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千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜 台本版  作者: REN'sJackson
五章 ナーベルク士官学校篇
171/176

Vol.12 Q×n

私、Ren'sJacksonは

3/29に誕生日を迎えます!

予定?特に無いです!!

誕生日といえば

千刃花の世界では

誕生月があり月末から遡って

3日間を祝う風習があります。

生まれた日は特別ではないんですねぇ。

それは何でですかねー。


さて、今回は新キャラ三昧寿司三昧!

ベタな少年漫画的展開です!

ベタっていーな!!みんな好き!

では!楽しんで!

アラマンダ

((える度に傷がつく。


永遠に繰り返す。


忘れてはならぬのだ。


恐れなくして


進む道は無しと))


挿絵(By みてみん)


※音楽がある場合終わるまで待つ



N

前回までの千刃花(センジンカ)〜帝国特務(テイコクトクム)戦闘部隊〜(セントウブタイ)


ナーベルク士官学校には由緒正しき

秋の恒例コウレイ行事 "帰郷祭(ホームカミング)"があり

半年に1度のクラス昇格、

並びに必須試験が成績に応じ免除される。

そして、千刃花(センジンカ)入隊を志す者にとって

実力をアピール出来る

大事な場所でもあった。

今年は刃術(ジンジュツ)を駆使して競い合う

チーム対抗刃術(ジンジュツ)バトルロアイヤル が

開催されると決まっていたが

先日、プロメーテ島で行われた

全体職員会議にて

全学年総当たりになると発表された。

3学年A、B、C、Dの

1st(ファースト)2nd(セカンド)3rd(サード)の代表から

2組ずつ選ばれる予定だったが

過酷な代表選抜戦にいて

1st(ファースト)以下は

どのチームも勝ち残ることが出来ず

結果的に各学年の1st(ファースト)同士が

出場し争う形となった。

そして今、新たな脅威キョウイ

ラナンキュラス達の前に

立ちはだかるのであった。



----------------------------


挿絵(By みてみん)



作者 REN’sJackson



千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

ナーベルク士官学校篇

Vol.(ボリューム) 12 (トゥウェルブ)(クイッ)×()(ニング)




※音楽がある場合終わるまで待つ


----------------------------




ーー開催3日前ーー

1年生代表は強化合宿も兼ねて

メノイ島にある"試しの森"に来ていた。

そこで各チームごとに

フォーメーションの確認や

刃術(ジンジュツ)の訓練、

基礎体力のトレーニングを含め

実戦に近い模擬モギ戦など

様々な特訓を行っていた。




ラナンキュラス

「フゥ…アザミ先生!!

今日はここまでにしましょう」


ラナンキュラスは

木陰コカゲで寝ていた引率のアザミにそう言うと

アザミはあくびをしながら解散をウナガした。


ラナンキュラス

「みんなお疲れ様。

もう日が暮れる。

そろそろ僕達も帰ろうか」


練習を終えた代表達に声をかけて

ラナンキュラスは

タオルでヒタイの汗を拭った。


ラナンキュラス

「それにしても…

ハムはどこまで行ったんだ…。

ジジ!!

ちょっと僕、ハムを探して来るよ!!」


ラナンキュラスは

ジジ達にそう言うと

試しの森を進んでいった。


ラナンキュラス(心の声)

((ここは試しの森…

もし迷っていたとしたら…

日が暮れるまでに探さないと))


ーー数十分前

試しの森にある第3給水所にてーー

ハミデルは全身筋肉痛の中

給水所まで()って進んでいた。


ハミデル(息を切らしながら)

「ハァ…ハァ…ハァ…水ぅ

なんで…僕…この僕が…こんなツラい思い

せねばならんのだぁ!!!!

あーもう無理!!動けない!!!

あと少しなのに水まで手が届かない!!

帰りたいよぉおおお!!!!!!」


エゾコス (泣きながら)

「ハミデルさんの言う通りでゲス!!

でもこのエゾコス見ていたでゲス!!

ハミデルさんがあの横暴オウボウ軽薄ケイハクだけど

豪華絢爛ゴウカケンランで才能溢れる貴族達を

先導していた事を!!!」


ハミデル(息を切らしながら)

「ん!?ハァ…ハァ…この懐かしい…出っ歯…

似てる…ハァ…ハァ…マボロシか!?

いや、まさか…

いや、そんな事より…水ぅ」


エゾコス (泣きながら)

「おイタワしや…ハミデルさん!!

ブビィー!! (鼻をかむ音)

ささぁ、水でも飲むのでゲス!!」


エゾコスはハンカチで涙を拭いながら

ハミデルの口に

散水用のホースを突っ込んだ。


ハミデル

「えー!?ちょ!!それ、散水用の!!

え!?おい!!貴様!!

ハンカチで目を伏せてないでよく見っーー

ゴボゴボゴボゴボ!!!!」


エゾコス (泣きながら)

「そんなに苦しい声を出すほど

ツラい思いをされていたのでゲスね…

このエゾコス!!

感動しているのでゲス!!!」


ハミデル

「ちょ!!違っ!!

ゴボゴボゴボゴボ!!!!」


ハミデルは身体を回転させると

空中に跳ね上がりシュタッと着地した。


ハミデル

「シュタッ」


エゾコス

「あっ」


ハミデル

「ゴホッゴホッゴホッ!!

貴様!!!この僕を殺す気か!!!」


エゾコス

「ハミデルさん!!!

そんな汗だくになるまで

頑張るなんて!!流石でゲス!!!」


ハミデル

「汗じゃない!!水だよ!!」


エゾコス

「水??確かにハミデルさん…

まるで頭から水を被った様な…

何してるんでゲスか!?」


ハミデル(遮る様に)

「お前だよ!!

溺れるほど飲みすぎて

お腹パンパンだよ!!」


エゾコス

「た、確かに少しフクれてるでゲス!」


ハミデル

「元からだよ!!!

って違う!!!

僕は身体が豊かなだけだ!!!!

貴様の様な貧相な身体とは

訳が違うんだもんね!!

そもそもなんで貴様がここにいるんだ!

ここは代表選抜チームしか

入れない合宿所だぞ!!」


エゾコス

「ハミデルさん!!

応援する為に駆けつけたんでゲス!!」


ハミデル

「ケッ!!わざわざ授業をサボって

遥々 (ハルバル)来る訳ないだろうが!!

…まさか」


エゾコス (遮る様に)

「授業なんかより

ハミデルさんの頑張る姿を

この目で見たいんでゲス」


ハミデル

「エゾコスお前…」


エゾコス

「ハミデルさん…」


ハミデル

「エゾコスぅうう!!!!」


エゾコス

「ハミデルさぁぁあん!!」


2人は熱い抱擁ホウヨウを交わした。


エゾコス(泣きながら)

「代表選抜戦に心を打たれたでゲスゥッ!!

ハミデルさんは

肉加工業者 最強の御曹司オンゾウシでゲス!!」


ハミデル (泣きながら)

「わざわざ僕のために

遥々 (ハルバル)ここまで来るなんて

お前は本当にゲスだなぁ!!!」


エゾコス (泣きながら)

「六大貴族達にも負けて劣ったとしても

その威光は懐中電灯カイチュウデントウより眩しいでゲス!」


ハミデル(泣きながら)

「ピアスを開けるのが怖くて

イヤリングにしてるのに

授業サボる度胸は見直した!!!」


ハミデル・エゾコス

「ん?」


ハミデル

「誰の威光が

懐中電灯カイチュウデントウより眩しいって!?」


エゾコス

「ハ、ハ、ハミデルさん!!

懐中電灯カイチュウデントウを目に向けたら

どうでゲスか!?」


ハミデル

「眩しい!!」


エゾコス

「そ、そうでゲス!!

そう言う意味でゲス!!」


ハミデル

「そうか、そう言う事か!!!って

にしても大した事ないじゃないか!!!」


エゾコス

「ヒョェエエエ!!!!

違うんでゲス!!!!」



すると茂みから

カーンカーンカーンっと

不気味な音が聞こえてきた。


エゾコス

「な、なんの音でゲスか?」


ハミデル

「こんな夕方に工事か?」


興味本位で2人は

音が鳴る方へ歩いて行った。


ハミデル(囁きながら)

「もしかすると…会場の設営かも知れないぞ。

一足先にどんなものか見て

作戦を練ってやる!!」


エゾコス(囁きながら)

「流石でゲス!!ハミデルさん!!

相変わらずズルい!!!」


ハミデル(囁きながら)

「賢いと言え!!」


エゾコス (囁きながら)

「ズル賢い!!」


ハミデル (囁きながら)

「そう言う意味じゃない!!」


2人は恐る恐る音の方へ近づいて行った。













ジミー

「こ、こんにちは…」



ハミデル・エゾコス

「ヒョェエエエ!!!」


突如、背後に現れたのは

1年B-1st(ビーファースト)代表

プラム率いる

"真・戦乙女3 (パラスミネルバ)"の1人

ジミーだった。


ジミー

「ニヒッ…私に何か…ご用ですか?」


ハミデル(息を切らしながら)

「ハァ…ハァ…心臓が止まるかと思った!

こんな所で何をしてるんだ!!」


ジミー

「私…隠れるの上手いんですよね。

ニヒッニヒッ」


エゾコス

「ヒョ、ヒョェエ!!!!

お、お前は!!

あの!!"真・戦乙女3 (パラスミネルバ)"!!」


ハミデル

「"真・戦乙女3 (パラスミネルバ)"!?

なんだそのゲームのタイトルみたいな

チーム名は!」


エゾコス

「ハミデルさん!!

知らねーのでゲスか!?

コ、コイツらは武術、学芸、知略で

代表選抜戦を勝ち抜き

あのシルバ先生をも負かしたんでゲス!!

合格者は6名選ばれる予定だった

B-1st(ビーファースト)

生き残った3人なんでゲスよ!!」


ハミデル

「な、何!?

そうなのか!?

どおりで

各クラス6名ずつ選抜と聞いてたのに

B-1st(ビーファースト)は3人しかいない訳だ!!

ん?D-1st(デーファースト)も3人だったな…

C-1st(シーファースト)も3人…

ぇええええ!!

A-1st(エーファースト)以外1組だけ!?」


ジミー

「ニヒッ

少々、先生達が厳し過ぎた様です。

でも、みんなが言うほど

そんなに難しく無かったですよ…」


エゾコス

「順当に勝ち上がったのは

A-1st(エーファースト)代表だけでゲス!

さすがは六大貴族!!!!

格を見せつけたでゲスな!!」


ハミデル

「こ、この僕のおかげで

楽勝だったもんね!」


エゾコス

「あ!そうだ!!

ハミデルさん知ってるでゲスか?」


ハミデル

「何だ!」


エゾコス

「ルシットミルックス放送後

メディアが選手達に

二つ名を付けたんでゲス。」


ハミデル

「そうなのか!?

ぼ、僕にももちろんあるんだろうな!?」


エゾコス

「無いでゲス!!」


ハミデル (遮る様に)

「フハハハッ!!

僕に相応(フサワ)しい二つ名…

えぇえ!?無いの!?」


エゾコス (遮る様に)

「仕方ないでゲスよ!!

一緒にいた方達が凄すぎて…

勝馬カチウマに乗っただけだと

揶揄ヤユされても仕方ないでゲス」


ハミデル

「え!?揶揄ヤユされてんの!?」


ジミー

「馬車馬のハミデル…が良いと思います」


ハミデル

「働けってか!?アイツらの為に!?

嫌だね!!誰が働くか!!!!!!」


エゾコス

「それじゃぁ

馬なんだかハムなんだか

分かんないでゲスもんね!」


ハミデル

「そう言う事じゃないよ!!!」


そう言って

地団駄ジダンダを踏むハミデルは

怒りのあまり頭を抱えていた。


ハミデル

「グヌヌッ!!!

おのれ!!六大貴族共が!!ペッ!!

パパに言い付けてやる!!!」


ジミー

「私にはあるみたいですよ…」


するとエゾコスは神妙な顔をして

静かに口を開いた。


エゾコス

「"真・戦乙女3 (パラスミネルバ)"学芸担当のジミーには…」


ハミデル

「ジミーには!?」




















エゾコス

「"お 裁縫 (サイホウ)のジミー"でゲス!!」


ハミデル

「ダッセェ!!!

お、お 裁縫 (サイホウ)のジミー!?

まだ馬車馬のハミデルの方が…

良くないよ!!!!」


ジミー

「ニヒッニヒッ

実はこう見えて…

裁縫 (サイホウ)得意なんです…ほら。」


そう言ってジミーは

ワラ人形を取り出した。

そこには愛喜恋良(アキレイ)

布で縫い付けられていた。


ハミデル

「怖っ!!!

そ、そんな下らない物

に、二度と僕に見せるな!!」


ジミー (早口で)

「下らない!?

何が下らないと言うんですか?

この数日間、生でアキレイさんを見て

私…思ったんです。

アキレイさんって

いつも笑ってるなって。

だから私も笑顔の練習をしようって。

でも私の笑い方…ニヒッヒッヒッ

変でしょ?だからデルフィさんに頼んで

アキレイさんの写真を

言い値で買ったんです。

ほら、あそこ見てください。

等身大のワラ人形に

アキレイさんの顔写真を

縫い付けてみました。

今しがた出来たんですけど

どうですか?」


ジミーが指を指す方向を見ると

アキレイの写真を縫い付けられた

大きなワラ人形が木に打ち付けられ

グッタリしていた。


ジミー

「ニヒッ」


よく見るとジミーの手には大きなクイ

の長いハンマーが握られていた。


ジミー

「ニヒッ…フンッ!!」


ジミーは得意気にハンマーを振り回して

空中に投げたクイをカキンッと打ち抜き

アキレイの顔を貫いた。


エゾコス

「あわあわあわあわ!!」


ハミデル

「な、な、なんて女だ!!」


エゾコス(囁きながら)

「ハミデルさん!!

ヤバいでゲスよ!!

この女!!

目がイッちゃってるでゲス!!!」


ハミデル(囁きながら)

「こ、こ、ココは見なかった事にして

逃げるぞ!!!」


ジミー

「あのぉ…」


ハミデル・エゾコス

「はい!!!!」


ジミー

「もしかして、私のストーカーですか?」


エゾコス

「それはお前でゲス!!!」


ハミデル

「お前だけには

絶対に言われたくないわ!!

エゾコス!!

僕はもう宿舎シュクシャに帰る!!」


エゾコス

「お、置いていかないで欲しいでゲス!」


ジミー

「あ、あの…聞きましたか?」


ハミデル

「うるさい!!

この僕が帰ろうとしてるんだ!!

引き止めるには

それなりの訳があるんだろうな!!」


ジミー

「じゃぁ、良いです。」


ハミデル

「言えよ!!ソワソワするだろ!!」


エゾコス

「そうでゲス!!!」


ジミー

「今年のバトルロアイヤル…

全学年総当たりらしいですね」


ハミデル

「えーーー!!??

じゃ、じゃあ!!

2、3年生ともやるのか!?」


ジミー

「はい。」


ハミデル

「上級生とヤったら

負けるだろ!!!!

何を考えてるんだ先生達は!!」


エゾコス

「ハミデルさん。

気をつけるでゲス

3年は下級隊士の実力が

ゴロゴロいるのはもちろんでゲスが

もっとヤバいのは2年生でゲス。

奴らは裏で生徒を牛耳ってるって

噂でゲスよ」


ハミデル

「裏で牛耳ってる??

千刃花(センジンカ)の下級隊士クラスが

3年生にいるのに

その下の2年生がそんなはずないだろ!!

映画じゃあるまいし馬鹿げてるね!!!」


エゾコス

「だからヤバいんでゲスよ!!」



ジミー

「確か…こう呼ばれていたはずです」
















エゾコス

四天王 (カイザーフォー)でゲス」



挿絵(By みてみん)



ハミデル

四天王 (カイザーフォー)!?

な、なんかスゴそうだな…

つ、強いのか???」


エゾコス

「はいでゲス。

3年を含めても

士官学校最強と呼ばれてるでゲス」


ハミデル

「3年を含めても!?!?

バカバカしい!!!!

そんな訳あるか!!

今年の3年生は千刃花(センジンカ)の下級隊士ぐらい

強いヤツがいるって

先生達も言ってただろ!!」


ジミー

「ニヒッ

千刃花(センジンカ)入隊間違いなしだとも

言われているらしいですよ」


エゾコス

「だからヤバいんでゲスよ!!」


ハミデル

「ケッ!!

そんな根も葉もない噂に

このハミデル様が騙される訳ないもんね!

もう僕は行くよ!!

今日はマーティン家のシェフが

僕の為にビュッフェを

用意して待ってるからな!!」


エゾコス

「ビュッフェ!?」


ハミデル

「そうだ!!あのビュッフェだ!!」 


エゾコス

「あのビュッフェでゲスか!!!」


ハミデル

「ビュッフェって何だ!!」


エゾコス

「知らないでゲス!!」


ジミー

「…お腹空いた。

わ、私も帰ろうかな…」


ハミデル

「来るならそれ片付けろ!!

不気味過ぎて次来て見かけでもしたら

命がもたん!!!イタッ!!!」



ハミデルが帰ろうと振り返った瞬間

誰かにぶつかった。


ハミデル

「どこ見て歩いてんだ貴様!!」


ーーラナンキュラスサイドーー


ラナンキュラス

「試しの森…噂には聞いていたけど

木の配置…空を覆うほどの密林

意図的に配置されてるとしか思えない。

自分が何処にいるか把握するのも難しい。

おまけに磁場が狂ってるせいで

方角も分からない。…やっぱり無駄か」


ラナンキュラスはそう言って

コンパスをしまうと

微かに差す日の光を頼りに

進んでいった。


ラナンキュラス

「太陽の位置からして

僕が進んで来た方向は何となく分かる。

まいったな…日が完全に落ちたら

本当に帰れなくなる。

給水所も何箇所かあるけど

どこから行くべきか…

一番近い所は…

そもそも磁場が狂っている事がおかしい。

何か意図があって狂わせているんだと

勘ぐりたくなるよ。」


するとラナンキュラスは

目を閉じて自身の刃汽(ジンキ)

ブワッと横に広げた。


ラナンキュラス

「もう時間がない。…ん!?」



ーーハミデルサイドーー

ハミデルはぶつかったのを確認した後

わざとらしく転んだ。


ハミデル

「え?痛ぁあぁあ!!!!」


エゾコス

「ハミデルさん!!」


ジミー

「…誰ですか?」


ハミデル

「貴様!!!

僕を誰だと思ってる!!!!

デリシャスハムハムの御曹司オンゾウシ

ハミデル=アブラハム様だぞ!!

あやまれ!!」



ザンカ

「ん?」


そこに現れたのは

大柄で髪の長い褐色カッショクの男だった。

その男は赤いヘッドホンを外し

ハミデル達を(ニラ)みつけていた。

そして、静寂の中でヘッドホンから

流れる音楽だけが漏れ聞こえ

より不気味さが増した。


エゾコス

「お、お前は…」


ザンカ

「おい、人にぶつかっておいて

謝れだと?

ふざけてるのか?」


すると更に奥から2つの声が聞こえた。


アラマンダ

「ちょっとザンカぁ!!

待ってってばぁ!!

方位めちゃくちゃなんだから

離れないでって…あら?」


トニアン

「オメェはいっつも

先走りやがって!!

ここは試しの森だぞ!?おん?」


ショートカットのウルフヘアが愛らしい

アラマンダと

前髪を後ろに束ねた

ポンパドールヘアのトニアンが

茂みから現れた。



トニアン

「オメェにしちゃあ上出来じゃねぇか!!

まぁ予定とは違ぇけど

とりあえず先輩に対する礼儀を

教えてやろうじゃん!」


ジミー

「先輩?あなた達はーー」


ハミデル(遮る様に)

「早く謝れ!!!

あー!痛いなぁあ!!!!

骨が折れちゃったかなー!!!」


エゾコス

「ま、待つでゲス!!ハミデルさん!!」


ザンカ(遮る様に)

「ドケ。カス」



エゾコス

「え?」


ハミデル

「へ?」


ザンカはエゾコスを蹴り飛ばした。



エゾコス

「ギャァアア!!!!!!」


そしてエゾコスは

思いっきり木に衝突した。


エゾコス

「ガハッ」


その瞬間、ジミーはハンマーを

バットの様に振り抜き

大きなクイを飛ばした。



ジミー

「ンッ!!」


アラマンダ

「あーあ。可哀想。」


ジミー

「ッッ!?」


アラマンダは見向きもせずに

新体操の様な柔らかな動きで

ザンカを襲うクイ

素早くはたき落とした。


アラマンダ

「ザンカの蹴りはシルバ先生と同じくらい

痛いからねぇ。大丈夫?出っ歯くん」


ザンカ

「余計な真似をするなアラマンダ」


アラマンダ

「あら?

そこはありがとうでしょ?ザンカくん」


トニアン

「おい、アラマンダ…

俺の方に飛ばしやがったな…

テメェ!!わざと…だろ!!」


トニアンは手に握られたクイ

ジミーに向かって投げつけた。


ジミー

「グッ!!!」


ハンマーで受け止めるジミーだったが

ザザーっと地面を滑る様に後ずさりした。


ジミー(心の声)

((なんて…力…))


ザンカ

「先に仕掛けたのはソイツだ。」


アラマンダ

「確かに…攻撃もしてきたしね。ウフフ」



アラマンダはジミーを見ると

ニッコリと微笑んだ。


ジミー

「それは…ぶつかっただけでーー」


ザンカ (遮る様に)

「骨が折れただと?」


トニアン

「おい、御曹司オンゾウシだっけ?

…お前さぁ骨がなんだって?」


ハミデル

「グッ!!

な、何をする!!!離せ!!」


トニアンはハミデルの髪をガッと掴んだ。


トニアン

「コイツ見たことあるぜ…

1年A-1st(エーファースト)の代表だ。

確か、足手まといだったバカだよな?」


ザンカ

刃汽(ジンキ)を暴走させたお荷物だ。」


ハミデル

「な、何だと!?!?

この僕がいなかっーーー」


アラマンダ(遮る様に)

「シーーッ」


アラマンダがハミデルの頬に触れると

ハミデルはあまりの可愛さに

顔を赤らめてしまった。


アラマンダ

「可愛いね」


ハミデル

「ハッ!!

危ない危ない!!!

誰が騙されるか!!」


トニアン

「おい、足手まとい。

骨が折れるってのはよぉ」


ハミデル

「何をする!!離せ!!」


ジミー

「やめてください」


トニアン

「こう言う事、言うんだ…ぜ?」


ハミデル

「アガッッ!!!」


ジミー

「ハミデルさん!!」


アラマンダ

「ウフフッ。…痛そう。

おっと、動かない方がいいわよ?

おさげちゃん」


ジミー

「クッ」


トニアンは更に肩をグリグリと踏んだ。


ハミデル

「アガガガガッ」


アラマンダ

「ほら、こっち見て。

痛いの痛いの飛んでけぇ」


トニアン

「オラ!!!意識飛んでんじゃねぇよ!」


ハミデル

「グァァァァァアア!!!!」


顔を蹴り上げると

痛みで、のたうち回るハミデルを見て

トニアンは笑った。


トニアン

「アハハハッッ!!!

いい声で鳴くじゃん!!」


ーーラナンキュラスサイドーー

ラナンキュラスは試しの森を

駆け抜けていた。


ラナンキュラス(息を切らしながら)

「何だ…この刃汽(ジンキ)の揺らぎ

ハムとジミーちゃん…それにエゾコス。

一体どうなってるんだ。」


ラナンキュラスはまだ未熟な刃汽(ジンキ)知覚を広げ

揺らぐ刃汽(ジンキ)の元へ向かっていた。


ラナンキュラス(息を切らしながら)

「どうせならもっと

鍛錬をすべきだった!!

そしたらもっと的確な場所を

すぐに割り出せるのに!!」


刃汽知覚(ジンキチカク)とは

自身の刃汽(ジンキ)を広げる事により

周囲の刃汽(ジンキ)を感じとる能力(チカラ)である。

集中すればするほど感覚が研ぎ澄まされ

時間はかかるが

刃汽(ジンキ)の質を判断することにより

誰がどこにいるか感じ取る事ができる。


ラナンキュラス(息を切らしながら)

「この3人の刃汽(ジンキ)は誰なんだ…

待ってて!みんな!!」



ーーハミデルサイドーー

ハミデルは肩を押さえながら

痛みに悶えていた。


ハミデル

「ウグッ…ガッガッガッ」


トニアン

「アハハハ!!!

元気じゃん!!!!

本当に折れてると思ってるよコイツ!!」


アラマンダ

「んもう!!大袈裟だなぁ…えいっ」


ハミデル

「ギャァァァア!!!!」


アラマンダはハミデルの関節を

グッとハメた。


ザンカ

「治す必要はない。ドケ。」


アラマンダ

「あっ」


ハミデル

「アギャァァァ!!!!」


ザンカはハミデルの肩を再び

蹴りで外した。



ジミー

「な、何の真似ですか…いきなり。

私達が何をしたって言うんですか?」


トニアン

「お前は…"真・戦乙女3 (パラスミネルバ)"

気持ち悪りぃ女が俺に話しかけてくんな」


ザンカ

「邪魔だ」


ジミー

「グッ!!」


ザンカ

「俺の蹴りを…面白い。フンッ!!」


ジミーはザンカの蹴りを

ハンマーで受け止めるも

ザンカの踊る様な足技の猛攻を

浴びせられた。


ジミー(飽きるまで)

「ガッ!!ウグッ!!ガハッ

ガフッ!!アガッッ!!ゴホッ!!」


ザンカ

刃汽(ジンキ)もマトモに扱えねぇ…

雑魚が!!!!」


ジミー

「イギッッッ!!!!」


ジミーはカカト落としを

ガツンッと後頭部に喰らい

地面に叩きつけられた。


ジミー

「ガッハッッ」


ザンカ

「他愛もない」


アラマンダ

「ザンカくんひどいよねぇ。

相手女の子なのにねぇ。」


ハミデル(息を切らしながら)

「僕に…こんな事してーー」


アラマンダ (遮る様に)

「あっそうだ。

また入れてあげるね!!」


ハミデル(息を切らしながら)

「や、やめろ!!

さ、触るな!!!」


アラマンダ

「ウフフッ。心配しないで…ね!!」


ハミデル

「ハガァァァア!!!」


ザンカ

「お前に用はない。奴らはどこだ」


そしてザンカは再び関節を外した。


ハミデル

「フグゥァァァ!!!!」


トニアン

「あっ、コイツは俺がやるわ」


トニアンは蹴り飛ばされたエゾコスを

引きずりながら歩いて来た。


アラマンダ

「ドSが過ぎるなぁ2人ともぉ」


トニアン

「うるせえ。

お前も楽しみにしてたろうが」


アラマンダ

「そんな事ないよぉ。」


トニアン

「嘘つけビッチが」


アラマンダ

「あー!

女の子にね!!

そんな事言っちゃいけないんだぞ!」


ジミー(息を切らしながら)

「私達に…用はないって事ですね。」


ザンカ

「仲間がこんな目に遭っても

内心…平然としてるんだな。

刃汽(ジンキ)の揺らぎも感じない」



ジミー(息を切らしながら)

「…別に。仲間とかじゃありませんから」


アラマンダ

「ふーん」


するとアラマンダが

ジミーのおさげを引っ張った。


アラマンダ

「ねぇ?」


ジミー

「グッ」


アラマンダ

「可愛ね。このおさげ髪。

それに綺麗な薄紫色…

だけどよく見たら汚いわ。

パサパサしてるしベトベトしてる。」


ジミー(息を切らしながら)

「離して下さい」


アラマンダ

「だけど、そばかすは可愛い」


するとジミーはハンマーを振り上げ

叩きつけるも華麗に()けられてしまった。


アラマンダ

「あっぶなーい。

もしかしてザンカくん手加減した?」


ザンカ

「殺さぬ様に加減するのは

いささか難しい」


ジミーはアラマンダに

クイを投げつけるも

アラマンダはクルッと

バク転をし優雅にかわした。



アラマンダ

「ウフフッ。

見た目よりも好戦的なんだね。」


ジミー(息を切らしながら)

「ハァ…ハァ…うるさいです。」


次々にハンマーによる

ジミーの猛攻を()けるアラマンダは

グルンと後ろに回りジミーを

空中に蹴り上げた。


ジミー

「ガッ」


アラマンダ

「弱すぎだよー」


ジミー(心の声)

((早い…))


トニアン

「あーあ。

アラマンダに気に入られちまったな。

可哀想な女だぜ。

アラマンダはブスが一番嫌いなのにな!」



アラマンダ

「私が嫌いなのは

生意気なブス。」


倒れるジミーに

ゆっくりと歩いて近づくアラマンダは

不敵な笑みを浮かべ

ジミーを見下ろした。



ジミー(息を切らしながら)

「ハァ…ハァ…

私…ミミズ嫌いなんですよね」


アラマンダ

「だから?」


ジミー(息を切らしながら)

「あなたの動き…ミミズみたいで…

気色悪いです…ニヒッ」


アラマンダ

「何よそれ。

あなたに…言われたくない!!」


ジミー

「ウグッ」


アラマンダはジミーの髪を

思いっきり下に引っ張り

顔を地面に叩きつけた。


アラマンダ

「ねぇ、あなた

私のオモチャにならない??」


ジミー(息を切らしながら)

「私は…アキレイさんの…オモチャです」


アラマンダ

「あら?そんな趣味があったのね。

アキレイくんって」


ジミー(息を切らしながら)

「ニヒッ」


エゾコス(息を切らしながら)

「グッ…もうやめるでゲス。」


トニアンに殴られ続けたエゾコスが

アラマンダに向かって弱々しく言った。


ザンカ

「寝たふりはもうやめたのか?」


トニアン

「コイツ思ったよりタフじゃん!!

気ぃ失ってたのに

おもしれぇ!!!!!」


エゾコス(息を切らしながら)

「この2人は…グッ…

3日後には代表として…

バトルロアイヤルに…出るのでゲス…

それ以上…ケガさせたら…

どうするつもりでゲスか…

それに…先生達がーーー」


ザンカ (遮る様に)

「雑魚に用はねぇ」


エゾコス

「やめろーーー」


ザンカ (遮る様に)

滅刃メツハハチ爆連綴バクレンツヅリ!!』


ラナンキュラス(遮る様に)

滅刃(メツハ)の十・泡沫飛沫(ホウマツシブキ)!!!』


ザンカ・トニアン・アラマンダ

「!?!?!?!?」


ラナンキュラス

「そこまでだ!!」



挿絵(By みてみん)



エゾコス・ハミデル(泣きながら)

「ラ、ラナンキュラス様ぁあ

ぁぁあぁあ!!!!!!!!」


ザンカ

「お前は...」


ラナンキュラス

「ハム!ジミーちゃん!!エゾコス!!」


エゾコス・ハミデル(泣きながら)

「うぇーーーーん」


ジミー

「よ、良かったぁ」


爆薬がぜる前に

ラナンキュラスの水流系刃術(ジンジュツ)

アラマンダを横切り爆薬を鎮火させた。


ラナンキュラス

「みんなから離れるんだ。」


剋刃(ゴクハ) 十五・水輪環 (スイリンカン)!!』


ザンカ

「クッ」


トニアン

「チッ!!」


アラマンダ

「グッ」



ラナンキュラスは自身を中心に

水流を発生させ

惑星の様に停滞するを作り出すと

グワっと一気に広げた。

すると、ザンカとアラマンダは

高速回転する 水輪 (スイリン)退けられた。

更に 水輪 (スイリン)の内側にいたトニアンは

風圧に巻き込まれ外側へと弾き出された。


ジミー(弱々しく)

「ラ、ラナンキュラスさん」



ラナンキュラス

「2人のために闘ってくれたんだね。」


ジミー(弱々しく)

「え!?あ!はい…」


ラナンキュラス

「ありがとう。ジミーちゃん。

あとは任せて。」


ラナンキュラスは

胸ポケットから

バラ(ガラ)のハンカチを取り出して

ジミーに手渡した。


ジミー(弱々しく)

「バラ…(ガラ)


そしてラナンキュラスは

地に伏せボロボロになったハミデル達を

横目で見た。


ラナンキュラス

「君たち…」


エゾコス(弱々しく)

「た、助かったぁ…」



ラナンキュラス

随分 (ズイブン)と待たせてしまったね。

僕が来たからにはもう大丈夫だよ。」



ハミデル(弱々しく)

「グッ、遅いんだ…よ」



ラナンキュラス

「フフッ。言ってくれるね。

君がなかなか帰って来ないから

僕がわざわざ迎えに来たと言うのに…

ほら、2人ともおいで」


ハミデル・エゾコス

「グッ」


ラナンキュラスは

2人の身体に手をかざした。



ラナンキュラス

照刃(ショウハ) 十一• 合谷天 (ゴウコクテン)


するとポワンっとかざした範囲が

温もりに包まれ怪我の痛みが和らいだ。


エゾコス

「ありがとうで…ゲス」


ハミデル

「フンッ」


ラナンキュラス

「簡単な照刃(ショウハ)

申し訳ない…けどっ!!」


ハミデル

「アギャァァァ!!」


同時にハミデルの肩をハメて

そっと起こした。


ハミデル

「き、貴様!!戻す時は言え!!」


ラナンキュラス

「言ったら痛いだろ?」


ハミデル

「どっちも痛いよ!!」



トニアン

「お前は六大貴族…

バンジャマン家の次男坊か…よ!!」


そう言いながらトニアンは拳を振り下ろし

水のを破壊した。


ジミー

「ラ、ラナンキュラスさん…が…」


ラナンキュラス

「良いんだ。

この刃術(ジンジュツ)

時間が経てば回転が遅くなって

やがてが消えていく」


トニアン

「下等刃術(ジンジュツ)でドヤってんじゃねぇよ。

あんま調子こくなよ?」


ラナンキュラス

「下等刃術(ジンジュツ)

素手で破壊していい気になってるのは

君だろ?」


トニアン

「何だと!?」


アラマンダ

「画面越しで観るより

生で見た方が想像以上にハンサムね」


ザンカ

「お前は…"(ウルワ)しの貴公子(ラナンキュラス)"」


するとラナンキュラスは

ザンカを(ニラ)みつけ

静かに口を開いた。


ラナンキュラス

「何の目的でこんな事しているのか

分からないけど

僕の友達に手を出して…

ただで済むと思うな」


アラマンダ

「ウフフ…良い男ね」


ザンカ

自惚ウヌボれるな」


ジミー

「わ、私も戦います…」


ラナンキュラス (遮る様に)

「言ったろ?任せてって」


ジミー

「そ、そんな…私も…戦えます」


ラナンキュラス

「じゃあ、ハム達に危害が及ばぬように

彼らを護ってくれるかい?」


ジミー

「でも…相手は3人です」


ラナンキュラス

「僕が負けるわけないだろ?」


トニアン

「負けるわけない!?

アハハハッ!!

俺らを知らねぇのかよ。」


ザンカ

「無知もハナハだしい男だ。

そう言う所が鼻につく」


ラナンキュラス

「お生憎アイニク様…

僕は他人に興味が無いからね。」


アラマンダ

「噂にタガわぬその美貌…

なんて美しいのかしら。

いや、今は…

ウルワしいと言った方が…

いいかしら?」


ラナンキュラス

「フフッ。レディには申し訳ないけど

友達を傷つける奴に言われても

何も嬉しくないね」


アラマンダ

「心も美しいのね。でも…」


その瞬間、アラマンダ達は

ラナンキュラスに向かって刃術(ジンジュツ)を構えた。


ラナンキュラス (心の声)

((刃汽(ジンキ)量だけなら

僕よりも多い…来るッ))


ラナンキュラス

「下がるんだ!!」


ジミー・ハミデル・エゾコス

「は、はい!!」



ザンカ

滅刃(メツハ)イチ!!』


ラナン・ザンカ・アラマンダ・トニアン

『『(トウ)』』


4人一斉に(トウ)を唱え

刃汽(ジンキ)を押し固めた(ヤイバ)

顕現(ケンゲン)させた。



エゾコス

「あわあわあわ!!!」


ハミデル

「やってしまえラナンキュラス!!」


ジミー

「あの人たちの(トウ)…洗練されてる」


ハミデル

「だから何だ!!」


ジミー

「クリシャンテ校長が言ってた…

(トウ)で実力が分かるって…」


ザンカ

「お前らは下がれ。俺がやる」


トニアン

「ざけんな!!俺が先に行く!!」


アラマンダ

「じゃぁ、こうしましょ。

いつも通り…」



ザンカ

「どちらが先にヤるか…」


トニアン

「勝負じゃん!!!」


ラナンキュラス

剋刃(ゴクハ) 十一 ・天殿洞盾(テンデンドウム)!!』


トニアン(遮る様に)

滅刃(メツハ) 十三・ 風切雨(カザキリサメ)!!』


ザンカ(遮る様に)

滅刃(メツハ) 十七ジュウナナ灼岩土投 (シャクガンドトウ)!』


アラマンダ(遮る様に)

滅刃(メツハ) 十六・ 轟波拳星(ゴウハケンセイ)!!』


ハミデル・エゾコス

「ヒョェエエエ!!!!!」


ラナンキュラスは

ハミデル達を守る様に

ドーム状の防壁を展開するも

サメしたカマイタチと

煮えたぎるマグマの(カタマリ)

轟音を鳴らしながら

彗星スイセイの如く放たれた衝撃波が

容赦なく襲い掛かって来た。


ラナンキュラス

「グッ!!いきなりそんな広範囲滅刃(メツハ)刃術(ジンジュツ)

仕掛けてくるなんて…

随分 (ズイブン)と余裕がない様に見えるッ!」


アラマンダ

「良く防いだわね。勘がいいのかしら?」


トニアン

「まぐれだろうよ!」


ザンカ

「まぐれかどうかは

そのうち分かる」


ラナンキュラス

「グッ!! パチンッ(指を鳴らす)


ラナンキュラスは指を鳴らすと

天殿洞盾(テンデンドウム)をジミー達の周りだけに縮小し

自身はドームの外に出た。


ジミー

「ラナンキュラスさん!!」


エゾコス

「俺たちを守る為に!!!

なんて人でゲス!!!!!」


ハミデル

「やれ!ラナンキュラス!!

僕に指一本触れさせるな!!」


ザンカ

「面白い。そんな使い方をするとはな」


ラナンキュラス達は(トウ)

激しい斬り合いを展開した。


ザンカ・アラマンダ・トニアン・ラナン

「ハァァァァァア!!!!

ハッ!!グッ!!ウォオ!!オラッ!!

セイッ!!ドオォ!!

ガッ!!ハァァ!!」


トニアン

滅刃メツハサンナミ(イカヅチ)


ラナンキュラス(心の声)

((しまった!!))


トニアン

「もーらいっ」


ラナンキュラス

剋刃(ゴクハ)ハチ(シュン)!!』


ザンカ

「そんなタテで電撃を防げると思うな」


ラナンキュラス(心の声)

((後ろか!!!))


ザンカはラナンキュラスの背中を

思いっきり蹴り飛ばすと

トニアンが放った電撃を

真正面から受けてしまった。


ラナンキュラス

「グァァアァァ!!!」


アラマンダ

「そもそも無理があるんだって

ラナンキュラスくん。」


アラマンダがラナンキュラスを

殴り飛ばした。


ラナンキュラス

「グッ」


アラマンダ

剋刃(ゴクハ) 二十三・厽石棺サンセッカン


ラナンキュラス(心の声)

((二十番台の中等刃術(ジンジュツ)!!))


アラマンダが地面に手をつくと

投げ飛ばした先に石壁イシカベが作られ

ラナンキュラスは

その石壁イシカベに打ち付けられた。


ラナンキュラス

「ガハッ」


するとラナンキュラスは石壁イシカベから

ズルズルと落ちていった。


トニアン

「やるねぇアラマンダ」


ザンカ (遮る様に)

滅刃(メツハ) 二十五・黒槌 (クロツチ)


ザンカは手の平を下に向けて

ゆっくり下げると

その速度に合わせて

ラナンキュラスは上からの重力で

ジワジワと押し潰されていった。


ジミー

「ラナンキュラスさん!!!」


エゾコス・ハミデル

「ラナンキュラス様ァァ!!!」



ラナンキュラス (次のセリフまで)

「ウグッグッグッ」


トニアン

「うるせぇんだよ」

滅刃(メツハ) 二十二・ 飛雷鳥ヒライチョウ!!』


ジミー・ハミデル・エゾコス

「ガガガガガガガ」


ラナンキュラス(弱々しく)

「みん…な…」


天殿洞盾(テンデンドウム)が砕け

ジミー達の身体を雷撃が貫いた。


ラナンキュラス(弱々しく)

滅刃メツハ三十二サンジュウニ水虎水天スイコスイテン!!!』


ザンカ・トニアン・アラマンダ

「何!?!?」


水流が渦巻き虎を形成すると

石壁イシカベを砕き周囲を駆け抜けていくが

途中で霧散ムサンしてしまった為

3人に当たらなかった。


ラナンキュラス(息を切らしながら)

「ハァ…ハァ…ハァ…

刃汽(ジンキ)の練りが甘かったか…」


ザンカ

「…三十番台だと?」


トニアン

「中途半端な刃汽(ジンキ)量じゃ

行使コウシ出来ねーんだよ!!

天才なんて笑わせんな!!」


アラマンダ

「でも…水虎水天スイコスイテン黒槌クロツチを解いた上に

私達に攻撃まで…」


トニアン

「当たんなきゃ意味ねーじゃん。」


アラマンダ

「上等刃術(ジンジュツ)

1年生で行使コウシするなんて

あなたこそ何者なの?」


ラナンキュラス(息を切らしながら)

「まずは…君たちから…

グッ…名乗ったらどうだ」


ザンカ

「士官学校に入学しているのに

俺達を知らないとはな」


ラナンキュラス(息を切らしながら)

「ハァ…ハァ…言った…ろう?

他人に…ウグッ…興味は無いって」



トニアン

「先輩に対する口の聞き方も

知らねーのかよ。1年」


ラナンキュラス(息を切らしながら)

「…1年…つまり…君たちは」


アラマンダ

「そう。

私達はあなたよりも1つ上よ。」


すると目を覚ましたエゾコスが

口を開いた。


エゾコス(弱々しく)

「ゴホッゴホッゴホッ…

ラ、ラナンキュラスさん…俺らから上は

制服が微妙に違うのでゲス

男子のズボンは深緑

女子のタイツは黒でゲス…

間違いなく2年生でゲス…あっ」


するとエゾコスは思い出したかの様に

声を上げた。


エゾコス

「あわあわあわあわ…もしかして…」


ハミデル

「まさか!!」




















エゾコス

四天王 (カイザーフォー)!!!」


挿絵(By みてみん)


アラマンダ

「ウフフ。ご名答。

初めまして私は

C-1st(シーファースト)

アラマンダ=ルシフェル

それでこっちが」


トニアン

D-1st(デーファースト)

トニアン=エル=アンダーソン」


ザンカ

「そして俺は

A-1st(エーファースト)

ザンカ=ザンカ=ドゥ。

年齢も学年も実力もお前の遥か上だ。」


エゾコス

「"恍惚女帝ハーティクィーン・アラマンダ"に

"斬烈拳ジャックナイフ・トニアン"…

"熊殺し(キングリー)・ザンカ"

さ、3人も四天王 (カイザーフォー)がいるでゲス!!」


ラナンキュラス(息を切らしながら)

四天王 (カイザーフォー)だって?

確かに…よく見たら

制服が少し…違うね…」


ジミー(息を切らしながら)

「2年生が一体…何のようなんですか?

それに今日は…1年の合宿です。

許可は取って…ここに来たんですか?」


アラマンダ

「見た目通り良い子ちゃんなのね。

でも…まだまだ甘ちゃんね。」


トニアン

「バレなけりゃ

許可なんていらねーじゃん?

戦争に行けばよぉ

バレたら捕虜になるか

拷問されて殺されるんだよ。

バレねぇ様にやるなんて

マスト過ぎんだろ」


ザンカ

「俺たちは3日後にぶつかる六大貴族に

挨拶しに来ただけだ」


ラナンキュラス(息を切らしながら)

「挨拶…だと?

随分 (ズイブン)…派手な挨拶だね。

どうやら…君と僕とは

挨拶に関する意見が…

違うみたいだ」


ザンカ

「ゆっくり茶を飲むとでも?」


ラナンキュラス(息を切らしながら)

「君に飲ませる…茶など無い」


ザンカ

「そうか。沈め」


剋刃(ゴクハ) 十六・磊枷繫(イシカセツナギ)』 


ラナンキュラス

「ガッ!!!」


ハミデル

「もうやめろ!!!」



ラナンキュラスの首に

見えないオモリが掛けられた様に

グンっと沈み地面に叩きつけられた。


ザンカ

剋刃(ゴクハ)ジュウ連破深比重レバミピドン


トニアン

「マジかよ…引斥インセキ刃術(ジンジュツ)の二重詠唱じゃん。

コイツ終わったな。」


ザンカはラナンキュラスの首に向かって

手をかざすと詠唱に応じて

重力の負荷が10倍になっていった。


ラナンキュラス

「グッ」


ザンカ

ジュウ


ラナンキュラス

「ガハッ」


ザンカ

ジュウ


ラナンキュラス

「ガガガッ」


ザンカ

ジュウ


ラナンキュラス

「ガハッッ」



次第にラナンキュラスは

ズズズズッと重力によって

意識が遠のいていく。


ジミー

「ラナンキュラスさん!!!」


エゾコス

「そ、そんな!!ヒドイでゲス!!」


ハミデル

「ラナン…キュラス」


ザンカ

「覚えておけ。

"(ウルワ)しの貴公子(ラナンキュラス)"」


アラマンダ

「私達は四天王 (カイザーフォー)


トニアン

「テメェら六大貴族は俺らが潰す。」


そう言ってザンカは

ラナンキュラスを冷たく見下ろした。
















ハミデル

「やめろぉおお!!!」















ザンカ

ジュウ



挿絵(By みてみん)








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挿絵(By みてみん)



作者 REN’sJackson



千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

ナーベルク士官学校篇

Vol.(ボリューム)  12 (トゥウェルブ)(クイッ)×()(ニング)』(完)




※音楽がある場合終わるまで待つ


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配役変更一覧

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ラナンキュラス▶︎▶︎▶︎N


エゾコス▶︎▶︎▶︎男子生徒


ジミー▶︎▶︎▶︎女子生徒


ハミデル▶︎▶︎▶︎ナセアン

挿絵(By みてみん)


N▶︎▶︎▶︎ガウラ

挿絵(By みてみん)


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おまけ








男子生徒

「フゥーー。」



ここはメノイ島にある

B-1st(ビーファースト)校舎内の中庭。

男子生徒は一輪車に

重い肥料をせていた。


男子生徒

「後、少しっと」


すると後ろから誰かが声をかけてきた。


ガウラ

「僕が手伝いますよ」


男子生徒

「え!?生徒会長!!

大丈夫です!!

それに制服が汚れてしまいますから!!」


ガウラ

「気にしないで下さい。

ここはみんなの中庭ですから」


男子生徒

「え…で、でも…」


ガウラ

「こっちの一輪車にもせておきますね」


男子生徒

「あ、ありがとうございます!!」


ガウラ

「いいんです。気にしないで下さい。

ちょうど植え替えの時期ですし、

ここ一面、新たに綺麗な花が咲けば

みんなが喜びますからね」


ガウラはそう言って

制服のソデをまくると

肥料を運び始めた。

すると、肥料が破けてしまった。


男子生徒

「あっ!!生徒会長!!」


ガウラ

「…アハハハ。

やっちゃいましたね。すみません」


ガウラは屈託クッタクのない笑顔で

男子生徒の方を向くと

2人で笑っていた。


ガウラ

「ついでです。

このままあっちへ

いておきますね!」


ガウラは花壇に肥料をくと

そのまま花を植え替え始めた。

すると、男子生徒の横から

女子生徒が現れた。



女子生徒

「生徒会長って本当に良い人だよねぇ。

憧れちゃうなぁ」


男子生徒

「お前も見てないで手伝えよ。」


女子生徒

「えーー汚れちゃうじゃーん」


男子生徒

「生徒会長に全部やらせる気か??」


女子生徒

「そんなつもりはないけどさぁ。」


ガウラ(大声で)

「こっちの花も植え替えていいですか?」


女子生徒

「あっ!生徒会長!!

私も手伝いまーす!」


男子生徒

「ハァ。ホントッ調子良い奴だよな」


女子生徒はガウラの元へ行き

仲良く花の植え替えをしていた。


女子生徒

「あ、あの…聞いて良いですか?」


ガウラ

「はい、なんでしょうか?」


女子生徒

「生徒会長って…

彼女とかいないんですか?」


ガウラ

「いませんよ。

僕モテないんですよね。アハハ」


女子生徒

「えー!!意外です!!

勉強も試験も刃術(ジンジュツ)だって

誰よりも凄いじゃないですか!!」


ガウラ

「そんな事ありませんよ。」


女子生徒

「今回の試験だって

余裕ですよね?」


ガウラ

「アハハ。

余裕なんてありませんよ」


女子生徒

「え!?何でですか??」


ガウラ

「今年の帰郷祭(ホームカミング)

チーム対抗刃術(ジンジュツ)バトルロアイヤルですから。

慎重に行かないと足元すくわれますしね」


女子生徒

「そんな事言ってますけど

生徒会長は優勝候補筆頭ですよ?

代表選抜戦だって凄かったですし!」


ガウラ

「ありがとうございます。

もちろん全力は尽くしますが

あまり期待しないで下さいね」


女子生徒

「私、応援してます!!」


ガウラ

「ありがとうございます。」


男子生徒

「おーい!!こっちにも

肥料を足してくれないか!?」


女子生徒

「はーい!!今行くね!!

それでは生徒会長

私、戻りますね。」


ガウラ

「はい。助かりました。」


女子生徒は微笑むと

肥料を払って立ち上がった。


女子生徒

「あっ」


ガウラ

「どうしました?」


女子生徒

「あの…六大貴族にも

負けないで下さいね!!」


ガウラ

「ありがとうございます」


女子生徒はそう言って

男子生徒の元へと歩いて行った。


















ナセアン

「ガウラ君」


すると、ガウラの手がピタリと止まった。


ガウラ

「ナセアン先生」



ガウラの目の前に現れたのは

ナーベルク士官学校の養護ヨウゴ教諭

及び臨床リンショウ心理士でもある

ナセアン=バルハンだった。



ナセアン

「君は優しい子だね。」


ガウラ

「いえ、生徒会長として

これくらい普通ですよ」


ナセアン

「どうやらすっかり

生徒諸君は君のトリコになったようだ」


ガウラ

「先生、大袈裟オオゲサですよ。

僕はただ、困ってる人を助けただけです」


ナセアン

「素晴らしい心掛けだ。

さて、そろそろ時間だ」


ガウラ

「そうでしたね。

ちょっと待っててください」


すると、ガウラは

男子生徒と女子生徒がいる方へ

歩いていった。


ガウラ

「先生と打ち合わせがあるので

僕はこれで失礼しますね」


男子生徒

「はい!!ありがとうございました!!」


女子生徒

「ありがとうございました!!」


ガウラ

「また手伝いますね!」


ガウラはニッコリ笑うと

ナセアンの方へ戻っていった。


ナセアン

「私の部屋に行こうか」


ガウラ

「はい。」


2人は中庭を抜けて

螺旋階段をあがると

保健室へと移動した。


ナセアン

「かけてくれ」


ナセアンはデスクを挟んで

向かい側にあるソファを指差した。


ガウラ

「失礼します。」


ナセアン

「最近はどうなんだい?

よく眠れているかな?」


ガウラ

「はい。おかげさまで。」


ナセアン

「それは良かった。

夢は見るかい?」


ガウラ

「一応見ますね。

でも前よりは見ません」


ナセアン

「なるほど。

よく眠れている証拠だね。

最近、変わった事はあったかな?」


ガウラ

「特に無いです。

授業を受けて生徒会の仕事をして

修行をしたら

寮に帰って寝るぐらいですね。」


ナセアンはガウラが話すたびに

紙にスラスラ何かを書いていた。


ナセアン

「君とこうして話して1か月。

心理状況を診てきたが

だいぶ落ち着いたようだ。」


ガウラ

「ありがとうございます。では…」


ナセアン

「そうだね。

後は3日後の大会の結果次第だが

君なら確実に1年早く

卒業出来るかもしれない。

奉仕活動も成績も申し分ないし

エロディウム先生には僕から進言しよう」


ガウラ

「本当ですか!?」


ガウラは思わずソファから立ち上がった。


ナセアン

「ぁあ。

帝国兵からのオファーが

既に入っている。」



ガウラ

「て、帝国兵?千刃花(センジンカ)ではないのですか?」


ガウラは再びソファに座った。


ガウラ

「僕は帝国兵なんかに入隊するために

士官学校に入学した訳ではありません」


ナセアン

「皆そうだ。

だが、帝国兵から千刃花(センジンカ)に入隊した者も

私は沢山見てきた。」


ガウラ

「知っています。」


ナセアン

「先ほども言ったが

3日後の結果次第だ。」


ガウラ

「…何故ですか?

刃術(ジンジュツ)の成績も

座学だって僕は学校で1番です。」


ナセアン

「分かっている。」


ガウラ

「僕が入隊せずして

誰が入隊出来ると言うのですか?」


ナセアン

「オルケイディア大隊長の意向だ。」


ガウラ

「大隊長の!?」


ナセアン

千刃花(センジンカ)の大隊長が

ガウラ君を見定めようとしている。

これはとても光栄な事だ。

必ず結果を出せば道は開ける。」


ガウラ(囁きながら)

「…六大貴族」


ナセアン

「今…何と?」


ガウラ

「六大貴族ですか。

あの5人に勝ってみせろ。

と、いう事ですか?」


ナセアン

「オルケイディア大隊長の真意は

私には分からん。

多くを語る人ではないからな」


ガウラ

「…そうですか。

分かりました。」


ナセアン

「これはチャンスだぞ。」


ガウラ

「はい。」


ナセアン

「後は大会終了後

エロディウム先生から話があるだろう」


ガウラ

「分かりました。

お時間をいただきありがとうございます」


ナセアン

「私は君の味方だ。応援しているよ」



ガウラ

「失礼します。」


そう言ってガウラは

保健室を後にした。


ガウラ

「もう…夜か」


窓から空を眺めると

すっかり日は暮れ

朧月オボロヅキが顔を出していた。

そして、ガウラはB-1st(ビーファースト)の中庭へと

向かっていった。











ガウラ

剋刃(ゴクハ) 十三・ 遮々音々(シャシャオンオン)


剋刃(ゴクハ) 十八 •幻彩光(ゲンサイコウ)


剋刃(ゴクハ)ナナ 鏡乱合(キョウランアワセ)



ガウラは三重詠唱をホドコ

中庭全体を遮音シャオンした後

外側から中の様子が分からないように

刃術(ジンジュツ)の結界を張った。














































ガウラ

「クソがクソがクソがクソが!!」


挿絵(By みてみん)



ガウラは中庭にある花壇を

踏み荒らし蹴り上げた。


ガウラ

「あのエセ医者め!!!!

アイツの報告書のせいだ!!

じゃなかったら僕が千刃花(センジンカ)

入隊できない訳がない!!!!

何が応援するだ。何が光栄だ。

何が味方だ!!!!!!」




すると後ろから声が聞こえた。















アラマンダ

「あら?どうしたの?ガウラくん」


トニアン

「あーあ。こんなに踏み荒らしちゃって

花壇がボロボロじゃん」


ザンカ

「何かあったのか?」




ガウラ(息を切らしながら)

「六大貴族はどうしたんですか?」


トニアン

「痛めつけてやったぜ?

挨拶代わりにな。」


ガウラ(息を切らしながら)

「何人でしょうか?」


アラマンダ

「1人よ。

ラナンキュラスしか来なかったのよ」


ガウラ

「1人?

あなた達は数も数えられないんですか?

代表にいる六大貴族は5人ですよ」


ザンカ

「分かっている。

しかし、ラナンキュラスとしか

遭遇しなかった。

他の代表選手で釣ってはみたが

ラナンキュラス以外は姿を見せなかった」


ガウラ

「僕は言ったはずです。

六大貴族、全員を完膚無カンプナきまで

戦意喪失センイソウシツするまで実力差を見せつけろと」


アラマンダ

「それに関しては充分くらいしたわ」


ザンカ

「埋めがたい実力差で沈めた。」


トニアン

「ガウラにも見せてやりたかったぜ…

ラナンキュラスの顔をよ!!」


するとガウラは刃汽(ジンキ)

(ホトバシ)らせた。



ザンカ・アラマンダ・トニアン

「ッッッッ!!」


ガウラ

「今年は僕達にとって大切な年だって事を

忘れた訳ではありませんよね?

どんなに功績を残しても

ちょっとした活躍で

六大貴族は名が広まり

名声を手にするんです。

いいですか?世間は

僕達の活躍なんて誰も興味がない!!

去年のクリスから

何も学ばなかったんですか?

今年は六大貴族が

5人もいるんですよ!?」



ガウラは手に持っていた花を

握りつぶした。


トニアン

「待てよガウラ。

ラナンキュラスは

刃術(ジンジュツ)の天才って言われてる。

そんな奴をボコボコにしてやったんだぜ?

しかもアイツは仲間も守れず

惨めに気を失いやがったんだ!!」


ザンカ

「大した奴ではなかった。

俺たちの足元にも到底、及ばない雑魚だ」



アラマンダ

「それにあんな事しなくても

私達の勝利は揺るがないわよ。」


ガウラ (遮る様に)

「黙ってください。

あまり僕を怒らせないで欲しい」


ザンカ・アラマンダ・トニアン

「ッッッッ!!」


ザンカ

「ガウラ…」


ガウラ

「クソが!!

あのバカに呼び出されていなかったら

僕が行ったものの…」


トニアン

「"聖人君子(デスクラブ)"の名が泣くぜ?

誰よりも容赦なく踏み潰して来たお前が

そんなにビビる事ねぇって」


ガウラ

「何?僕が恐れていると?」


ザンカ

「やめろトニアン。

それ以上、刺激するな」


トニアン

「じゃぁ何で固執コシツしてんだよ」


ガウラ

「僕たちの力を証明する為ですよ。

貴族特権でのうのうと生きてる奴らに

屈辱クツジョクを与え

僕たちの名を広める。

その為に利用するんです。

去年も六大貴族!!

今年も六大貴族!!!

この国は六大貴族しか見ていないんだ!

僕はあの気取った奴らの顔が

屈辱クツジョク焦燥ショウソウ

ユガむのが見たい!!!」


ザンカ

「普通に戦っても勝てる相手だ。」


ガウラ

「美味しい料理には

必ず仕込みがあります。

それをオコタれば味を損なうんです。

この意味…分かりますか?」



ザンカ

「何だと?」


アラマンダ

「ね、ねぇ…落ち着こうよ。」


ガウラ

「もう良いです。

3年を軽くヒネり潰した後

彼等はメインディッシュとして

最後にいただきましょう。

カメラの回る大衆の面前で

僕たちの力を世界に見せつけるんです。

次は…足を引っ張らないで下さい」


ザンカ

「足を引っ張るだと?

いい加減にしろガウラ。」


トニアン

「おい、いい加減にしろや。

調子のってんじゃねぇぞ」


アラマンダ

「ちょっと!!

私達4人は一応チームでしょ!?

大会前にモメるのは良くないよ!!」


ガウラ

「知っての通り1年の代表選抜選の後

大会のルールが3年と2年だけ

土壇場になって変更されました。

3人で1組だったのが

各学年から6名しか選抜されないと。

どう見ても六大貴族の活躍を

見たいが為のルール変更。

僕らは噛ませ犬だと思われてるんです。」


アラマンダ

「そ、それはそうかも知れないけど…」


トニアン

「考え過ぎかもしれねぇじゃん?」


ガウラはギロっと3人を(ニラ)みつけた。


ガウラ

「その内、2年生の2名は

僕が再起不能にしました。」


ザンカ

「何が言いたい…ガウラ」


ガウラ

「大会に出場するのは

"僕だけでも構わない"って事です。」


すると、トニアンは拳を強く握りしめた。


トニアン

「おいおいおい…

六大貴族の前にテメェをヤんぞ!!

ガウラ!!!」


ザンカ

A-1st(エーファースト)

B-1st(ビーファースト)の力の差を

存分に見せてーー」


ガウラ (遮る様に)

「この事は彼に報告します。」



ガウラの一言に緊張が走った。



トニアン

「マ、マジかよ…」


アラマンダ

「別に…そこまでしなくたって!!」


ザンカ

「本気か?…

お前は…アレを抑え切れるのか?」



ガウラ

「さぁ?

全ては… パチンッ(指を鳴らす)




ガウラが指を鳴らすと

徐々に結界が解けていく











ガウラ

「"五人目の復讐者 (ジョーカー)"の気分次第ですかね」

四天王という設定

前から出したかった!!

ベタじゃん?

生徒会長もベタじゃん??

プラムも生徒会だから

ガウラと絡みあるので

今後楽しみだね!


次はVol.13で会おうぜ!

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