Part X 終章(エピローグ)1/2 弔いの花弁
終章1/2です。
ここでひとまずトギリの物語は終わりを迎えました。
そして、
2/2へ向けてポセドニアの物語は終わりを迎えます。
レンゲイやトギリの戦闘が沢山見られるので
トギリファンやレンゲイファンは喜ぶんじゃないかな。
それと来場者1万人突破しましたー
ありがとう!!
では、楽しんで!!
作者名 REN’sJackson
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
海底都市 ポセドニア
Part Ⅹ 終章1/2 弔いの花弁
N▶︎▶︎▶︎クーワ
N
千年沙羅双樹の花の花粉には、
オレンジとジャスミンを合わせたような高貴な香りと
人を惹き寄せ、惑わせる力があった。
しかし、それは術中にハマっているとは
気付かないほど微細であり微量の花粉である。
その花粉に惹き寄せられ、その花を手にしたものは
悉く花の爆発の餌食となる。
光り輝く巨大な神樹を中心に広がる樹海は
レンゲイの思い通りに動かす事が可能であり、
更には天を覆い光を遮るほど
生い茂る樹々達は
上空からの攻撃を防ぐことも出来る。
そして中の獲物を逃す事も無かった。
レンゲイ
「この地獄にそびえ立つ双樹の中で
足掻くがいいトギリ」
N
レンゲイは沙羅双樹の頂上から
黒い煙を立ち昇らせるトギリを見ていた。
トギリ
「ガッ、、、」
トギリ
((流石に、、鞘花になったばかりの俺と
桜雌鹿を使いこなすレンゲイじゃ
経験の差が出たか、、、
やっぱ強ぇーわ。鞘花ってよ。
でも、、、、))
トギリ
「まだやっぱ甘ぇわ。」
レンゲイ
「何!?」
トギリ
「こっからじゃ見えねーけど
どうせ聞こえてんだろ?レンゲイ。
梔子猛虎の能力は
見ての通り波動だ。
波動とは衝撃。衝撃とは伝達。
爆撃の分散ぐらい梔子猛虎の力があれば
どうにでもなる。
まっ。爆撃の威力は一級品。
紛れもなく大技であるのは間違いねー。
梔子猛虎じゃなかったら
確実にやられてた。俺も少し喰らっちまったしよ。」
レンゲイ
((何だと、、
爆撃をあの一瞬のスキで
分散させただと!?))
レンゲイ
「恐ろしいほどの戦闘センスですね。。
流石は海王軍 団長までのし上がっただけはある。
しかし、、、目的はあなたの抹殺ではなく捕獲。
この陣の中に来たが最後。
もう逃げられませんよ。」
トギリ
「お前、、忘れてんじゃねーだろうな。」
N
トギリは黒焦げてススだらけの顔で
上空を見上げていた。
トギリ
「敵は俺たちだけじゃねーってことを」
レンゲイ
「何だと!?」
N
ゴゴゴゴゴゴと大地が揺れ始める。
終わりの始まり
「おのれぇぇえ!!」
N
終わりの始まりが
千年沙羅双樹に突撃してきた。
レンゲイ
「フッ、、そんな突進、、いや、、
遠くから飛んできた、、のか?
しかし、千年沙羅双樹が
破壊されることなどないですよ。」
N
激しい振動が千年沙羅双樹を揺らす。
そして終わりの始まりは
千年沙羅双樹に向きを変えて攻撃し始めた。
レンゲイ
「目障りですね。。
他の隊長格は何をして、、、何だ!?
あの、、巨人のオス、は、、誰だ、、、?
それにダンデライさん!!
って、、あれ!?アナスタシアさん!?」
巨大スイセ
「ちょっと!!!あんた達が突っ走るから
あたし眺めてただけじゃない!!!」
アナスタシア
「五月蝿い。
貴様は鏡でも眺めてろ」
マリガルド
「てめぇらの貧弱な攻撃じゃ
びくともしねぇから
俺が吹っ飛ばしたんだよ!!」
クーワ
「クフフッ
夢でも見てるですかぁー?
明らかに僕の攻撃ですー」
マリガルド
「あんだと!?!?」
レンゲイ
「どうなってるんだ、、
何だあの状況、、、」
N
するとアナスタシアが手信号で
レンゲイに状況を知らせた。
レンゲイ
「一時、、休戦、、任務を、、遂行せよ、、
アナスタシアさん、、コレは一体、、、」
N
レンゲイは手信号で了解のサインを出した。
アナスタシア
「了解、、、蛇は、、任せた、、、
ダンデライは預かる、、
フフフッ生意気な子ね、、」
N
レンゲイは千年沙羅双樹の木の幹を伸ばし
ダンデライを自陣に引き込んだ。
そしてトギリのいる方向をキッと睨んだ。
レンゲイ
「逃げられませんよ。トギリ!!」
トギリ
((フッ、、見つけたぜ、、レンゲイ
時間稼ぎありがとよ。リリィヴァイア))
N
トギリは走りながら
梔子猛虎の力を使い
レンゲイから発せられる声や
心臓の鼓動を超音波で探索していた。
トギリ
((流石、波動系、、、技を出さなくても
基本スペックで探索出来んのか。
そしたらこんなんも出来んのかな?))
トギリ
「「ぁ、、あっ、、ぉおすげえ。」」
N
トギリの声は拡声され
沙羅双樹の中で大きく反響した。
トギリ
「「マイクいらねーな」」
レンゲイ
「なんだこれは!!」
トギリ
「「あっ、、もっと絞るか、、、
おしっ、、」」
レンゲイ
「ふざけたマネをーー」
トギリ
「よぉ。レンゲイ」
レンゲイ
「コレは、、」
N
レンゲイは耳元でトギリに囁かれているように
トギリの言葉一つ一つがハッキリと聞こえた。
レンゲイ
「気色悪いですね。トギリ」
トギリ
「お前の声もこっちにハッキリ聞こえるぜ。」
レンゲイ
「便利な鞘ですね。」
トギリ
「桜雌鹿ほどじゃねーさ。
でもよ。こうして捕捉できたんだから
こんなことも出来んだろうな。」
レンゲイ
「何をすーー」
トギリ
『衝哭波』
レンゲイ
「こんな、、遠くに届くはずがーーー」
N
振動が波紋のように大きくうねる。
無風だったレンゲイの周りの空気が突然振動した。
レンゲイ
「この振動は、、何!?グァァァア!!!」
レンゲイ
((しまった!!ガーベラ君を
落としてしまった!!))
N
レンゲイは空中で体勢を整えて
桜雌鹿をガーベラに向けた。
レンゲイ
『春風胞子!!』
N
ガーベラの軍服に無数の綿胞子が咲き
ふわりふわりと体を浮かせた。
空中でガーベラを掴むと
ゆっくりと着地した。
レンゲイ
「一本取られましたね。
千年沙羅双樹。ガーベラ君を」
N
沙羅双樹の木の枝が伸びガーベラの身体を包んだ。
レンゲイ
「さて、、降りてしまいましたが
どうしましょうか。まずはトギーー」
トギリ
『衝哭』
レンゲイ
「グッ、、そこか!!」
『白百合鉄花殲!!』
N
レンゲイはとっさに身をかわし
桜雌鹿をくねらせると
淡白い桜色の刺が
無数に付いた鋼鉄の鞭に変化した。
レンゲイ
「捕えろ!!白百合鉄花殲!!」
N
レンゲイは白百合鉄花殲を
大きく しならせトギリに向かって叩きつけた。
トギリ
『戟衝哭音叉』
N▶︎▶︎▶︎ マリガルド
N
トギリは梔子猛虎の刀身を
指でなぞると長い柄に変形し
その先には二本に分かれたU字の刃と
牙のような鎌が二枚ついた戟に変化した。
自身に向かってくる白百合鉄花殲を
うまく絡めとっていく。
そして戟衝哭音叉に触れる度に
キーンと高音が辺りに響いた。
すると白百合鉄花殲に
衝撃が走りレンゲイの指先から
身体へと衝撃が伝わった。
レンゲイ
「振動、、だと、、?グッァ!!!」
トギリ
「綺麗な音色だろ?
内側からお前を破壊する断末魔ってのは
きっとこんな音なんだろうな。」
レンゲイ
「ぅっ、、音叉の音色を増幅させてるのか、、、
いちいち小細工が過ぎ、、ますね!!」
N
レンゲイは華麗な動きで
白百合鉄花殲を
複雑に操りトギリに襲いかかった。
トギリ
「小細工なのはっ!!お前の技も!!一緒だろっ!
色んな花や木にっ!
能力を付加させてんっじゃねぇかよ!!」
レンゲイ
「能力をっ付加っですかっ
分かってません、、ね!!」
トギリ
「グッッ」
N
トギリは戟衝哭音叉の柄で
地面を軽くトンッと突くと
衝撃波が円状に広がった。
レンゲイ
「沙羅双樹!!」
N
レンゲイは指先をクイッと曲げると
千年沙羅双樹の樹海がレンゲイを守るように
立ちはだかった。
トギリ
「チッ 超万能じゃねぇか。」
レンゲイ
「何を今更。僕の布陣に足を踏み入れてるんですよ。
千年沙羅双樹は桜雌鹿の大技の一つ
手練れの鞘花相手に
先程、鞘花になったばかりの赤子が
勝てるはずがありません。」
トギリ
「分かってんだよ。」
レンゲイ
「いいえ。分かってません。
鞘を使いこなすには
血の滲むような鍛錬と鞘自身との共鳴が必須。
想いの強さに呼応し鞘が技を授けてくれる。
しかし、継承とは違いダンジョンを攻略した者は
鞘に認められたということ。
継承し鞘花となった者は
十余年の鍛錬と信頼関係の構築が
必要ですがダンジョン攻略した者は
早々に認められている分、熟練度は早く
鞘とも共鳴しやすい。
先程の大衝哭慟哭波も
梔子猛虎の大技ですね?
千年沙羅双樹でなければ防ぐことは出来ないと
判断しました。
恐ろしい才能。怖ろしい強運です。」
トギリ
「敵に長々と説明ご苦労なこった。」
レンゲイ
「まぁ。発現した者はその更に倍
鞘を使いこなすみたいですがね。」
トギリ
「発現、、キキョウっていう副隊長かい?」
レンゲイ
「そうです。あの子は天才とは言えませんが
秀才です。そして強い信念がある。
これからナーベルク帝国の柱となるでしょう。」
トギリ
「フフッ、、プハハハハッ」
レンゲイ
「何がおかしい。」
トギリ
「おいおい何も知らねーのかよ。」
N▶︎▶︎▶︎レンゲイ
N
ーーアナスタシアサイドーー
アナスタシア
「千年沙羅双樹はレンゲイの最大防御陣形だ。
破壊されることはまずないわ。
遠慮なく技を放てばいい。って
聞く奴などここにはいないわね。。」
クーワ
「クフフッ
いーですねぇ!!いーですねぇ!!」
マリガルド
「このまま畳み掛ける!!!」
アナスタシア
『黒剥裏怨』
N
アナスタシアが黒雛刀を振ると
小さな黒い玉をいくつも召喚し
終わりの始まりの胴体に
スッと入っていった。
すると内側から外に引っ張られるように
切切と音を立て胴体が四方に歪んでいく。
アナスタシア
「弾力があって硬い、、わ、、、ね!!」
N
アナスタシアは更に重力付加をかけた。
終わりの始まり
「ァァア!!小癪な!!!」
アナスタシア
「絵に描いたような悪者とは
あなたのことよ。」
クーワ
「そのまま抑えて下さーい。クフフッ」
『 青藍鎌斬舞』
N
死ノ青藍鎌斬を振ると
青い刃が次々と終わりの始まりを
斬りつけていく。
終わりの始まり
「グヲォォォオ!!!!」
クーワ
「クフフックフフッ
クフフッックフフックフフッ
クフフッックフフックフフッ
クフフッックフフックフフッ
クフフッックフフックフフッ
クフフッッ」
アナスタシア
「外が硬いなら中から壊す。
伸びた皮膚ならクーワの力で切り裂ける」
巨大スイセ
「ちょっ、、ちょっとマリ坊、、、
千刃花の隊長達って
グロくない?
内側から引っ張ったり
あんな痛そうなの切りつけまくったり、、
あんた、、あんなのと戦ってたの??」
マリガルド
「ぁあ"!?
大したことねーよ!!」
巨大スイセ
「ちょっと狂ってるわよ。あの子、、
ほら、、まだ、笑ってるし」
マリガルド
「お前も巨大化できるなんて
聞いてねーぞ。」
クーワ
「気持ちいいーーですーーーー!!!」
巨大スイセ
「だってぇーー
奥の手よ?アナシーちゃん強いんだもーん。
それにあんた!!
最大輪使ってないじゃなーい?
任務なんだから意地張ってないで
本気出しなさいよね。
甘くないわよ?千刃花は。」
マリガルド
「ウルセェな。俺の最大輪は
ラベンドまで巻き込んじまうだろうが。」
巨大スイセ
「はいはい。
負け惜しみはいらなーい!!
言い訳なんて興味なーい!!!
必要なのは勝利という名のあたし!!
あたしという名のSUISE!!!
SUSEIという名のPOP OF QUEEN!!」
マリガルド
「結局テメェじゃねぇかよ!!!」
巨大スイセ
「あら?今、、あたしの事
クイーンと認めたわね????
んもう!!可愛いマリ坊パピプペPOW!!!
か弱いあたしも頑張るわよーーん!!!
SUISEちゃーんいっきまーーす!!!
こんな蛇ちゃん一撃でーー」
終わりの始まり
「調子に乗るなぉぁあ!!!!」
『水轟!!!!!!』
N
巨大な水の塊が
終わりの始まりの頭部 上空に一つ召喚され
アナスタシア達に放たれた。
クーワ
「クフッーーー」
アナスタシア
「まずい!!」
マリガルド
「マジかよ!!!」
巨大スイセ
「デカッ!!!!!!」
N
その水の塊は
一瞬にしてポセドニアの半分をエグった。
アナスタシア
「グッァァ!!」
クーワ
「ヴッッ」
マリガルド
「ゴァァッッ!!!」
スイセ
「ギャァァァ!!」
N
たった一撃で
帝国を統べる隊長達はやられてしまった。
通常の人間ならば圧殺されているであろう肉体は
なんとか形を保っていた。
終わりの始まり
「人間如きが神にあらがうか。
笑わせるな!!!!!!!!!!!!
我が恨み!!!我が怨念!!!!!
我が、、、、子の、、、無念、、、
晴らすまじ!!!!!!!!!!!」
『水星•豪雨!!!!!』
N▶︎▶︎▶︎スイセ
N
またもや巨大な水の塊が召喚された。
そして、水の塊から水の槍が
ポセドニア全域に、降り注ぐ
ーーレンゲイサイドーー
レンゲイ
「なんだ、、この振動、、
まずい、、、この威力を浴び続けたら!!」
トギリ
「壊れちまうじゃねーかよ。
ポセドニアが」
N
ーーアナスタシアサイドーー
アナスタシア
『くっ、、グッ黒無断壁』
N
アナスタシアは弱々しく
クーワを黒雛の力で
引き寄せてクーワと自身を重力の壁で覆った。
アナスタシア
「クーワ、、この傷、、
レンゲイじゃないと、、死ぬわ、、
先の戦いの、、傷が癒えてない。」
クーワ
「痛く、、ないです、、けど、、
身体が、、動かない、、です。」
アナスタシア
「私も、、傷が癒えていない、、、
あの蛇の技は、、効いた、、ぞ、、」
N
それもそのはず。
クーワはポセドニアに来てから
戦闘に明け暮れ
十鬼槍黒四葉部隊
隊長マリガルドと死闘を繰り広げていたからだ。
アナスタシアも
十鬼槍黒百合部隊
隊長スイセと激戦を繰り広げたばかりで
体力も疲労も限界を超えていた。
N▶︎▶︎▶︎アナスタシア
ーーマリガルドサイドーー
マリガルド
「スイセ、、すまねぇ、、、」
N
巨大スイセはマリガルドを守る為に
水星•豪雨の前で仁王立ちしていた。
巨大スイセ
「グハッ、、ゴホッゴホッ、、
こんな、、雨、、傘さす必要なん、、て、、
ないんだから、、ね、、」
マリガルド
「おい、、いい加減離れろ、、
じゃねぇと、、お前が、、、、」
巨大スイセ
「あの水星、、グッ、、壊さないと
永遠に降り注ぐわね、、、
それに散々傷つけられて
蛇皮のバッグと財布に、、
ちゃんとできるかしら、、」
マリガルド
「そっちの、、心配、、かよ、、」
終わりの始まり
「愚か、、愚かな人間!!!!!!」
巨大スイセ
「グハッ」
N
血まみれの
終わりの始まりが
巨大スイセの肩に噛み付いた。
マリガルド
「スイセ、、離れろ、、」
巨大スイセ
「あんらぁ?
いつになく、、弱気なのね、、
仲間が死んで、、ツライのは、、
アンタだけじゃ、、ないのよ!!!!!」
終わりの始まり
「何!?」
巨大スイセ
「残り1分!!!
時は満ちたのよーーーーん!!!!!
オンドリャァァア!!!!」
N
巨大スイセは
終わりの始まりの顔を掴み
頭突きをカマすと拳をたたき込んだ。
終わりの始まり
「人間!!!グッ!!離せ!!離せ!!」
マリガルド
「今だ、、、やれ!!スイセ!!!」
N
マリガルドの殴込千手番長が
千の腕で二本のツノを押さえつけていた。
巨大スイセ
「ナイス!マリ坊!!
さて、、いくわよォォオ!!
溜め込んだこのエネルギー
打っ放して 候!!!」
『私こそ至高、正に私道!!』
N
巨大スイセは華麗に両手首を十字に合わせて
ポージングを決めると
大地を削る様に赤青緑ピンクの光線が
両目から発射された。
終わりの始まり
「なんだ、、何だこれわァァアァァ!!
ギャァァァア!!!!!」
N
終わりの始まりと水星を
焼き切り撃ち抜いた。
すると光線の軌跡を辿る様に
花道の様なものが出来ていた。
巨大スイセ
「さっ、準備は整いま、し、た!!
あたしのオンステージの始まりよぉーーん!」
N
終わりの始まりの身体は
アナスタシアとクーワにより
ズタズタに引き裂かれ
巨大スイセの追い討ちにより水星は破壊され
終わりの始まりにも
穴が空いていた。
巨大スイセ
『最高到達点!!!!』
終わりの始まり
「何をする!!!許さん許さん人間!!
離せ!!何だ!!この腕!!離せ!!!
ロージア!!!!!ポセドニア!!!
私はこの世界を!!!!憎む!!!!!」
マリガルド
「誰が離すかってんだ、、、」
N
巨大スイセは七色に光輝き
自らが作ったランウェイを全速力で走り抜ける。
終わりの始まり
「貴様ぁあ!!!!」
N
気付けば終わりの始まりの
首はスパッと切り落とされ空中に打ち上がった。
終わりの始まり
「許さんぞぉぉぉお!!!!
ロージアァァァ!!!!!!!!!!」
N
七色に輝く巨大スイセに
首を落とされた終わりの始まりは
胴体と離れてもなお声を上げていた。
終わりの始まり
「ロォォォオジァァ!!!」
巨大スイセ
「はぁ。誰にも大切にしてもらえなかったのね。
悲しい蛇ちゃん。
でも心配ナッシング!!!
あたしが大切にしてあ•げ•る❤︎
バッグと財布にしてね。」
N
ーーレンゲイサイドーー
レンゲイ
「なんだと!?
千年沙羅双樹に穴が空いた、、
あの四色の光線は一体、、、」
トギリ
「リリィ、、ヴァイア」
N
ーーリリィヴァイアサイドーー
終わりの始まりの首が
ポセドニアに舞う。
終わりの始まりはその空中で
走馬灯の様に過去を思い出した。
リリィヴァイア
((恋を、、した、、、私は恋をした、、
私はただ、、あなたと、、、一緒に、、
なりたかった、、、ただそれだけ、、
ただそれだけだった。))
N
そして千年沙羅双樹の空いた隙間から
終わりの始まりは
トギリの姿と梔子猛虎を見た。
リリィヴァイア
「お父、、、さん、、、」
N
終わりの始まりとトギリの目が合う。
トギリ
「チッ」
レンゲイ
「逃すか!!!」
トギリ
『衝哭』
レンゲイ
「グッ!!待て!!!」
N
トギリはまっすぐ
終わりの始まりの元へと
飛び去った。
トギリ
『剋刃 三十六•空乗波濤』
レンゲイ
「沙羅双樹!!!」
N
レンゲイは指で千年沙羅双樹の樹海を
操るもトギリの速度には追いつけなかった。
レンゲイ
「波動系 剋刃とは
やはり相性が良いか、、」
スイセ
「あっ、、元に戻っちゃっ
ブヘッ!!!!!!
身体が、、、うごかな、、い、、、」
マリガルド
「あたりめぇだろうが、、
使いすぎたんだよ。神滅兵器をな。」
スイセ
「今、、来られたら、、やられるわね、、」
マリガルド
「バカ野郎。俺がいんだろうが。」
スイセ
「フフッ、、何それ、、高く付きそうね」
N▶︎▶︎▶︎スイセ
N
ーーアナスタシアサイドーー
アナスタシア
「グッ、、動けない、、、」
クーワ
「ダンデライ、、は、、いますかー、、」
アナスタシア
「いないわ。
千年沙羅双樹の中に、、いるから、、安全よ。」
クーワ
「ハハッ、、そうですか。」
アナスタシア
「クーワ、、、今、、笑った?」
クーワ
「何のことですー?」
アナスタシア
「いいえ。何でもないわ。」
N
ーートギリサイドーー
トギリ
「ぉぉぉお!!!!!!」
N
トギリは梔子猛虎を
大きく振りかぶった。
終わりの始まり
「お父、、さん、、じゃない、、
ソフィア、、、?」
N
トギリは直前で刃を止めた。
リリィヴァイア
((見たことある、、、この光景、、
あの時、お父さんの剣で
斬りかかる妹、、、私の、、妹、、、
泣いてた、、、、、
私が封印される直前、、、ロージアに、、
斬りかかって、、、))
終わりの始まり
「妹は、、、死んだ」
トギリ
「お前、、、」
N
千年沙羅双樹が光り輝く夕暮れの空の下
空乗波濤に乗ったまま
トギリは地上で落下していく終わりの始まりを
いや、リリィヴァイアを思わず受け止めた。
その理由はトギリ本人も分からなかった。
ただ、落ちていく少女を見て
トギリは自然と手を伸ばしていた。
N
終わりの始まりにかかっていた呪いが解け
元の姿に戻っていた。
あの無垢で破滅王を演じた心優しい女王に。
リリィヴァイア
「ごめん、、なさい、、、ごめんなさい、、、
私、、私、、、」
トギリ
「おい、、なんだよ、、その顔、、ガキの頃見た
ソフィア婆さんの絵にそっくりじゃねぇか、、」
リリィヴァイア
「私、、私はただ、、、ロージアを
愛して、、ロージアの子を、、産みたかった、、
ただ、、それだけなのに、、私、、この国を、、
この国を、、、壊してしまった、、」
トギリ
「おい、待て待て。
ロージア様が何だって!?!?
ロージア様が千年前にいるわけねぇだろ!
大体、、お前のその姿」
リリィヴァイア
「あなた、、ソフィアと同じ匂いがする。
今は何年なの?」
トギリ
「あれから千年経った。
いや、正確には八百年くらいか」
リリィヴァイア
「そう、、あなた、、その姿、、
ソフィアと同じ目にお父さんと同じ顔
そして私と同じ髪色をしてる、、」
トギリ
「んなこと、どうでもいいんだよ。
説明してくれ。」
リリィヴァイア
「もう時間がない、、、
名前を聞いてもいい??」
トギリ
「待て!まずは話しを!!」
リリィヴァイア
「、、に聞きなさい。
全てを知ってるはず、、だわ、、」
トギリ
「おい!!待て!!なんて言った!?
消えるな!!
消えるな!!!!!!
俺はトギリ!!
トギリ ヴェルモール ポセドニア!!
あんたの末裔だ!!
教えたろ!?消えるな!」
リリィヴァイア
「周、、り、、れちゃダメ。
私みた、、ね。トギリ。」
トギリ
「本当の事を教えて、、くれ、、、」
リリィヴァイア
「言っ、、でしょ、、ロー、、」
トギリ
「おい、、おい!!」
リリィヴァイア
「、、この高さ、、る
ポセド、、とっ、、綺麗、、ね、、
私の、、国、、」
トギリ
「リリィヴァイア、、」
リリィヴァイア
「ぁあ、、なんて綺、、な、花、、
あれは、、、」
トギリ
「沙羅双樹、、っていうらしい、、、」
リリィヴァイア
「美し、、
このポセ、、に咲く、、沙羅、、樹、、の花、、」
トギリ
「ぁあ、、綺麗だな、、」
リリィヴァイア
「ねぇ、、ギリ、、ロー、、は、元気、、かしーー」
N
バリンッと音がした。
リリィヴァイアは内側から氷柱に貫かれ
その身は凍り、砕け散った。
トギリ
「氷、、、これは、、」
N
トギリの手の中で砕けていくリリィヴァイアは
ポセドニアの風に吹かれていく。
沙羅双樹の花びらと共に
高く高く空高く舞い上がる氷の粒が
トギリの頬に落ちた。
トギリは指先で氷に触れると
ツーっと流れ、頬に解けて消えていった。
トギリ
「リリィヴァイア、、、」
N▶︎▶︎▶︎リリィヴァイア
N
突然ゴゴゴと激しくポセドニアが揺れ始める。
次々と海水が雪崩れ込んできた。
トギリ
「マジぃな。
スイセ!!マリガルド!!
撤退するぞ!!!!ラベンドはどうした!!」
スイセ
「ギリちゃん、、、それは、、」
マリガルド
「奴は、、」
N
トギリは梔子猛虎で
探索範囲を広げた。
トギリ
「チッ、、そうか。
奔れ!!梔子猛虎」
N
トギリはそういうと
マリガルドとスイセに刀を向けて
衝撃波でフワリと浮かせた。
スイセ
「え?え?なにこれ??」
トギリ
「黙ってろ。」
マリガルド
「待て!トギリ!!まだ、ラベンドが!!」
トギリ
「ぁあ。分かってる。」
N
トギリはマリガルドとスイセを
引き寄せると空乗波濤に乗せた。
スイセ
「待って!!ギリちゃん!!!」
トギリ
「何だ!!!」
スイセ
「ぅっ、、ぅっゴホッゴホッ
あたし、、は、、まだ、、諦めない!!」
N
スイセは命を削るかの様に
地面を這いながら残りの力を振り絞ると
終わりの始まりの表皮を
引きちぎった。
スイセ
「あたしの、、バッーー」
マリガルド
「スパンッ
ッテメェはバカなのか!!」
スイセ
「イッタァアイ!!!
何すんのよ!!!!!!
殴込千手番長で
殴らなくていいじゃない!!!
あんた殺す気ぃ!!??」
N
マリガルドは呆れた顔で
スイセを殴込千手番長で
掴んで自分たちのいる所までぶん投げた。
トギリ
「はぁ、、、ほら、いくぞ。」
N
マリガルドは殴込千手番長を
解除するとクーワを睨みつけた。
マリガルド
「クーワ!!!!!!
テメェは!!必ず!!俺が!!!!
ぶっ殺す!!!!!!!!!」
クーワ
「クフフッ 僕もまた殺し合いたいですー」
マリガルド
「俺はテメェを忘れねぇ!!
テメェも俺を忘れんな!!!!
死神クーワ!!!!!!」
N
マリガルドの叫び声が辺りに響いた。
スイセ
「アナシーちゃーん!!!
まった会いましょーーーーん!!!
んーーーーーバッ❤︎」
アナスタシア
「今、、、殺して、、、やるっ、、」
スイセ
「そんな身体で強がっちゃってぇーー
時代がうねるその時まで
アミーゴ!!アディオス!!!アヒージョ❤︎」
N
そして、トギリ達は背を向けた。
レンゲイ
「逃しません!!!!」
N
トギリはゆっくりと振り向いた。
トギリ
「お前本当に隊長か?
よく見ろ。ここはすぐ壊れる。
部下よりも俺の命かよ。
だから、見えてねぇって言ってんだ。」
レンゲイ
「なんだと、、」
トギリ
「いつか会うその日まで
せいぜい生き延びるんだな。レンゲイ。」
レンゲイ
「ふざけるな!!!!
逃すと思うのか!!!!!」
トギリ
「逃すとは思ってねぇよ。
逃げるんだよ。レンゲイ。」
レンゲイ
「待て!!!!!!!!」
トギリ
「フッ 面倒くせぇな。」
N
そう言って微笑むと
トギリ達は空乗波濤に乗り
消えていってしまった。
レンゲイ
「、、トギリ」
間
トギリ
「とんでもねぇ所だったぜ。」
N
トギリは夕暮れの様に赤いポセドニア の空を
見上げながら想いにふけっていた。
トギリ
リリィヴァイア
俺はあんたが嫌いだ。
あんたのせいでガキの頃から
散々、育った村で呪われた血だの
裏切りもんだのって
嫌な目に遭ってきた。
だから、嫌いだ。
ロージア様と何があったか知らねーけどよ。
あっリンドウ爺さんだけは
何だか知らんがあんたのこと
悪くは言ってなかったなぁ
良くも言ってねぇーけど。
ラミオラス帝国は大っ嫌いだったけどな。
笑えるだろ?
孫はその国の将軍だっつーのに。
最期は、、俺の手の中で逝かせてやれて良かった。
長い間苦しそうだったからな。
ロージア様から頂いた薬の小瓶も
そっと送ったりしたんだけどよ
あんま効果無かったみてぇだし。
そもそも鞘花であること
隠そうとしても
爺さん色んなとこで
暴れるからバレバレだったしよ。
ったく。あんたの一族、変だよな。
まっ俺もか。
あんたもなんつーか。
話してみたらよ。
懐かしいっていうか
なんつーか
あんま、悪い気はしなかったんだ。
何でだろうな。
あんたはどうだったんだ?
リリィヴァイア
N
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
海底都市 ポセドニア
Part Ⅹ 終章1/2 弔いの花弁 (完)
おまけ
スイセ
「もう!ギリちゃん!!
いつか会えるその日まで。じゃないわよぉ!
くっさい男ね!!ダンディマイラバー!!
でもォォオォン
可愛くて仕方ないわぁーーん!!
んーーーーーー」
トギリ
「やめろやめろやめろ!!!
うわっきったねえ!!!」
スイセ
「ーーーバッ❤︎」
マリガルド
「トギリ、、すまねぇ、、
ラベンドを、、」
トギリ
「仕方ねぇ。俺らは軍人だ。
死とは常に一緒だからな。
ほら、着いたぞ。急げ。」
マリガルド
「ラベンドォォオ!!!!」
N
ラベンドの身体は青白くなっていた。
傷は少し綺麗になっていたが
息は無かった。
マリガルド
「ラベンドォォオ、、
ごめんなぁ、、ごめんなぁあ」
トギリ
「マリガルド、、早くしーーん?」
スイセ
「どうしたの?ギリちゃん?」
N
ドクン
ドクン
ドクン
ドクン
トギリ
「おい!!マリガルド!!」
N
トギリはマリガルドを突き飛ばした。
マリガルド
「イッ!!テェな!!
何しやがる!!!!!!」
トギリ
『神蔵摩擦』
N
トギリはラベンドの心臓に
梔子猛虎を刺した。
マリガルド
「トギリ!!やめろ!!!」
トギリ
「黙ってみてろ」
N
ドクン
ドクン
ドクン
ドクンドクンドクン
ドクンドクンドクン
トギリ
『照刃四十四•治癒音波四汽連祷』
『組曲 波穂』
『組曲 蒼天滴』
『組曲 翠風光』
『組曲 楓葉舞』
N
心地よい旋律が流れる。
まるで梔子猛虎が
奏でている様だった。
スイセ
「これは、、照刃の四十番台
まさか、、、ギリちゃん、、」
マリガルド
「嘘だ、、ろ??」
スイセ
「これが、、神の力、、」
トギリ
「目ぇ覚ませ!!!ラベンド!!!」
N
すると梔子猛虎が
強く輝きだした。
兼任
レンゲイ▶︎▶︎▶︎ラベンド
ラベンド
「ウグッ、、ゴホッ、、ゴホッ、、
あれ、、、あの時、、、」
マリガルド
「ラベンド!!!!!!
バカ野郎、、勝手にどっか行ってんじゃねぇよ!!」
ラベンド
「、、スイセ、、さん、、トギリ、、さん
マリガルドさん!!!!!!!」
トギリ
「、、ありがとよ。梔子猛虎」
N
トギリはそう言うと
梔子猛虎を胸にそっとしまった。
マリガルド
「、、よく、、、よく、、生きてたな、、」
スイセ
「べべちゃん。ほら。」
ラベンド
「え?」
スイセ
「はいっ。タッチ。パンッ」
N
スイセは優しくラベンドにハイタッチした。
スイセ
「おかえり。」
ラベンド
「ただいま、、、ただいま!!!」
マリガルド
「フッ、、バカ野郎が!!!」
ラベンド
「いっ、、痛いですよぉー!」
スイセ
「ちょっとギリちゃん!!
なに笑ってんのよ!?」
トギリ
「いや、何でもねーよ。」
(完)
ラベンドはここで
死んじゃいけない気がしました。
当初の予定では初めから殺す予定でしたが
キャラクターというのは
勝手に動くもので、トギリが鞘を手にしてから
話しを書いてみると
きっとトギリなら諦めないかなと。
梔子猛虎なら助けてくれそうな気がしたからです。
また、マリガルドとラベンドの物語を紡ぐ日が
来るといいですね。知らんけど。