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千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜 台本版  作者: REN'sJackson
零章 Characters Side Story 番外篇
43/176

劇情版4th Anniversary Special Edition's Side Story 序破急−破ー

この夏は暑い!!

毎年、言ってるんですが

私は暑いのが嫌いです。

でも夏の夜は好きです。

花火も好きです。

花火を見ると打ち上がった花火の下で

キスをするカップルの後ろで

もののけ姫を熱唱したのを思い出します。


では、楽しんで!!




カクトス

((む傷口を


エグるように目が覚める。


そう、正しさとは


悪なのだ))


挿絵(By みてみん)



※音楽がある場合終わるまで待つ


ベリブルー▶︎▶︎▶︎N



前回までの千刃花(センジンカ)〜帝国特務戦闘部隊は〜


世界地図中央、最北端に位置する

エルドーラ帝国の帝都

信仰と信奉シンポウミヤコイーストキャピトルには

国家転覆コッカテンプクを計る組織

"創世ノ爪痕 (スケアクロウ)"が

闇夜にマギれ暗躍していた。

エルドーラ帝国は主要戦力である祓悪使 (エクソシスト)

不足しており

儀式により祓悪使 (エクソシスト)を生み出す

選ばれた巫女ミコ"半神少女(バジナリス)"の力も

年々弱っていった為

新たな半神少女(バジナリス)を見つける事が

急務であった。

そこで 光唱喇叭隊(キューピッド) 大唱長ダイショウチョウである

ローザを派遣するも

新たな半神少女(バジナリス)候補であるルリカに対し

先に目を付けていた創世ノ爪痕 (スケアクロウ)

誘拐を企てるも

たまたま居合わせた"人喰い鴉 (グリムレイバー)"ニゲルによって阻止された。

同時にナーベルクから

エルドーラとの同盟を締結させる為に

使者として出されたユキヤとジュダス

ハミデルの3人がエルドーラに到着。

戦闘を終えたニゲルと鉢合わせ

食事をオゴる事となった。

一方、ローザはルリカを見つけ護衛をする為に

帰路について行ったが

途中寄り道をしたギヨヨ公園パークにて

突然、爆発が起こったのであった。

そして、運命が交差し第二の幕が開ける。



※音楽がある場合終わるまで待つ



カクトス

「生半可な覚悟の奴はいらねぇんだよ。

それにベリブルー。

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)のボスは俺だ!!」


ベリブルー

「部下がいなければ創世ノ爪痕 (スケアクロウ)は機能しない。

人の上に立つべき者は下の者を支えるべきだ」


カクトス

「ハッ!!なんだそりゃぁ!!

元 "主席 (マーグヌス)祓悪使 (・エクソシスト)"だからって

いい気になんなよ!!」


ベリブルー

「力を誇示コジするべきではない。

策に溺れるぞ」


カクトス

「うるせぇ!!!

お前の時代は終わったんだよ!!

今は俺がボスだ!!」


ベリブルー

「...分かっている。

だが、新しい時代を共に創るのなら

私は平和の時代を築きたい」


カクトス

「今更、良い子ちゃんぶんなよ。

この手は血に染まってんだ。

もう遅ぇんだよ。

血で血を洗うしか

俺らに道は残されてねぇんだ」


----------------------------


ジュダス

何者ナニモンだアンタ」


ニゲル

「お前こそ...何者ナニモンだ」


ハミデル

「ど、ど、どう言う事!?」



ユキヤ

「どうやら酒がもっと必要みてぇだな」



----------------------------


ローザ

「ここは...公園?」


ルリカ

「そうです!!ギヨヨ公園 (パーク)ですよ」


ルリカ

「私が住んでるラグエル孤児院が

毎週炊き出しをやってるんです」


ローザ

「孤児院...なのね」


ルリカ

「フフッ、同情は要りません。

仲のいい友達がいて

ホームには私の帰りを待ってくれるシスターや

子供達がいますし。

私はこう見えても幸せです。

この幸せがずーっと!!

続く事だけを願ってます。

きっと大天使 (アンゲロス)ミカエル様も

見守っててくれてますから!

ローザさんも護衛してくれるなら

手伝って下さいね!!

人手は多い方が助かります!!」


ローザ

「もちろん。手伝うわ」


ルリカ

「ホームのみんなにも紹介しますね!!」


ローザ

「ぇえ」


ルリカ

「みんな軍人さんが来たら驚くだろうなぁ」


ローザ

「ルリカ!!!伏せてぇえ!!!」


ルリカ

「え?」




挿絵(By みてみん)


N

----------------------------

作者 REN’sJackson

劇情版

千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

番外篇 4th(フォース) Anniver(アニバー)sary(サリー)

Special(スペシャル) Edition's(エディションズ) Side Story(サイドストーリー) 序破急(ルーゼス)(ガール)

The() Paralysed(パラライズド)


挿絵(By みてみん)


※音楽がある場合終わるまで待つ

----------------------------





ーーハミデルサイドーー

ハミデル達が泊まっている

ニューモートのホテルの一室にて

コンコンッとノックする音が聞こえる。



ニゲル

コンコン(ノックする)


ユキヤ

「入れ」



扉を開けると白いフードを深く被ったニゲルが

立っていた。


ニゲル

「準備できたか?」



ユキヤ

「あぁ。

アンタこそ持って来たんだろうな」



ニゲル

「あぁ」







そう言ってニゲルが渡したのは

米酒コメシュホムラだった。



ユキヤ

「よし!!入れ!!

そして食え!!!」



ニゲルが入ると

ルームサービスで頼んだ沢山の食料があった。



ハミデル

「グヌヌッ!!

絶対に請求してやる!!!」



ジュダス

「俺はおかゆと汁物だけで

良かったんだけどな」


ハミデル

「どこの僧侶だ!!

いいから食え!!!!!」


ジュダス

「悪いなおっさん。

わざわざ来てもらって。

あと、ハミデル。

こんなご馳走...用意してくれて

ありがとな」


そう言ってジュダスはクシャッと笑うと

ハミデルは目を逸らした。



ハミデル

「フン!!お前んとこの隊に

がっぽり請求してやる!」



※音楽がある場合終わるまで待つ


ーー30分後ーー

腹が満たされた4人は

酒を酌み交わしながら

本題へと入った。



ユキヤ

「日中、こっちもアンタの事を調べた。

驚いたぜ」


ハミデル

「いないと思ったらそんな事してたのか!!

おかげでジュダスに

色々買って上げちゃったじゃないか!!」


ユキヤ

「良かったな!ジュダス!!」


ハミデル

「有り難く使うんだな!!パジャマ!!」


ジュダス

「いや、いらねぇって言ったんだけど」


ハミデル

「嘘つくな!!

欲しそうにヨダレ垂らしてたじゃないか!」


ジュダス

「垂らしてねぇよ!!!」


ハミデル

「可愛いから着てみろ!!」


ジュダス

「嫌だよ!!」


そんな2人のやり取りを横目に

ニゲルが静かに口を開いた。


ニゲル

「お前らはどうやって

俺を調べたんだ?」


ジュダス

「俺じゃ調べようがなかったから

ユキヤのツテに頼んだんだ。

信用に足りるかどうかな。

1日潰す価値はあったろ?」


ユキヤ

「そうだな」


ニゲル

「それでどうする?」


ユキヤ

「正直、わかんねー。

でも、こっちもまさか、ジュダスに

二重任務(ダブルミッション)が課せられてるとは

思わなかったからな」


ジュダス

「現地で言うつもりだったんだよ」


ハミデル

「新人にさせる仕事じゃないだろ!!

鬼畜だ鬼畜!!」


ニゲル

「細かい事は聞くつもりはねぇ」


ジュダス

「助かるぜ」


ユキヤ

刃汽(ジンキ)...

エルドーラでいう光武(オーブ)

強大な者ほど惹かれ合うってのは本当だな」


ジュダス

「これも巡り合わせって奴か...」


ニゲル

「そうかも知れねぇな」


ユキヤ

「でも、まず聞きたい」


ニゲル

「なんだ?」


ユキヤ

「元•主席 (マーグヌス)祓悪使 (エクソシスト) 四大天(ミカエルズ) 

その筆頭の大隊長が

なぜ、軍から去った?

都市を壊滅出来るほどの能力(チカラ)を持つ

戦術核級の戦士だろ?

千刃花(センジンカ)でいう鞘花(ショウカ)

同等の能力(チカラ)があるアンタが

わざわざ死んだ事にする理由はなんだ?」


ハミデル

鞘花(ショウカ)級!?!?」


ジュダス

「おっさんも

神に選ばれたって事か...」


ユキヤ

「そうだ。四大天(ミカエルズ)の大隊長って事は

千刃花(センジンカ)のオルケイディア大隊長と同じ。

つまり、隊長をタバねる四大天(ミカエルズ)のボスだ」


ハミデル

「ぇえーー!!!

本気を出せば僕達を殺せるって事!?

あわあわあわあわ!!

ささ!!もう一杯どうぞ!!」


ハミデルはウヤウヤしく

ニゲルのオチョコに酒をいだ。



ニゲル

随分 (ズイブン)と昔の話だ。

今は誰も覚えちゃあいねーし

自分の事を話すのは好きじゃあねぇ」


ジュダス

「アンタも創世ノ爪痕 (スケアクロウ)が狙いなんだろ?」


ニゲル

「...何故そう思う」


ジュダス

「ジャーナリストって事は

世界中を飛び回ってるはずだ。

なのに、たまたまエルドーラにいたとは

到底思えねぇ」


ユキヤ

「そうだろうな。

数ヶ月前起きたニューモートでの爆破事件。

アンタが来たのはそのすぐ後だろう。

そんで創世ノ爪痕 (スケアクロウ)が絡んでると思った。

そうだろう?」


ニゲル

「よく1日で調べたな」


ユキヤ

「コレが俺の仕事だからな。

もう少し時間があれば物的証拠も揃えられる」


ニゲル

「その必要はねぇ。

大まか合ってるからな。

その調査力なら創世ノ爪痕 (スケアクロウ)の事くらい

朝飯前じゃねぇのか?」

 

ユキヤ

「もちろん調べたさ。

だが、時間が足りねぇ」


ニゲル

「そうか...なら

俺が知っている事を教えてやるよ。

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)は反国家組織だ。

構成曜員 (ミーレス)と呼ばれる戦闘集団がいて

その上には幹部と呼ばれる

光唱(オルフォンツ)の使い手が7人いる。

ソイツらにはそれぞれ曜日のコードネームが

振り分けられてんだ。

奴らは右に極振りされた過激な連中で

大天使 (アンゲロス)ミカエルを

盲信する狂信者どもって感じだな」


ユキヤ

「規模はどれくらいなんだ?」


ニゲル

「知ってる限り創世ノ爪痕 (スケアクロウ)には

20人以上在籍している」


ジュダス

「20人...」


ユキヤ

「思ったより少ねぇな」


ニゲル

「そうかもな。

今はまだ発展途上だが

徐々に力を付けて来てる。

最近は特にな。

ある男が加入してから

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)にも

説得力が増した」


ジュダス

「ある男??

そんなカリスマがいるのか?」


ニゲル

「ぁあ。そいつは長年四大天(ミカエルズ)主席 (マーグヌス)祓悪使 (エクソシスト)として

エルドーラ帝国に尽くした英雄だ」


ハミデル

「英雄...そんな奴が

どうして創世ノ爪痕 (スケアクロウ)に」


ニゲル

「...さぁな」


ジュダス

「必ず理由があるはずだ。

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)の目的は何なんだ」


ニゲル

「分かりやすく言うなら

政権交代に近い」


ジュダス

「政権交代だと?」


ニゲル

「お前ら半神少女(バジナリス)の存在は知ってるか?」


ハミデル

「舐めるなよ!!!

ちゃんと歴史を学んでくれば

誰でも知ってるだろう!!

なぁ!?ジュダス!!」


ジュダス

「ぁあ。選ばれた神の巫女ミコ

大天使 (アンゲロス)ミカエルの代弁者。

ケガれを知らない少女。

色んな呼び方があるんだろ?」


ハミデル(心の声)

((俺より詳しいぃい!!))


ハミデル

「そ、そうだ!!」


ユキヤ

「他国からすれば

真っ先に命を狙われる存在だろうよ。

だが、エルドーラでは長年祓悪使 (エクソシスト)が生まれてねぇ。

どうやら...

帝国はそれを隠してぇみてぇだがな」


ハミデル

祓悪使 (エクソシスト)が生まれないんじゃ

国力としては絶望的だな!!

いつスペリオールやアザジェノスが

攻めて来てもおかしく無...い

...ん?生まれて来ないって事は

半神少女(バジナリス)は死んだのか??」


ニゲル

「いいや、生きてる。

生きてるが血を分ける事により

能力(チカラ)を分け与えるんだが

それにも限度があんだ」


ハミデル

「血を!?!?

なんでそんなムゴイ真似を...」


ニゲル

「月に一度、5日間休まずに

聖石セイセキである天卵石 (オブマ)に血を注ぐ」


ユキヤ

「マジかよ...」


ジュダス

半神少女(バジナリス)年端トシハも行かねぇ少女だろ??

そんな子にそんな体力があんのか!?」


ニゲル

「ねぇよ。でもやるんだ。

それが半神少女(バジナリス)の務めだからな」


ユキヤ

「軍に見つかれば連行され囚われる。

そんで強制的に能力(チカラ)を行使させられる。

フンッ。自由なんてねぇな」



ジュダス

「なら、半神少女(バジナリス)なんて

やらない方がその子は幸せだな。

ナーベルクに連れ帰ったほうが

その子の為じゃねぇか?」


ハミデル

「バカか!!冗談でもそんな事言うな!!

外交問題に発展するだけじゃ済まなくなるぞ!

そもそも!!!

半神少女(バジナリス)は国の象徴なんだよ!

その存在がいないんじゃ

国として終わりだ!!

ナーベルクだって義統ヨシムネ皇帝がいなくなったら

どうなる???」


ジュダス

「俺は...

幼い子を利用する汚ねぇ大人が許せねぇ。

ただそれだけだ」


ユキヤ

「あの義次バカがなるくらいなら

崩壊した方がいいっすね」


ジュダス

「相当、嫌われてんだな...」


ハミデル

「やめろ!仮にも時期皇帝だぞ!?」


ユキヤ

「何言ってんすか。

時期皇帝はツバキ隊長っすよ」


ハミデル

「ハァ!?!?何言ってんだお前!!」


ニゲル

「エルドーラとは少し違うが

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)にも半神少女(バジナリス)関連で

何か目的があるらしいな」


ジュダス

「目的?何か知ってんのか?」


ニゲル

「俺も、まだそこら辺は知らねぇ。

一つ言えるのは創世ノ爪痕 (スケアクロウ)

自分達こそ真の大天使 (アンゲロス)ミカエル信者だと

本気で思ってるって事だ。

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)の主張は

今の半神少女(バジナリス)は偽物で

それを崇める奴らは狂信者だそうだ」


ユキヤ

「なるほどな。

要は国をりてぇって事か。

その主張が本気だとしたら

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)が本物としてる半神少女(バジナリス)

存在するって事だな」


ニゲル

「だろうな」


ジュダス

「クーデターを起こす気かよ。

にしても規模が小せぇな。

20人そこらの兵隊じゃ

なんも出来ねぇぞ」


ニゲル

「今はな。

だが残念な事に四大天(ミカエルズ)祓悪使 (エクソシスト)の中にも

軍に不満を抱いてる奴は沢山いる。

それでも、お国柄ミカエル万歳主義だから

神の為だと思って戦ってんだよ」


ジュダス

「規模が大きくなるのは時間の問題って事か」


ニゲル

「そうだ。

エルドーラは他国には無い異常なまでの

信仰心がある。

みんな平気で命を投げ出すのさ」


ユキヤ

「平気で命を投げ出す...か。

やっかいな奴らだな」


この一連のやり取りを聞いていたハミデルは

事の重大さに気付き恐怖の顔を浮かべていた。


ハミデル(心の声)

((あわあわあわあわ!!!

がっつり他国の戦争に首突っ込んでるよ!!

と、とんでもない仕事を振りやがって!

何が復帰のリハビリだ!!!

帰ったらとっちめてやる!!))


ニゲル

「フンッ何となく分かって来たな」


ユキヤ

「何がだ?」


ニゲル

「お前らの目的だよ。

堂々とエルドーラに乗り込まないって事は

穏便に済ませたい。事を荒立てたくない。

つまりそれは敵意が無い。違うか?」


ユキヤ

「まぁ、そんな所だ」


ジュダス

「互いに無駄な詮索はしねぇんじゃねぇのか?」


ニゲル

「俺と利害が一致するかもしれねぇ」


ジュダス

「お前にも目的があんのか?」


ニゲル

「最近、新たな半神少女(バジナリス)候補の命を

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)が狙ってる。

まず、それを阻止したい。

俺は最近その小娘を創世ノ爪痕 (スケアクロウ)から護った。

奴らは偽物だと言ってたがあれは本物だ」


ジュダス

「本物...根拠はあるのか?」


ニゲル

「ある」


ハミデル

「この国に興味無いって言う割には

半神少女(バジナリス)を護るのか??

さては貴様...ロリコンだな!?」


ユキヤ

「ハムさん」


ユキヤは鋭い眼光でハミデルを(ニラ)んだ。


ハミデル

「じょ、冗談さ!!

空気が重いからね、ついね!!」



ニゲル

「俺は確かにこの国を捨てた。

けど、もし半神少女(バジナリス)が殺されたら

エルドーラ国民はどうなる」


ジュダス

「内紛が巻き起こり

その火種は隣国にも移り

国が滅ぶだろうな」


ニゲル

「そうだ。

この国の国民は神に祈れば

どうにかなるって本気で思ってる。

お前らも同じ立場だったらどうする?」


ハミデル•ジュダス•ユキヤ

「...」


ユキヤ

「フフッ。辞めてもこの国を護ろうとするなんて

やっぱアンタは軍人だなおっさん」


ハミデル

「自分は死んだ事になってるから

大々的に動け無いって事か」


ジュダス

「待てよ。そりゃあ大義名分だな。

実際はそれ以外に目的がある。

じゃなきゃ...そうまでしねぇよ」



ニゲル (遮る様に)

「約束があるんだ」


ハミデル

「約束???」


少し寂しげな顔をするニゲルは

グイッと酒をあおった。


ニゲル

「さっき言った主席 (マーグヌス)祓悪使 (エクソシスト)

ベリブルー=スコットノーランドと言って

俺の親友だ」


ハミデル

「親友!?」


ジュダス

「マジかよ」


ユキヤ

「興味深けぇな」


ニゲル

主席 (マーグヌス)祓悪使 (エクソシスト)

主席 (マーグヌス)祓悪使 (エクソシスト)じゃあねぇと

止める事なんて出来ねぇ。

今のエルドーラ帝国に

ベリブルーを止める戦力は

もういねぇからな」


ユキヤ

「いねぇってそんなの建前だろ。

おっさんの親友だから止めんだろ?」


ニゲル

「そう言った方が確かに聞こえはいいな」


ジュダス

「どんな約束をしたか知らねぇけど

アンタに任せていいのか?」


ニゲル

「ぁあ。ベリブルーは俺に任せろ。

その代わり小娘を頼む」


ハミデル

「小娘!?だ、誰だソイツは!!」


ニゲル

「ウジミヤ=ルリカ。

半神少女(バジナリス)だよ」


ハミデル

「な、なんで半神少女(バジナリス)を僕らに任せるんだ!?

関係ないだろ!?!?」


ニゲル

「いや、あるさ」


ジュダス

「カクトス=アントーニ=シュバリエか」


ハミデル

「誰!!」


ジュダス

「眼帯してる目つきの悪い男だ」


ハミデル

「いや、だから誰!?」


ニゲル

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)のボスで

創設者だ」


ハミデル

「そ、そ、そ、創設者!?!?!?」


ユキヤ

「そのカクトスが

ルリカを狙ってるって訳だな」


ニゲル

「そうだ」


ジュダス

「ルリカを護れば

自ずとカクトスに接触出来る。違うか?」


ニゲル

「その通りだ」


ユキヤ

「いいのか?

おっさんの話しを聞いた限り

ジュダスはエルドーラからも

ルリカを護る気だぜ?」


ハミデル

「何!?そうなのか??ジュダス!!

やめろよ!?さっきも言ったが

大変な事になるからな!?!?」


ニゲル

「そんな事にはなんねぇよ」


ジュダス

「...何でそう思う」


ニゲル

「そんな事すればそれは宣戦布告。

このタイミングでラミオラスとエルドーラを

相手にするくらいなら

ナーベルクはジュダスを見捨てる。

そうなればナーベルクの鞘花(ショウカ)

お前を殺しに来るだろう」


ジュダス

「どうだろうな...」


ニゲル

半神少女(バジナリス)は奴隷って訳じゃあねぇ

神と同等に扱われる。

国として最高のもてなしを受けるんだ。

それに小娘には熱心な信仰心がある。

半神少女(バジナリス)に選ばれるって事は

この国の人間にとって...栄誉だ」


ジュダス

能力(チカラ)を使い続ければ

いつか死んじまうんだろう?」


ニゲル

「勘違いすんな。

何が幸せで何が不幸せか。

それを決めるのはジュダスお前じゃあねぇ」


ジュダス

「それはそうだけどよ...」


ニゲル

「決めるのは小娘自身だ。

もし、半神少女(バジナリス)を拒むんなら

俺が責任持って面倒を見る」


ジュダス

「でもそうなったらエルドーラはどうなる?」


ニゲル

「終わりだな」


ハミデル

「分かったか!?ジュダス!!

余計な事はするなよ!!!!」



ユキヤ

「いや、終わらねぇよ。

どっちに転んでも俺たちがいる」


ニゲル

「どう言う事だ?」


ハミデル

「僕達がここに来た本当の理由は

エルドーラ帝国と

ナーベルク帝国の同盟を結ぶ為なんだよ!!」


ユキヤ

「そう言う事だ。

エルドーラの戦力が著しく低下してるのは

見て明らかだ。

そこでナーベルクは大国エルドーラと

同盟を結ぶ事にした」


ニゲル

「お前らに利点があるのかそれ」


ユキヤ

「あるさ」


ジュダス

「ナーベルク帝国は

ラミオラス帝国との戦争に集中したいんだよ」


ユキヤ

「サルバドルがあるからと言って

アザジェノスやメタラニア、スペリオールが

攻めて来ねぇとは限らねぇ」


ハミデル

「だからエルドーラには

それを食い止めて欲しいんだってよ!!!」


ユキヤ

「その変わり、金と戦力を送る」


ニゲル

「戦力?周りの帝国を

食い止める戦力って相当だぞ。

一般兵なんて意味ねぇよ」



ユキヤ

「誰が一般兵って言ったよ。

もちろん送り込むのは鞘花(ショウカ)だ」


ニゲル•ハミデル

「!?!?!?」


ハミデル

「じょ、冗談だろ!?!?

ナーベルクの主要戦力だぞ!?!?

それに一体誰を送るんだよ!!!」


ジュダス

「ラミオラス帝国との戦いに集中するって

言う割には他国に戦力を割くってか?

ふざけんな!!そんな事したら

いつまでたっても妹を救う事なんて

出来ねぇだろ!!!!!」


ユキヤ

「落ち着け。これも勝つための手段だ。

それにな、気持ちは分かるが

お前はもう千刃花(センジンカ)の一員だろ。

軍人は命令された事だけを遂行する。

私情で動けば味方を危険にするだけだ」


ジュダス

「俺は!!...ただ...分かった」


ジュダスは拳をグッと握り締めていた。


ハミデル

「...ジュダス」


ニゲル

「同盟を組みたいのは分かったけどよぉ

ナーベルクにとって反国家組織の創世ノ爪痕 (スケアクロウ)

好都合じゃあねぇのか?」


ユキヤ

「そうだな。立場が違ったら

援助する側になってたかもしれねぇな。

そう思うだろ?ハムさんも」


ハミデル

「も、も、もしそうなら

ぼ、僕達の仕事じゃないね!

隠密部隊の三刃花(サンジンカ)隊の仕事だろうね!

ね!?ジュダス!!」


ジュダス

「知らねぇよ」


ユキヤ

「俺達の立場としては同盟を結ぶ事にある。

ついでに創世ノ爪痕 (スケアクロウ)を壊滅させれば

いい手土産になるし

新しい半神少女(バジナリス)を護ったとなりゃあ

交渉はしやすいだろうな」


ニゲル

「良い判断だ。

ナーベルクには良い隊士がいるんだな」


ユキヤ

「驚くなよ??

この案のホトンどは

ジジ副隊長が予想した手段の一つだ」


ハミデル

「ぇええええ!!!!!!!」


ジュダス

「ジジが!?ケッ、あの野郎...」


ユキヤ

「ニゲル。俺達の目的は近い。

ルリカを護りベリブルーを止めたいお前と

ルリカを護りカクトスと接触し

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)を壊滅させたい俺達

俺もお前も狙いは創世ノ爪痕 (スケアクロウ)だ。

どうだ?協力しねぇか?」


ニゲル

「協力??」


ユキヤ

「こっちもエルドーラに詳しい奴が

いてくれた方が動きやすい。

主席 (マーグヌス)祓悪使 (エクソシスト)としての実力は折り紙付きだろ?」


ハミデル

「でも、本当に良いのか??

勝手に決めちゃって...

後で大隊長に怒られても知らないもんね!!」


ユキヤ

一刃花(イチジンカ)は任務に失敗しないんすよ。

その為ならツバキ隊長も分かってくれますよ」


ハミデル

「他とも組まないワガママ隊の癖に!!

アイツ昔からそうなんだよ!!」


ユキヤ

「今回はナーベルクの命運がかかってる。

そうだろ?ジュダス」


ジュダス

「ぁあ。

それに、元 主席 (マーグヌス)祓悪使 (エクソシスト)とパイプが出来るのも

悪くねぇと思う」


ユキヤ

「おーおーおー。

入隊したばかりの新人の発言とは思えねぇな」


ジュダス

「俺は誓ったんだ。妹を助けるってな」


ハミデル

「よく言うよ!!

さっきまで半神少女(バジナリス)を連れ去ろうって

考えてたくせに!!!」


ジュダス

「うるせぇ」


ユキヤ

「...ラミオラス帝国のペチュニアか」


ジュダス

「幼い子供を利用するのは許せねぇ」


ジュダスの妹であるペチュニアは

幼少期にラミオラス帝国に連れ去られ

現在、ラミオラス帝国軍の十鬼槍ジッキソウの隊長として

黒薔薇クロバラ部隊を率いていた。



ハミデル

「ジュダス大丈夫か?」


ジュダス

「何か理由があるんだ。

ペチュニアは故郷であるナーベルクを

裏切る理由が。

サフィニアにも誓った。

必ずペチュニア を救うって。

俺はあの日誓ったんだ」


サフィニアとはペチュニアの双子の妹であり

ペチュニアと同じく

黒薔薇クロバラ部隊の副隊長として

ナーベルクと敵対していたが

1ヶ月前生きるシカバネと化したサフィニアを

煉獄レンゴク 冥府大監獄(ゲヘナプリズン)にて

兄であるジュダス自らの手でホオムった。


ニゲル

「お前らも色々あるのは分かった。

ただ、俺は表立って何かする事は出来ねぇ。

だが、ナーベルクの千刃花(センジンカ)

味方に付くんなら好都合だ。

正直、エルドーラは創世ノ爪痕 (スケアクロウ)

構ってる余裕はねぇんだ。

新たな半神少女(バジナリス)を護るんなら

手練テダれは多い方がいい。

けど、言っとくが

俺は何処にもくつもりはねぇ。

エルドーラ軍から去って国を捨てた男に

期待はするなよ。

今回はあくまでも

利害が一致するから組むだけだ。いいな?」


ハミデル

「き、貴様がそんなに言うなら

考えてやってもいいぞ」


ジュダス

「いいぜ。俺も馴れ合うつもりはねぇ」


ユキヤ

「分かった」


ジュダス

「俺らが知りたいのは

とにかく、カクトスの居場所だ」


ハミデル

「どえらい事になってしまった...」


ハミデルはホテルの窓から

ニューモートの夜景を眺めながら

冷静を装っていたが

内心は恐怖で震えていた。



ハミデル(心の声)

((なぁんか嫌な予感がするなー

と、とりあえず

後輩たちの前でビビるのはカッコ悪い!!

僕は先輩としてドンと構えていなければ!!!

...無理無理無理無理無理!!

パパァァァア!!帰りたいよォオオ))



ニゲル

「カクトスを追えば

自ずと半神少女(バジナリス)にも

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)にも会える。

俺は俺で勝手に動くがいいか?」


ユキヤ

「構わねぇぜ。勝手に動きやがれ。

そうだルリカの外見的特徴は?」


ニゲル

「緑色の髪に

ソデが長いヒカリ高校の制服を着てる」


ユキヤ

「写真もねぇのかよ」


ニゲル

「そんな趣味はねぇよ。

それに見たら分かる」


ユキヤ

「そうか」


ハミデル(息を切らしながら)

「ハァ...ハァ...ハァ...

外の空気でも吸うか...」


ジュダス

「ん?どうしたハミデル。

オレンジジュースのおかわりいるか?」


ハミデル

「い、いやぁ、なんかニューモートの夜景が

綺麗で思わず震えてしまったのさ!!!

あー!!向こうの空が赤い!!

綺麗だなー!!!!」


するとハミデルは思わず口ずさんだ。


ハミデル(歌う)

「真っ赤なオシリがぁ〜♫

ピョンピョン飛ぶよぉ〜♪」


ジュダス

「待て、空が赤い?」


ハミデル

「ん??花火も上がってるな!!

懐かしいなぁ...

ほら、見てみろ!!!」


ユキヤ

「花火?」


4人はホテルの窓から外を見た。


ジュダス•ニゲル•ユキヤ

「ッッ!?!?」


ハミデル

「なんだ?どうした??

まさか、窓に映る僕の姿にうっとりーー」



ニゲル(遮る様に)

「あれは花火じゃあねぇ...」


ユキヤ

「空が赤いのは...」


ジュダス

「爆発だ!!!」


ハミデル

「え?」


ユキヤ

「また爆発事件か!?!?

って事は...」


ジュダス

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)だ!!」


ハミデル

「ぇええええ!!!!」


ニゲル

「ベリブルー!!!」


するとニゲルは部屋から出ていこうと

ジャケットを羽織ハオった。


ユキヤ

「どこへ行く!!!」


ニゲル

「決まってる」


ジュダス

「待て。俺も行く!!」


ユキヤ

「チッ。そうだろうよ!!!

行くぞ!!ジュダス!!!ハムさん!!」


ハム

「え、ぇええええええ!!!」


ジュダス

「あっちの方角は!?」


ニゲル

「ギヨヨ 公園 (パーク)だ!!」












※音楽がある場合終わるまで待つ


ハミデル▶︎▶︎▶︎N







ーーローザサイドーー

ギヨヨ 公園 (パーク)にて

燃え盛る炎に焼け焦げた肉の匂い

夜空を覆う黒煙に灯る炎の揺らぎ

ギヨヨ 公園 (パーク)は猛火に包まれていた。



ルリカ(息を切らしながら)

「シスター!!!!みんな!!!!」


ルリカは爆炎に包まれるガレキに向かって

走り出そうとしていた。


ローザ(息を切らしながら)

「ルリカ!!行っちゃダメ!!」


カクトス

「カーッカッカッカッ!!

そんなもんかよ大唱長(ダイショウチョウ)!!」


ローザ(息を切らしながら)

「グッ...やめろ!!

それ以上...抵抗するなら

容赦はしない!!!」


カクトス

「それは強者の吐くセリフだぜ。

地に伏せてるお前が言うセリフじゃあねぇよ。

容赦なんて初めからしねぇのが戦いだ!!」


ルリカ(息を切らしながら)

「もうやめて!!!!

ここにいる人は関係ないじゃない!!」


ローザは血にマミれながらも

ゆっくりと立ち上がった。


ローザ(息を切らしながら)

「アタシが...護る。

ルリカは逃げなさい!!!」


カクトス

「無駄だ。

光域 (ベール)はとっくに降りてる。

逃げるだけ無駄だ。

この中にいる人間も

お前の大切な人間も!!全員死ぬんだよ!!

カーカッカッカッ!!!!」


すると、またもや爆発が起こる。


ルリカ•ローザ

「ッッ!!」


カクトス

「派手にやってくれてんな!!

そう来なくっちゃ楽しくねぇ!!!」


ローザ(息を切らしながら)

「グッ!!!

エルドーラ軍大唱長(ダイショウチョウ)として

貴様を連行する!!!」


光唱(オルフォンツ) 第一唱(ウーヌス ヌメーロ)・"光矢 (ルクス)"!!』


カクトス

「しゃらくせぇ!!!!」


光唱(オルフォンツ) 第三唱(トレスヌメーロ)・"大弓光矢(ルクスフォルテ)"!!』


ルリカ

「ローザさん!!!」


ローザが放った光の矢は

カクトスの放った強大な光の矢に呑まれた。



ローザ

「ぐぁぁぁあ!!!!!!」


ルリカ

「もうやめてください!!!」


カクトス

「ぁん?黙っとけよクソガキ」


光唱(オルフォンツ) 第一唱(ウーヌス ヌメーロ)・"光矢 (ルクス)"!!』


ルリカ

「キャーーー!!」


ローザ

「ルリカ!!!!」


光の矢はルリカの頬をかすめた。


カクトス

「さっきからうるせぇ。

この厄介な女を片付けてから

テメェを連れてく!!」



ローザ(心の声)

((この男の光武(オーブ)が強大過ぎる。

一体、何者なの!?

このままではルリカが危ない))


ルリカ(震えながら)

「あ...あっ...」


ローザ

「ルリカ!!大丈夫!?」


ルリカ(息を切らしながら)

「だ、大丈夫...それよりみんなを」


ローザ

「まずは貴女よ。

人の心配はそれから」


光唱(オルフォンツ) 第六唱(セクスヌメーロ)・"光足移動(ルクスアサイト)"!!』


ローザはルリカを抱き抱えたまま

瞬時に移動した。




カクトス

「逃がすかよ!!」


光唱(オルフォンツ) 第四唱(クアトールヌメーロ)・"減衰光重奏(ルクスデクレシェンド)"!!』


ローザ

「グッ!!!」


カクトス

光唱(オルフォンツ) 第六唱(セクスヌメーロ)・"光足移動(ルクスアサイト)"!!』


ローザの移動速度は減速されると

カクトスにすぐ追いつかれた。


ローザ

光唱(オルフォンツ) 第六唱(セクスヌメーロ)・"光足移動(ルクスアサイト)"!!』


光唱(オルフォンツ) 第二唱(ドゥオヌメーロ)・"連撃疾風光矢 (ルクスレガート)"!!』


カクトス

「チッ!!ちょこまかと!!」


ローザはルリカ抱き抱えたまま

再び移動すると怒涛の光の矢を放った。



ローザ(心の声)

((光域 (ベール)が思ったよりも分厚い!!

このままじゃ逃げられない!!))


カクトス

「雑魚が調子乗ってんじゃねぇよ パチンッ(指を鳴らす)



ローザ (心の声)

((光域 (ベール)を解いた!?

アイツは一体何を考えてるんだ...

いや違う!!上空だけを空けたのか!!))


するとカクトスは十字架を取り出した。


ローザ

「あれは!!!神聖十字架(ロザリオン)!!

...まさか貴様!!!」


カクトス

『指し示せ!!方位なる導き(マザーゴッドコンパス)!!!』



十字架が光り輝くと

青白い羅針盤に変化し更に四つに分裂した。

そして、カクトスの周囲を旋回しはじめた。


ローザ

「無登録の祓悪使 (エクソシスト)...

いや、祓悪使 (エクソシスト)

例外なく半神少女(バジナリス)様の加護を受けるはずだ!!!」


カクトス

「驚いたか?」


ルリカ

「ローザさん...祓悪使 (エクソシスト)って

エルドーラ軍じゃないの??」


ローザ

「ルリカ!!アタシに捕まってて!!

ハァァァァ!!!!」


ルリカ

「え?」


ローザは無言詠唱(ノーライツ)

連撃疾風光矢 (ルクスレガート)を放った。


カクトス

「小賢しいんだよ」


カクトスは両手をワッと広げると

旋回する羅針盤の一つの指針が西を指した。


ローザ

「何!?」


そしてカクトスへの攻撃が

旋回する羅針盤に当たるか否かの所で

怒涛の光の矢は全て西の空へとれてしまった。


ローザ

「空に消えた!?グッ!!まだだ!!!」


光唱(オルフォンツ) 第二唱(ドゥオヌメーロ)・"連撃疾風光矢 (ルクスレガート)"!!』


連撃 (レガート)!!連撃 (レガート)!!連撃 (レガート)!!連撃 (レガート)!!」


カクトス

「意味ねぇんだよ雑魚が」


ローザは何百と撃ち込むも

全て西の空へと消えていく


カクトス

「早くそのクソを渡せ」


ローザ(息を切らしながら)

「あいにく...クソは持ってない」


ルリカ

「ローザさん...」


カクトス

「そうかよ。

んじゃぁ腕ごと置いて下がれ」


ローザ (心の声)

((何か来る!!))


ローザ

「ルリカ!!伏せて!!!」


カクトス

「太陽は西へ沈み...東よりずる」


東風流星群(メテオイリュージョン)!!』




羅針盤の指針はカチッと東を指し示した。

すると上空からローザが今まで放った光の矢と

羅針盤の針が流星の如く降り注いでいく。


ローザ

「何よあれ...ルリカ!!

後ろにいて!!!」


ルリカ

「は、はい!!」


ローザ

光唱(オルフォンツ) 第五唱(クインクヌメーロ)・"護光布陣(ルクスモルト)"!!』


ローザは光の障壁ショウヘキを展開した。


カクトス

「カーカッカッカッ!!!

光唱(オルフォンツ)如きで防げるかよ!!!」


ローザ

「ダ、ダメ...もたない!!!

ルリカ!!!走って!!!」


ルリカ

「でもこのままだと!!!」


ローザ

「いいから!!逃げるの!!!」


ルリカ

「ローザさん...」


ローザ

「ルリカ!!!!!!」


そして、ルリカは全速力で走った。


カクトス

「カーカッカッカッカッ!!!!

光域 (ベール)の中をどう逃げるんだよ!!」


ローザ

「グッ...もう...」


カクトス

「死ね!!」


カクトスは羅針盤の針を無数に放った。


ローザ

「グァァァァア!!!!」


ルリカ(息を切らしながら)

「ハァ•••ハァ•••

ごめんなさい•••ローザさん...」



カクトス

「カーッカッカッカッ!!!!」


ルリカ(心の声)

((私のせいだ...

私が狙われてるからローザさんが!!!

私がいるからローザさんが傷つく!!!

私のせいだ!!!))


ローザ

「ルリカ!!遠くまで走って!!!!」


カクトス

「うるせぇ女...だっ!!」


ローザ

「アガッ!!」


カクトスはローザを何度も何度も何度も蹴り続けた。


カクトス

「雑魚のくせに!!!

調子乗ってんじゃあ!!ねぇよ!!!」


ローザ

「ウグッ!!」


カクトス

「テメェみてぇな奴を見てると!!

腹が立つ!!!!」


ローザ

「ガハッ」


ルリカ

「ローザさん!!!!」


ローザ

「ルリカ!!振り向かないで!!!」


ルリカ (泣きながら)

「そん...な!!

でも!!!このままじゃローザさんが!!!」


ローザ

「お願い!!!!アタシの事はいいから!!!」


ルリカ(泣きながら)

「い、嫌だよぉ...ローザさん」


カクトス (次のセリフまで)

「ウラッッ!!!」


ローザ

「ウグッ!!!」


ルリカ

「やめてぇ!!!!」


ローザ (蹴られながら)

「ルリカ!!!ゴホッ!!

貴女は逃げなきゃ!!!ガハッ!!

アタシが!!時間を稼ぐ!!!だから!!ウグッ

この光域 (ベール)は時間が経てば消える!!

走ってルリカ!!!!」


カクトス

「何?」


一瞬止まった隙を見て

ローザはカクトスの足を掴んだ。



ローザ(息を切らしながら)

「ハァ...ハァ...

半端に上空に穴なんて空けるからよ。

不完全な光域 (ベール)は徐々に消失する。

まさか知らないとは驚いたな」


カクトス

「バーカ。そっちじゃあねぇよ」


ローザ

「何!?」


カクトス

「よっと」


ルリカ

「ローザさぁあん!!!」



カクトスが飛び上がった瞬間

ローザの身体を炎が包んだ。


ルリカ

「嘘...でしょ?

誰か!!!助けーーーー」


するとルリカの足首が爆炎に呑まれた。



ルリカ

「ガッ」



ベリブルー

「この少女がそうか。

あまり遊ぶなカクトス」


カクトス

「こっち来んなよ。戦いずれぇんだよ」


ベリブルー

「この少女を始末すれば全てが終わるんだな」


カクトス

「無視かよ」


ローザ(息を切らしながら)

「ルリカ...逃げ...て」


カクトス

「まだ息あんのかよ。

...そうか。

無言詠唱 (ノーライツ)の減衰の光唱(オルフォンツ)

威力を殺したか。器用な奴だ」



ルリカ

「や、やめ...て!!

お願い...お願い!!!!」


ベリブルー

「平和の為に消すもやむなし。

せめて、恐怖は取り除こう パチンッ(指を鳴らす)


ベリブルーは指を鳴らすと

ルリカの前で小さな爆発を起こし

気を失わせた。


ローザ

「ルリカァァァア!!!!!!」


カクトス

「そうだ。予定が変わった。

あの方が生きて連れて来いとの事だ」


ベリブルー

「分かった」




※音楽がある場合終わるまで待つ


ルリカ▶︎▶︎▶︎N



ーーニゲルサイドーー


ニゲル

「あの光武(オーブ)...やっぱ居るよな」



ーーハミデルサイドーー


ハミデル(息を切らしながら)

「ハァ...ニゲルの奴め!!

さっさと逃げやがって!」


ジュダス(息を切らしながら)

「あそこからとんでもねぇ刃汽(ジンキ)を感じる!!」


ユキヤ(息を切らしながら)

「そうだな!!!

間違いねぇ!!!!

創世ノ爪痕 (スケアクロウ)だ!!」



ーーニゲルサイドーー



ベリブルー

「ん??

この光武(オーブ)は...」


カクトス

「どうした」


ベリブルー

「まさか!!!」


カクトス

「おい!!」


ベリブルーは足元を爆破させて

上空へ飛び出すと光域 (ベール)の外側へと飛んだ。


ニゲル

「来たか」


ドンッと轟音を立ててベリブルーは着地すると

懐かしき旧友の前に立った。



ニゲル

「ベリブルー」


ベリブルー

「ニゲル」


ーーハミデルサイドーー

ハミデル達は全速力で走っていた。


ハミデル

「なんか近くに

ヤバい刃汽(ジンキ)を持ったのが2人いる!!!」


ジュダス

「ぁあ!!!鞘花(ショウカ)級だ!!」


ユキヤ

「やべぇ戦いになりそうだな!!!

ハムさん!!!久々の実戦じゃないすか?」


ハミデル

「復帰早々最悪だよ!!!」


ジュダス

「ヤバそうなら俺の後ろにいろ。護ってやる」


ハミデル

「ジュダスきゅん!!」


ユキヤ

「こんな年下に護られてちゃあ

千刃花(センジンカ)の名が泣きますよー」


ハミデル

「何年振りだと思ってんだ貴様!!

一度は辞めて一般人だったんだぞコチトラ!」


ユキヤ

「休隊扱いっすから

正確には一般人じゃねぇっすね」


ハミデル

「ぇえ!?休隊扱いっだったの!?」


ユキヤ

「じゃなきゃ復隊って言わねーし。

すぐに副隊長代理に戻れる訳

ないじゃないすか」


ハミデル

「クソォオオ!!俺の後釜が

副隊長になんてなるから俺がこんな目に!!

チョウランの奴!!

帰ったらとっちめてやる!」


ジュダス

「チョウラン言ってたぜ

師匠が戻ってくるなら安心して

六刃花(ロクジンカ)隊を離れられるってな」


ユキヤ

「驚きっすねぇ。

ハムさんはチョウランの師匠...

だったんすか??」


ハミデル

「フンッ!!

僕がチョウランに形状変化の構築理論と

エロゲーを教えてやったんだ!!

その恩を忘れーーー」


ユキヤ(遮る様に)

「あー聞かなきゃ良かった」


ジュダス

「あのチョウランに??ハミデルが??」


ハミデル

「どういう意味だ貴様!!!」


ジュダス

「い、いや、正直、 冥府大監獄(ゲヘナプリズン)

チョウランの断鴉コトワリガラスが無かったら

やばかった場面が沢山あったんだよ」


ハミデル

「僕の構築理論は魔進 (マシン)学の応用なのさ!!

お前にも教えてやろうか?おん?」


ジュダス

「いや、コツは掴んだ。

俺の不倒不苦痛(イージスオブジーザス)は壊れちまったからな」


ユキヤ

「ハァ!?ちょっと待て!!

魔装兵器ないんじゃ戦えねーじゃん!!!」


ジュダス

「魔装兵器はサフィニアとの戦いでーーー」


ハミデル (遮る様に)

「おいユキヤ!!!」


ユキヤ

「あ、あーそうか!!で、で...

何でハムさんが副隊長やらなかったんすか?」


ハミデル

「誰がなるか!!!

アキレイのおもりなんてゴメンだね!!」


ユキヤ

「リナリアさんが言ってましたけど

ハムさんと兄さんに任せたら

隊が崩壊するって」


ハミデル

「何!?あの小娘そんなこと言ってたのか!」


ジュダス

「想像つくな」


ユキヤ

「リナリアさんのこと小娘なんて言ってたら

こってり絞られますよ。

報告書に付け加えておきますね」


ハミデル

「や、やめてぇええええ!!!!」


ジュダス

「おい、見えてきたぜ!!」


ユキヤ

「一旦、しゃがめ。

なんか違和感感じねぇか?」


ユキヤ達は木陰に隠れると

遠くから光域 (ベール)を見た。


ジュダス

「ぁあ。うっすらと上空から

刃汽(ジンキ)が漏れ出てる。

おそらくあの障壁の中にいるな」


ハミデル

「上空が空いてなかったら

障壁の存在に気づかなかった...

なんだあの刃術(ジンジュツ)


ユキヤ

「あれは光域 (ベール)っすよ。

エルドーラの光唱(オルフォンツ)の一つで

外側からの認識を隔離する結界。

内側にいる者を閉じ込める」


ハミデル

「内側にいる者を閉じ込めるって事は

術式のリソースは内側にいてる。

中は強固で外はモロいだろうね。

見た感じ認識をズラす外側の刃術(ジンジュツ)

物理防御にリソースをけてない。

つまり...」


ユキヤ

「外側がモロいって事だ」


ハミデル

「でもどうする??

近くでとんでもない刃汽(ジンキ)

ぶつかってるけど...」


ユキヤ

「ニゲルか」


ジュダス

光域 (ベール)をぶっ壊せば

中に閉じ込められてる奴は逃げられる」


ユキヤ

「そうだな」


ハミデル

「待て待て。

いくらモロいって言っても

結界には変わりないぞ。

単純な刃術(ジンジュツ)じゃダメだ」


ユキヤ

「そしたら手段は一つしかねぇっすね。

良い考えがある」






ーーニゲルサイドーー

数十年ぶりに出会った2人は

互いの目を見ていた。


ベリブルー

「...生きていたのか」


ニゲル

「...ぁあ。お前もな。

随分 (ズイブン)とやつれたな」


ベリブルー

「よもやこんな形で再会するとは

思ってもみなかった」


ニゲル

「ぁあ。俺もだ」


ベリブルー

「死んだと思っていた。

私はお前の隊葬を済ませ

私の家族と部下たちで

カラヒツギに火を付けた」


ニゲル

「ぁあ。遠くから見てた」


ベリブルー

「国を捨てたお前が何故ここにいる。

そもそも何故、去った」


ニゲル

「エルドーラ軍にいたら出来ねぇ事もある」


ベリブルー

「それが理由か?」


ニゲル

「この世界を知れば知るほど

ある共通点が見えてくる」


ベリブルー

「共通点だと?」


ニゲル

「そうだ。

出来れば誰も巻き込みたくない」


ベリブルー

「それがお前の大義名分か?

それがお前の正義なのか??

誰も巻き込みたくないと言いながら

筆頭戦力である主席 (マーグヌス)祓悪使 (エクソシスト)のお前は

死を装い軍を去った。

そしてエルドーラ軍は衰退した。

残された私達は必死で戦ったが

多くの国民、多くの兵士達

多くの友が戦場で死んでいった。

お前は•••我々の平和を乱した!!

•••誰も巻き込みたくないだと?

ふざけるな!!!!!!」


ニゲル

「分かってる」


ベリブルー

「俺もお前もあの頃とは違う...」


ニゲル

「ベリブルー。

ニューモートの爆破事件はお前だろ?

それにその首の傷ーーー」


ベリブルー(遮る様に)

「お前には関係ない!!!!」


ベリブルーの光武(オーブ)が膨れ上がり

周囲の温度が上昇していく


ニゲル

「正気に戻れ!!!

お前は理由なく人を傷つける奴じゃない!!」



ベリブルー

「正気に戻れだと?

私が正気でいられる世界は

もうどこにもない!!!!」



ニゲル

「何があったんだ...」


互いの光武(オーブ)がひしめき合い

大気に振動が走る。


ベリブルー

「私は絶望の中で光を灯した。

煮えたぎる怒りに身を焦がしながら

憤怒フンヌの爆炎に全てを委ねたのだ!!!」


ニゲル

「やめろベリブルー!!!

クソっ!!!!!」


ベリブルーとニゲルはそれぞれ

人差し指と中指を合わせ

逆さ十字をクウエガくと叫んだ。


配役変更一覧

----------------------------


ジュダス▶︎▶︎▶︎機械音兼任


----------------------------


ニゲル

神聖十字架(ロザリオン)光武兵装(コンバート)!!』


機械音

((COUNTDOWN(カウンッダウン)!!

PARALYZE(パァラライズ)!!••••RISE ON(ライゾーンッ)))



ニゲル

天身テンシン!!!』





ベリブルー

神聖十字架(ロザリオン)光武兵装(コンバート)!!』



機械音

((COUNTDOWN(カウンッダウン)!!

SUPERNOVA(スーパァノーヴァ)!!••••RISE ON(ライゾーンッ)))


ベリブルー

天身テンシン!!!』



描かれた逆さ十字は

青白く輝きながら

徐々に大きさを増し

身体をゆっくり貫いていく。

すると、十字が通っていく先から

ベリブルーとニゲルの身体は分解、再構築され

みるみると変容ヘンヨウしていった。

そして内側から溢れ出る光武(オーブ)によって

大気中に爆炎と電撃が渦を巻く


ベリブルー

超痲痺 (パラライズ)...」


ニゲル

超爆撃 (スーパーノヴァ)...」


ベリブルー

「驚いたか?」


ニゲル

「...いいや」


ベリブルー

「...ほぅ」


ニゲルは天身テンシンしたベリブルーの姿を見て

生唾ナマツバをゴクリと飲み込んだ。


ベリブルー

「この能力(チカラ)は素晴らしい。

神聖十字架(ロザリオン)も無しに能力(チカラ)顕現(ケンゲン)

所持していた神聖十字架(ロザリオン)は肉体と同化。

そして私の能力(チカラ)と身体は一つとなった。

まさか、お前もだったとはな...」


挿絵(By みてみん)


ベリブルー

「ニゲル」



ニゲル

「...とんでもねぇ熱量だな」


ベリブルー

「相変わらず絶大な光武(オーブ)量を感じる」


ニゲル

「人のことよく言えんな」


ベリブルー(心の声)

((しかし、マト光武(オーブ)の質が

私とは真逆だ。

これはどう言う事だ))


ニゲル

「ベリブルー

半神少女(バジナリス)をどうするつもりだ」


ベリブルー

「殺す」


ニゲル

「お前は何がしたい」


ベリブルー

「昔から変わらないさ」


ニゲル

「世界の平和か。

お前は今、幸せか?」


ベリブルー

「幸せか?だと??

この姿を見て幸せだとーーー」


ニゲル (遮る様に)

「俺はお前との約束を果たしに来た」


ベリブルー

「なっ!?...約束?一体何の話をしている」


ニゲル

「そうかよ。

別に構わねぇさ。

俺が一方的に守ってるだけだ。

目ぇサマさせてやるよ!!!ベリブルー!!!」


ベリブルー

「フフ...フハハハハッ!!!!

面白い!!!!さぁ、始めようか!!ニゲル!!」


ニゲル

「望む所だ!!!ベリブルー!!!!」


ベリブルー

爆炎放射 (アトミックボンバー)!!』


ニゲル (遮る様に)

電氣瘴空アトミックサンダー!!』






※音楽がある場合終わるまで待つ




ーーローザサイドーー

気を失ったルリカを抱きしめるローザは

感じたことのない光武(オーブ)を警戒し

空を見上げていた。


ローザ

「この光武(オーブ)...」


カクトス

「誰だ...

まさか、人喰い鴉 (グリムレイバー)か?」


すると上空から声が聞こえる


カクトス•ローザ

「!?!?!?」


ローザ

「誰...だ」


カクトス

「なんだぁありゃ」


上空から落下していくハミデル達は

3人で輪を作る様に手を繋いでいた。


ハミデル

「嫌ぁぁあ!!!!!!

落ちてる落ちてる落ちてるぅう!!!」


ジュダス

「バカッ!!強く握りすぎだ!!!

もう離せ!!!」


ハミデル

「嫌だよ!!!死ぬだろう!!」


ユキヤ

「ほら、もうすぐ地面っすよ!!

着陸体制とらなきゃ死にますよハムさん!!」


ハミデル

「おまっ!!!お前が良い考えがあるって

言ったんだろうが!!!!!

僕は 浮天地遊(フテンチユウ)使えないぞ!?

仮にこの落下速度と距離じゃ無理だって!!

高く飛びすぎなんだよぉおおお!!」


ジュダス

「俺も刃術(ジンジュツ)ほぼ使えねぇぞ」


ハミデル

「何でお前が副隊長なんだよ!!」



ユキヤ

「はい!!なのでハムさん!!!

クッションは頼みましたよ!!!!」


ハミデル

「なんだそれぇ!!!!!」


ジュダス

「なんだかよく分かんねぇけど

下にとんでもねぇ刃汽(ジンキ)を感じるぜ!!」


ユキヤ

「ぁあ!!見えてる!!!」


ハミデル

「見ろ!!

あそこに女の子抱いてる男が見える!!」


ユキヤ

「明らかに守ってる感じだな...

って事はなんか良く分かんねーけど

あのロン毛がカクトスじゃねぇか?」


ジュダス

刃汽(ジンキ)から見てもそうだろう!!」


ハミデル

「じゃ、じゃあ、あの女の子がルリカか!?」


ユキヤ

「制服着てっからそうっすね!!!!」


ジュダス

「粉々になる前に解放しろ!!!行くぜ!」


ハミデル•ユキヤ

「おう!!!!」


ジュダス達はそう言って手を離した。


ジュダス

滅刃(メツハ)イチ!!』


ジュダス•ハミデル•ユキヤ

(トウ)!!』


ユキヤ

照刃(ショウハ)のニ・消浄洗(ショウジョウセン)!!』



ハミデル (遮る様に)

照刃(ショウハ)の三・潤硼砂 (ジュンポウサ)!!』


ジュダス(遮る様に)

滅刃(メツハ)ナナ渦螺旋ウズラセン!!』


ジュダス•ハミデル•ユキヤ

「「形状変化!!解放!!!」」


ジュダス

慟哭武神 (ドウコクブジン)•••旋棍奏音 (センコンカノン)!!』


ハミデル(遮る様に)

『お(ドロ)け!!夢創念土棒(ワンダーマンボ)!!』


ユキヤ (遮る様に)

『カッ喰らえ!!水狂丸(スイキョウマル)!!』



解放とほぼ同時に

地面に着陸した3人は土煙に包まれた。



ローザ

「どういう事!?」


カクトス

「何だ•••この光武(オーブ)量は•••

ただもんじゃあねぇな」


土煙が晴れると

砂の上で30センチほどの杖を

構えるハミデルと

大きな刀身がニブく輝く青龍刀セイリュウトウ

肩にカツぐユキヤ

そして、両手にトンファーを構えるジュダスが

カクトスを(ニラ)んでいた。



ジュダス

「助けに来たぜ。ルリカ」




N

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作者 REN’sJackson

劇情版

千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

番外篇 4th(フォース) Anniver(アニバー)sary(サリー)

Special(スペシャル) Edition's(エディションズ) Side Story(サイドストーリー) 序破急(ルーゼス)(ガール)

The() Paralysed(パラライズド) 】(完)


挿絵(By みてみん)


※音楽がある場合終わるまで待つ

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ユキヤ▶︎▶︎▶︎N










おまけ

















カクトス(ナレーション)

俺はセラム孤児院で育った。

そこは、ただデケェだけのボロい教会で

敷地内にある建物で孤児院の皆と俺は

寝食を共にしていた。

建物の壁は塗装が剥がれ

窓ガラスにはヒビが入り

すきま風が音を立てて吹き抜ける。

それでも俺にとっては紛れもなく家だった。

あの頃の俺には確かに家と呼べるべき

帰る場所があったんだ。



※音楽がある場合終わるまで待つ



配役変更

----------------------------


ローザ▶︎▶︎▶︎マザージュビリー


ルリカ▶︎▶︎▶︎シスターマリアンジュ


----------------------------



ーー数十年前ーー

帝都イーストキャピトルの下町

シャローリーフにあるセラム孤児院にて

大学の進路に悩むカクトスは

教会にたたずんでいた。


シスターマリアンジュ

「ここにいたのね。カクトス」


カクトス

「何の用だマリアンジュ」


シスターマリアンジュ。

顔以外の全身に火傷のアトがあるが

心が清くカクトスにとっては

年の近い姉のような存在だった。


シスターマリアンジュ

「当ててあげる。悩んでるんでしょ?」


カクトス

「分かってんだろ」


シスターマリアンジュ

「そうね。高校卒業したら

もう孤児院には居られないからね」


カクトス

「ぁあ」


するとマザージュビリーがやってきた。

マザージュビリーは世界各国を旅し

救済を求める子供たちを

救ってきた本物の聖人だった。

カクトスからすれば母親のような存在だった。


カクトス

「マザー」


マザージュビリー

「どうしたんですかカクトス

もう就寝の時間ですよ?」


カクトス

「分かってる。だけど俺...」


シスターマリアンジュ

「マザーと離れたく無いんだよねぇー?」


カクトス

「そ、そういう訳じゃねぇよ!!」


するとマザージュビリーは

カクトスに微笑みかけた。


マザージュビリー

「フフッ。

優柔不断は小さい頃から変わってませんね。

でもカクトスの心は本当は決まってるんです」


シスターマリアンジュ

「そうなの?」


カクトス

「分かんねぇ」


マザージュビリー

「ここの心配はいりませんよ。

大天使 (アンゲロス)ミカエル様のご加護があります。

神は決して見離しません」


シスターマリアンジュ

「そうだよ。私もマザーが命懸けで

助けてくれたからこそ

ここにいるわけだし。

マザーの祈りは凄いんだから!!」


マザージュビリー

「優柔不断は闇を招きます。

スキを産んではいけません。

心のままにシタガいなさい。

昔、闇に心が染まり人をーーーー」


カクトス (遮る様に)

「その話は聞き飽きました」


マザージュビリー

「なら分かるでしょうに。

信じる心を持ち続ければ

道は開けますよ。

いかなる時も感情に支配されてはいけません」


カクトス

「分かっています。

ただ俺は...近くの工場で働いてーー」


マザージュビリー(遮る様に)

「いけません」


カクトス

「なぜですか!?」


シスターマリアンジュ

「そうじゃないでしょ?カクトス」


マザージュビリー

「セラム孤児院があなたにとって

足枷アシカセになってはいけません」


カクトス

「そんな事ないです。

ただ、近くにいれば

何があった時にーーーー」


マザージュビリー (遮る様に)

「なりません。

本心を言ってごらんなさい」


カクトス

「それは...」


シスターマリアンジュ

「気にしないで。

いいんだよ?カクトス。

あなたの人生はあなたの為だけにあるの」


カクトス

「本当は...軍に入隊したい」


マザージュビリー

「それで良いんですよカクトス」


カクトス

「軍に入隊して国を守りたいんです」


シスターマリアンジュ

「カクトスは身体も大きいし

丈夫だから向いてるんじゃない?

そうですよねマザー??」


マザージュビリー

「国を護るその心は立派ですよカクトス。

この孤児院は心配しないでください。

でも、たまに帰って来てくださいね。

ここはあなたの家です」


カクトス

「マザー...」


マザージュビリー

「それに、あなたがいないと

とても寂しがる人がいますからね」


そう言ってシスターマリアンジュを見た。


シスターマリアンジュ

「ちょっとやめてください!!」


カクトス

「フンッ。

俺がいなくなって泣くなよ?」


シスターマリアンジュ

「泣きません!!」


マザージュビリー

「怪我と病気にだけは気をつけて。

私はあなたの無事を毎日祈ります」


カクトス

「ありがとうございますマザー」


シスターマリアンジュ

「無理しないでね。カクトス」



カクトス(ナレーション)

こうして俺は

エルドーラ軍に入隊する事になった。

厳しい訓練にも耐え、血を流す毎日

そんな俺の心の支えはマザーである事に

間違いは無かった。

いつもマザーは俺の行くべき道を

指し示してくれていた。


ーー数ヶ月後ーー

入隊し初めての帰省。

カクトスは沢山のプレゼントを

リュックに入れていた。


カクトス

「皆んな元気にしてるかな」


日が落ち周囲は真っ暗だった。

すると、教会近くの森から

悲鳴が聞こえた。








配役変更

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ジュダス▶︎▶︎▶︎ドラ息子


ベリブルー▶︎▶︎▶︎農夫A


ハミデル▶︎▶︎▶︎農夫B


----------------------------




シスターマリアンジュ

「助けッ!!!誰か!!助けて!!!」



農夫A

「黙れクソアマ!!」


農夫B

「おとなしくしろ!!」


ドラ息子

「貧乏教会のシスターが!!!

誰の金で運営出来てると思ってんだ!!

早くマタ開けよ!!!」


カクトス

「この声は...マリアンジュ!!」



カクトスは茂みをかき分けて

シスターマリアンジュの声がする方角へ走っていった。


ドラ息子

「その綺麗な顔をユガませるのを

何年夢見て来た事か...

カクトスがいなくなってくれて

本当良かったぜ!!

さぁ!!!」


農夫A

「ささっ!!」


農夫B

「どうぞ!!!」


シスターマリアンジュ

「やめて!!!やめてよぉおお!!!!

神の天罰が下されますよ!!!!

嫌、いやあああ!!!!!」


ドラ息子

「終わったらお前らに味合わせてーー」


カクトス (遮る様に)

「マリアンジュ!!!!!」


ドラ息子•農夫A•農夫B

「ッッッッ!!!」


カクトス

「テメェら...何にしてんだ!!!」


シスターマリアンジュ

「カ、カクトス...助けて...」


カクトス

「んの野郎!!!」


ドラ息子

「カクトス!?何でテメェがここに!!

軍に入隊したはずーーーガハッ!!」


農夫A

「ウグッ!!」


農夫B

「アガッ」


カクトス

「マリアンジュから離れろ!!」


カクトスは怒りのままドラ息子達を

異常なまでに殴り続けた。

ーー数十分後ーー


シスターマリアンジュ

「やめて!!!カクトス!!

もういいから!!」


カクトス

「マリアンジュに!!

手を出し!!やがって!!!!」


シスターマリアンジュ

「死んじゃうって!!!カクトス!!!」


既に3人は息をしていなかった。

すると騒ぎにようやく気づいたのか

マザージュビリーが血相ケッソウを変えてやって来た。



マザージュビリー

「カクトス!!!何事ですか!!!」


その異様な光景にマザージュビリーは

言葉を失った。

服がはだけ汚れたシスターマリアンジュに

返り血を浴びたカクトス

横たわる3人の身体


マザージュビリー

「そんな...

早く服を着なさいマリアンジュ」


シスターマリアンジュ

「は、はい」


カクトス(息を切らしながら)

「ハァ...ハァ...ハァ...」


マザージュビリー

「どういう事ですか?」


カクトス(息を切らしながら)

「コイツらが...マリアンジュを」



マザージュビリーは

ドラ息子に近寄ると脈を確認した。


マザージュビリー

「良かった。心臓は動いてる。

マリアンジュ!!早く救急隊を!!」


シスターマリアンジュ

「は、はい!!!」


シスターマリアンジュは

教会に向かって走り出した。


マザージュビリー

「カクトス。何をしたのか分かりますか!?」


カクトス

「俺はマリアンジュを護っただけです」


マザージュビリー

「護る??これではまるで...

どちらが加害者か分かりませんよ。

何度も教えたはずです。

いかなる時も感情に支配されてはいけないと」


カクトス

「しかしマザー!!!」


マザージュビリー

「あなたは訓練した兵士。

その拳は凶器キョウキなんですよ!?

国と民を守る為に

兵士になったんじゃないんですか!?」


カクトス

「では、見殺せと!?」


マザージュビリー

サバくのはあなたではなく法です!!

これは...限度を超えています!!」


カクトス

「そんな...俺はただ...」


マザージュビリー

「カクトス!!胸を張って

正しい事をしたと言えますか!?」


ドラ息子

「ウグッ...ヒ、ヒィ!!」


目が覚めたドラ息子はカクトスを見て

後退アトズサりをしていた。


ドラ息子

「こ、コイツが急に襲って来たんだ!!!

ひ、人殺し!!!!!」


マザージュビリー

「死んでいません。安心なさい」


カクトス

「テメェ!!!!」


マザージュビリー

「カクトス!!!」


ドラ息子

「お、覚えておけよ!!

ママに言えばあんなゴミみたいな教会

すぐ消せるんだからな!!!

俺にした事を後悔させてやる!!!」


マザージュビリー

「大丈夫ですか??傷の手当てをーー」


ドラ息子 (遮る様に)

「触るな貧乏人!!!」


カクトス

「なんだと!?

マザーはテメェを心配してんだろうが!!」


マザージュビリー

「やめなさいカクトス!!!

正しき行いをしなさい!!!!」


カクトス (心の声)

((正しき行いだと!?

俺が来なかったらマリアンジュは

どうなっていた!?

俺が来なかったら...))


シスターマリアンジュ

「マザー!!!もうすぐ来ます!!」


自分が襲われたのにも関わらず

救急隊を呼ぶシスターマリアンジュに

カクトスの頭はついていけなかった。


シスターマリアンジュ

「...カクトス」


マザージュビリーとシスターマリアンジュは

怯えた表情でカクトスを見ていた。


カクトス

「どうして...どうしてだ!!!!

俺をそんな目で見るな!!!」


マザージュビリー

「カクトス!!!」


シスターマリアンジュ

「ま、待って!!」


カクトスは一心不乱に走りだした。


カクトス (心の声)

((ふざけんな...ふざけんな!!

助けたのは俺だ!!!!

あんな奴ら死んじまった方が

良いに決まってる!!!なのに...

なのに!!!!何で!!!!))


シスターマリアンジュ

「カクトス!!!」


マザージュビリー

「待ちなさい。

怪我人が優先です」


シスターマリアンジュ

「でも...

カクトスは私の為に」


マザージュビリー

「分かってます。

それでも怪我人が最優先です」



※音楽がある場合終わるまで待つ




カクトス (ナレーション)

それから俺が

セラム孤児院に戻る事は無かった。


正しさをとは一体何なのか。


俺はこんな奴らの為に戦っていたのか。


あの時マリアンジュを放っておけば

それで良かったのか。


もし、それが正しき行いだとするのであれば


この世界は



マギれもなく悪だ。




シスターマリアンジュと

マザージュビリーの事を皆さん覚えていますか?

そうです。第四章で出てきましたね。

久しぶりの登場ですが

皆さんも是非、SE20を読んでみてね!

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