!』


パシェリハ

「逃すかよ!!!」


N

パシェリハは

ジニアを抱えて滑る様に

空中を波乗りするポルターを追い

更に種子を放った。


ジニア

「助かったぁ!!!」


ポルター

「ホンマ邪魔やな!!!!!

何でこっち来てんねん!!」


ジニア

「しゃーないやろ!!!!

亜空間入ったら落下しててんから!!」


パシェリハ

「逃がさないよ!!!」


ポルター

「グッ!!しつこいやっちゃな!!」

滅刃(メツハ) 二十一(ニジュウイチ)砂刃大天(サジンダイテン)!!!』



パシェリハ

「効くかよ!!んなもん!!!!」


N

砂の(ヤイバ)が種子と衝突するも

数で種子が勝り、逃げ回るポルターを

徐々に追い詰めていった。


ジニア

「もうええって!!

自分の身は自分で守る!!」


ポルター

「お、おい!!怪盗Z!!!」


パシェリハ

「笑わせんな!!ただの泥棒が!!!」


ジニア

「何やと!?

あんましナメとったら痛い目ぇみるで!!

えーっと何やったっけな...

せや!!これ言えばえーんやな!

おっしゃ!!ANA(アナ)!!!インストール完了!!」


アナ

「はいよ!!」


ジニア

「悪を滅する正義の鉄板!!!

鉄板!?え!?鉄板!?」

『じゃ...正義ノ (ジャスティース)!! 障壁 (ウォール)!!』



ポルター

「なんやそれ!!!ただの板やないかい!!」


アナ

「ただの板じゃないよ!鉄板だよ!!!」


パシェリハ

「喋る板かよ。どこまでもふざけてんな!!

殺す!!!!!!!」


ジニア

「な、なんや!!これ!!

ど、どう言う事やねん!!!」


アナ

「僕は怪盗Zを守る壁さ!!!

どんな悪口だって防いでみせる!!」


ジニア

「悪口だけ!?」


パシェリハ

「あん?カスがドケよ。」


アナ

「ね?聞こえないでしょ!?」


ジニア

「はっきり聞こえてますけど!?」


N

すると種子がマシンガンの様に

ジニアに向かって次々と飛んできた。


ポルター

「怪盗Z!!」


N

しかし鉄板は破壊される事なく全て防ぎ切っていた。


アナ

「ソーサリーJからメッセージだよ!」


モンティ

((怪盗Z。お前ならどんな壁でも乗り越えられる!))



ジニア (遮る様に)

「やかましわ!!」



アナ

「良い鉄板ネタができて良かったね!!」


ジニア

「いらんわ!!!!」


パシェリハ

「チッ!!刃汽(ジンキ)で作られてねーのかよ!

やっかいな板なんて出しやがって!!」


ポルター

「なるほど...刃汽(ジンキ)で構成されたもんが

種子に破壊されるんか。面倒やな。」


パシェリハ

「ウケる。今更かよ。

案外、頭悪りぃんじゃねーの?」


ポルター

「よう気付けたって褒めるとこやろ!!」


パシェリハ

「ふざけやがって!!」


ポルター

「ふざけてんのは...どっちやっちゅーねん!

お前らの目的はなんや!!」


パシェリハ

「周りみりゃぁ分かるだろ?

金銀財宝さ!!!

これだけあれば軍資金に困る事はねぇ!!

これでラミオラス帝国軍は更なる進化を遂げる!!

ナーベルクだけに独り占めさせるかよ!!」


ポルター

「アホか。ナーベルクは鞘神(サヤガミ)と共におる。

自然を護るのも役目の1つなんやで。

ナーベルクがここに手ぇ付ける訳ないやろ。

お前らラミオラス人と一緒にすな。」


パシェリハ

「バカ抜かしてんじゃねーぞ。

自分の国の人間しか護らねぇ偽善者が!!!

お前ら鞘花(ショウカ)がいる限り戦争は終わんねーんだよ!!」



ポルター

「自分の国の為やない!!

護りたいもんを護れん世界を変える為に

俺は鞘花(ショウカ)になった!!

邪魔はさせへんぞ...パシェリハ!!!」


ジニア

「...ポルター」


ポルター

「怪盗Z。分かったら

その鉄板に隠れときぃ。」


パシェリハ

「カッコばっか付けやがって。

さみぃんだよ!!!」


N

パシェリハは更に種子を飛ばすと

妖精蜂(グレーべ)の星屑と共に

黒い花粉が舞い上がった。


ポルター

剋刃(ゴクハ)四十一シジュウイチ五角ゴカク羅生門(ラショウモン)!!』


パシェリハ

「無駄だっての!!!」


N

パシェリハは花弁(カベン)を羽ばたかせて

黒い花粉を飛ばすと更に種子はマシンガンの様に

五角ゴカク羅生門(ラショウモン)に打ち込まれては破裂していく。


ポルター

「何!?

鋼鉄の五角ゴカク羅生門(ラショウモン)もかい!!」


パシェリハ

「無駄だって言ってんだろ!!

根を張り出した種子は

一瞬で刃汽(ジンキ)を吸収して破壊すんだよ!!」


ジニア

()けんかい!!ポルター!!!!」


N

五角ゴカク羅生門(ラショウモン)

ガラガラと音を立てて崩れ落ちると

ポルターの肩や身体に種子が根を張り

みるみる肥大化し種子が破裂した。



ポルター

「グハッッッッ!!!!何や...これ...力が...」


N

ポルターは震える手で

破裂していない種子を引き抜き投げ捨てると

片膝カタヒザをついた。


ポルター

「ハァ...ハァ...ハァ...」


パシェリハ

「まだまだまだまだ!!!!!」


N

すると、パシェリハは更に種子を放った。


ポルター

「グァァァ!!!!

ガハッ!!!!アカン...刃汽(ジンキ)が...」


ジニア

「オオオオオ!!!!!!」


N

雄叫びを上げるジニアがポルターの前に飛び出すと

正義ノ (ジャスティス) 障壁 (ウォール)で種子を防いだ。


パシェリハ

「雑魚は引っ込んどけよ!!

ちょこまかウゼェんだよ!!!!!!」


ポルター(息を切らしながら)

「何してん...ねん

隠れとけ...ーたやろ。」


ジニア

「難儀なやっちゃなぁ。

まずはありがとうやろ!!」


ポルター(息を切らしながら)

「お礼 うんはまず...お前から...やろ」


ジニア

「なにーてんねん。

助けたってんねんぞ。」


ポルター (息を切らしながら)

「アホ抜かせ...それは俺やぞ」


ジニア

「元気そやなポルター。

んな事より...見たか?

あの姿はあんま動かれへんみたいやで。

さっきからパシェリハはあの位置から動いてへん。」


ポルター (息を切らしながら)

「なら...何で逃げへんねん。」


ジニア

「何でやろな。」


ポルター(息を切らしながら)

「フフッ。アホか」


ジニア

「アホやなぁ」


N

鉄板で種子を防ぐ最中サナカ

2人は顔を見合わせて笑った。


ポルター (息を切らしながら)

「ん?お前...もしかして...」


アナ

「怪盗Z!!ポルターは大丈夫かい!?

この威力を浴び続けたら

いくら種子に吸われる刃汽がなくても

僕が保たないよ!!」


ジニア

「もうちょい踏ん張れ!!!」


アナ

「無理があるよ!!」


ジニア

「せや!!ANA(アナ)!!

変形したまんまポルターの状態見れるか!?」


アナ

「出来るよ!!モンティが

1分エネルギーをチャージすれば

ANA(アナ)ウォッチとしての機能が使える

ダブルタスク装置を付けといてくれたんだ!!」


ジニア

「ダ、ダブルなんて!?

よう分からんけど

ほんなら頼むわ!!!」


アナ

「分かったよ!!」


N

すると正義ノ (ジャスティス) 障壁 (ウォール)から

ANA(アナ)のホログラムが飛び出すと

ポルターの身体をスキャンし始めた。


アナ

「怪盗Z!!

ポルターの体内エネルギーが

凄い勢いでこの種に吸われてるよ!

それと並行してポルターの心拍数が下がって来てる!

ん?待って!!この種ポルターに根を張り始めた!

ポルター!!早く抜かないとダメだ!!」



ポルター (息を切らしながら)

「わーっとるが腕が上がらへんのや」


ジニア

「貸してみ!!!抜くで!!せーの!!」


ポルター(息を切らしながら)

「ウグッ!!!!!ハァ...ハァ...助かったわ。

楽になった。ハァ...ハァ...

この種...刃汽(ジンキ)を急速に吸うみたいやな。

鞘花(ショウカ)の俺の刃汽(ジンキ) 根こそぎ

持っていく気やぞ」


アナ

「大丈夫かい!?」


ポルター

「当たり前...やろ。

隊長...ともなれば...照刃(ショウハ)で傷ぐらい治せんねん」

照刃(ショウハ) 三十七(サンジュウナナ)砂漠十字ノ(セトノ)錫杖(シャクジョウ)


N

ポルターは砂で30センチほどの長細い棒を造り出し

怪我した箇所をゆっくりとなぞった。

すると、その傷が徐々に塞がっていった。


ポルター (息を切らしながら)

「グッ...刃汽(ジンキ)を...だいぶ消耗してもうた。」



ジニア

「さっきから刃汽(ジンキ)ーとるけど

なんやそれ。」


ポルター (息を切らしながら)

「汽の能力(チカラ)...

生命エネルギーみたいな...もんやねん。

それが尽きれば...例外なく死んでまう。」


ジニア

「そうなんや...」


パシェリハ

「チッ。やっぱり壊れねーか。」


アナ

「来るよ!!!」


ポルター (息を切らしながら)

「せや。怪盗Z。名案があんねんけど」



パシェリハ▶︎▶︎▶︎N

ーータンジーサイドーー


タンジー

暴虐舞踏陣(グラトーニャ) 破滅ノ終(ワルツァー)!!』


N

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)

縦横無尽ジュウオウムジンに駆け抜け

銀で出来た障害物に当たっては跳ね返ると

何度も何度もモンティ達に襲いかかっていた。



ふみ子

「グアッッ!!」


モンティ

「ガハッ!!」


アナ

「みんな!!!」



タンジー(気が済むまで)

「ヴォラヴォラヴォラヴォラ!!!」


モンティ・ふみ子 (殴られる間ずっと)

「グッ!!ガハッ!

ウグッ!!ゴホッ!!

ガッッ!!アガッ!!!!!」


タンジー

「ヴォラァァア!!!!!!」


モンティ

「ガハッ!!」


ふみ子

「グハッッ!!!」


タンジー

「こんなもんかよ!!」


N

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)に吹き飛ばされた2人は

地面に倒れていた。


アナ

「逃げるんだ!!!!!!!」


ふみ子

「グッ...このあたいが...」


モンティ

「インテリの俺が...なんでこんな目に...」


アナ

「立って!!立つんだ!!!!!」


N

すると、モンティはヨロヨロと立ち上がった。


モンティ

「死ぬ気で走れぇええ!!!」


ふみ子

「オッケー!!戦略的撤退!!!」


タンジー

「逃すかよ!!」

逆流スル (グラトーニャ)暴食ノ嘔哮(ロアテッサ)!!!』


モンティ (遮る様に)

「ソーサリーフラァァッッシュッッ!!!!」


タンジー

「眩しっ!!!!

クソ!!目がやられた!!!」


N

濁流が迫る中

モンティとふみ子は一斉に走った。


アナ

「よく走れるね!!凄いよ!!

あ、興奮してるからアドレナリンが出てるんだね!」


ふみ子(走りながら)

「そう言われると身体中が痛いような...!!」


モンティ(走りながら)

「耳貸すな!!現実に引き戻されるぞ!!」


アナ

「人間の身体って凄いなぁ。

今度中身見せてよ!!」


ふみ子・モンティ (走りながら)

「見せれるかぁ!!!」


モンティ (走りながら)

「ったく!!

あんな奴とまともに闘えるかよ!!!」


ふみ子(走りながら)

「ちょっとソーサリーJ!!アンタの姿見えないから

どこに向かったら良いか分からないんだけど!!」


モンティ(走りながら)

「バット見ろバット!!ここだよ!!

ふみ子!!俺についてこい!!!」


アナ

「あ!!

そういえば妖精蜂(グレーべ)が見当たらないね!」


モンティ (走りながら)

「おそらく巣に帰ってんだよ!

こんだけ大暴れしたら警戒もすんだろ!!」


アナ

「警戒!?」


モンティ(走りながら)

「そうだ!!俺たち亜空間で遊ばれたろ!?

って事は知能があるって事だ!!」


アナ

「おー!!流石はソーサリーJ!!

確かにB級 魔獣生物 (ドラゴン)の中には

知能指数が高い種族がいるみたいだね!」


ふみ子 (走りながら)

「それでどうすんだい!?」


モンティ(走りながら)

「俺たちじゃアイツには敵わねー!!」


ふみ子(走りながら)

「それで!!?」


モンティ(走りながら)

「言ったろ?俺たちじゃってな!!

そこ曲がれ!!タンジーの視界が回復したら

すぐ追いつかれるぞ!!」


アナ

「何する気だい!?」



タンジー (走りながら)

「待てコラァ!!!!!」


アナ

「来たよ!!!!!」


タンジー

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!狩猟 (ハント)だ!!

あのバットを追いかけろ!!!」


N

タンジーは鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)に乗り

追いかけて来た。


ふみ子 (走りながら)

「ヤバっ!!!!」



モンティ (走りながら)

「ドケ!!Fレディガール!!!

狙いは俺だ!!!!!」


ふみ子(走りながら)

「ちょっと!!そんな傷で立ち向かったら!!」


モンティ (走りながら)

「ぬぉおおおお!!!!!!」


N

モンティはふみ子を突き飛ばすと

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)正義ノ (ジャスティス)懲罰棒バットで受け止めた。


ふみ子(走りながら)

「ソーサリーJ!!」


モンティ

「ォォオオオオオオ!!!!」


アナ

「ソーサリーJ!!限界だ...僕...もう!!」


モンティ

「踏ん張れ!!ANA(アナ)ァア!!」



タンジー

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!! 回転(スピン)!!」


N

その瞬間、正義ノ (ジャスティス)懲罰棒バット

バキンッと折れた。


アナ

「ごめ...ん」


モンティ

「悪りぃ...」


ふみ子

ANA(アナ)!!!!!!」


モンティ

「ふみ子!!そのまま移動しながら闘え!!」


タンジー

「ウオォオラァァ!!!!」


モンティ

「ヤッベ... グァァァッッ(遠ざかる様に)!!!!!」


N

モンティのANA(アナ)ウォッチが

崩れ落ちると同時にそのまま吹き飛ばされてしまった。


ふみ子

「ソーサリーJ!!!!」



タンジー

「ぁーあ。飛んでいっちまったな。殺せねーじゃん」


アナ

「Fレディガール!!ソーサリーJが...」


タンジー

「アイツの喋る武器はぶっ壊した。

後はテメェの喋る武器とマスクでもぶっ壊すか。

素顔がどんなか拝んでやるよ!!」


ふみ子

「ソーサリーJをよくも!!!」


タンジー

「あん?」


ふみ子

「あたい許さない!!」


タンジー

「ほざけ!!!

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!食撃 (スマッシュ)!!だ!!

この女を喰い殺せ!!!!」


N

すると、ふみ子は自身の変態仮面 (ギャガーマスク)のフチのボタンを

ポチッと押して叫んだ。


ふみ子

「ふみ子ギャラクシーパワー!!チェーンジナップ!!」


タンジー

「何!?また目眩メクラましか!!」


N

ふみ子の身体は淡くピンク色に輝き出すと

電磁波が揺らぎ5人に分身した。


タンジー

「な、なんだその姿は!!!」


ふみ子

「コスプレ何それ珍百景!!!

ヤマトナデシコ七変化!!!

美遁(アグリィ) 五人衆(スタアファイブ)!!ステージ!!オン!!」


タンジー

「何!?5人に増えた!!!

刃汽(ジンキ)で何となく目星付けるしか...って

コイツら刃汽(ジンキ)ほぼねーから分からねえ!!」


モンティ▶︎▶︎▶︎N


N

説明しよう!!

Fレディガールの変態仮面(ギャガーマスク)には

美遁(アグリィ) 五人衆(スタアファイブ)という機能が付いている!!

ギャラクシーパワーの掛け声で

様々な声と衣服、自分自身を透影した分身を

任意の場所に作り出すことが出来る代物だ!!

ただし、分裂ではなく分身の為

ふみ子本体以外はホログラムであり

分身限度は4体!!時間制限は10分!!

でも本当は掛け声が無くても発動出来るぞ!!

国立美術館でポルターをアザムいたのも

美遁(アグリィ) 五人衆(スタアファイブ)能力(チカラ)のお陰だ!


パシェリハ▶︎▶︎▶︎N



ふみ子

「さぁ!!覚悟しな!!ある時は美人ナース

ある時はトキメキ女子高生!!

そして今日は特別大特価!!

絶世の美女5人が相手してあ、げ、る!!」



タンジー

「絶世の美女!?ど、どこにいんだ!!」


ふみ子

「ここよ!!」


タンジー

「どこだよ!!」



N

赤、オレンジ、水色、緑の服を着たふみ子は

タンジーに向かって走り出した。


タンジー

「チッ!!どれが本物か分かんねぇ!!」


ふみ子

「こっちかな?こっちかな!?こっちかな!?

それともこっちかな!?いや!!こっちかな!?」


タンジー

「クソが!!!!

どうせ水色の方だろ!!!ヴォラァァア!!」


N

タンジーはガムシャラに鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)

振り回したが本体をとらえる事は出来なかった。


タンジー

「何!?すり抜けた!?ホログラムか!!!

どこだ!!!まさか...上!?」


ふみ子(遮る様に)

「チェストォオオ!!!!」


タンジー

「ガッッ!!!!!」


タンジー (心の声)

((一発が重い!!!))


タンジー

「ガハッ!!」


ふみ子

「チェスチェスチェスチェスチェスチェス」


タンジー

「グァァァ!!!」



ふみ子

「近距離戦ならあたいは!!!

負け!!!ない!!!!

チェストォオオオ!!!!」


タンジー

「グァァァッッ!!!」


N

タンジーを吹き飛ばすも

鉄頭鉄尾ハングリィダンプティが急旋回し

タンジーの壁となった為

すぐさま体勢を立て直した。


タンジー

「ペッ!!!

良くやった鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!」


ふみ子

「チェストォオオ!!」


タンジー

「早い!!!

けどよぉ!!

殴り合いなら俺が負けるわけねーだろ!!!」


N

そして2人は激しい攻防戦を繰り広げていた。


タンジー(ふみ子と同時に)

「ヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラ

ヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラ

ヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラ

ヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラヴォラ!!」


ふみ子 (タンジーと同時に)

「チェスチェスチェスチェスチェスチェスチェス

チェスチェスチェスチェスチェスチェスチェス

チェスチェスチェスチェスチェスチェスチェス

チェスチェスチェスチェスチェスチェスチェス!!」


タンジー

「ドォオリャァ!!!」


ふみ子

「チェストォオオ!!!」


タンジー・ふみ子

「グァァァッッ!!」


N

クロスカウンターを決めた2人は同時に吹き飛んだ。


ふみ子

「ウグッ...」


タンジー

「グッ!!女のクセに良いパンチじゃねぇかよ。

だが、本体は分かったぜ!!」


ふみ子(息を切らしながら)

「ハァ...ハァ。

アンタバカなの?

本体の分身も自由に切り替えられるのよ!!」


N

ふみ子は分身を元に戻すと再び分身した。


タンジー

「...やるじゃねぇか。

だが運が悪かったな!!

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)

お前のニオイを覚えた!!!

俺が認識しなくても

狙った獲物は逃さねぇ!!

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!

Fレディガールを喰え!!」


ふみ子

「追尾か!!ん!?」


N

するとタンジーは鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)の鎖を手から離した。


ふみ子

「武器を手放すなんて...何をタクラんでんのよ!」


アナ

「Fレディガール!!!

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)が見当たらない!!」


ふみ子

「ッッ!!本当だ!!」


タンジー

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!解放(リリース)!!

お前は自由だ!!!!!」

暴暴暴暴暴暴暴暴(グランモルブルフ)!!』


N

すると大地が割れふみ子の足元から

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)が飛び出した。


ふみ子

「下か!!!」


タンジー

「遅せぇよ!!!」


アナ

「Fレディガール!!!!!」


N

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)に下から突き上げられたふみ子は

上空に打ち上げられると

更に真横に吹き飛ばされた。


ふみ子

「ガッハッ」


タンジー

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)は自立型魔装兵器(マソウヘイキ)!!

命令を遂行するまでコイツの暴走は止まらねぇ!!」


N

地面に叩きつけられたふみ子の変態仮面 (ギャガーマスク)は衝撃で割れ

分身と変身が解かれた。

その瞬間、少しシュッとしていた身体が元の体型に変化し

同時に金髪だった髪は徐々に黒髪に戻っていった。

すると、遠くから鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)がふみ子に迫って来ていた。


タンジー

「ちょっと遠くに飛ばしすぎたか...

おいコラ待て!!!」


ふみ子

「グッ...こんな所で!!!チェスーーえ!?何!?」



N

ふみ子の身体が真横に引っ張られた。



タンジー(走りながら)

「何だあの動き!!」






















モンティ (囁きながら)

「走れ!!」


ふみ子

「え!?」


モンティ(囁きながら)

「周りを見ろ!!」


ふみ子

「アンタまだ透明だったの!!?

ってあれ!?!?あたいの変身が解かれてる!!

変態仮面 (ギャガーマスク)!!

壊れちゃったの!?!?」


モンティ (囁きながら)

「そんなの今は良いんだよ!!

周り見てみろ!!」


N

モンティの言う通り周りを見渡すと

なんと、そこは妖精蜂(グレーべ)の巣だった。



モンティ(囁きながら)

「調べた結果

あの巣1つにつき1匹の妖精蜂(グレーべ)がいる事が分かった。

俺が1匹刺激して外に出す。後は分かるな?」


ふみ子

「え!?ちょーー」


モンティ(遮る様に)

「ポルターの言葉思い出せ!!

あっ!!ヤベー!来た!!」


N

鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)とタンジーは

すぐそこまで来ていた。



タンジー(走りながら)

「やれ!!鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)!!」


N

すると銀色の閃光がふみ子に向かって飛んできていた。


モンティ

「Fレディガール!!!1匹そっちに行ったぞ!!

お前なら捕まえられんだろ!!!」


ふみ子

「え!!?!パシッ(手を叩く音)


モンティ

「よし!!粘着増幅装置を起動したら

そのままグローブごとタンジーに投げろ!!!

早く!!!!!!!!」



N

すると、ふみ子はポルターの言葉を思い出した。


----------------------------


ポルター

「あと忠告やけど下手に触ろうとせん方がええ。

元々、妖精蜂(グレーべ)は仲間意識が強い 魔獣生物 (ドラゴン)

仲間がピンチになれば命をかえりみずに

身体張って助けに来んねん。

大群に襲われて死んだ奴は腐るほどるからな。」


----------------------------


ふみ子

「まさか...」


アナ

「粘着増幅装置、起動したよ!!

Fレディガール今だ!!!」


ふみ子

「でもそんな事したらアンタ!!!」


アナ

「大丈夫!!また会えるさ!

Fレディガール!!さぁ!!!早く投げて!!!」


ふみ子

ANA(アナ)...」


アナ

「早く!!!」



ふみ子

「チェエエエエストォオオオ!!」


タンジー

「ん!?遂にヤケクソか!?

ってお前!!!昼間の!!」


N

問いかける間もなく

ふみ子が投げたグローブをタンジーは胸で受け止めた。


タンジー

「ん!?何だこりゃ!!剥がれねえ!!!!」


N

そしてそのグローブの中には妖精蜂(グレーべ)がいた。



タンジー

「何の真似だ!!」


モンティ(遮る様に)

「ソーサリー!!!フラァァシュッ!!!」


N

発動と同時にモンティの変態仮面 (ギャガーマスク)

発動限界を超過し壊れてしまった。


タンジー

「クソ!!またかよ!!!目がぁあ!!」


モンティ

「伏せろぉおお!!!!!!!!」


N

その瞬間、数万もの妖精蜂(グレーべ)

タンジー目掛けて突進していった。


タンジー

「目が...見えーーー何だ!?」


モンティ

「やれぇ!!!妖精蜂(グレーべ)!!!!」


N

刹那、激しい銀色の閃光が

タンジーと鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)を包み込む。


タンジー

「アゴガゴゴゴゴカガゴアガゴゴコァガ

アガゴアアガゴガゴゴガガゴゴゴ!!!!」



N

そして、タンジーはゆっくり倒れ

シューッッと鉄頭鉄尾(ハングリィダンプティ)は消えていった。


タンジー

「覚え...とけ...よ」



ふみ子

「終わった...勝ったの?」


モンティ

「ぁあ!!俺たちの勝ちだ!!!!!!」


ふみ子

変態仮面 (ギャガーマスク)!!」


モンティ

「もういいよ!!」


N

タンジーVSふみ子・モンティ・ANA(アナ)

妖精蜂(グレーべ)数万匹の衝突によりタンジーを撃破。

勝者、ふみ子・モンティ・ANA(アナ)



タンジー▶︎▶︎▶︎N


N

ーージニアサイドーーー

餐窮吸沈 (エキドーナコルダーダ)咽ビ泣ク者 (デルピューネ)によって

種子を打ち込まれ続ける正義ノ (ジャスティス) 障壁 (ウォール)

その壁の裏でジニアはポルターの提案を受けていた。


ジニア

「提案!?」


ポルター

「その鉄板貸しぃ」


ジニア

「どぉする気ぃや」


ポルター

「見とったら分かんで」


N

そう言ってポルターはフラフラと立ち上がった。


パシェリハ

「やっとお出ましかよ。

コソコソ隠れやがって。

神に選ばれた鞘花(ショウカ)

怪盗に護ってもらうなんて笑っちまうよ!!

まだ立ってる事に驚きだけどね!」


ポルター

鞘花(ショウカ)刃汽(ジンキ)量は底無しって

聞いててんけど

間違マチゴおてたみたいやな。」


パシェリハ

「解放もせずにこの私に勝てると思ってんの?

もしそうなら、頭お花畑かよ」


ポルター

「何べんも言わなあかんか?

ここはナーベルクの保護区域。

護るべき場所やねん。

そんなとこで解放したらエグい事になるやんけ。」


パシェリハ

「ハッ!!

エグい事になんのはテメェだろーがよ!!」


ポルター

「それはどうやろな?」


パシェリハ

「何!?」


ポルター

鞘花(ショウカ)には解放せんでも

闘える方法なんて幾らでもあんねん。

見せたる。 金色木乃伊(コンジキミイラ)能力(チカラ)一端イッタン!!

顕現(ケンゲン)する天輪浄衣(テンリンジョウエ)をな!!」


パシェリハ

顕現(ケンゲン)する天輪浄衣(テンリンジョウエ)だと!?」


N

するとポルターは右手をバッと天高く掲げて叫んだ。


ジニア

「な、なんや!!

砂が巻き上がって前が見えへん!!」


パシェリハ

「...刃汽(ジンキ)が跳ね上がりやがった!!」



ポルター

剋刃(ゴクハ) 四十(シジュウ)天賦鳳倫(テンプホウリン)!!』


パシェリハ

「何だよ...その姿...なんなんだ!!!」


ポルター

『『 木乃伊神憑(ミイラガミツキ)』』


挿絵(By みてみん)



N

妖精蜂(グレーべ)の星屑と砂が巻き上がり

ポルターを包むと刃汽(ジンキ)が辺りにワッと広がった。


パシェリハ

金色コンジキヨロイかよ...

いちいち鼻につく奴だな」


ジニア

「...すげぇ」


N

"剋刃(ゴクハ) 四十(シジュウ)天賦鳳倫(テンプホウリン) "とは

鞘花(ショウカ)のみが行える憑依刃術ヒョウイジンジュツである。

本来、鍛錬タンレンによって未解放状態でも

サヤの力の一端イッタンを扱えるが

その力を数倍に引き出す事ができる刃術ジンジュツである。

サヤを解放するとき

解放の余波で周りの建物などを巻き込んでしまうが

その心配も恐れもない。

いわゆる擬似解放に近い状態である。

普段、鞘花(ショウカ)の肉体は天輪浄衣(テンリンジョウエ)によって

見えない鎧で護られているが

刃汽(ジンキ)を押し固める事によりそれを可視化し

闘う事ができる。

ただし、その擬似解放時間は約3分間。

そして、1日1度が限度である。



ポルター

「手加減せぇへんで。

あんまし時間ないからな!!」


ジニア

「これが...鞘花(ショウカ)。」


アナ

「これなら勝てそうだね!!」


ポルター

剋刃(ゴクハ) 四十八シジュウハチ砂門弁天サモンベンテン!!』


ジニア

「な、なんや!!!」


アナ

「砂の壁!?」


ジニア

「いや...これは砂の巨像や!!」


ポルター

「こっからは激しい戦いになる。

そこにらんかったら死ぬで!!」


パシェリハ

「調子に乗ってんじゃ...ねーよ!!!」


N

パシェリハは 花弁(カベン)を絞る様に

巨大な種子を生成し始めた。


ポルター

「貸りんで!!!!」


アナ

「行ってくる怪盗Z!!

ダブルタスク機能で外の様子は映し出すから安心して!!!!」


ジニア

「待たんかいANA(アナ)

ソーサリーJとFレディガールはどないなった」


アナ

「...大丈夫!! 何にも無いよ!」


ポルター

「...」


ジニア

「そうか!!ならええ!!

ほんなら行ってこい!!」


ポルター

「行くで。ANA(アナ)。」


N

ポルターは正義ノ (ジャスティス) 障壁 (ウォール)を片手にパシェリハへと走った。


ポルター

随分 (ズイブン)とデカイ種やなぁ」


アナ

「あれを受け止める気かい!?」


ポルター

「受け止める?デカイのには

デカイのをぶつけるに決まっとるやろ!!」



アナ

「来るよポルター!!!」


ポルター

「押し潰したる!!!!」

滅刃(メツハ) 四十二シジュウニ巖天髑砲(ガンテンドッポウ)!!』



パシェリハ

咽ビ泣ク者 (デルピューネ) 喚キ怒レル者 (テラコッタ)!!!!』

「ウォォオ!!ラァッッ!!!!」


N

ポルターが両手を前に突き出すと

巨大な土石ドセキ奔流ホンリュウ

まるで光線の様に放たれた。


パシェリハ

「クッ!!四十番シジュウバン滅刃(メツハ)かよ!!」



N

咽ビ泣ク者 (デルピューネ) 喚キ怒レル者 (テラコッタ)は高速で回転し

更に小さな種子を無数に放ちながら突き進んでいく。

そして、2つの技が着弾と同時に

ドーーーンッと轟音が辺りに鳴り響いた。



パシェリハ

「クソ!!押し負け...」


ポルター

「砂塵の鞘花(ショウカ)が放つ土砂ドシャ滅刃(メツハ)

通常よりも威力が増す。

しかも天賦鳳倫(テンプホウリン)やぞ?

四十番シジュウバン滅刃(メツハ)なら尚更や」


N

パシェリハは巖天髑砲(ガンテンドッポウ)に呑み込まれていった。



パシェリハ

「グァァァァァァァァァア!!!」







ジニア

「やったんか!?」


アナ

「...分からない」


ポルター

「いや...奴の刃汽(ジンキ)をまだ感じとる。

それに、滅刃(メツハ)の威力が軽減されとった...

餐窮吸沈 (エキドーナコルダーダ)能力(チカラ)かなんか知らんけど

本来ならトドメを刺せたはずやったのに」


ジニア

「ん!?なんや!?声も聞こえとるんか!!」


ポルター

「みたいやなぁ」


N

すると土石流が一気に弾け飛んだ。


ポルター

「せやろな」


ジニア

「嘘...やろ?」


パシェリハ(息を切らしながら)

「ガハッ!!...ハァ...ハァ...

この私が...ただの滅刃(メツハ)で...グッ!!」


ポルター

「ただの滅刃(メツハ)?ようわはるわぁ

刃汽(ジンキ) 分解せんかったら死んでたで?」


パシェリハ (息を切らしながら)

「私がこんな!!無様な姿を!!見せるなんて!!

テメェ!!許さねぇかんな!!!!」


ポルター

「何やと?」



N

するとパシェリハは黒い花粉を再び撒き散らした。


ポルター

「さっきからずっとなんの意味があんねん!!」


パシェリハ(息を切らしながら)

「意味ねー事なんかしねーんだよ!!!!」


ポルター

「...なんや。」


アナ

「何か来るよ!!」


ポルター

「わーっとる!!」


パシェリハ

「種は充分にいてきた!!目覚めな!!!」

飢エニ苦シム者(ヴァイアバイツァ)!!!』


アナ

「何だいこれ!!花粉がお互いに密集して...

いや!!お互いを取り込んでるんだ!!!」


パシェリハ

「ざっと100って所だね。

ほら!!咲くよ!!死の花がねぇ!!!」


ジニア

「黒い花粉から...えぇえ!!?

花が咲いとるやん!!!

って!根っこが足になって動いとるぅ!!

キッショ!!」


パシェリハ

飢エニ苦シム者(ヴァイアバイツァ)

空気中に漂う刃汽(ジンキ)を吸って成長し

強い刃汽(ジンキ)だけに反応して

対象を捕食する殺人花(サツジンバナ)。」


アナ

「じゃぁ種子が弾けてたのは刃汽(ジンキ)

空気中に放出してたんだね!!」


ポルター

「どおりで空気中の刃汽(ジンキ)濃度が濃いオモたわ。

せやから刃汽(ジンキ)吸われても多少は動けたんやな。」


ジニア

「めちゃくちゃやんけ!!

ん?でもどう言う事やねん。

吸い出してもまた取り込めるんやろ?」


ポルター

「無いよりマシやけど

口から刃汽(ジンキ)を摂取しても取り込めるんは

ほんの少しなんやで」


パシェリハ

「何ぶつくさ言ってんだよ!!

そんな余裕あんのかよ!!!!!」

やれ!!!飢エニ苦シム者(ヴァイアバイツァ)!!」


ポルター

「えらい事してくれはるわ!!全く!!」


N

すると、100輪もの殺人花(サツジンバナ)が迫り来る中

ポルターは片手を地面にあてた。

そして金色コンジキに輝く筒の長いライフルを形成すると

ゆっくり地面から引き抜いた。


ポルター

砂奏数(スナソウジュ)砂漠砂射銃(スナイドル)砂射波(スナイパア)!!』


N

更にポルターは砂漠砂射銃(スナイドル)砂射波(スナイパア)を構えながら

正義ノ (ジャスティス) 障壁 (ウォール)を上に放り投げた。


アナ

「え!?」


N

すると同時にポルターは高く跳躍チョウヤクし叫んだ。


ポルター

剋刃(ゴクハ) 三十六サンジュウロク空乗波濤(クラノリハトウ)!!』


ジニア

「あいつ!!ANA(アナ)に乗りよった!!

その為に借りたんかい!!」


パシェリハ

「サーフィンかよ!!くだらねぇ!!」

咽ビ泣ク者 (デルピューネ)!!!』




N

ポルターは華麗に正義ノ (ジャスティス) 障壁 (ウォール)

咽ビ泣ク者 (デルピューネ)を弾きながら

砂漠砂射銃(スナイドル)砂射波(スナイパア)

飢エニ苦シム者(ヴァイアバイツァ)を撃ち抜いていく。


パシェリハ

「1回1回引きガネ引かねーと

撃てねーんじゃ隙だらけじゃねーか!!」


ポルター

「何()ーてんねん!!その為の空乗波濤(クラノリハトウ)やろ!」


パシェリハ

「テメェを見てると!!ムシズが走る!!!

何が護りたいもんを護るだ!!!反吐が出る!!」


ポルター

「やかましいわ!!

お前には関係ないやろ!!!」


パシェリハ

「護りたいもんなんて!!

初めから居なきゃ護る必要もねーんだよ!!」


ポルター

「なんやそれ。

じゃあ何でラミオラス軍にんねん!!

何の為にここに来て俺とタタコうてんねん!」


パシェリハ

「何の為??そりゃあ...」



ポルター

「なんや!!答えられへんのか!!」


パシェリハ

「うるせえ!!うるせえ!!うるせえ!!

くだらねぇ事!!聞いてんじゃねーぞ!!」


ポルター

「...そうか。護るもんが今は無いだけか。」


パシェリハ

「なんだと?」


ポルター

「理由のない行動なんてあらへん。

この戦争に参加したいと思うほどの理由が

俺らにはあんねん!!

いや!!なきゃあかん!!」


パシェリハ

「ウッザ。そんな事どーでもいーんだよ!!

それっぽい事ばっか並べてんじゃねーぞ!!」


ポルター

「そーえば()ーてたよな。

護りたいもんなんて

初めから居なきゃ護る必要も無いって。

ルバーブも似たようなこと()ーてたん思い出したわ。」


パシェリハ

「ルバーブ...だと!?

あんな奴と一緒にすんなぁあ!!!」


ポルター

「俺はちゃうと思うで。

護りたいもんは気付いたらソバるもんやろ」



パシェリハ

「気付いたらいるって!?フフッ!!

友情!?愛情!?信頼!?心酔!?

1番可愛いのは!!結局自分なんだよ!!」


ポルター

「なんやそれ。

人と関わることを避けて来たんか。

結局怖かったんやろ?

誰かを信じる事が。」


パシェリハ

「やめろ!!!」


ポルター

「裏切られるんが怖かったんやろ?」



パシェリハ

「やめろ!!!!」


ポルター

「正義でも悪でもどっちでもええ!!

それなりの理由も答えられへんのやったら

軽々しく戦争に参加すな!!!!!!

人の命は!!!!重いんやぞ!!!!」




N

ポルターの叫び声が 銀ノ箱庭(アルゲントューム)

響いた。



パシェリハ

「あんまり...調子こいてんじゃねーよ!!

飢エニ苦シム者(ヴァイアバイツァ)!!殺せぇ!!」



N

パシェリハに呼応するかのように

飢エニ苦シム者(ヴァイアバイツァ)は急激に速度を上げた。



ポルター

「クソッ!!アカン!!

もう時間が切れてまう!!!」



ジニア

「時間が切れる!?どういうことやねん!!」


ポルター

「この姿は3分しか保たへんねん!!」


アナ

「え!?そうなの!?」



ポルター

「次で決めなあかん!!」



N

そう言うとポルターは急旋回し

砂漠砂射銃(スナイドル)砂射波(スナイパア)を構えると

パシェリハに狙いを定めた。

すると、銃口が金色に輝き始め

吸い込まれる様に砂が集まっていく



アナ

「何する気だい!?」


ポルター

砂漠砂射銃(スナイドル)砂射波(スナイパア)

一発だけ 金色木乃伊(コンジキミイラ)の技を

弾丸として込める事が出来んねん。

ただ、発動したら天賦鳳倫(テンプホウリン)が解けてまう。

せやから最後まで使われへんかった。」


アナ

「じゃあそのライフルは?」


ポルター

「コレは天賦鳳倫(テンプホウリン)専用の

形状変化なんや」


アナ

「そうなんだ!てっきり刀の形だけかと思ってた!

ってポルター!!ヨロイが解けて来てる!!」


ポルター

「わーっとるっちゅーねん。

これで...シマいや!!パシェリハ!!!」




ジニア

「いっけぇええええ!!!!」





ポルター

鞘魂ショウコン...天装テンソウ!!!」

砂塵百大天(サジンヒャクダイテン)!!』




パシェリハ

「何!?砂の竜巻!?

それにこの速度今までの比じゃねぇ!!

クソ!!!!!!!!飢エニ苦シム者(ヴァイアバイツァ)!!

壁になれ!!!!!」



N

全ての飢エニ苦シム者(ヴァイアバイツァ)

砂塵百大天(サジンヒャクダイテン)の盾となったが

コトゴトく貫かれてしまった。



パシェリハ

「チッ!!! 餐窮吸沈 (エキドーナコルダーダ)!!」


N

咄嗟(トッサ) 餐窮吸沈 (エキドーナコルダーダ) 花弁(カベン)

自らを包み込んだパシェリハだったが

砂塵百大天(サジンヒャクダイテン)は更に回転し

餐窮吸沈 (エキドーナコルダーダ)の表面を干からびせると

パシェリハを一気に切り裂いた。




パシェリハ

「ギャァァァァァァァア!!!!」



ポルター

「砂は乾き与え...(ヤイバ)は命を絶つ。」




















アナ

「ポルター!!!やったね!!」


ジニア

殺人花(サツジンバナ)も...みんな死んでもうた...」




N

天賦鳳倫(テンプホウリン)が解けて

ゆっくりと地上に降りたポルターは

刃汽(ジンキ)が尽きかけていた。


ポルター

「グッ...あかん...フラフラや」


アナ

「解放もせずによく頑張ったね!!」


ジニア

「ようやった!!」


ポルター

「フフッ...他人事かい。せやけど...」


N

ポルターはパシェリハのいる方を見ていた。
















 







パシェリハ

「ゴホッゴホッゴホッゴホッ」




N

すると、 餐窮吸沈 (エキドーナコルダーダ)はゆっくりと花開き

中から血まみれの姿となったパシェリハが現れた。





ジニア

「まだ生きとるんかい!!」



パシェリハ (息を切らしながら)

「クソ...が...」



ポルター

「放っといたらええ。」


パシェリハ (息を切らしながら)

「この世界は...クソだ...何の価値もねぇ...」


アナ

「もう...死にそうだね。」



パシェリハ (息を切らしながら)

「ゴホッ...ゴホッ...

ぁーあ...やりたく無かったのによ!!!

テメェ...が...あんまし...調子こくから...よ...

どうせなら...鞘花(ショウカ)も...道連れに...

いや!! 銀ノ箱庭(アルゲントューム)ごと

道連れにしてやるよ!!!!!!」


ポルター

「なんやと!?

何するつもりやーーー」



パシェリハ (遮る様に)

解キ放ツ者(ラフレシアン) 花ニ散ル者 (ヒュドランテ)!!!!!』





挿絵(By みてみん)




N

----------------------------


挿絵(By みてみん)



作者 REN’sJackson



千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

2nd(セカンド) Anniver(アニバー)sary(サリー) Special(スペシャル) Edition(エディション)

 Zinnia's(ジニアズ) Side Story(サイド ストーリー)

The () Something(サムシング) Just Like(ジャスライク) This (ディス)】 Bパート (完)



※音楽がある場合鳴り止むまで待つ



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N

おまけ




























配役変更一覧

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モンティ▶︎▶︎▶︎N


ジニア▶︎▶︎▶︎アスター兼任


アナ▶︎▶︎▶︎看護師


----------------------------




パシェリハ

「アスター。あんた...もうやめなって。」



N

身支度を整えるアスターは

大きなリュックを背負って靴を履いていた。



アスター

「パシェリハ心配すんなよ。

今回は戦地とは遠いからさ。」


パシェリハ

「そう言う事じゃないって!!」


アスター

「大丈夫。俺は兵士じゃないから戦わないし。

ただ街の復興で行くだけだからさ。」


パシェリハ

「今までは大丈夫だったけど

今度は分からないだろ?

いくら人がいないからって

大工は沢山いるだろ??」


アスター

「本当に心配性だな。

半月もあれば帰ってくるって!!

毎回金だけは良いからな!この国!!

今回もたんまり貰って来るからよ!!

そん時にはお前の誕生日を盛大に祝ってやるから!」


パシェリハ 

「盛大に??

宝石とかじゃないと喜ばないけど?」


アスター

「ったく金のかかる女だなー!!」


パシェリハ(ナレーション)

付き合って3年。

だけどアスターはその半分以上の期間

復興で呼ばれるたび各地へ赴き、家を空けていた。

私は元々ラミオラス軍に所属していたが

悲惨な光景ばかりで精神を病み退役タイエキした。

だからこそ、戦争跡地がどんなものかも知っていた。

焼ける肉の匂いに消毒液のイヤな匂い

全てが凄惨セイサン足るもので

とてもじゃないが私には耐えられなかった。



アスター

「じゃあな!!」



N

アスターはパシェリハの頬にキスをすると

外で待っていた魔進(マシン)に乗り込んだ。



パシェリハ

「バーカ。」



N

5日後。急報が入る。



パシェリハ

「何でだよ!!!!」


N

アスターが向かったエンデバーに

ナーベルク帝国軍が攻めて来たとの事だった。

パシェリハは急いで元同僚に電話をして情勢を聞いた。



パシェリハ

「え!?どうして!!

何でエンデバーに千刃花(センジンカ)が!!

しかも...殲鎚(センツイ)のルバーブ!?」



N

当時、殲鎚(センツイ)のルバーブが現れた戦場は

何も残らないと言われていた程に恐れられていた。


パシェリハ (ナレーション)

私は居ても立っても居られなかった。

すぐに魔進(マシン)を呼びエンデバーへと向かった。


N

ーー3時間後ラミオラス帝国エンデバー

緊急野戦病院にてーー


パシェリハ

「アスター!!アスター!!」


N

焼ける肉の匂い

消毒液のイヤな匂い。

泣き崩れる人々。

所狭トコロセマしと並ぶ死体。

パシェリハは懸命に声を上げていた。


パシェリハ (息を切らしながら)

「アスター!!!どこ!!アスター!!!

ちょっと!!!!あの...すみません。

5日前に復興で来た団体は...どこに...いますか?」


看護師

「落ち着いてください!!

沢山患者がいるんです!!」


パシェリハ(息を切らしながら)

「分かってます!!

だから!どこに居るか聞いてるんです!!

5日前に!!復興で来た団体です!!」


看護師

「ちょっと!離して下さい!!」


パシェリハ(息を切らしながら)

「お願いします!!

お願いします!!!!」


N

看護師は渋々カルテをめくると

ニガ虫を噛んだ様な顔をした。


パシェリハ(息を切らしながら)

「どうしたの!!」


看護師

「...こちらです。

身元確認をお願いします。」


N

パシェリハは案内されると

そこに横たわるアスターがいた。

顔は青ざめ、腕は(ヒシャ)げ下半身は無かった。



パシェリハ

「アスター!!!!!」


N

その姿を見たパシェリハは泣き崩れた。


看護師

「この度はお悔やみ申し上げます。

エンデバーは4日前、千刃花(センジンカ)による襲撃を受けました。

その後、ラミオラス軍との交戦に巻き込まれ...。

おそらく即死だったのでは無いかと。」



パシェリハ

「だから!!言ったじゃない!!!!

アスターァァ!!どうして!!どうして!!」


看護師

「それとコレを。」


パシェリハ

「...え?」


看護師

「指輪です。胸ポケットに入っていて

裏の刻印にパシェリハと彫られていました。」


パシェリハ

「...そんな。」


N

そしてパシェリハはアスターの言葉を思い出した。


----------------------------


アスター

「本当に心配性だな。

半月もあれば帰ってくるって!!

毎回金だけは良いからな!この国!!

今回もたんまり貰って来るからよ!!

そん時にはお前の誕生日を盛大に祝ってやるから!」



----------------------------


N

プラチナが輝く指輪の裏をそっと覗くと

そこにはこう書いてあった。



















アスター

「"永遠の愛をパシェリハへ"」











パシェリハ

「帰って来るって言ったじゃない!

誕生日祝ってくれるって言ったじゃない!!!

ねぇ...どうして...よ...アスター」



看護師

「もし、よろしければサインを。

他にも沢山、身元不明の遺体がありますので。」


パシェリハ

「ねぇ!!どうして!!!」


看護師

「ちょっ!!」


N

パシェリハは看護師に掴みかかった。


パシェリハ

「何で戦場跡地になって何もないエンデバーに

ルバーブが来たのよ!!!!

ここには一般市民しかいないでしょ!!!

どうして!!!!どうしてよ!!」


看護師

「落ち着いて下さい!!

私達だって分かりませんから!!!

離して!!!警備を呼びますよ!!」


パシェリハ

「どうして!!どうしてよ...ねぇ...アスタァァ」





N

するとドーーーンっと野戦病院の半分が

跡形も無くなった。

どよめきが広がりパシェリハは 咄嗟(トッサ)にアスターの身体を

抱きしめていた。



パシェリハ

「何...よ...これ」



N

そして、目の前に居た看護師も一瞬で居なくなってしまった。







パシェリハ

「あっ」















配役変更一覧

----------------------------




ふみ子▶︎▶︎▶︎ルバーブ




----------------------------








ルバーブ

「そういえば忘れてた。」




挿絵(By みてみん)







N

上空からフワッと着地した少女は漆黒の刀を持ち

冷めた目付きで泣きじゃくるパシェリハを見ていた。



ルバーブ

「確かココもそうだったよね。」


パシェリハ

「え?」


ルバーブ

汽点霊地キテンレイチ。」


パシェリハ

「...殲鎚(センツイ)の...ルバー...ブ」


N

足がすくみ、あまりの強大な刃汽(ジンキ)

震えが止まらなかった。



ルバーブ

「ねぇ、何で死体持ってるの?」


パシェリハ

「これは...」


ルバーブ

「ふーん。」


N

か弱い容姿とは裏腹に

光の無いヨドんだ瞳。

そこに立っていたのはマギれもなくルバーブだった。



パシェリハ

「お前...が...アスター...を」


ルバーブ

「ちょっと、お姉さん。どいてもらっていい?

邪魔なんだけど。」


パシェリハ

「お前が...アスター...を」


ルバーブ

「あー。この前の戦いで死んだってことね。

ここ野戦病院だもんね。

まぁ大切な人なのは見たら分かるけど

無力なあなたに責める権利なんて無いよ。」



パシェリハ (ナレーション)

分かっていた。私では勝てないと。

しかし、ルバーブの姿を見れば見るほど

恐怖よりも怒りが込み上げてきた。


ルバーブ

「きっとあなたの持ってるソレ。私が殺したと思う。」


パシェリハ

「分かってん...だよ。

お前が!!!アスターを殺したんだ!!」


ルバーブ

「威勢がいいのね。」


N

すると、ブォンっと見えない(カタマリ)

上から押しつぶす様にパシェリハに降り注ぐと

アスターを抱えたまま地面に叩き付けられた。


パシェリハ

「アガッ!」


ルバーブ

「正当化するつもりは無いし言い訳もしないけど

そんな大切なら

あなたが護ってあげたらよかったんじゃない?」


パシェリハ(息を切らしながら)

「なん...だと?」


ルバーブ

「それが出来ないなら

初めから護りたい人なんて作るべきじゃないよ。

だって。意味ないもの。」


N

そして、更に身体は地面にめり込んでいく。



パシェリハ(息を切らしながら)

「グァッッ!!!

お前ら...鞘花(ショウカ)なんて!!地獄に堕ちやがーー」


ルバーブ(遮る様に)

黒十字零重(クロスレイド)


N

突然パシェリハは見えない(カタマリ)に吹き飛ばされた。



パシェリハ(だんだん遠くに)

「なっ!?ァァァァァァア!!!」


ルバーブ

「地獄に堕ちてなかったら

此処にはいないよね。

知らないのかなー。ここってもう...地獄だよ。」






N

そしてアスターを抱えたまま吹き飛ばされたパシェリハは

死体を抱えたまま意識を失った。



パシェリハ

「グッ...ここは...」



N

目覚めた時には

すでにエンデバーは存在していなかった。

何もない新地サラチ。ガレキもない。

ルバーブは文字通り何をも残さなかった。



パシェリハ

「ハハッ。バカじゃねーの。

アハハハッ!!アハハハッ!!!

何も!!何もねぇ!!!

何も...ねぇ...よ」


N

パシェリハはアスターをその場に埋めた。



目の前から隠すように。



2度と目に入らないように。



もう2度と護らなくて済むように。











パシェリハ (ナレーション)

その後、私はラミオラス軍に復隊した。


ひたすら訓練に耐え、ひたすら人を殺した。


初めて人を殺した時


その征服感に愉悦ユエツを覚えた。


強者である事が


いかに大切な事だと言う事を知った。


だが、何故か心が晴れる事は無かった。


理由は分からない。


ただ、


あの日から、曇りきった私の心は


その答えを探し続けていた。











今回は環境をうまく利用したバトルが

とっても難しかったし

書いてて楽しかった。

一般市民が魔装兵器士に勝てるわけないよね!!笑


そこは流石のモンティとふみ子!!


そして!!

ポルターでっせ!!

ジニアより先に

天賦鳳倫出しちまったよ!!

だけど仕方ない!!

解放出来ないんだもの!!笑



それでは来月でサイドストーリーも終焉!!

Cパートを待っててくれよな!!


ジャンケンっぽい!!


うふふふふ

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