移動要塞マーベラス 突入作戦 後編1/2
キャラクターって
勝手に喋るし動くことを
実感した話でした。
皆さん!!
たのしんで!!
作者名 REN’sJackson
千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜
移動要塞マーベラス 突入作戦 後編1/2
N
ゴゴゴゴゴゴっと
激しく地鳴りが鳴り響く
サフィニア
「え?何なに??
お姉ちゃんが 動かしたのかな???
それとも地震??
え?
キャァア!!
なにこれ!!アッツ!!!!」
N
ーーペチュニアサイドーーー
ペチュニア
「地震かしら??
まさか、要塞を動かされた?」
アキレイ
((なんだ、、これは!!!
身体が熱い!!!!!!))
N
ーー三分隊サイドーー
ラナンキュラス
「ヴッ!!胸が締め付けられるっ!!
コレは、、一体!!!!」
N
ーー二分隊サイドーー
ジニア
「なん、、や、、まさか!!
いや、、分からん、、」
N
ーー四分隊サイドーー
サフィニア
「キャァア!!!
お前、、一体、、何を!!
ヴッ!!足元が、、何コレ、、
何をした!!!」
N
少女は横たわる女の胸元を
掴み大声で叫んだ。
サフィニア
「聞いてんだよぉお!!」
N
時は遡り30分前
キキョウ
今日、私は死ぬだろう。
私の家は裕福な家ではなかった。
そしてとりわけ戦禍の酷かった私の故郷は
とても貧しかった。父は若くして戦死し
私が8つの時に母は私の目の前で手足を切られ
兵たちに弄ばれた後に殺された。
それから残飯やゴミを漁りながら
なんとか私は生き抜いて来たが
相変わらず私の故郷は兵士達の死体だらけだった。
戦争が憎い。戦争が憎い。戦争が憎い。
それから私は死んだ兵士の死体から
金目のものを盗み、時には恵んでもらい資金を貯め
ナーベルク士官学校に入学した。
ラミオラス帝国との戦争を少しでも早く
私の手で終わらせたかった。
そして私はナーベルク士官学校を首席で卒業し
帝国兵となり程なくして
刃術の才が認められた。
そしてすぐに帝国特務戦闘部隊"千刃花"二刃花隊に配属された。
予想は付いていた。貴族は一刃花隊
首席は二刃花隊に配属されるのが通例だったからだ。
本当は刃術がもっと活かせる八刃花隊か
貴族の生まれではないが
規律と法を司る屈指のエリート部隊 一刃花隊に
入隊希望を出したのだがその希望は通らなかった。
しかし、他国の生まれでありながら
千刃花として数年余りで帝国 女性騎士 最高 栄誉である
月美夜女王の称号を得たキスツス隊長の部下として
名を連ねる事が出来る。
それだけで私は幸せを感じていた。
そして、ジニア隊長のいる三刃花隊に
配属され副隊長になった。
少しだけ私の目標に近づいてるような気がして
最近はよく笑えるようになった。が。
私は今日死ぬだろう。
サフィニア
「ねーねーねーねー!!!
ねーってばぁ!!お姉さんさぁぁ
僕の話聞いてるッッの!!!」
キキョウ
「ガッッ」
サフィニア
「派手にやられちゃったね。
KARE8もみんな吹っ飛んでさ
見てよ、、見える??
アハヒャアハヒャアハヒャアハヒャ
ねーねーねーねー!!!
コレなぁぁあんだぁ??」
キキョウ
「やめ、、て、、」
サフィニア
「はい、ドーン!!!!!」
キキョウ
「イヤァァ!!!」
サフィニア
「最後の一人死んじゃったぁ!」
キキョウ
((嘘でしょ、、腕で人の身体を、、貫いた))
N
少女は震える女の胸元を掴み
更に続けた。
キキョウ
「ウッ」
サフィニア
「部下の人たちさぁあ!!」
キキョウ
「ガッッ」
サフィニア
「みんなお姉さんをぉぉ!!」
キキョウ
「ガハッッ」
サフィニア
「守ろうとしてさぁぁああ!!
優しい人ばっかだッッネ!!!!」
キキョウ
「ガァァアッ」
サフィニア
「羨ましいなーーー」
キキョウ
((どうにか、、して
コイツを、、倒さな、、いと、、
でも、、身体、、が、、出来ない))
サフィニア
「千刃花って
案外、弱いよね。つまんない。
もう、、死ねよ」
キキョウ
「くっ、、」
N
ーー三分隊サイドーー
三分隊は全力で走っていた。
入り組んだ迷路のような要塞は
とても無機質でどこを通ったのか分からないほど
皆、同じように見えていた。
ラナンキュラス
「クッ、、地図なんて
役に立たないな、、
早くしないと一分隊がっ」
KARE8
「ギギギギギガガギ」
ラナンキュラス
「全隊止まれ!!
フフッ君とはよく会うね。。」
KARE8
「ギギギギギガガギ」
ラナンキュラス
「おっと。挟み撃ちかい?
女の子ならよかったのに。」
KARE8
「ギガッッ!!」
ラナンキュラス
「フフッ
これ100はいるんじゃないかな」
N
KARE8は
一斉に攻撃体制に入った。
ラナンキュラス
「八刃花隊士は
剋刃で壁を作れ!!
六刃花隊士は
空に向けて剋刃七を!!
六刃花隊士!!
要領はさっき見せたから分かるね?」
N
男は三分隊の刃術による
熟練度の差を理解していた。
突入前の作戦会議にて
四分隊に熟達した八刃花隊士を集め
残った三分隊はその余りで編成した。
その中でも八刃花隊士の振り分けが
特に少ないのが三分隊だった。
ラナンキュラス
((簡単な刃術は六刃花隊に
要の防御はうちの子たちでやる))
ラナンキュラス
「放て!!!」
N
一斉に三分隊を
囲むように刃術の壁ができ、
頭上に光の鏡が何百と出来上がっていた。
すると男は天に向かって片手を伸ばした。
ラナンキュラス
「今日の僕は少し機嫌が悪いんだ。
一気に片付けるっ!!」
『滅刃四十一•雷神鉄槌!!!』
N
複製刃術である
剋刃 七•鏡乱合と
滅刃四十一•雷神鉄槌の
複合刃術により
いくつもの雷の鉄槌が
KARE8に襲いかかり
次々と消炭と化した。
鋼鉄が溶けて地面にしたたると
焼けるような音が鳴り響く。
通常の刃術では
あり得ない威力を見せつけられた隊士達。
鏡乱合は
あくまでも複製刃術。
威力を増すものではないからだ。
三分隊の隊士達はあまりの威力、
あまりの美しさに恐怖を覚えた。
ラナンキュラス
「さぁ、行こう。」
N
ーーペチュニアサイドーー
刃術を詠唱出来ぬように
一分隊の隊士達 全員の口の中に
手榴弾を咥えさせ
両手首を後ろで縛られていた。
更には導火線とダイナマイトがびっちりと
敷き詰められ火でも起こそうものなら
引火して爆発する手はずになっている。
そして、吊るされている男に
全ての導火線が繋がっていた。
ペチュニア
「はい、ドーン!
さて、ど、れ、に、し、よ、う、かな!
はい!おめでとうーー!!カンカンカンカン!
見事に一等賞!!
次はあなたねえ!!でわぁ!
大人くし待っててね!!ウフフ」
アキレイ
「貴様は絶対ゆるさん」
ペチュニア
「はい。ドーン!
あっ!ごっめんなさーーい!
手が滑っちゃった!!!!
あんまりにもずっと
何言ってるか分からないけど
きっと多分、あなたの事でしょうから
許さん許さんって言ってるんでしょぉぉ!?
ううん!言ってるぅ!!言ってるぅ!!
言ってるからぁぁあ時間来てないのにぃ
静かにしてほしいからぁぁ
頭を素手で割っちゃったじゃない!!!
どうしてくれんのよ!!
この血!!あんたが舐めなさいよ!!
ホラ!ホラ!ホラ!!!」
N
吊るされてる男に
下から拳を突き出す少女
ペチュニア
「ったく。
とんだフンフン男ね!!
手を洗ってくるわ!!」
N
少女はぶつくさいいながら
その場を去った。
アキレイ
((何故、熱で溶けない?
俺なら導火線に引火させずに
この縛られた布を焼ける。
でも鎖でもない
ただのこの黒い布が焼けない))
N
そう。男の疑問は当然である。
鞘花は刀を解放しなくても
修練さえすればその力を僅かでも使える。
隊長であるその男にとって
造作もない事だった。
アキレイ
((しかもあの女、、素手で、、
頭蓋を割った。。
それにあの異常なまでのテンション、、
対鞘花特殊魔装機動部隊黒薔薇とは一体、、))
ペチュニア
「ぁあーースッキリした!!
ただいま!!アキレイ御坊ちゃま!!テヘ」
アキレイ
「、、、、」
ペチュニア
「えーなに?
いっちょ前に無視すんのか?
お?お?お?殺るか?殺りたいのか?
エヘッ!!もうーー。ペチュニアちゃん
とりみだしっドーーーン!!!」
アキレイ
「ァァァァァァア!!」
ペチュニア
「そんな悲しい声出さないでよーん。」
アキレイ
「部下に手を出すな!!
貴様を絶対許さん!!」
ペチュニア
「うん。うんうん。うん。
そうーなのぉ?大変だったわねぇ、、
ペチュニア悲しい。。
シクシク。シクシク。でもいいわ。
おばあちゃんを、大切にね。。」
アキレイ
「...ッッ!!」
N
ーー二分隊サイドーー
先の戦いで辺り一面は砂漠
ここだけ違う世界に来たように思えるほど
地形全てを変えてしまった。
その張本人は
ピラミッドの上に立っていた。
ジニア
「はぁ。ヒマや。
ヒマすぎてかなわん。
どないしとったらえーんや。
キキのやつ大丈夫なんやろか。」
N
ーー四分隊サイドーー
女は地面に額を擦りながら
地面を這っていた。
キキョウ
「助け、、なきゃ、、
私が、、、、私が、、」
サフィニア
「あーん。
お姉さん逃げるヌォオン?
這いつくばって逃げようとしてるヌォオン?
ウケるんですけど。
逃げるって意味分かってやってる?
耳も聞こえないんだっけ??
あっ!!お姉さん!!
足、、ケガしてるん、だ、よ、ね!!!!」
キキョウ
「ァァア!!
グッ、、わた、、わたしは、、
、争を、、、終わら、、せる」
サフィニア
「え?なんてー?
急に戦争がなんだって??
僕には関係、、ない!!」
キキョウ
「ガッッ」
サフィニア
「ないっ!」
キキョウ
「ゥッグッ」
サフィニア
「ないっない!」
キキョウ
「ゥッア!!グッ」
サフィニア
「ない!!!ない!!!ない!!」
キキョウ
「アァ!!グァっ!!ァァァ!!」
N
少女が殴るたびに
女は声を上げる。
少女の怪力で
顔を何度も殴られる女。
だが、女は途中から声を上げなくなった。
サフィニア
「はあ、はあ、はあ、、
おっかしいな。。
殺すつーもーりぃいなんだけどぉぉお!」
N
女の意識が遠のいていく
キキョウ
「あぁ、、私、、死んだんだ、、
パパ、、ママ、、、私、、頑張っ、、た、
頑張っ、、たよね?」
N
女は暗い暗い部屋にいた
キキョウ
「あれ?私、、、ココっって。」
N
そこに女と男が入ってきた。
キキョウ
「ママ!!!!
パパァア!!」
N
女は思わず抱きついた。
ママ
「よく頑張ったね。」
パパ
「キキョウ。偉いぞ」
N
女は溢れる涙をこらえることが
出来なかった。
キキョウ
「私ね、私ね、」
N
パチンッ
そして世界が廻る
キキョウ
「ゥッ!??ココは!!」
N
外から滅刃の怒号が
聞こえる。
目の前には小さな少女がうずくまっていた。
ママ
「キキョウ良い??
何があってもこの中から出てきちゃダメ!
分かった??分かったわね?」
キキョウ
「アレは小さいころの私、、、
これは!!!!!嫌!!
お母さん!!!逃げて!!
逃げてぇえ!!!!逃げてよ!!」
N
パチンッ
世界が廻る
キキョウ
「え?ココは、、どこ?」
N
豪華絢爛な
東洋風の屋敷の中にいた。
カーン。カーン。と心地よい鐘が聴こえる
周りを見渡していると突然、引っ張られるように
立った状態のまま足を引きずられた。
襖が何枚も何枚も勝手に開き
まるで早送りの様に駆け抜けていった。
キキョウ
「キャァア!!」
N
そしてピタリと止まった。
キキョウ
「ハァ、、ハァ、、何なのこれ」
N
見渡しても湯煙で
何も見えなかったが
鐘の音は先ほどより大きく聴こえる。
キキョウ
「湯気、、かしら?
ん?外、、、なんて、綺麗な音なの?」
N
女はそっーっと歩き出すと
人影が見えた。
キキョウ
「誰、、ですか?」
N
人影は 不敵 に笑うと
湯煙を払った。
キキョウ
「!?」
N
目の前には湯に浸かりながら
酒を飲む猿の様な不思議な生き物がいた。
神と名乗る者
「我は神なり」
キキョウ
「神、、様、、ですか?」
神と名乗る者
「世界が憎いか」
キキョウ
「急に、、何を、、、」
N
パチンッ
そしてまたもや世界が廻る
神と名乗る者
「見ろ」
N
外から滅刃の怒号が
聞こえる。
目の前には小さな少女がうずくまっていた。
キキョウ
「コレは!!!」
ママ
「キキョウ良い??
何があってもこの中から出てきちゃダメ!
分かった??分かったわね?」
少女キキョウ
「うん、、分かった。」
ママ
「絶対に声を出しちゃダメ!!
いい??分かったわね?」
少女キキョウ
「分かった。」
N
女はそう言って
少女を閉じ込めた。
扉越しに悲鳴が聞こえる
ママ
「いや!!いやぁ!
やめて!!私の、、ウデェェ!!!!」
キキョウ
「やめてぇ!!!!!」
神と名乗る者
「幼いお前は何を感じた」
キキョウ
「ハァ、、ハァ、、
どうし、て、こんな真似をするの!
私が死んだんなら
早く地獄でもどこでも連れて行きなさい!」
神と名乗る者
「幼いお前は何を感じた」
キキョウ
「何を感じたですって?感じたわ!!
恐怖!!絶望!!悲しみ!!怒り!!
ママと、パパを殺した奴ら
全員が憎い!!!!!」
神と名乗る者
「ほう」
N
神と名乗る者は指をパチンと鳴らした。
するとまたもや世界が廻る
キキョウ
「グッ、、今度は、、何、、」
N
ナーベルク士官学校 入学式
キキョウ
「これは、、」
N
女が緊張した面持ちで
重い扉を開けた。
神と名乗る者
「もう一度聞く
幼いお前は何を感じた」
キキョウ
「期待、、希望、、決意、、」
N
パチンッ
世界が廻る
神を名乗る者
「見ろ」
キキョウ
「これは!」
キキョウ
「ァァア!!
グッ、、わた、、わたしは、、
、、争を、、、終わら、、せる」
サフィニア
「え?なんてー?
急に戦争がなんだって??
僕には関係、、ない!!」
N
パチンッ
世界が廻る
再び湯煙が満ちた場所へやってきた。
鐘の音は止んでいた。
神と名乗る者
「浸かれ」
キキョウ
「え?」
N
パチンッ
キキョウ
「アツっ」
N
女はいつの間にか温泉に浸かっていた
神と名乗る者
「世界が憎いか?」
キキョウ
「憎い!!
誰かが!!幼い者が!!愛する人が!
私と同じ目に合わない世界を作りたい!!
だけど、、私にとって、世界、は、憎い。。
憎いけど、、その世界で誰かを助けられるなら
私は助けてあげたい!!!!」
神と名乗る者
「力もないのにか?人間」
キキョウ
「ない、、私は弱い。。
今日、、隊長達の戦いを見て
私は弱いんだって。改めて分かった、、」
神と名乗る者
「ほぉ?弱いと認めるのか」
キキョウ
「認めるわ。。
だって私いま、自分が死んで
お風呂に浸かってるこの瞬間
とっても安心してるもの。」
神と名乗る者
「では、何故
泣いているのだ。人間」
キキョウ
「え?」
N
女はポタポタと
涙をこぼしていた。
神と名乗る者は酒をグビっと
飲みながら手で湯をすくった。
神と名乗る者
「水は良い。姿形に囚われず
気の向くままに形を変える。
時に身体を温め、時に身体を癒し
時に身体を傷つける。
人間よ。貴様の心は
あの頃 感じた熱を忘れてはいない。
幾度も姿形を変えたとしても
その心に宿った熱は消えないだろう。
世界が憎いなら裁くがいい。
灼熱の魂を震わせ
弱さを自覚し突き進むがいい。
憎む世界を切り開く覚悟はあるか?」
キキョウ
「覚悟?
私は帝国特務戦闘部隊"千刃花"
三刃花隊副隊長 キキョウ
覚悟があるかなんて愚問よ!」
神と名乗る者
「フン。見せてみろ。人間。
貴様の描くその夢を」
N
神と名乗る者は
己の盃を
女に差し出した。
神と名乗る者
「さぁ、呑め」
キキョウ
「これは、、」
神と名乗る者
「貴様の魂に呼応した。
お前の憎むこの世界は
この先、十界の如く
厳しいものとなる。
この世が混沌に呑まれる時
神は人間に力を授けん。
神の振るう刃の鞘となれ
新たな鞘の契りの酒だ」
キキョウ
「私が、、鞘花に、、」
N
女はそれを受け取ると
全て飲み干した。
すると鐘の音が再び聞こえた。
神と名乗る者
「さぁ、もう行け!!
世界が閉ざすその前に
人間よ!!良く聞け!!
我が名はーーーー」
キキョウ
「え?」
N
パチンッ
そして
世界が廻る
サフィニア
「はあ、はあ、はあ、、
おっかしいな。。
殺すつーもーりぃいなんだけどぉぉお!
殴っても殴ってもぉお!!
何で死なないのぉお!!!!!!」
N
少女の悲鳴にも似た怒号も虚しく
ゴゴゴゴゴゴっと
激しく地鳴りが鳴り響く
サフィニア
「え?何なに??
お姉ちゃんが 動かしたのかな???
それとも地震??
え?
キャァア!!アッツ!!!!」
N
ーーペチュニアサイドーーー
ペチュニア
「地震かしら??
まさか、要塞を動かされた?」
アキレイ
((なんだ、、これは!!!
身体が熱い!!!!!!))
N
ーー三分隊サイドーー
ラナンキュラス
「ヴッ!!胸が締め付けられるっ!!
コレは、、一体!!!!」
N
ーー二分隊サイドーー
ジニア
「なん、、や、、まさか!!
いや、、分からん、、」
N
ーー四分隊サイドーー
サフィニア
「キャァア!!!
お前、、一体、、何を!!
ヴッ!!足元が、、何コレ、、
何をした!!!」
N
少女は横たわる女の胸元を
掴み大声で叫んだ。
サフィニア
「聞いてんだよぉお!!」
N
立ち上る灼熱の煙が渦を巻く
どこからか湧き出た灼流が始まりを告げる。
そして、ここに新たな鞘が発現した。
キキョウ
『『天輪•灼流•堕天の三つ指
声聞•縁覚•悟界の導き
六つ歳•四つ歳•十の歳
涅槃の輪廻に裁かれよ!!
『『断罪橙刃•橙猩猩!!』』
サフィニア
「何、何これ!!いやぁ!!
ぐ!!!熱い!!熱い!!!
何このケムリィイ!!!!!
クソォオ!!!!!!!」
N
少女は女を離して
一気に距離をとった。
キキョウ(小声)
「みんな、、、」
N
橙色の刀身は雫をたらしていた
女は刀を空に掲げると
一気に足元に刺し、ひざまづいて囁いた。
キキョウ
『灼迦•天道天界極楽浄橙』
N
すると地面から一気に
数百メートルの高さの湯柱が吹き上げて
全体に雨のように湯が降り注いだ。
身体の傷がみるみる癒えていく。
女は仲間たちの傷が癒えるのを確認した後
少女の方を向いた。
サフィニア
「え!え!え!!!!
どういうこと!?
聞いてないよぉぉぉ!!!
待ってぇーー!!!
え??!!
千刃花の隊長わぁ!
八人でしよぉ??でも、死んだでしょお?
だから、、だから鞘は七本、、
報告とは違う、、
隊長じゃないくせに!!!」
キキョウ
「よくも、、私の仲間を!!!!」
キキョウ
((橙猩猩が
私に教えてくれる。どうすればいいか。
どう戦えばいいか。)
『華奪•灼龍灌頂!!』
N
溢れ出す灼熱の水が
龍の姿となって少女の頭上を襲った。
サフィニア
「ァァア!!!
何なんだよ!!!!!
熱い!!水じゃない!!!
コレはァア!!水じゃなぁあい!!」
キキョウ
((こんなにも身体が軽くて
こんなにも力がみなぎる!!
これが鞘花!!
隊長達の力!!!!))
N
少女は熱さの余り転げ回っていた。
身体中がただれ、
痛みのあまりに目が血走っていた。
橙猩猩の能力は
水ではなく熱湯
触れるだけで致命的なダメージを与えた。
サフィニア
「はぁ、、はぁ、、
こんな力を隠してたなんて、、
こんな力をぉぉお!!
僕、、許さないから!!
怒らせたなぁあ!!!
KARE8ァア!!!!」
KARE8
「ギギギギッ」
サフィニア
「いったん、帰るよ!!」
キキョウ
「待て!!!
グッ、、力が入らない、、」
N
そして少女はKARE8に
乗って飛び去った。
ーーペチュニアサイドーー
ペチュニア
「はい、、次の子わぁ、、ん?」
N
遠くから妹の姿が見えた。
ペチュニア
「あら?もう終わったのかしら」
アキレイ
「嘘ダァ!!」
ペチュニア
「千刃花なんて
所詮、こんなものよ?
アハハハ!!!」
サフィニア
「お姉ちゃん!!!!!
ハァ、ハァ」
ペチュニア
「!?サフィニア!!!どうしたの!!
その、、火傷、、」
アキレイ
((ヤケドだと?))
サフィニア
「鞘花が、、
鞘花がもう1人いたんだ!!」
ペチュニア
「ちょっと、ちょっと、、
落ち着きなさいな。
鞘花は三人の隊長でしょ?」
サフィニア
「違った、、あの副隊長が、、
鞘花だったんだ!!!」
アキレイ
((何!?そんなまさか、、
キキョウが??
ではさっきのは、、共鳴反応、、))
N
ペチュニアはキッと
アキレイを睨んだ。
ペチュニア
「隊長さん?どういうことかしら?」
アキレイ
「話せねーんだよ!」
ペチュニア
「そう。。話せないのね。
まぁいいわ。先ほどの地震の時の
反応見ればおそらく共鳴反応ね。」
アキレイ
((コイツ!!どこまで鞘花に
詳しいんだ))
ペチュニア
「なるほど。それでゲイジュを
使ったわけね。流石はロージア様」
アキレイ
((ロージア、、だと?))
サフィニア
「そんなことよりお姉ちゃん
僕は殺しにいくから。
あれ、出してよ!!!!」
ペチュニア
「傷の手当てはいーの?」
サフィニア
「傷の心配なんて
あぁなっちゃえば関係ないし!!」
ペチュニア
「サフィニア。よく聞きなさい。
ちゃんと戻ってくるのよ。」
サフィニア
「分かってるよ!!!
早く出せよ!!!
ウズウズウズしてんだよぉお!」
ペチュニア
「はいな。はいな。」
N
ペチュニアは胸元から
小さなカプセルを出した。
ペチュニア
「はい。肉芽」
N
少女は渡すとすぐに飲み込んだ。
サフィニア
「お姉ちゃんはずっと前に
もらったのに僕だけ今じゃ遅すぎるよぉ」
ペチュニア
「管理は私が任されてるの。
いい?戻ってくるno--- 」
ラナンキュラス
『滅刃三十二•水虎水天!!!』
ペチュニア
「グッ!!!!」
サフィニア
「グアッ!!!」
ラナンキュラス
「三分隊!!檻を破壊した後
一分隊と共に駆動中枢破壊
その後、二分隊の所まで後退せよ!!!」
ペチュニア
((水!?まずい!!引火しなっ))
ラナンキュラス
「やっと見つけた。」
ペチュニア
「はやっ!?」
サフィニア
「え?消えた?!」
ラナンキュラス
「やぁ、君に会いに来たんだ」
サフィニア
「わぁ!!!
な、なんだっ、、て!!!」
ラナンキュラス
「おっと。危ないじゃないか。
ね?アキレイ」
N
拳をパキパキとならす男は
怒りに満ちていた。
アキレイ
「はぁー。許さねーぞ。分かってんだろうな?
逃がさねぇからな!!貴様らぁあ!!」
ペチュニア
「KARE8!!!」
N
少女の一声で
空を全て覆うKARE8が
銃口を向けていた。
ペチュニア
「1万の大軍を前に逃がさない?
お言葉を返すようだけど
私から言わせてもらうわ。
逃がさねーからな。貴様ら。」
サフィニア
「カッコいいね!!お姉ちゃん!!
でも僕はあっちのお姉さんを
殺りにいくから!!」
ラナンキュラス
「アキレイ。さっきの。」
アキレイ
「ぁあ。キキョウだ。」
ラナンキュラス
「やっぱりね。。
キキョウ副隊長にやられたよ。
僕の初体験。」
アキレイ
「目覚めたばかりの鞘の力だ。
キキョウ自身の力で
キキョウがあぶねー。
ラナンキュラス。任せてもいーか。」
ラナンキュラス
「責任取ってもらわなきゃね。」
ペチュニア
「撃ち殺せ!!KARE8!!」
KARE8
「ギギギギッ」
N
KARE8による一斉射撃が始まった。
アキレイ
「チッ、KARE8って飛べんのかよ!
、、追いかける前に
ちょっと付き合っていけ。
....ラナンキュラスやるぞ」
ラナンキュラス
「すぐに追いつくから
付き合ってあげるよ。アキレイ」
アキレイ
『滅刃 四十•鬼火ノ殺弓』
ラナンキュラス
『滅刃 四十一•雷神鉄槌』
ラナンキュラス
『複合合成刃術!
滅刃 八十一 鬼雷•神殺ノ鉄弓』
サフィニア
「じゃぁ僕行くねー!!」
N
複合最中に
少女は去って行ってしまった。
ラナンキュラス
「すぐ追いつくからね。
スミレちゃんや他の隊士の仇
死んでも足りると思うなよ」
N
そして火炎と雷が
混ざり合い天空を大きく切り裂いた。
着弾した瞬間に雷が広がり
1万のうち半分以上の大軍を撃沈したのである。
ペチュニア
「まぁ、綺麗な花火」
N
複合合成刃術とは
別の刃術を合わせて発動する
超高等刃術
属性が違っても同量でなければ
複合し合成することはできない。
数字に関して言えば単純に数字を足しただけである。
複合し合成する側が
超緻密な刃術コントロールを行う事が出来なければ
成功する事はまずない。
ラナンキュラスの天性の
刃術コントロールが
無ければ成功すること自体が稀である。
アキレイ
「一分隊すまなかった!!
とんだ恥を晒したがこのまま三分隊と合流!
コイツらは俺たちに任せて
お前らは三分隊の指示に従え!」
N
ラナンキュラスとアキレイの指令通り
それぞれの分隊は破壊任務に向かった。
ラナンキュラス
「では僕も失礼するよ。」
『剋刃 四十五•走雷』
N
男は一瞬にして消えてしまった。
ペチュニア
「空間移動能力者なのね。。」
アキレイ
「違う。あの剋刃であそこまで
早く動けんのは千刃花でアイツだけだ。
解放したらあんなの比じゃねーぞ。
さぁて、貴様はお説教の時間だ。」
ペチュニア
「説教??5000対1よ?
あなた顔はまぁまぁだけど
数は数えられないみたいね。
ウッ!!」
N
男の周りに炎が渦巻く
あまりの熱波に女は膝をついた。
アキレイ
『『天輪•永久•牙成る心臓
絶えず揺らめく
八岐の灯篭
滅せ 滅ぼせ 紅と化せ!!
『『紅蓮滅刃 紅大蛇!!』』
アキレイ
「それと、ついでにもう一つ教えといてやる。
千刃花隊士で一番怒らせちゃいけないのは
アナスタシアと...」
間
アキレイ
「ラナンキュラスだ。
お前の妹、、、、死ぬぜ」
N
ーーサフィニアサイドーー
少女はKARE8に乗って
空を飛んでいた。
サフィニア
「あのぉお女殺す殺すぅーー!!
コロスゥうううううん!!
あの女の子みたいにぃーー
コロスゥううん!!!!」
N
声がする
遠くから声がする。
天空がこだまし
雷鳴が轟く。
静かな怒りが少女に向けられていた。
サフィニア
「キキョウの心臓 抉り出して
枕にしよーっと!!...ん!?」
N
そして少女はゆっくりと空を見上げた。
サフィニア
((雨?急に、、空が、、暗くなった、、))
N
声がする
遠くから声がする。
冷たい雨が降り注ぎ
稲妻が駆け抜ける。
サフィニア
((な、なんだ??
このゾクゾクする冷たい殺気))
N
高い塔から1人の男が
少女を見つめていた。
N
そして、
ゆっくりと
そして力強く
口上を唱えた。
ラナンキュラス
『『天輪•遠鳴•煌く閃光
憂い•黄昏•一矢に消えよ
迸れ! 轟かせ!
そして彼方に御•名を刻め!!!
『『紫苑雷刃 葡萄染麒麟!!』』
N
紫苑の刀身に紫電が走る。
男は天空に刀を向けて囁やくと
自身に雷を落とした。
ラナンキュラス
『降身雷』
サフィニア
「え?」
N
刹那
少女の左腕が飛んだ。
サフィニア
「ァァァァァァア!!!」
ラナンキュラス
「今の僕は音速を遥かに超える
さて、もう片方も、もらうよ。」
千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜
移動要塞マーベラス
突入作戦 後編1/2(完)
配役変更
----------------------------
アキレイ▶︎▶︎▶︎N
----------------------------
N
おまけ
N
移動要塞マーベラス
ピラミッド付近
ジニア
「はあ。暇や!!
さっきの心臓の痛みなんやったんやろ。
なんか水柱も立ってたしぃー
なんや変なとこやのぉ!!
そや、金色木乃伊で
スフィンクス作ったろ!!!」
ジニア
『『天輪•邪絶• 骸の産声
渇き飢えしは 舌無き呼声
反魂せよ•執着せよ
砂城の業に再び踊れ!!!
金剛砕刃 金色木乃伊』』
ジニア
「しやぁ!!
どないしょーかなーー!!!
どんな形にしょーかな!!
アシンメトリーにするやろぉ!
体はゴリラやったっけ??
尻尾は蛇やろーぅ
あと、あと、、帽子や!
つば広帽子でシュッとさせよ!
うし!でけた!!!!!
どや!金色木乃伊!」
ジニア
「え?なんて??
腐れどアホ??
なんでやねん!!!!
腐っとんのは自分やろがい!!」
ジニア
「ったく、、完璧や。ホンマ。
なんで分からんのじゃ!
この腐れどアホ!!!
スフィンクスってこんna」
N
突然の雨
ジニア
「ぁあ!!
俺のスフィンクスが!!
なんでこんな晴れてんのに雨て、、」
N
稲妻が鳴り響く
ジニア
「.....ほぉ。
ラナン解放したんやな。」
ジニア
「よっこいしょと。
二分隊、、半分ついてきぃ。
俺らも行くで。」
完
はい。
次回は総力戦です。
四対二かよ?って思うじゃないですか。
あの双子めっちゃ強いです。
そして、ラナンキュラス
女性に手を上げるの??っと
おもった人。彼は隊長ですからね。
敵であれば容赦なくやります。
さて、次回の千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜は
双子が大暴れです。