YONJINCATAI's Said Story 「The Brother 」
はぁーコロナのワクチン
副反応で死ぬかと思った...
独り身には辛いですねぇ。
熱下がらないし
身体に力は入らないし。
だけど精神的には超元気で
ふらふらしながらピアノを弾いた夜でした。
ソープワイトの言葉でバカかね!
っと言われそうですな!!
そして、
なんと!!
YouTubeにもホームページにもあげた
宣伝動画が1000回再生突破!!
さらに
千刃花初の1on1!!!!!
クーワとダンデライの始まりの話し!!
いつかおまけで書こうと思っていたのですが
タイミング的にこういう形になりました!!
とても内容が濃いから
あっという間の時間だぜ?
この物語は4点の視点から見れるんだぜ。
クーワ、ダンデライと......
まぁ
スイセズサイドストーリーを
読んでいただけたらよりストーリーを理解できると思うよ!!
では楽しんで。
♪1
ダンデライ
" 虚無 "
それは私が
初めて出会った時
あの少年に抱いた感情。
空木の底に落ちた闇の中で
野晒しに研ぎ澄まされた刃を
喉元に突きつけられた感覚を覚えた。
しかし時折、何処か懐かしい薫りを感じた。
そう
兄と同じ
力強くも清々 しい
青嵐の薫りを感じた。
----------------------------
作者 REN’sJackson
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
YONJINCATAI's Side Story
【 The Brother 】
※音楽がある場合鳴り止むまで待つ
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♪2
クーワ
「ふぁ〜 。
なんかぁー。急に千刃花ぁ?に
連れてこられましたー。」
ダンデライ
蒼いクセ毛に間伸びした口調。
どこからともなく吹き抜ける風。
頭では理解していても心が拒絶する違和感。
そして何よりも
四刃花隊の隊士達が困惑していた。
クーワ
「今日から四刃花隊っていう所で
隊長やるみたいですー。クーワって言いまーす。
よろしくですー。」
ダンデライ
「...ッッ」
クーワ
「そーいえばー
ごはん食べさせてくれるですよねー?」
ダンデライ
「いま...なんと?」
クーワ
「だーかーらー
ごはん食べさせてくれるですかー?」
ダンデライ
「そちらではない!!
四刃花隊の隊長と言った!!」
クーワ
「そーですー」
ダンデライ
「ふざけるな!!!!
任務から帰ってきて早々!!何の真似だ!!
四刃花隊の隊長は!!
我が兄であるレオントがーーー」
クーワ
「ごはん食べさせてくれるですかー?
くれないなら...みんな死んでくださぁーい。」
ダンデライ
「なんだと!!??
レオントがーー」
クーワ
「レオント?誰ですかーそれー。」
ダンデライ
「私の兄だ!!!!
四刃花隊の隊長をしている!」
クーワ
「ぁあーー。青藍人魚の前任者ですかー?
死んだみたいですねー。」
ダンデライ
分かっていた。
その少年から迸る刃汽は
禍々しく強大で
鞘花のそれと同じだったからだ。
だが、認めたくなかった。
クーワ
「ふぁ〜 。ねむぃですー」
ダンデライ
「そもそも例え鞘花になっていたとしても
隊長就任の儀は執り行われる!!」
クーワ
「何ですかぁ〜それー。」
♪3
ダンデライ
「皇帝、大隊長、華四百花の1名
そして、隊長1人の推薦
同隊の副隊長が同席して行われる儀式だ!!
私は参加していない!!!」
クーワ
「例外?らしいですよー。
鞘手に入れた後ぉ
僕ラミオラスの兵士殺し過ぎたみたいでぇー
実力は充分って言われましたぁー。」
ダンデライ
「誰にだ!!」
クーワ
「オルケイディアって人ですー
名前合ってるか分かりませーん」
ダンデライ
「大隊長だと!?
いや、それでも私は認めない!!
断じて認めん!!!
一体どんな方法で兄の鞘を奪った!!」
クーワ
「奪った??
僕はダンジョンで手に入れたですよー?」
ダンデライ
「何!?!?
で、では兄は死んーーー」
クーワ
「弱いから死ぬですよー」
♪4
ダンデライ
「何!?」
クーワ
「誰かが言ってましたー
鞘保持者である鞘花が死んだ場合
鞘は独自のダンジョンを展開して
次の鞘花になる者を
試練でふるいにかけるってー。
っていう事わぁー...死んだんですよね?
死ぬって弱いからですよー?」
ダンデライ
「兄を...兄を!!愚弄するな!!!」
クーワ
「分かりやすいのは嫌いじゃありませーん。
クッフフフフ」
♪5
ダンデライ
一瞬だった。鞘も解放せずに
その場にいる四刃花隊士の急所を
的確に打ち抜いた。
クーワ
「クッフフ楽しいですねー。
ん?まだ立ち上がるですかー?」
ダンデライ
「ガハッ...ハァ...ハァ!!
私は...認めない...断じて!!!認めない!!」
クーワ
「認めなくてもいーですよー。
僕は認めて欲しい訳じゃありませーん。」
ダンデライ
「私は...四刃花隊副隊長ダンデライ!!!
兄レオントの名において!!
貴様を隊長だと認める訳にはいかない!!!」
クーワ
「クッフフ。来るですかー?」
ダンデライ
『滅刃の一 •刀』
『滅刃の八 •爆連綴』
『形状変化...解放』
『鮮烈爆連...鎧無!!』
「ウォオオオオオ!!!!」
クーワ
「殺気が心地良いですねー」
ダンデライ
「鎧無はマグマの長刀!!
斬りつければ内側からマグマに呑まれる!!!!
爆ぜるがいい!!クーワァア!!!!」
クーワ
「 ふぁ〜。」
ダンデライ
「 避 けた!?
だが!!!!これだけでは無い!!!」
『滅刃 二十四・熱鱗粉』
『鎧無•弍の型• 連焉伸士!!』
クーワ
「へぇー。面白いですねー。
マグマの様に燃える刀が
鞭みたいに伸びるですかー
便利ですね。」
ダンデライ
「私の鎧無 は
鞘花の天輪浄衣の鎧さえも無に還す!!!
故に!!鎧無 !!!!」
クーワ
「へぇー。それ本当ですかー?」
ダンデライ
「自ら連焉伸士を掴んだだと!?
愚かなだな。触れれば爆ぜる!!!
何!?引き寄せーーーグァァァ!!!!!!」
クーワ
「どうしたですー?」
ダンデライ
神の刃をその身に宿した鞘花の身体は
鞘の様に頑丈で硬い。
青藍人魚も例外無く
天輪浄衣 "鎧颯"で
その肉体は護られていた。
しかし、この少年は天輪浄衣さえも
無に還す私の鎧無 を掴んだ。
兄との訓練で編み出し、
兄に勝ちたいが故に研鑽し
兄が名付けた鎧無を
この少年はモノともしなかった。
ダンデライ
「グッ!!!ウォオオオオオ!!!」
クーワ
「空中に跳ぶなんてーー」
ダンデライ
「せめて一矢報いーーー」
クーワ
「バカですねー」
ダンデライ
「風!?花纏捧君か!!グッ!!」
クーワ
「クッフフフフ」
ダンデライ
空中に跳び上がった私は
突風の壁に阻まれて吹き飛んだ。
クーワ
「青藍人魚は風の鞘ですー
解放すれば
全ての空気、全ての酸素、
天候さえも全て支配するですよー
知らないですかー?」
ダンデライ
「解放せずとも...グッ
能力を操れる事...ぐらい...
貴様に言われなくとも...知って...いる!!」
クーワ
「クッフフ...
クッフフフフ!!!クッフフフフ!!!!
さぁて...」
ダンデライ
「グッ...」
♪6
クーワ
「死にますかー?それとも...」
ダンデライ
「ガハッ!!グァッ!!グフッ」
クーワ
「ごはん!!食べさせて!!
くれる!!ですかー?!!
ダン!!デ!!!ライ!!!!!」
ダンデライ
「グハッッ!!!!」
クーワ
「弱いですねー
はぁ...お腹空きましたぁーー」
ダンデライ
「ゴホッゴホッゴホッゴホッ
まだまだ!!!グッ!!離せ!!お前たち!!
私は!!!コイツを!!」
クーワ
「お仲間の方が物分かり良いですねー。
ごはん食べさせてくれるですかー?
でも...もう遅いですー」
ダンデライ
腹の虫が収まらない少年は
その後も隊士全員を半殺しにした。
類い稀なる戦闘センス
恐れを知らない精神力
人を殺す事に躊躇いの無い冷酷さ
どれをとっても天才という言葉が霞む。
私は"死"そのものと対峙している様だった。
クーワ
「もっと楽しませて下さーい。」
ダンデライ
「四刃花隊の隊長は!!
決して!!貴様では無い!!!!」
クーワ
「その目...良いですねー良いですねー。
僕をその煮え立った刃で
貫きたいですかー?
やってみますー?
僕は、痛みを感じませんからー」
ダンデライ
「何...だと?」
クーワ
「どーぞー」
ダンデライ
しかし騒ぎに駆けつけた月光の鞘花である
二刃花隊のキスツス隊長が
クーワに食べ物の幻を魅せて我々を助けてくれた。
♪7
クーワ
「た、食べていーですかー?
た、食べるですよー?ジュルジュル
た、食べるですーー!!!」
ダンデライ
クーワを強力な陶酔と幻惑に落とし込めて
誘き寄せる事に成功するとクーワは
そのまま幻に呑み込まれていった。
クーワ
「こんな料理見たことないですーー!!」
ダンデライ
そして、四刃花隊隊長の着任式を終えたクーワは
五刃花隊のレンゲイ隊長の記録を塗り替え
千刃花最年少での隊長に就任した。
だが、四刃花隊では
クーワを隊長だと認める者は誰一人いなかった。
半年後
♪8
クーワ
「ふぁ〜 。」
ダンデライ
「これから我々四刃花隊100名は
スゴウ平野の先遣隊としてナーベルクを発つ
早急に向かい、後から合流する五刃花隊が
安全に救助を行えるよう救護詰所の設営地確保。
そして、一刃花隊の野営地も確保する。
八刃花隊の報告では
すでにラミオラス帝国軍とナーベルク帝国軍が
陸、海、空とぶつかり合っているそうだ。
我々で一気に陸地だけでも前線を押し上げる!!
気を引き締めていくぞ!!」
♪9
クーワ
"退屈"
それがこの半年間ダンデライに抱いた感想。
タバコの香りを漂わせ
いつも周りばかり見ている。
何より真面目で、口うるさくて
いつも苛立ちを隠せていない。
そう
ダンデライは
いつも何かに怒っていた。
ただ、怒りという感情が
僕の想像と同じ事を指すのであれば
ダンデライ
「行きます!!」
クーワ
初めて乗り込む魔進に
気分が高揚した。
そして、血煙 と 黒煙が巻き上がる大地を見て
思わず口角が上がった。
僕にとって死は身近であり
日常である。
その日常に足を踏み入る事が
僕にとっては
家に帰るという事と同義だった。
あの頃の悲鳴が懐かしい。
♪10
ダンデライ
「交戦部隊を発見!!
殲滅します!!!
形状変化!!構え!!!!」
クーワ
形状変化。
刃術と呼ばれる汽の力を使って
様々な武器を形成し
人を殺すための道具を作り出す手段。
やはり、人間の性分は殺しにあるという事を
マジマジと感じた。
綺麗事さえも霞むほどに。
ダンデライ
「ナーベルク帝国軍!!!
助太刀いたす!!!!!!」
クーワ
歓声が上がる。
その歓声の意味は人を殺せる喜びか
はたまた人を殺さなくて済む喜びか。
どちらにせよ、ただただ退屈だ。
ダンデライ
「ウォオオオオオ!!!」
クーワ
1日目、僕は何もしなかった。
降りかかる火の粉を払い
退屈しのぎに屠るだけ。
血を一滴も浴びずに戦場を歩けるか遊んでいただけ。
2日目の夜
♪11
ダンデライ
「どう言う事ですか!!
何故鞘花である隊長が何もしないのですか!!」
クーワ
「ダンデライー。
要らないなら僕がダンデライの分
食べるですぅーーー」
ダンデライ
「そんなことよりも!!!
一体今日!!何人の隊士が
ラミオラス帝国軍にやられたと思ってるんですか!?
天王空軍ウラノースは生半可ではない!!
空襲を受けて約半分の帝国兵が
瞬く間に死んだんですよ!?」
クーワ
「これが!!ハンバーグですね!!
この黒いソース美味しいです!!!
甘いですねーー!!」
ダンデライ
「クーワ隊長!!!!!」
クーワ
その時、初めてダンデライは
僕の事を隊長と呼んだ。
その声は荒々しくもどこか切なかった。
ダンデライ
「戦ってください!!!
このままでは他の隊が着くまでに
全滅してしまいます!!!
あなたは兄と同じ様に
神に選ばれたんですよね!?」
クーワ
「んーーー。
選ばれた。が正しいかは分かりませーん。
ただ、僕の方が強かった。
それだけですよーー。」
ダンデライ
「ならば!!その強さを証明して下さい!!」
クーワ
「強さを証明するですかー?
何の為にですー?」
ダンデライ
「自分の為にですよ。
強者は強者を引き寄せます。
クーワ隊長が暴れれば更なる強者が現れます。」
クーワ
「弱肉...強食ですかー?」
ダンデライ
「そうです。クーワ隊長が弱いのか
それとも強いのかご自身の為に証明してください。」
クーワ
「僕より強い奴なんていないですよー
ね?そうでしょー?」
ダンデライ
「さぁ。どうでしょうか。
世界は広いので私には分かりません。」
クーワ
「ムムッ」
ダンデライ
「勝てば官軍 負ければ賊軍」
クーワ
「どういう意味ですかー?」
ダンデライ
「正義は必ず勝つ。そんな意味ですよ。」
クーワ
「正義なんて興味ないですー」
ダンデライ
「そうですか。
では、必ず勝つと約束してくれるなら
このハンバーグを差し上げます。
そして、明日勝てたなら
更にご褒美を差し上げますよ。」
♪12
クーワ
「本当ですか!?!?
ダンデライ!!
この黒いソースは何ですかー!?」
ダンデライ
「こ、この黒いソースはチョコレートです。」
クーワ
「チョコレートですかー!?
こんなに甘いのは食べたことないですーー!!
これがハンバーグなんですね!!」
ダンデライ
「そ、それは独創的というか...なんというか...
ま、まぁ私の分もどうぞ召し上がって下さい。」
クーワ
「ありがとですー!!ダンデライ!!」
ダンデライ
おそらく誰かのイタズラか嫌がらせか
デミグラスソースとチョコレートソースを
かけ間違えているのを瞬時に見抜いた私は
怪しまれることなくチョコレートハンバーグを
クーワ隊長の説得材料に使う事に成功した。
一体誰の仕業なのかは功を奏した為
敢えて問わない事にした。
しかし、この無邪気な笑顔に隊士達は
一瞬で心を奪われた事に間違いなかった。
ダンデライ
「おい...
私に"普通"のハンバーグを持ってくる様に伝えろ」
クーワ
「美味しい〜ですぅーーー!!」
♪13
ダンデライ
翌日 天王空軍率いる飛行魔進部隊が
再び現れた。
クーワ
「クッフフフフ
見ててくださーい。」
ダンデライ
そう言うとクーワ隊長は
自身の胸にそっと手を当てた。
まるで祈るかの様に
そして、歌うかの様に口上を唱える。
私はこの時、兄とはまた少し違う 神々 しさを感じた。
より猛々 しく、より禍々しく
より...死を身近に感じた。
クーワ
『『天輪•残響•千手の瞳
血飛沫く咽喉 壊れた人形
劈け遥かに高らかに
賭けるものなど何も無い
唄え 祈りを •謳え!! その死を!!』』
クーワ
『『蒼天叫刃・青藍人魚!!』』
♪14
ダンデライ
「なんて刃汽量だ...兄よりも格段に...
グッ!!暴風で!!!前が!!見えない!!!
下がれ!!巻き込まれるな!!
斬り刻まれるぞ!!!!」
クーワ
『薫風奏者』
「クッフフフフ!!!!!!」
ダンデライ
「空中を飛んで...
飛行戦闘魔進を次々と貫いていく...」
クーワ
「速いですねーーー。でもぉーーー。」
『風切咬魚』
「クッフフフフ!!!クッフフフフ!!
ん?何ですかー?あの魔進。人?
いや、鳥が乗ってる...速い」
ダンデライ
「クーワ隊長!!!!
あれは副団長のサギスケです!!!!!」
クーワ
「副団長ですか...クッフフ
楽しませてくれるですかー?」
『風粼巖!!!』
ダンデライ
「クーワ隊長が天王軍副団長と応戦している!!
引き止めているうちに我々も進むぞ!!!」
♪15
クーワ
世界は広い。きっとその言葉に嘘はない。
だけど僕には分かっていた。
群れる人間の弱さに上塗りしただけの言葉だと。
下で闘ってる姿を見るだけで伝わってくる。
隊士達の弱さが。心の弱さが。
兄を重ねるダンデライの弱さが。
♪16
ダンデライ
「ガッ!!!グッ!!!!
ラミオラス帝国に負けるな!!
我々は千刃花!!!!
ナーベルクの精鋭だ!!!
その力を今見せよ!!!グッ!!!
一歩も下がーーーー」
クーワ
「ムスカリーノとダンデライくらいですかー
まともに闘えるのはー」
ダンデライ
「な!?クーワ隊長!!
サギスケは一体どうしーー」
クーワ
「楽しませてくださーい」
ダンデライ
「クーワ...隊長」
クーワ
「足手まといは邪魔ですよー
ダンデライはもう下がってて下さーい。
後は僕1人で大丈夫ですからー」
ダンデライ
そう言ってクーワ隊長は
フワリと駆け抜け
返り血を風で拭い
次々と青い刃で敵を斬り裂き
その場にいる何百という兵士を殺していく。
この時、私は
呆然と眺めているしか出来なかった。
空っぽの瞳に空っぽの器
飢えるようにそれらを埋めようと踠く少年
私は心の奥底から湧き上がる感情に
虚無 と名付けたが違和感を覚えた。
それは 虚無 などではない。
それは狂気。
違和感の正体は
圧倒的な狂気だった。
クーワ
「クッフフフフ!!!クッフフフフ!!!」
ダンデライ
数時間後のスゴウ平野には死体の山
焼け焦げる嫌な臭い
握りしめていた家族の写真
その景色を眺めるクーワ隊長
その姿は血にまみれていたが
傷は一つも負っていなかった。
♪17
クーワ
「ふぁ〜」
ダンデライ
「隊長...今回も沢山の死者が」
クーワ
「お腹減ったです。」
ダンデライ
「ハイ。用意します。
その前に隊士達に言葉を」
クーワ
「ハンバーグがいいです。」
ダンデライ
「はい。しかし、亡くなった隊士たちに言葉を」
クーワ
「...言葉ですかー?
特に無いですー」
ダンデライ
「...では残った後ろの隊士たちに」
クーワ
「...明日もみんなでごはん食べるですよ」
間
ダンデライ
「あの、クーワ隊長」
クーワ
「何ですー?」
ダンデライ
「ありがとうございました。」
クーワ
「ん?何ですー?」
ダンデライ
「今日、クーワ隊長の活躍が無かったら
四刃花隊は崩壊していました。
部下共々、命を助けて頂き!!
ありがとうございます!!」
クーワ
「みんなしてどうしたですかー?」
ダンデライ
「これは、感謝です。」
クーワ
「感謝?」
ダンデライ
「感謝です。または全幅の信頼。
私達、四刃花隊はクーワ隊長について行きます。」
クーワ
「えー。めんどくさいですー。」
ダンデライ
「いいえ。めんどくさくないです。」
クーワ
「だってダンデライ
難しい言葉使うから嫌いですー」
ダンデライ
「嫌いで結構。
私は好きですから。」
クーワ
「好き?何ですかーそれ。」
ダンデライ
「嫌いの反対ですよ。クーワ隊長。」
クーワ
「ん?よく分からないですねー」
ダンデライ
「チョコレートは好きですか?」
クーワ
「はいです!!!」
ダンデライ
「では私にとってチョコレートはクーワ隊長です。」
クーワ
「えー。ダンデライは苦いですー」
ダンデライ
「そういえば...ハンバーグよりも
美味しいものがありますよ。」
クーワ
「 ジュルジュル
そ、そんなものが!!あ、あるですかー?」
ダンデライ
「良い子にしてたらあげますよ。」
クーワ
「良い子にするですー!!!」
ダンデライ
「フフッ。はい。チョコレートバー。」
クーワ
「うわぁ!!!!
チョコレートの塊ですかー?これ!!」
ダンデライ
「この世界で私しかチョコレートを持っていません。
なので私との約束は絶対です。
守れるなら一個差し上げましょう。」
クーワ
「守るです!!!」
ダンデライ
「一つ目、身体に一個でも穴が空いたら戦線を離脱し
回復に努める事。」
クーワ
「穴が開くわけないですから余裕ですー」
ダンデライ
「二つ目、戦場以外で解放しない事。
解放の余波が凄まじ過ぎますから。」
クーワ
「き、気をつけるですー」
ダンデライ
「そして三つ目。
私より先に...
死なない事。」
クーワ
「何言ってるですかー
死ぬわけないですよー。」
ダンデライ
「はい。分かってます。
でも、誰もが死ぬとは思いません。
唐突に奪われる様に死ぬのです。
最後の一つは絶対に守って下さい。
クーワ隊長が死ぬ前に私が死んでみせますから」
クーワ
「死ぬ事は弱い事ですー
でもーこのままだと四刃花隊は死んじゃいますねー
弱い部隊の隊長は嫌ですー。
だからみんな僕と殺し合うですー」
ダンデライ
「な、何を言ってるんですか?」
クーワ
「またの名を"死闘"って言うらしいですー
明日から始めますねークッフフフフ」
ダンデライ
「クッ...クーワ隊長!?」
クーワ
「さぁー食べるですよー
寄越すです!!ダンデライ!!」
ダンデライ
「お、落ち着いて下さい!!
クーワ隊長!!!」
クーワ
「食べるですーーー!!!!」
ダンデライ
「フフッ。クーワ隊長。」
クーワ
「早く寄越すですー。」
ダンデライ
「私には兄がいました。」
クーワ
「知ってますー」
ダンデライ
「よく兄とも幼い頃
お菓子を取り合ったものです。」
クーワ
「時間稼ぎですー?」
ダンデライ
「なんのですか!!?
違いますよ。
ただ、懐かしく思えただけです。
クーワ隊長。
兄の最後は何を考えていたのでしょうか。」
クーワ
「知りませーん。」
ダンデライ
「青藍人魚は...なんと?」
クーワ
「...聞いてみるですー。
答えてくれるか分からないですけどー。」
ダンデライ
「...はい。差し出がましいお願いを
お許しください青藍人魚様。」
間
クーワ
「弟を深く愛していた。と
そう...言ってるです
愛...ってなんですか?」
ダンデライ
「そう...ですか...
そうですか...。
私も...深く...深く...愛して...いました。」
クーワ
ダンデライの苛立ちの原因が
少し分かった気がした。
想像と同じだった。
そしてこの日を境にダンデライの眼差しが
暖かく感じられた。
陽だまりの様な暖かさに触れるのは
とても居心地が良かった。
これが...僕と
ダンデライ
私の
クーワ
始まり。
ダンデライ
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作者 REN’sJackson
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
YONJINCA TAI's Side Story
【 The Brother 】
※音楽がある場合鳴り止むまで待つ
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♪18
ダンデライ
おまけ
スゴウ平野の戦いから1か月
隊舎に戻った私達は
荷物を纏めていた。
クーワ
「ダンデライー。
荷物運ぶの面倒くさいですーあっ。」
ダンデライ
「クーワ隊長!!
運ばないでと言いましたよね?
ムスカリーノ!!!クーワ隊長の荷物を!!」
クーワ
「はーい。
で、お給料はどこに入れるですかー?」
ダンデライ
「お給料!?
口座に振り込んでもらって下さい!!」
クーワ
「口座?なんですー?それ。」
ダンデライ
「ハァ。私が管理しますから。
必要な時は私に言ってください。」
クーワ
「はーい。じゃあチョコレートバー50億個」
ダンデライ
「買えませんよ!!そんなに!!」
クーワ
「じゃあお給料
全部チョコレートにしてもらって下さーい。」
ダンデライ
「生活費は全部
私持ちですか!?」
クーワ
「はいですー」
ダンデライ
「はいですー
じゃないです!!」
クーワ
「だって一緒に住むんですよねー
お金ないと
生きていけないって聞きましたよー?」
ダンデライ
「さっきまでチョコレートに
変えようとしてましたよね?
それに、正確には一緒ではないですよ。
私の部屋の隣です。」
クーワ
「ダンデライ。」
ダンデライ
「はい。」
クーワ
「ダンデライの部屋どっちですー?」
ダンデライ
「ちょうどこの部屋の真隣ですね。
心配しないでください。壁は厚いでーーー」
クーワ
「てい!!!!」
ダンデライ
「ククク、クーワ隊長!!?!?」
クーワ
「穴あけておきましたー。
これで何かあればすぐ呼べますねーダンデライ」
ダンデライ
「ハァ......もういいです。
クーワ隊長のお給料で
このフロア全部買っときましたから。」
クーワ
「給料泥棒ですかー?良い度胸してるですー」
♪19
ダンデライ
「どうせ壊すからですよ!!
当分は私が生活費持ちますから
それでいいですね?」
クーワ
「チョコレートバー50億個...」
ダンデライ
「ありません。」
クーワ
「ムスカリーノ!!
買ってくるですよー!!!」
ダンデライ
「どこにも売ってませんよ?
チョコレート市場は私の手の内ですから」
クーワ
「ムムッ!!
デパートに行ったらあったですよー?」
ダンデライ
「偽物ですよ。それ。」
クーワ
「偽物!?」
ダンデライ
「本物はこちらです。」
クーワ
「あっ!!」
ダンデライ
「しばらく大人しくしてるなら
最高級の庶民派チョコレートバーをあげますよ。」
クーワ
「はいですー!!」
♪1
ダンデライ
兄の持っていた青藍人魚
それを持って現れた少年。
歳も見た目もあまりに違う。
しかし胸に込み上げるものは
どことなく似ていた。
血の繋がりが無くとも
込み上げるものが同じだとしたら
心は繋がるのかもしれない。
そう
まるで"兄弟"の様に
例え死が
2人を別とうとも
私と、兄の様に。
読んでくれてありがと。
ダンデライとクーワを中心の話しだけど
クーワに兄の存在を重ねながらも
今度は自分が兄として見守る。
そんなダンデライの意志が
伝わってくれていたら
いーなーって思います。
2人しかでないけど
いかにダンデライが兄を大切にしていたかって言うのが
分かったんじゃないかな?
みんなはどうだった?楽しめたかい?
こんな世の中だからこそ
千刃花で現実逃避して
楽しんでもらいたいものです。
では、次回はジニアズサイドストーリーのBパートで
お会いしましょう!!