劇情版1th Anniversary Special Edition's Side Story TAKE1 THE PANIC ROOM IN WONDERLAND
※この物語は一章の続きですが
物語を読む順番は
4章のseason5まで読んでから
お読みください。
2020年の7月で1周年を迎えました。
ただ、物語の都合上や
色々な事が重なって
書くタイミングを見失っていたので
今回は他作者様とのイベントという事もあり
やっと書くことが出来ました。
この物語はルシファンブルクから1週間後の出来事です。
長すぎたので3部作になりましたが
本当は一つにまとめたかった笑
だっておまけ三つも書かないといけないんだよ!?
挿絵も増えるやんか!!!
って事で今回の物語の為の挿入歌も
作ったので気合いの入りようが
違います。
もはやサイドストーリーは
気持ちは映画の脚本ばりに
書いているので書くのも大変。
特に3部作目(1/21公開)は
本当大変。もうまじで笑
新キャラが多数登場しますので
そちらもお楽しみに!!
では、楽しんで!!
♪1 Panic Room/ Au/Ra
隊士A
「はぁ...はぁ...嫌だ...嫌だ...嫌だ!!」
隊士B
「もう...やめてよ...もうやめてぇ!!!」
隊士C
「死んじゃうよぉおお!!!!」
隊士A
「離せぇ!!!グッ!!離してくれよぉ!
く、来るな...来ないでくれぇ!!!」
隊士D
「やめてぇえ!!!!!!」
隊士A
「嫌だぁぁあ!!!!...アッ」
隊士B
「いやぁぁあ!!!!」
隊士D
「お願い......助け...デッッ!!」
隊士C
「ゥウッ...ゥウッ...ゥウッッ」
隊士E
「みん...な...死ぬんだ...
僕らみんな死ぬんだーーガッ」
隊士F
「死にたくない死にたくない死にたくない
死にたくなぁぁぁあアア"!!」
隊士B・隊士C
「やめてぇええええええ!!!!!」
♪1
----------------------------
N
作者 REN’sJackson
劇情版
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
番外篇 1th Anniversary
Special Edition's Side Story TAKE1
【THE PANIC ROOM IN WONDERLAND】
----------------------------
※BGMがある場合鳴り止むまで待つ
N
ーー1週間後ーー
ルシファンブルク強襲の爪痕が残る
五刃花隊 隊舎前通路
未だに改装工事が行われていた。
そんな中リナリアはMangoroid を見ながら
1人 彷徨っていた。
リナリア
「えーっと...五刃花隊の隊舎は...っと」
ラキーナ
「えーっと...」
リナリア・ラキーナ
「あっ!!」
N
互いに"歩きMangoroid "をしていたせいで
ぶつかってしまった。
ラキーナ
「あ!え!?だ、大丈夫ですか!?!?
す、すみません!!」
リナリア
「いてて...どこ見て歩いてんーーーーん?
ラキーナちゃん!?どうしたの??」
ラキーナ
「すみません!すみません!!
すみません!!」
リナリア
「...ラキーナちゃん?
そっちは壁よ?」
ラキーナ
「あっ!!すみません!!
すみません!!
えっと...メガネ...メガネ...メガネ」
N
ラキーナはぶつかった拍子に飛んだメガネを
手探りで探していた。
リナリア
「はい。メガネ。」
ラキーナ
「あ、あの!!その!!
どなたか存じませんが
ありがとうございます!!」
リナリア
「まずは...メガネかけようね?」
ラキーナ
「ひっ!!すみません!!すみません!!
えーっと貴方様は...」
N
そしてようやくラキーナはメガネをかけた。
ラキーナ
「ひぇーーー!!!!!
リナリア副隊長!!!!!!!」
リナリア
「大丈夫だった?怪我はない?」
ラキーナ
「わ、私よりも
リナリア副隊長の綺麗なお身体に
傷でも付いていたら...
すみませんでした!!」
リナリア
「大丈夫よ。
お互い"歩きMangoroid "には
気をつけましょうね。」
ラキーナ
「は、はい!!」
リナリア
「フフッ。あんまり緊張しないでね!」
ラキーナ
「は、はい!!私、緊張しいで...」
リナリア
「本当にそんなに緊張しないでよ。
ったく。チョウランにラキーナちゃんの
爪の垢を煎じて飲ませたいくらいね!!
リラックスしてほら。」
ラキーナ
「は、はい!!」
リナリア
「あ、そういえばラキーナちゃん
副隊長代理になってから
結構長いわよね?」
ラキーナ
「そ、そうですね。」
リナリア
「アナスタシア隊長も
そろそろ決めるのかしら?」
ラキーナ
「いえ、副隊長は
お決めにならないと思います。」
リナリア
「そうなの?」
ラキーナ
「...はい。」
リナリア
「そっかぁ。
それはそうとラキーナちゃん
どうしてここにいるの?」
ラキーナ
「アナスタシア隊長から
レンゲイ隊長に渡すものを
預かって来たんです。」
N
すると、遠くから聞き覚えのある声がした。
ガーベラ
「リナリアせーんぱぁあい!!
と、だれぇえ??」
リナリア
「あっガーベラちゃん!!
良かったぁ!!迷っちゃって!!」
N
小柄なガーベラはぴょんぴょん跳ねながら
リナリアに向かって手を振っていた。
ガーベラ
「リナリアせーんぱぁあい!!
っとだぁあれ!?」
リナリア
「いや、聞こえてるよ?」
ガーベラ
「せーんぱぁあい!!っとだぁれぇ!?
見えるすかぁあ!?ーーー」
リナリア
「だからちゃんと見えてるって!!ーー」
ダンデライ
「ぴょんぴょん跳ねなくても
見えていますよ。」
ラキーナ・リナリア
「ひぁっ!!」
N
すると、突然
四刃花隊の副隊長
ダンデライが後ろから現れた。
ガーベラ
「げぇっ。ダンデライ副隊長」
ダンデライ
「リナリアさんお久しぶりです。
それに、ラキーナ副隊長代理。」
ラキーナ
「お、お久しぶりです!!」
リナリア
「え!?ダンデライさん!?お久しぶりです...
って!!どうしてここに!?」
ダンデライ
「どうしてと言われましても私もーー」
ガーベラ
「遅いっすよ!!!」
N
小走りで走ってきたガーベラは
大きなため息をついた。
ガーベラ
「はぁ。ダメっすねぇ
アチシが迎えに来て正解っす!!って!!
近付いても分からない人がいるっす!
誰すか!?!?」
ダンデライ
「彼女は七刃花隊の
ラキーナ=ノヴァ副隊長代理です。
面識は無いですか?」
ガーベラ
「七刃花隊の副隊長以下は
みーんな同じ顔に見えるっすからね!!」
リナリア
「ちょっと!ガーベラちゃん!!」
ガーベラ
「だってみーんな白衣着てるじゃないすかー
メガネキャラ被ってるし!!!」
ラキーナ
「ひぃーー!!」
ダンデライ
「何ですかその理由。」
ラキーナ
「わ、わぁー。
副隊長に囲まれる事が
あ、あまり無いので...あ、あの」
リナリア
「もうー。緊張しないでよ!!
レンゲイに会いに行くんでしょ?
ほら、行くわよ。」
ラキーナ
「は、はい!!
緊張しないのは無理ですけどぉ...」
N
そして4人は歩き出した。
リナリア
「ごめんねガーベラちゃん
五刃花隊の隊舎に
久しぶりに来たから迷っちゃって」
ラキーナ
「わ、私も迷ってしまって...
本当、すみません。」
リナリア
「まさかこんな大改装してると
思わないわよねぇー?ラキーナちゃん」
ラキーナ
「あ、あの、その...はい。」
ガーベラ
「えー!?迷います!?
零華の真横ですよ!?
もしかして...方向音痴っすか!?
え!?方向音痴なんすか!?!?」
リナリア
「ち、違うわよ!!
兄さんと一緒にしないで!!」
ラキーナ
「わ、私が悪いんです!」
ガーベラ
「えー!?!?そうなんすか!?」
ダンデライ
「悪くないですよ。」
リナリア
「んな訳ないでしょ。」
ダンデライ
「ふざけていないで急ぎましょう。
少し遅れてしまったので。」
ガーベラ
「待ちな!!」
ラキーナ
「ひぇ!?」
ダンデライ
「なんですか?」
N
4人は立ち止まると
189cmあるダンデライを
148cmのガーベラが
つま先から頭までゆっくり見上げた。
ガーベラ
「おうおう...身長もでかけりゃ
態度もでかいってか!?
ここはもう五刃花隊の敷地内でっせ!!
四刃花隊の副隊長が
風切って歩けると思うなっすよ!!」
リナリア
「どうしたの?ガーベラちゃん??」
ラキーナ
「わ、私に怒ってます!?」
リナリア
「怒るわけないでしょ!!」
ラキーナ
「ひぇー!!」
N
しかしダンデライは見向きもしなかった。
ダンデライ
「ガーベラさん。
エレベーターが開きましたよ。
ほら、乗ってください。」
ガーベラ
「ふんっ!!」
リナリア
「んもう!!乗るよ!!」
ガーベラ
「リ、リナリア先輩!!
離してくれっす!!!離してくれっす!」
N
リナリアは暴れるガーベラの背中を押して
ダンデライ、ラキーナと共に
エレベーターに乗り込んだ。
しかし、ガーベラの機嫌は変わらなかった。
ラキーナ
「わ、私、ボタン押します!!」
N
ラキーナは最上階のボタンを押し
巻き込まれないように
背中を、ぴったりとくっつけていた。
ガーベラ
「四刃花隊の隊士は
そりゃぁもう零華で
偉そうに偉そうに
振る舞いやがるんすよ!!
自分達が前戦に立ってて
救護部隊のアチシら五刃花隊は
後方で看病してるだけだって
思ってるんすよ!!」
ダンデライ
「うちの隊士達がそんな失礼な事を?
副隊長として無礼を詫びます。
申し訳ありませんでした。」
リナリア
「会って早々、失礼よ?ガーベラちゃん。」
ダンデライ
「しかし、うちの隊士達からも
入院しているのにも関わらず
ガーベラさんにぶっ飛ばされたと
報告が上がっているんですが
これはどういう事でしょうか?」
ガーベラ
「生意気言う奴を
ぶっ飛ばしてやったんすよ!!」
ダンデライ
「失恋男爵で?」
リナリア
「え!?形状変化で殴っちゃダメよ!」
ラキーナ
「つ、着きまーす」
N
するとチーンっと音が鳴り
エレベーターが開いた。
五刃花隊隊舎
最上階 隊長室前
ーー数分後ーー
リナリア
「ねぇ...こんなに遠かったっけ?」
ラキーナ
「な、なんか迷路みたい...ですね...」
ダンデライ
「私も久しぶりに来たので
あまりよく覚えていませんが
...遠いですね。」
ガーベラ
「改装中っすから。
どっかの誰かさんが
ぶっ壊しちゃったんでね!!」
リナリア
「あはは...兄さん...よね?」
ダンデライ
「ゲイジュの乱ですか...
クーワ隊長が居たら
もっと甚大な被害が
出ていたと思いますよ。」
リナリア
「確かに...」
ガーベラ
「全壊っすからね!!」
ラキーナ
「も、もう着くみたいですよぉ?」
N
するとガーベラはバーンッと
隊長室の扉を開けた。
ラキーナ
「ひぁっ!!」
ガーベラ
「先輩!!戻りやした!!」
N
扉を開けると綺麗に整えられた真っ白な部屋に
沢山の本が収まった本棚がびっしりとあった。
そこには大きなモニターと
小さな桜の木が植えられており
ほのかに桜の優しい香りがした。
レンゲイ
「ガーベラくん。随分と遅っ...え?
なんで怒ってるんですか??」
リナリア
「いいのよレンゲイそこは放っといて」
レンゲイ
「そ、そうですか。」
ガーベラ
「アチシお菓子とってきやす!!」
N
そう言うとガーベラはプンスカと
奥の部屋に入って行った。
リナリア
「レンゲイ大丈夫?
ちゃんと眠れてる??」
レンゲイ
「大丈夫ですよ。
桜雌鹿のお陰で
だいぶ楽ですから。」
リナリア
「そう。あんまり無茶しないでね。
ガーベラちゃんは心配すればするほど
煙たがられそうだし
何より大丈夫そう...よね?」
レンゲイ
「えぇ。グレイ家の葬式は
また後日になりましたし
ガーベラ君も千刃花に
入ったら死ぬ覚悟はあって当たり前だ。
って言ってましたから。
ご心配ありがとうございます。
リナリアさん。」
ダンデライ
「お久しぶりです。レンゲイ隊長。
此度のキスツス隊長の件
心中お察し致します。」
レンゲイ
「いえ...ありがとうございます。」
ダンデライ
「それで、私に何か御用ですか?」
レンゲイ
「その事なんですが...ん?
何故、ラキーナ副隊長代理が?」
ラキーナ
「あ、ご、ごめんなさい!!
あ、あの!!アナスタシア隊長から
これを渡すようにと
仰せつかりました!!」
N
ラキーナはポケットから
拳くらいの大きさの匣を取り出した。
レンゲイ
「これは...」
ガーベラ
「え!?何すか!?何すか!?」
N
するとまたもや扉がバーンっと開いた。
ジジ
「よぉ。おめーら遅せぇんだよ!!」
ダンデライ
「ジジ副隊長!?お久しぶりです!!」
リナリア
「あんたが一番遅いんでしょーが!!」
ジジ
「よぉダンデライ。
それにリナリア、レンゲイ、ラキーナ。
ん?ラキーナ?まぁいいや...」
N
ジジは全員を見たあと歩き出した。
ガーベラ
「ムムッ!?
ジジの兄貴ぃぃい!!
アチシもいるっすよ!!!」
ジジ
「それで今回の件だが」
ガーベラ
「目ぇ合ったっすよね?
合ったっすよね!?
無視すんなぁあ!!!」
N
するとガーベラはジジに突撃した。
ジジ
「おっと。」
N
ジジは素早くガーベラの頭を押さえた。
ガーベラ
「ウリウリウリウリ!!!」
N
頭を押さえられたガーベラは
ブンブン腕を振り回していた。
ジジ
「何だ居たのかチビ。」
ガーベラ
「誰がチビじゃぁ!!!!!」
ラキーナ
「ひぇーー!!こ、怖いです!!」
レンゲイ
「はぁ。ガーベラ君。
いい加減にしてください。」
ガーベラ
「チビって言いやしたね!!!
このパッツン貴族が!!!!」
ジジ
「あ"ぁ!?
万年チョンマゲチビが何言ってんだぁ?」
ガーベラ
「何をぉお!?」
リナリア
「もう!!ジジ!!
からかうのはやめなって!!」
ラキーナ
「わ、私が全部悪いんです!!!」
ガーベラ
「え!?そうなんすか!?」
リナリア
「違うでしょうが!!」
ジジ
「ラキーナは前から
全人類の罪を被りたがる癖があるからな。」
ガーベラ
「 聖人君子っすか!?」
ラキーナ
「わ、私がもっと皆様に注意を払っておけば
ジジ副隊長とガーベラ副隊長の髪型も
不快に思わせない髪型に出来たハズです。
本当にごめんなさい」
ジジ
「おいおいコイツ喧嘩売ってんのか?
誰が不快に思わせる髪型だって!?」
ガーベラ
「おぅおぅネェちゃんよぅ
アチシのこのマゲは頂点に立つって
意味合いがあるって
知らねぇみたいっすね??
おう!?ねーちゃんよぉ!!」
ラキーナ
「あわわわわ!!
わ、私そんなつもりで言ったわけでは
無いんです!!すみません!!
すみません!!」
ダンデライ
「あの、レンゲイ隊長。
私は次の任務の待機中ですので
なるべくなら手短にお願いします。」
レンゲイ
「その任務がこれですよ?」
N
その言葉にジジ以外が驚いた。
ダンデライ・リナリア・ガーベラ・ラキーナ
「え!?」
ジジ
「そうだぜ?っと」
N
するとジジはガーベラの頭を離し
横にイナして足を引っ掛けた。
ガーベラ
「ブヘッ」
レンゲイ
「一刻を争う事態です。」
リナリア
「何があったの!?」
レンゲイ
「先程、オルケイディア大隊長から
特別任務を与えられました。
そう。特級厳令です。」
ダンデライ
「特級厳令...ですか!?」
ジジ
「そうだ。特級厳令って事は
隊長、副隊長の編成で
任務遂行するって事だ。」
リナリア
「なるほど...だから集められたのね。」
ダンデライ
「ですが...一刃花隊が
他隊と連携を組むんですか!?」
ジジ
「義忠は来ねぇ。他隊士も来ねぇ。
一刃花隊からは俺だけだ。
だから隊としての連携じゃねーよ。」
リナリア
「珍しいわね」
ラキーナ
「わ、私は届けに来ただけです...よね?」
レンゲイ
「安心してください。そうですよ。」
ラキーナ
「よ、良かったぁあ。」
ガーベラ
「イタタタって先輩!!
アチシ聞いてないっすよ!?!?」
レンゲイ
「言いましたよ?僕。」
ガーベラ
「えー!?」
レンゲイ
「それに改装してて迷うだろうから
迎えに行くようにって
下に降りたんじゃないんですか?」
ガーベラ
「あ。そうでした。」
レンゲイ
「はあ。もういいですけど。
ジジさん。詳細をお願いします。」
N
するとジジはMangoroid を取り出して
部屋にある大きなモニターに地図を出した。
ジジ
「見てくれ。
今回はナーベルクの北西に位置する
クンカクンスって小さな村へ行く。
まず話さなきゃなんねぇ事が
幾つかあるが端的に言うと
救出、及び調査だ。」
ダンデライ
「救出!?何があったんですか!?」
ジジ
「数週間前からクンカクンスの住人と
一切連絡が取れなくなったと
帝国兵の報告があった。
ナーベルクは調査に向かわせたらしいが
その調査隊も連絡が取れなくなった。」
ダンデライ
「なんと...。それは初めて聞きますね。」
レンゲイ
「クンカクンスは元々
山々に囲まれた谷の中心にある秘境です。
ですが、とても長閑な村だと聞いています。
ルシファンブルクと違って
近代的なものは殆ど無い村なので
こちらに情報が伝わりづらいのは
むしろ当然ですね。
それと、現地までは飛行魔進で向かいましょう。
離着陸できる所があるか分かりませんが
徒歩で山の麓に着いてから
更に1日はかかるそうです。」
ラキーナ
「あ、あのぅ」
レンゲイ
「どうしました?」
ラキーナ
「す、すみません割って入ってしまって...」
レンゲイ
「いいですよ?どうしましたか?」
ラキーナ
「わ、私...その...
クンカクンス出身なんです。」
レンゲイ
「なんと。そうだったんですね。
では、今回の件...」
ラキーナ
「あっ。
と言っても幼い頃に住んでいただけなので
肉身が住んでるとかはないんです。
な、なのでそういう心配は
特に...ないんですが...」
ダンデライ
「なるほど...
それを見越してアナスタシア隊長は
ラキーナ副隊長代理を遣わせたのですか。」
ラキーナ
「わ、分かりません...」
レンゲイ
「彼女からどんな村か聞けって意味ですね。
ちなみにどんな村なんですか?」
ラキーナ
「そ、そんなに覚えてないんですが
時折、歌うんです。」
ジジ
「歌?」
ラキーナ
「そ、その...谷が」
ガーベラ
「んなわけ無いすよ!!
どんな谷すか!!」
リナリア
「最後まで聞いてみよ。
続けてラキーナちゃん」
ラキーナ
「は、はい。
山から吹く風が谷と森を吹き抜けて
まるで歌っているように聴こえるんです。」
リナリア
「素敵じゃない。
行ったら聞けるかな??」
ジジ
「旅行じゃねーぞ。」
リナリア
「分かってるわよ。
でも素敵じゃない?」
ガーベラ
「め、迷信すよ!!
普通にあり得ないっす!!」
ダンデライ
「怖いんですか?」
ガーベラ
「ビビビビ、ビビってないっすから!!
アチシがそんな歌より
大きな声で歌いやすから!!」
レンゲイ
「やめて下さい。
ガーベラ君は歌が下手なんですから。」
ガーベラ
「そ、そんな!!先輩ひどいっすよぉ
ひどすぎて...
アチシ今ここで
アナスタシアねぇさん仕込みの
演歌歌ってやる!!ゴホンッ」
レンゲイ
「勘弁してください。」
ガーベラ
「何をぉ!!」
ラキーナ
「で、でも酔った村人が歌っていたとも
言われてるので、そのなんとも...」
リナリア
「それだったら全然素敵じゃないわね。」
ジジ
「お前みてぇじゃねぇか。」
リナリア
「はぁ!?ぶん殴るわよ!?」
ラキーナ
「あ、でも森の奥には行かない方がいいって
言われています!!
手つかずの自然のままを残すために
自然文化遺産に登録されてるので
人も足を踏み入れないんです。
それに...未開の地なので危険かと。」
レンゲイ
「自然文化遺産で、未開。
よほど美しいんでしょうね。
ありがとうございました。
参考にさせていただきます。」
ガーベラ
「参考になりやした??」
ダンデライ
「ガーベラさん。」
ラキーナ
「す、すみません!!
すみません!!すみません!!」
ダンデライ
「頭を上げて下さい。
ご協力有難うございました。
場合によっては森に向かうと思いますが
私たちなら大丈夫でしょう。」
ラキーナ
「は、はい。」
レンゲイ
「では話を戻しましょう。ジジさん。」
ジジ
「あー...それで事態を重くみた上層部が
千刃花にヤマを回してきた。
それでうちの警邏部隊に調べに行かせたが
結局、そいつらも未だに帰って来てねぇ。」
レンゲイ
「そういう事です。
なので、今回は
一刃花隊隊士6名の救出
クンカクンスの住人の安否確認
そして、その原因の解明です。」
ガーベラ
「救護部隊のアチシと先輩
警邏部隊のジジの兄貴は分かりやすが
どうしてリナリア先輩とダンデライ副隊長が
同行するんすか??」
レンゲイ
「それは簡単ですよ。
特級厳令とはそれほど深刻だという事。
現状動ける副隊長は全員向かえとの命令です。
三刃花隊は国境付近の任務中ですし
ゲイジュの乱により今は改築、
改装している隊舎が多いですから
隙だらけの帝国に鞘花である隊長を
なるべく動かすわけには行きません。
弱っているナーベルク帝国が
再度、強襲された場合大変ですからね。」
ダンデライ
「しかし、私が離れてしまった場合...
クーワ隊長を誰が見てくれるのですか?」
ガーベラ
「あ...あの人やばいっすからね。
それで無くとも強襲された時
居なかったもんだから
ご機嫌斜めそうにしてたっすもん」
ダンデライ
「その通りなんです。」
ジジ
「心配すんな。
プラムがお菓子の家に閉じ込めたはずだ。」
ダンデライ
「なんと!?」
ガーベラ
「えー!?!?そんな家あるんすか!?
アチシも行きたーい!!行きたーい!!」
ラキーナ
「お、お菓子の家...お、おいしそうです。」
リナリア
「ガーベラちゃん。
いわゆる軟禁よ?わかってる?」
ガーベラ
「軟禁!?スイーツパラダイスっすよぉ!
とろけるプリン!!甘いケーキ!!
ふわふわなシュークリーム!! ジュルル 」
レンゲイ
「とにかく食べ切る前に任務を終わらせます。
ジジさん。お菓子の家の大きさは?」
ジジ
「30坪くらいの一軒家だ。」
レンゲイ
「なるほど...ダンデライさん。
食べ尽くすまでのタイムリミットは?」
ダンデライ
「およそ1日半かと思われます。」
ラキーナ
「ひぃぇっ」
ガーベラ
「早ッ!!!!
どんな勢いで食べてるんすか!!」
ダンデライ
「ちなみに...メインの味は?」
ジジ
「チョコだ。」
ダンデライ
「では1日ですね。」
ラキーナ
「ク、クーワ隊長...怖いです...」
リナリア
「す、すごいわねクーワ隊長」
レンゲイ
「分かりました。
では1日で終わらせましょう。
ガーベラ君。」
ガーベラ
「もうヱ流9の準備は出来てますぜ!!」
ラキーナ
「あ、あの...レンゲイ隊長...匣を...」
レンゲイ
「あ、そうでしたね。」
ジジ
「ん?何だそれ?」
N
レンゲイは匣から
拳で握れるほどの赤い玉を取り出した。
すると一瞬で部屋を包んだ桜の香りが
無くなってしまった。
ジジ
「これは!!!」
レンゲイ
「なるほど...赤い玉...
今ので少し濁りましたね。」
ダンデライ
「どういう目的で...」
リナリア
「え?何??」
ガーベラ
「み、見えないっす!!もっと低く!!」
ラキーナ
「はい。これは魔導具です。」
リナリア
「魔導具って...」
ジジ
「刃汽がこもった道具だ。
レア中のレアだぜ?魔導具は。
刃汽がこもった核に
特殊な施工をして使うものもあれば
核そのものが魔導具として
使える場合もある。
それに製造方法も未解明で
古の秘術だって言われてんだ。
今回は核そのものが魔導具みたいだな。
にしても、アナスタシアの野郎...
よく自分のコレクションを貸したな。
なんか密約でも交わしたのか?レンゲイ」
レンゲイ
「たいした事じゃないですよ。」
ジジ
「ん?」
ダンデライ
「アナスタシア隊長は確か
魔導具収集家ですよね?」
ジジ
「昔からな。
強力な魔導具を探して研究してんだ。
魔導具をコンプリートしたいんだとよ。
なんの為か知らねーけど。」
ラキーナ
「それで...あ、あのぉ。
今回、私が預かったのは
紅玉です。
または香りの玉、香玉とも
呼ばれています。」
レンゲイ
「手のひらで握れるぐらいの大きさに
ある程度の重さ。
そしてやはり刃汽を感じます。」
ダンデライ
「魔導具が必要だと
アナスタシア隊長は判断したという事ですか」
リナリア
「どんなものなの??」
ジジ
「香玉は匂いを吸収したら
吸収したものを放出することができる。
吸った分だけ紅い玉は濁って、
黒くなれば放出しない限り吸えねぇ。
だが気を付けろレンゲイ。
触れた者の刃汽を利用するからな。」
レンゲイ
「そうみたいですね。
なので鞘花である僕が
持つべきかと。」
リナリア
「ジジ...詳しいのね。感心したわ。
アナスタシアさんから
教えてもらったの?」
ガーベラ
「カンペでも読んでるんすか!?
まるで台詞みたいに言ってますぜ!?」
ジジ
「読んでねぇよ!
前にプラムから教えてもらったんだよ!!
あいつがなんで華四百花に
選ばれたか知ってんだろ!!」
ラキーナ
「あのぉ...」
ジジ
「なんだよ。」
ラキーナ
「ひぇぇ!!こ、コレを!!」
レンゲイ
「ん???」
N
ラキーナは2、3枚ある資料をレンゲイに渡した。
ラキーナ
「で、では!!わ、私はこれにて!!
し、失礼いたします!!
他の件に関しては私が
追記メモを残してあるので
後は資料でご確認下さい!!
で、では!!
す、 すみませんでした!!」
リナリア
「ちょ、ラキーナちゃん!?」
N
すると資料の間から1通の手紙が
スルッと落ちた。
ガーベラ
「逃げる様に行っちまったっすね!
ん?手紙!?もしかして...
ラブレターァァア!!!!??
あの瓶底メガネ!!図ったな!?
お姉ちゃんに代わって成敗してくれる!!
滅刃のーーー」
レンゲイ
「待ってください。
ラブレターじゃありませんよ。」
ガーベラ
「なぬ!?」
ダンデライ
「なんて、書いてあるんですか?」
ジジ
「アナスタシアか?
きっとろくなもんじゃねーぞ。」
レンゲイ
「きっと重要な事ですよ。」
N
そして、レンゲイは手紙を開いた。
そこにはこう書かれていた。
間
N
"貸し一つ"
ジジ
「ハッハハハッ!!な!?
ろくなもんじゃねーだろ?」
レンゲイ
「フフッ。
アナスタシアさんらしいですね。」
ダンデライ
「相変わらず面白いお方だ。」
リナリア
「兄さんなんて貸し数えたら
日が暮れちゃうくらいよ?
どうって事ないわよ。」
ガーベラ
「そ、そうすよねぇ!!
あの!!先輩!!聞きたいんすけど!!
そ、その貸しは副隊長のアチシには
か、関係ないっすよね!?!?
ね!?先輩!?!?ね!?」
レンゲイ
「僕が返せないときは
ガーベラ君が返すんですよ?」
ガーベラ
「えー!!そんな!!」
レンゲイ
「副隊長ですからね。
それとも副隊長辞めますか?」
ガーベラ
「ぐぬぬぬッ!!
副隊長では居たい!!
そしてあわよくば鞘花になりたい!!
あっ。」
レンゲイ
「野心が見えてますよ。」
ジジ
「とにかくアナスタシアは
役に立たねぇもんは渡さねぇはずだ。」
ダンデライ
「そうですね。きっと役に立ちます。」
リナリア
「そうね。特級厳令の任務
気を抜かないでねみんな!!」
ガーベラ
「当たり前っすよ!!」
レンゲイ
「ではこれより五刃花隊専用 移動用 小型 飛行魔進ヱ流9に乗り
特級厳令の任務を遂行する。
目的地はナーベルク北西クンカクンス。
心してかかるように!!」
N
そしてレンゲイはビシッと背筋を伸ばした。
レンゲイ
「一刃花隊副隊長ジジ
四刃花隊副隊長ダンデライ
五刃花隊副隊長ガーベラ
六刃花隊副隊長リナリア
八ツの花びらに幸運あらんことを!!」
ダンデライ・ガーベラ・リナリア
「ハッ!!!」
♪1
ジジ
((どうも、この任務...ニオうな...。))
N
彼らは知らなかった。
命を賭けた殺人遊戯が
幕を開けることを。
N
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ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
番外篇 1th Anniversary
Special Edition's Side Story TAKE1
【THE PANIC ROOM IN WONDERLAND】
to be continued ...
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※BGMが有る場合鳴り止むまで待つ
N
おまけ
配役変更
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ラキーナ▶︎▶︎▶︎クーワ
レンゲイ▶︎▶︎▶︎N
N▶︎▶︎▶︎ムスカリーノ
リナリア▶︎▶︎▶︎プラム
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N
ここは千刃花合同演習場
そこには大きなお菓子の家が建てられていた。
ムスカリーノ
「はぁ、はぁ、た、隊長!?」
クーワ
「...なんですかー?これー?」
N
クーワにギロッとニラまれたムスカリーノは
たじろいでいた。
プラム
「ご機嫌よう。
ムスカリーノ副隊長代理、クーワ隊長。
お菓子の家ですわ。
どうぞ、日頃の任務を労う為に
華四百花から
クーワ隊長にプレゼントです。」
クーワ
「お、お菓子の家ですかー?」
N
クーワはお腹をグルグルと鳴らしながら
その家を眺めていた。
ムスカリーノ
「だ、だから言ったじゃないすか!!
クーワ隊長にプレゼントがあるって!!
全然信用してくれないんですから!!」
クーワ
「何か言ったですかー?」
ムスカリーノ
「な、何も言ってないっす!!」
プラム
「高級チョコレートをふんだんに使った
甘ーい。甘ーいチョコレートの家です。」
クーワ
「食べれるですかー?」
プラム
「えぇ。もちろんですわ。
全てクーワ隊長のものです。」
ムスカリーノ
「よ、良かったっすねぇ!!!」
N
すると、クーワはプラムを見た。
プラム
「どうかなさいました?」
クーワ
「ダンデライが見当たらないですー」
ムスカリーノ
((ヤベッ!!気づいちゃったよぉ!!))
クーワ
「ムスカリーノ」
ムスカリーノ
「は、はい!!!
副隊長は今、別任務ーーあっ違った。
お買い物です!!」
クーワ
「ん?任務??
面白そうな任務ですー?」
ムスカリーノ
「つ、つまらないですよぉー。
クーワ隊長のお菓子を
買いに行ってるんすから!!」
クーワ
「僕のお菓子を買いに行く任務がー
つまらないですかー?」
ムスカリーノ
「え!?違っ!!ぎゃぁーー!!」
N
クーワは風を巻き起こして
ムスカリーノの頬を切った。
ムスカリーノ
「ぇえ!!?!痛っ!!」
プラム
「クーワ隊長。チョコレートが
溶けてしまいますわ。」
クーワ
「食べるですぅー」
N
クーワはフッと消え
お菓子の家に突撃した。
ムスカリーノ
「早っ!!!」
プラム
「ウフフッ。
チョコレート好きですからね。」
ムスカリーノ
「ダンデライ副隊長が
特級厳令の任務に行くってバレたら
大暴れしますよ!?!?」
プラム
「バレませんよ。
貴方がバラさなければね。
ムスカリーノ副隊長代理
ずっとここで見張っていてくださいね。」
ムスカリーノ
「ぇえ!!ずっとすか!?!?!?」
プラム
「もちろんですわ。
お菓子が足りなくなったら執事達に申してください。
別の場所にもう一軒ありますから
用意させます。」
ムスカリーノ
「俺今日非番なんすよぉお!?」
プラム
「だから?」
ムスカリーノ
「だから!?!?」
ムスカリーノ
((目が笑ってねーんだけど!!))
プラム
「では、よろしくお願い致しますわ。」
ムスカリーノ
「そんなぁぁ!!」
プラム
「あ、ムスカリーノ副隊長代理」
ムスカリーノ
「は、はい!!」
プラム
「お肌を焼きすぎると良くないですのよ?
ダンデライ副隊長に憧れるのは分かりますが
ムスカリーノ副隊長代理は
ムスカリーノ副隊長代理なのですから。」
ムスカリーノ
「へ?プラム様?」
プラム
「では、ご機嫌よう。」
N
そう言ってプラムは去って行った。
ムスカリーノ
「はぁ。
何で俺ばっかり...って ぇえ!?!?
もうドア食べちゃったよ!!!」
クーワ
「ムスカリーノォーー」
ムスカリーノ
「な、なんです!?!?」
クーワ
「お茶ですー」
ムスカリーノ
「は、はい!!」
クーワ
「走るッです!!」
N
クーワは手をかざすと
風の刃がムスカリーノの服を切り裂いた。
ムスカリーノ
「ぎゃぁぁあ!!!
今、持ってきまーす!!!!」
(完)
どう?気になる?笑
こっから物語が動いていくんだぜ。
まだ序章なんだぜ!!
タリスマンと言う言葉は
スピンオフ作品の
スペリオール魔術兵団のキーとなる
単語でもあります。
まさにクロスオーバーさ!
サイドストーリーで出すなやって
話なんだけど笑
新キャラどうだった??
ラキーナとムスカリーノも
きっとまた出てくると思うよ!
この際だから副隊長代理
全員出してもいんだけど
出番がくるまで(まだ考えてない)
お預けさ!!
この調子で
TAKE2までいっちゃおーー!!