Part Ⅶ 始まりの糸は赤(キミ)と共に
海底都市ポセドニア
折り返し地点にきました。
自分的に敵が魅力的になってくれたので
物語にも深みが出たのではないかなと思います。
まだまだ、頑張らねーと笑
では!たのしんで!!
作者名 REN’sJackson
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
海底都市 ポセドニア
Part Ⅶ 始まりの糸は赤と共に
N▶︎▶︎▶︎クーワ
スイレ•スイセ•スイレン•ジェシカニーパの
天国への階段を
まともに喰らったアナスタシアは
致命傷を受けながらも刃術で
気配を消して巨大なアーチの陰に隠れていた。
アナスタシア
「はぁ...はぁ...はぁ...」
『剋刃 四十七•天遣曲法』
N
光のカーテンがアナスタシアを包み
姿が見えなくなった。
アナスタシア
『剋刃の 十三•遮々音々』
N
耳が詰まるような感覚が広がり波紋が広がると
周囲からはアナスタシアの声は
聞こえなくなり気配が消えた。
アナスタシア
『照刃 四十三•花蓮乙女ノ息吹』
N
半透明の乙女を召喚すると
その乙女は吐息をフゥーーッと吐き
アナスタシアの傷を少しずつ癒していった。
アナスタシア
((ウグッ...なんて威力...なんて速度...
鞘花の身体じゃなければ
やられていた...グッ...傷が思ったよりも深い...
やはり私の照刃では四十番台といっても
内臓系の回復は無理そうね...))
N
アナスタシアは塞がった傷口を押さえながら
スイセとの闘いを脳内で巡らせた。
アナスタシア
((アイツは今まで戦ってきた奴らとは格が違う。
アキレイ達が苦戦しペチュニアという隊長が
特別強かったわけではなかったのか...
十鬼槍とはこれほどまでに...
いや、冷静に分析したとしても
奴の万物を吸収する能力と
近接戦闘力は純粋に高い...
それに踏まえてあの分裂...
十鬼槍隊長 4人を
相手にしてると言っても過言ではない。
そして攻撃を受けるたびに光るあのスーツ。
待て...スーツ...光...
光の点滅が何しからの予兆である事は間違いない!!
やはり...吸収限界か...それなら...))
N▶︎▶︎▶︎スイセ
ーークーワサイドーー
瀕死状態であるラベンドの鬼人化の姿に
クーワは胸を躍らせていた。
クーワ
「何ですか?その姿はー
楽しませてくれそうですねー」
ダンデライ
「人間...では...ない...
これが十鬼槍の鬼人化...」
マリガルド
((ラベンド...戻ってこいよ...)」
クーワ
「あっちの方が楽しそうーですねー」
N
クーワは纒無双切切風来暴を解き
青藍人魚をマリガルドに向けた。
青藍死海域が
マリガルドに吹き抜ける。
マリガルド
「チッ!!この青い風が厄介だぜ...」
N
青藍死海域
青藍人魚の本来の力である。
クーワの青藍人魚は
風の力だけではない。分解する力つまり風化こそが
青藍人魚の最も恐ろしい力であり
本来の力でもある。
風化作用を凝縮させた風が青藍死海域である。
マリガルド
「鞘花ってやつはみんなあんなんなのか?!!」
N
マリガルドは暴双㩮骨で
波乗りの様にクーワの青藍死海域を
華麗にかわしていく。
マリガルド
((少し触れただけでも 鐵化武装が
ぶっ壊れそうだ...))
ダンデライ
「化け物か...」
N
ダンデライは異様な姿に目が奪われていた。
ラベンドの額には触覚の様な大きな二本の角
瞳は白く、蚕のように不気味な紋様の羽根が生えていた。
ラベンド
「コロス...コロス...ミナ...コロ...ス!!」
N
ラベンドは大きく息を吸うと
口から糸を無数に吐いた。
ダンデライ
「グッ!!!正気を失ったのか?」
N
ダンデライは鎧無を構えて
ラベンドに斬りかかった。
しかし、カキンと高い音がしただけで
ラベンドを斬ることは出来なかったが
その瞬間爆発した。
ラベンド
「ガッ...」
N
鎧無が爆発すると
ラベンドは大きく後ずさりした。
ダンデライ
「硬いことは報告されています!!
しかし...爆炎ならどうですか?」
ラベンド
「コロス」
ダンデライ
「効いていない!?」
N
ラベンドはダンデライに向かって
糸を吐いた。
ダンデライ
「こんなもの!!!」
『滅刃の 十七 灼岩土投』
『鎧無•参の型• 壁易婦陣』
N
鎧無が沸沸と
激しい音を立てると盾の様に大きく楕円に
広がりマグマの塊をいくつも発射した。
ラベンドの糸はマグマを砕いていったが
マグマの炎が
糸に燃え広がっていく。
そして、ダンデライの壁易婦陣に
ラベンドの糸が到達するも
そこで全ての糸が燃え尽きてしまった。
ダンデライ
「攻防一体のマグマの盾と砲台
あなたの糸は切れなくても爆炎の前に燃え尽きる」
N
そして壁易婦陣のマグマの砲弾が
ラベンドに次々と襲いかかった。
ダンデライ
「これで...終わりーー」
ラベンド
「コロス!!!」
ダンデライ
「ガハッ」
N
ラベンドは糸で身代わりを作り
ダンデライが気をとられてるうちに
糸跳で真後ろに立っていた。
その腕はダンデライの血で赤く染まっていた。
クーワ
「クフフッ...やっちゃいましたねー」
ダンデライ
「グッ...まさか...ダミーだとは...」
ラベンド
「オワリ」
クーワ
「君がね」
マリガルド
「ラベンド!!」
ダンデライ
「ウッッ」
N
クーワはダンデライを蹴り飛ばし
青い風を纏った青藍人魚で
ラベンドに斬りかかった。
ラベンド
「グッッッ」
クーワ
「へぇ...受け止められるとでも
思ってるですかー?」
N
ラベンドはクーワの青藍人魚を
片腕で受け止めたがゆっくりと刃が
めり込んでいく。
ラベンドはとっさにクーワに向かって糸を吐くが
クーワはヒョイっと首を傾けてかわした。
マリガルド
『怒鐡㩮!!』
クーワ
「ん?」
マリガルド
「オメェの相手は俺だろうが!!!」
N
マリガルドはクーワの頭上から
渾身の一撃を放ったが
クーワは簡単に避けてしまった。
そして、クーワはダンデライに向かって言った。
クーワ
「ダンデライ...もういーですよー
足手まといは邪魔なだけですー」
ダンデライ
「申し訳...ありません...」
N
すると、ダンデライは
戦線を離脱するために走った。
マリガルド
「逃すかよ!!!」
クーワ
「クフフッ」
マリガルド
「クソ!!なんだこの風!!
いちいち吹きやがって!!」
クーワ
「僕から逃げられるとでも思うですかー?」
マリガルド
「ぁあ"!?逃げてねーし!!
テメェんとこの副官を追おうとしてんだよ!!」
クーワ
「ふーん。
僕との闘いを避けたいですかー?」
マリガルド
「なんだと!?」
ラベンド
「コロス、コロス、コロス!!!」
N▶︎▶︎▶︎マリガルド
N
ーースイセサイドーー
一方その頃
淫呀凹俸による
美•美•美•美によって
4人に分裂したスイセ達は
勝利の美酒に酔っていた。
スイセ
「スイセの数だけ」
スイレン
「強くなれる」
ジェシカニーパ
「ポセドニア に咲く」
スイレ
「花の様に...」
スイレン
「いやぁーん!!楽勝!!」
スイセ
「はぁい!!タッチ!!!パンッ 」
スイレ
「タッチ!!パンッ
あたし達って最高!!!
タッチ!!パンッ 」
ジェシカニーパ
「はぁ...うっとりするほど
美しいわぁーーん」
スイセ
「え?ありがとう」
スイレ
「バカね...あたしに言ったの!!」
スイレン
「はぁ!?あたしに言ってんのよ!!」
スイセ
「冗談は顔だけにしてよ!この顔面ゴリラ!!」
スイレン
「ゴリラ??え!?ゴリラ!?壮大なブーメラン!!
あんただってゴリラじゃない!!!」
スイレ
「ちょっと!あんたゴリラの何を知ってんのよ!!」
スイセ
「知ってるわよ!!
学名ゴリラ ゴリラ ゴリラじゃない!!」
ジェシカニーパ
「スイレ スイセ スイレン
うるさいわよ!」
スイセ
「ゴリラゴリラゴリラみたいに
言わないでくれる!?!?」
スイレ
「もうー!うるさい女!!
良い?あたしは
れっきとしたホモ・サピエンスよ!!」
スイセ
「そうよ!!あたし達ホモよ!!!ホモ!!」
スイレン
「そう、あたし達はホモでありゲイ
ゲイの中のゲイ!!!!!!!
神が作りたもうたオカーー」
アナスタシア
『黒の審判』
N
ズズズッと
重力の奔流がスイセ達にのし掛かる。
ジェシカニーパ
「ぁあらぁーーアナシーちゃーん
随分と遠いところにいるのねぇ」
スイレン
「どこかしらーん??」
スイレ
「そんな遠いところじゃないわよ
鞘の発動範囲内でしょっどうせっ」
スイセ
「コソコソと隠れて技を使うなんて
魔女らしいわね。本当あんたって陰険だわ!」
N
スイセ達は強力な重力場を物ともせずに
余裕の表情を崩さなかった。
そして先ほどと同じくスイセ達の淫呀凹俸は
またもや輝き出している。
ジェシカニーパ
「だぁかぁらぁ効かないのよぉーーん」
スイセ
「スーパースターが目の前にいるのに
出てこないなんて!!
照れ屋さん!?照れ屋さんなの!?」
スイレン
「サインぐらい書いてもいーのよーん!」
N
そしてまたもや輝き出した。
スイレ
「はぁ...飽きちゃったわぁ どこかしらーん??
アナシーちゃーん!どこなのよぉーん!!」
ジェシカニーパ
「んもう!!らちあかないわ!」
N
先ほどより短い間隔で淫呀凹俸が
光り始めるとスイセ達の表情が少し曇る。
アナスタシア
((重力をかけ続け、一定のダメージが溜まると
スーツが光り始める...
そして先ほどよりも間隔が短い...
なら、これなら...どうかしら!!))
『閻魔涙々黒星死星陣!!』
N
アナスタシアが祈るように刀を握りしめると
スイセ達がいる方向へ刀を振り下ろした。
すると海底都市ポセドニア全体の瓦礫や石、サンゴ
固形物が上空に舞い上がり互いにぶつかり合うと
半径1mほどの球体が無数に作られた。
アナスタシア
「吸収出来るならしてみなさい!!
あなたにこの無数の星々を受け止めきれるかしら?」
N
アナスタシアがそういうと
スイセ達に向かって隕石が一気に降り注いだ。
スイレン
「ん?何よこれ!!!!
嘘でしょ!!!!!」
スイレ
「し、信じられない!!
海底都市で隕石!?!?」
スイセ
「人間技じゃないわ!!!!!!!!」
ジェシカニーパ
「あんた達!!!!」
N
スイセ達は淫呀凹俸の
4度目の輝きをよそに
一瞬で四方に距離をとると
被っている自身の ツバ広帽子を
中心めがけて投げた。
スイレ•スイセ•スイレン•ジェシカニーパ
『貴婦神亡死防止帽子!!』
N
投げ合った赤緑青ピンクのツバ広帽子が
ぶつかり合うと
1つに合体して巨大な帽子になり
旋回し上空へと飛びその場で浮かび続けた。
スイレン
「いやーん!当たる!!当たるゥゥウッツって
当たらなーい!!!!!!
このツバ広帽子はこの身を離れてもなお
盾となり万物を吸収する
あたしの武器よ!」
スイセ
「例え隕石でも関係なく効力は発揮されるんだから!」
N
次々と降り注ぐ隕石を
貴婦神亡死防止帽子は
受け止めていくが隕石自体は吸収されてはいなかった。
ただ勢いを殺されて貴婦神亡死防止帽子の
周りにドン!ドン!ドン!と
ゴツゴツ落ちていった。
スイセ
「危なっ!!!!!!」
スイレン
「あんな質量を、一気に受け止めたら
いくら吸収してもエンドレスリピートよ!!」
スイレ
「ちょっと見て!!まさか!!!
貴婦神亡死防止帽子が...」
ジェシカニーパ
「壊れてく!!!
避けて!!」
アナスタシア
((避けるか...
やはり万物を吸収すると言っても
隕石自体は吸収されてはいない。
という事は...
接触時に生まれるエネルギーだけを
吸収しているのか。
なるほど...今が...好機!!!!)
スイセ
「こんな...技...反則じゃない!!!
一体どういうッアガガガ!!!!!」
スイレン
「ウガッ!!ま、さ、か...」
スイレ
「ガッッッッ!!
隕石に...気を...とられて...」
ジェシカニーパ
「吸収...が...」
N
スイセの言う通り
アナスタシアの閻魔涙々黒星死星陣に
気を取られていて 黒の審判 の術中だと言うことを
スイセ達は忘れていた。
貴婦神亡死防止帽子が
壊れた今、更には
黒の審判 により重力場が強められている今
隕石の雨が重量を何倍にも増してスイセ達に
襲いかかった。
アナスタシア
「フフッ...バカな子」
スイレ•スイセ•スイレン•ジェシカニーパ
「アナスタシアァァア!!!!!!!」
N▶︎▶︎▶︎アナスタシア
ーーラベンドサイドーー
ラベンドは肩を震わせ
全身から糸を吹き出していた。
ラベンド
「ユルサナイ...クーワ...ユルサナイ...」
マリガルド
「おい!ラベンド!!」
クーワ
「許して欲しくないですー
というより、何かしましたっけー?」
マリガルド
「グッ!ラベンド!!乱発しすぎた!!」
N
ラベンドは糸を全身から吹き出したまま
クーワに襲いかかった。
ラベンド
「クーワ!!!!!」
クーワ
「いいですねぇーいいですねぇ!!!
見せてくださいよ!!!
デッドかアライブか!!!!!」
N
クーワは青い風をラベンドに向けるも
次々と溢れ出る糸の生成速度の方が速かった。
マリガルド
「テメェの相手は俺だろうが!!!
鐡化武装 !!!」
N
上空から暴双㩮骨で
クーワの背中を打ち抜いた。
クーワ
「グッ!!!」
ラベンド
「シネェ!!!」
N
吐き出した糸を針の様に固めて
クーワに向かって放ったが
クーワの青い風で全て塵となった。
マリガルド
((あの状態だと、つえーけど
連携が取れる精神状態じゃねぇ...
あまり長く戦うとラベンドがやべぇ。
だからと言って風に触れ続けると
こっちがぶっ壊れる!!))
N
ラベンドは全身を糸で覆い
クーワと接近戦を繰り広げていた。
目にも留まらぬ速さの攻防と
マリガルドの二本の暴双㩮骨を相手に
クーワは気分が最大限にまで高揚していた。
クーワ
「これが楽しい...ですね!!
楽しいってこういう事なんですねぇ!!」
マリガルド
「ウォォオ!!!」
ラベンド
「コロス...コロス!!」
クーワ
「クフフッ!!」
N
その様子をダンデライは少し離れた所から見ていた。
ダンデライ
((今はまだ楽しそうにしてることが
唯一の救いということを
あの二人は分かっていない...
隊長の真の恐ろしさはその先にある...))
N
すると激しい地鳴りが辺りに響く
ダンデライ
「この刃汽...」
マリガルド
「ウラウラウラウラウラ!!!」
クーワ
「クフフッッ!!!」
ラベンド
「コロス!!!」
ダンデライ
「瓦礫が宙に浮いてる!?
いや...集められている?
隕石!?なんだ...これは...まさか...」
N
クーワとマリガルド、ラベンドは
黒雛から発せられる莫大な刃汽を
気にする事なく無我夢中で互いに闘り合っていた。
ダンデライを除いて
アナスタシアの閻魔涙々黒星死星陣とは
気づいていなかった。
クーワ
「斬っても斬っても糸が邪魔するですー
つまらないですー」
マリガルド
「闘いにつまるも、つまらないもねーんだよ!!
ナメてんのか!?!?ぁあ"!?」
クーワ
「ナメてるのはそっちですー
この弱さで隊長格を任されるのは
人材不足としか思えないですねー」
マリガルド
「なんだと!?」
ラベンド
「クーワ...クーワ...クーワ!!!」
クーワ
「はぁ...飽きたです。
血を見せてください」
N
するとクーワの刃汽が
禍々しく放たれた。
マリガルド
「テメェ...何する気だ...」
ラベンド
「コロス」
クーワ
「そろそろ殺しますねー
青藍人魚も飽きたみたいですよー?」
マリガルド
「何言ってやがる...」
N
クーワの青藍死海域が
みるみる青藍人魚に
集約されていく。
クーワ
「神剣宝具 」
マリガルド
「!!!?」
N
そして禍々 しくも巨大な大鎌へと形を変形させた。
クーワ
「クフフッ」
『死ノ青藍鎌斬』
マリガルド
「何だよ...あれ...ラベンド!!
ラベンド逃げろぉおお!!!」
ラベンド
「シネェ!!!!!!!」
マリガルド
「行くな!!ラベンド!!」
「ウォォオ!!!!!」
クーワ
「Is dead 」
N
クーワは一閃、ラベンドを切り裂いた。
ラベンド
「ガッ...
マ、マリガル...ド...さ...ん?」
マリガルド
「ラベンドォォオ!!!!」
『爆走暴双㩮骨!!』
N
マリガルドは暴双㩮骨に乗り
ラベンドをクーワの目の前から連れ去った。
クーワ
「逃げられませんよー。クフフッ」
N
マリガルドはラベンドを抱えたまま
超高速で駆け抜けると
瓦礫の山を突き抜けて石像が無数に立つ
廃墟の前に連れて行った。
そして、マリガルドの膝の上に
ラベンドは頭を乗せられて横たわっていた。
マリガルド
「死ぬな!!!ラベンド!!!
戻ってこい!!戻ってこい!!!!!」
ラベンド
「マリガ...ルド...さん...
クーワは...倒したん...ですか??
あれ...僕...どうして...」
マリガルド
「戻ったのか...?
ラベンド...しゃべるな...」
ラベンド
「なぜ...泣いてるんですか...」
マリガルド
「馬鹿野郎...泣いてねーだろ...」
ラベンド
「...ガハッ
もしかして、僕...負けたんですか...?」
マリガルド
「負けてねーよ!!!」
ラベンド
「じゃぁ...なんで...
あの青い風に包まれてから...
何も...覚えて...ません...」
マリガルド
「いま、手当すっから...
それから解け...」
ラベンド
「フフ...手当...ですか
元々...使えないでしょ?マリガルド...さん
それに僕らは...刃術...
使えなくなった...じゃないですか......
マリガルド...解けって...まさか...僕...」
マリガルド
「ぁあそうだ...鬼人化したんだ...」
ラベンド
「強かった...です...ね...
クーワは...」
マリガルド
「ぁあ...強かったな。
ラベンド...俺は
照刃は使えねーけど
止血ぐらいは...できるぜ...」
ラベンド
「いつも僕が縫ってたのに...
いつ出来るように...なったん...ガハッ」
マリガルド
「ゆっくり...戻れ...ゆっくりだ...
じゃねーと...死んじまうぞ!!!」
ラベンド
「ゴホッゴホッ...寒いです...マリガルドさん」
マリガルド
「おい!!!戻れって!!!
ラベンド!!!目ぇ開けろ!!」
ラベンド
「音楽...聴きたいな...
マリガルド...さん...歌って...くれますか」
マリガルド
「おい!!!聴こえてんのか!!
ラベンド!!!!」
ラベンド
「寒いな...マリガルドさん...痛い...です...」
マリガルド
「ラベンド...戻ってこい!!」
ラベンド
「抱きつか...ないでください...、」
マリガルド
「おい...おい!!!!ラベンド!!!」
ラベンド
「マリ...ガルド...さん...
あの時...僕は...死ぬはずでした...」
マリガルド
「そんなこと...言うんじゃねぇよ!!」
ラベンド
「マリガ...ルド...さん...
聞こえ...ますか...」
マリガルド
「ぁあ...聞こえてる...
俺はここにいるぞ...ラベンド...」
ラベンド
「あの日と一緒...ですね...
あの日から僕ら...ずっと一緒...でしたね...」
マリガルド
「おい...おい!!!
戻ってこい!!戻ってこい!!
鬼人化を解け!!!!!
ラベンドォォォオ!!!!!!」
クーワ
「クフフッ」
N▶︎▶︎▶︎ダンデライ
ーーアナスタシアサイドーー
ラベンドとマリガルド、クーワ、ダンデライの
死闘の最中、アナスタシアとスイセ達の闘いも
苛烈を極めていた。
スイセ
「ガハッ...」
N
アナスタシアは上空からフワリと着地し
スイセ達のいた方向を見た。
アナスタシア
「無様ね」
N
大地は抉られ大きな穴が無数に空いていた。
アナスタシアは黒の審判を解かないまま
発動範囲外からスイセに話しかけた。
アナスタシア
「あら?ギリギリになって
吸収出来るようになったのかしら?
いえ、黒の審判により重力の負荷攻撃を受け続け
閻魔涙々黒星死星陣を受け続けたあなたは
攻撃する間もなく瞬く間に
吸収限界を何度も迎えたみたいね。
そして、その結果がコレ。
スイレ•スイセ•スイレン•ジェシカニーパ」
N
4人いたスイセ達は
ボロボロになって横たわっていた。
スイセ
「ウグッ...アナス...タシア...
なによ...あんたもボロボロじゃない」
アナスタシア
「フンッ。
対鞘花特殊魔装兵器...所詮は科学ね。
しかし、とても興味深いわ。
鞘の力をよく研究しているのね。
でも、人智を超えた鞘の前では
遠く及ばないわ。」
スイレ
「遠く及ばない...フフッ
そうね...科学じゃ鞘花には
敵わないわ...
それでも...
ナーベルク帝国は...終わりよ...」
アナスタシア
「あなた自身が終わるというのに
この状況下で他国の心配なんて
随分と余裕なのね。」
ジェシカニーパ
「時代は...大きくうねるわ...
魔女の力で...どうにか出来るかしら?...
戦ってばかりいないで...
鞘以外のことにも目を向けて
研鑽し、研究しなさい...」
アナスタシア
「私を見誤るなよ。
ナーベルク帝国 第一 鞘花特殊研究部隊 "七刃花"
そのトップである私に研鑽しろだと?
ふざけるのも大概にしろ」
スイレン
「バカ...なーんも...分かってないのね...」
アナスタシア
「よく喋る奴だ。
お喋りはもういいわ。
事実はたった1つ。
あなたは私の研究室で
一生を終えるという事。」
スイセ
「フフ...私を飼い慣らせる...かしら??
ウググッ!!!!」
N
スイセ達は黒の審判の重力を筋力の力だけで
押し返し立とうとした。
アナスタシア
「なに!?」
N
アナスタシアは更に重力を強めた。
アナスタシア
「まさか!!鬼人化!?
隊長全員が出来るのか!?させるかーーー」
スイセ
「バカ...ね...
あんな醜い姿に...
なる訳ないでしょ??もっと...
尊いものよ!!!」
アナスタシア
((この重力場で...立つだと?
止めなければ...しかし
グッ...発動限界が...近い...
このままでは黒雛がもたない!!
納刀しなければ!!))
スイレン
「お礼...を...言うわ......
たぁっぷり...吸収...させてくれて...
ありがと...アナシーちゃん!!!
いくわよぉお!!!!"最大輪"!!」
N/機械音
ーー声紋認証 完了ーー
ーーー対鞘花特殊魔装兵器神滅ーーー
ーーー起動しますーーー
アナスタシア
「神滅...だと!?黒ビッーーーー」
スイレ
「スタイリーレッド!!!」
スイセ
「ファッションブルー!!!」
スイレン
「ビューティー グリーン!!!」
ジェシカニーパ
「セレブリティ ピンーーク!!!」
N
七色に光るスイセ達は混ざり合うと
巨大な爆発音と煙が辺りを覆った。
スイレ•スイセ•スイレン•ジェシカニーパ
『超美神』
『SUISE完全体!!!!』
アナスタシア
「なんだ...これは...」
アナスタシア
「巨大化...しただと!?」
スイレ•スイセ•スイレン•ジェシカニーパ
「ンフッ...アナシーちゃーん。
所詮は科学ですって???
ブフッ!!!!バカねぃ...
対鞘花特殊魔装兵器は
超科学よ!!!」
N
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
海底都市 ポセドニア
Part Ⅶ 始まりの糸は赤と共に (完)
N
おまけ
N▶︎▶︎▶︎アナスタシア
ダンデライ▶︎▶︎▶︎ソープワイト兼任
N
時は大きく遡る。
廃墟、火薬と肉の焼ける匂い、腹を空かせた子供
燃えたぎる炎に降り注ぐ雨
ココはラミオラス帝国 ナーベルク帝国国境付近
二台の移動用魔進から
二人の男と兵士達が降りてきた。
ソープワイト
「フン、全く汚いところだね」
N
白髪の男が軽蔑するような目つきで
悲惨な街並みを見た。
すると赤い髪に黄色いフードを被った男が
ソープワイトの顔をにらんだ。
マリガルド
「どこもかしこもこんなんだろ」
ソープワイト
「なんだね?その顔は?えぇ?
新米兵士の分際で気安く話しかけるんじゃないよ。
誰だね君は?そもそも名前も知られていないのに
上官に話しかけるなど正気かね?え?
ったく、部下の調教も出来ないのかね。あやつは。
私の隊なら即刻、撃ち殺してるよ。
フンっ、まぁいい。ささっと始めろ!!」
N
ソープワイトがそういうと
マリガルドをはじめとする兵士達が
次々と壊れた街から子供を連れてきた。
ソープワイト
「すぐ死ぬんだ。根こそぎ連れてくるんだよ!」
N
マリガルドは一人でに更に奥深く
誰もいなさそうな廃墟に足を運んだ。
マリガルド
「何のためにやってんだよ。ん?」
N
マリガルドはうつ伏せで倒れている少年を見つけた。
マリガルド
「死んでんのか?
おい、聞こえてんのか?」
N
マリガルドが少年の身体を足で
仰向けに変えると
痩せこけた少年は天井を見上げていた。
マリガルド
「おい...生きてんのか?死んでんのか?
どっちだ。ガキ」
N
少年は何も言わなかった。
ただ少しだけ小刻みに震えていた。
マリガルド
「生きてても仕方ねーだろ。
これも何かの縁だ。
殺してやるよ」
N
マリガルドはそういうと
少年にナイフを向けた。
少年はただ天井を見上げるだけだった。
マリガルド
「おい...怖くねーのか。
おい...聞いてんのか??」
ラベンド
「殺してくれ」
マリガルド
「やっと喋ったと思ったら
なんだそれ。」
ラベンド
「殺せ」
マリガルド
「恨むんじゃねーぞ」
N
マリガルドはナイフを振りかぶった。が
すぐにナイフを下ろした。
ラベンド
「殺し...てよ...」
マリガルド
「何で泣いてんだよ。
ヤる気が失せたわ。」
ラベンド
「殺してよ...」
マリガルド
「ったくよ...おい!!これ着てろ!
寒いんだろーが。」
N
マリガルドは自身の黄色いフードを
ラベンドに無理やり着させた。
ラベンド
「やめッ」
マリガルド
「うるせーな。
どうせ俺に殺してもらう命だろーが。
死ぬのは良いけど服は着たくねーのか?」
ラベンド
「何で服...」
マリガルド
「飯はあんのか?...って
なさそうだな。」
N
マリガルドはそういうと
配給でもらえるビスケットをラベンドに手渡すと
そのビスケットを勢いよく食べた。
マリガルド
「腹も減ってんのかよ。
まぁいいわ。お前みてぇな
死に損ない連れてっても意味ねーから
そこでのたれ死んどけ。
じゃぁな!!!」
N
マリガルドは来た道を戻ろうとした。
ラベンド
「あ...ありがとう...」
N
マリガルドは立ち止まって
振り返った。
マリガルド
「お礼いう時は
ありがとうございます!だ!馬鹿野郎。
敬語も使えねーのかよ」
N
そう言って立ち去ろうとまた歩を進めた。
ラベンド
「あ...ありがとうございます!!!!」
N
マリガルドは立ち止まった。
間
マリガルド
「チッ!
おい、ガキ 俺と来い」
N
始まりがココにそして終わりはソコに。
失うものなど何もなかった少年と青年の物語
あの日から少年と青年の運命は大きく変わった。
ーーそして現在ーー
マリガルド
「ラベンド...聞こえてんのか!?」
ラベンド
「マリガルド...さん、僕...
あっ...て...よかっ...た
ありが...とう......ござい...まし...た」
マリガルド
「ラベンドォォォオ!!!ー」
ラベンド
「マ...マリガルド...さん」
『糸••跳』
N
突然、マリガルドの腕の中から
ラベンドが一瞬にして消えた。
マリガルド
「ラ...ラベッーー」
クーワ
「THE END」
マリガルド
「やめろォォォオ!!!!」
完
うーん。。
ラベンド、、、
どうなるかなー。
みんなどうなりたい?笑