Vol.9 藁×縋
今日は心の力について話したいと思います。
ミュージシャン、作家など
クリエイターの人なら分かると思いますが
俺の場合、心の力が貯まらないと
創作物は生み出す事が出来ません。
心を刺激してインスピレーションをつつく。
何でも良いんですが
旅行して美しい景色を見る
音楽を聴く…etc.
元々、海外ドラマや洋画が好きなので
心の力が貯まるまで鑑賞します。
この話を書くにあたって
どれだけ観たか数えてみると
ザッと10は超えていて
海外ドラマは4本観ました。
SE4ぐらいまであるやつ。
移動中や休みの日とかでね。
お陰で8時間くらいでかけました。
掲載する2日前かな?笑
クリエイターだけに限らず
悩みがあったりすると
意識して心の力を貯めてみて下さい。
きっと大きな力に変わるはずです。
という事で2022年も
ありがとうございました。
読んでくれるみんな、
支えてくれるスタッフがいるからこそ
千刃花はあるんだと思います。
来年もよろしくね!
では、楽しんで!!
配役変更一覧
----------------------------
N▶︎▶︎▶︎かすれた声の男
ハミデル▶︎▶︎▶︎N
----------------------------
かすれた声の男
((契れる花びら
血切れて狂美詩 滅びの讃歌
臆すなら捧げ、天より賜え
底は無明の世界
されど、鏡異の世界))
※音楽がある場合終わるまで待つ
N
前回までの千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜は
チーム対抗刃術バトルロアイヤル
クラス代表選抜戦を見事勝ち抜き代表となった
ツバキ、ジジ、ラナンキュラスチームと
アキレイ、ルビウス、ハミデルチーム。
同時刻にB-1stの予選を勝ち抜いた
プラム、デルフィ、ジミーチーム。
代表選抜戦から1週間が経ち
プラムは約束通り晩餐会を主催した。
プラム
「ア、アキレイは恋とかそういうのには
無頓着ですから…
ど、どうでしょう」
デルフィ
「アンタさっきアタシ達が
アキレイ様の話ししてたから
出てきたんでしょ!!!」
ジミー
「はい。」
デルフィ
「この正直者!!!」
プラム
「それに妹のリナリーの事が
大好きですし…」
デルフィ
「え!?アキレイ様ってシスコン!?
何よそれ好物!!!」
ジミー
「そ、そうですよね。
リナリアさんがいる限り
私になんて振り向いてくれないですよね。」
デルフィ
「待って待って!
リナリア様がいなかったら
アンタに振り向く原理を説明して!」
プラム
「お、落ち着いて下さいジミーさん。
アキレイは簡単に人を悪く見たりしないです。
一度お会いしたらいかがでしょうか?」
デルフィ
「プラム様!!アタシも是非!!
アタシはツバキ様がーー」
プラム
「ダメです。」
デルフィ
「懇意にしてるジジ様にーー」
プラム
「リナリーがいます」
デルフィ
「気に入られてるラナンキュラス様がーー」
プラム
「いけません。もて遊ばれます。」
デルフィ
「最近仲良くしてるメガネでもーー」
プラム
「構いません。」
デルフィ
「よっしゃぁぁあ!!!」
プラム
「ここを勝ち抜けば
アキレイとジミーさん
ルビウスとデルフィさんと
晩餐会を致しましょう。」
ジミー
「ほ、本当ですか!?」
N
----------------------------
作者 REN’sJackson
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
ナーベルク士官学校篇
Vol.9 『 藁 × 縋』
※音楽がある場合終わるまで待つ
----------------------------
配役変更一覧
----------------------------
N▶︎▶︎▶︎かすれた声の男
ハミデル▶︎▶︎▶︎N
----------------------------
N
電球の灯が不規則に点滅し
水滴が落ちる音が反響していた。
かすれた声の男
(( Insekt…tanzen…
Klingel … läutet
versprochene Zeit))
N
部屋は冷えきっており
臓腑から這う様な倦怠感が身体に走る。
かすれた声の男
(( Insekt…tanzen…
Klingel … läutet
versprochene Zeit))
N
確かに聞こえるのは
バチバチと鳴る電球と水滴の音
そして、不快な息遣いの中に混ざる
かすれた男の声だけだった。
かすれた声の男
(( Insekt…tanzen…
Klingel … läutet
versprochene Zeit))
(( Insekt…tanzen…
Klingel … läutet
versprochene Zeit))
※音楽がある場合終わるまで待つ
配役変更一覧
----------------------------
かすれた声の男▶︎▶︎▶︎N
N▶︎▶︎▶︎ハミデル
----------------------------
プラム
「どうかしましたか?」
ジミー
「…え?…あっ」
N
大きな四輪駆動魔進 の窓から見える豪邸に
ジミーは驚きを隠せないでいた。
デルフィ
「ジ、ジミ子!!何ボーッとしてんのよ!」
ジミー
「そ、それは
デルフィさんもじゃないですか…」
N
5メートル近くある柵の向こうには
白いメルヘンチックな城が
ライトアップされており
緑の生垣に囲まれていた。
デルフィ
「だってアンタ…
デカいってもんじゃないわよ…」
ジミー
「ニヒッ…お城ですよね…」
デルフィ
「そうよ!!お城よ!!!
今にもプリンセスが出てきそうじゃない!!」
ジミー
「悪い継母とかケルベロスとかいそう…
ニヒッ」
デルフィ
「ちょっとジミ子!!
失礼でしょ!!!!」
ジミー
「楽しそう…ニヒッニヒッ」
プラム
「悪い継母なら地下に。
ケルベロスはこの前、絨毯にしました。
ウフフ。もうすっかり夜ですね。
さぁ、行きましょう。待っていますから。」
N
そういうとプラムは
四輪駆動魔進 から降りた。
デルフィ
「ちょ、ちょっと待って!!プラム様!!
どこからツッコんでいいか
分かんないんだけど!!
じょ、冗談ですよね!?!?」
ジミー
「ワクワクしますね…ニヒッ」
デルフィ
「するか!!」
N
ーーアキレイサイドーー
数分前 プラム宅
別名エスタワイス城 玄関前にて
ハミデル
「で、ででででデケェエエエ!!!」
ルビウス
「ほ、ほ、本当にココが!?
ジジとプラムの家か!?」
アキレイ
「そうだ!!城だ!!」
ハミデル・ルビウス
「そうか、ただの城か」
ルビウス
「ってなるか!!!!」
ハミデル
「ル、ルビウス…しょ、庶民の貴様には
縁遠い代物だな!!」
ルビウス
「城だけに。
じゃないよ!!!!!
君だって震えてるじゃないか!!!」
アキレイ
「緊張するな。
楽にすればいい。さ、入れ!!」
ルビウス
「君んちか!!ココは!!!」
アキレイ
「 ドンドンドン
来たぞ!!アキレイだ!!」
ハミデル
「アキレイ??そんな強く叩かなくてもーー」
アキレイ
「大丈夫だ。ほらな!」
ハミデル
「ヒョエエエエエ!!!」
N
アキレイが大きな扉を叩くと
ギギギギッと開いた。
ルビウス
「ぉお!!!自動なのか!!!
鍵とか無いのか!?」
アキレイ
「ん?いや、扉が壊れてるだけだ」
ルビウス
「ややこしいな!!!
セキュリティゼロか!!」
アキレイ
「この前の焼肉パーティーは
結局、俺の家でやったろ??
鉄板がここの扉を通らなかったらしくてな!!
押し込めばいけると伝えたんだが
無理だったそうだ!!」
ルビウス
「いや壊したのは君じゃないか!!」
ハミデル
「結局そのせいで
時間に間に合わなかったんだな!?
急遽パパの会社が
鉄板と具材を手配した恩を忘れるなよ!!
僕に感謝するんだな!!!」
アキレイ
「領収書を貰いに行ったら
お金は受け取れないと言うんだ。
すっかりご馳走になってしまったな!!
俺が手配した焼肉のお金もかからなかったし
助かったぞ!ハム!!」
ハミデル
「そうだぞ!!!
なんで大貴族に
パパが奢らないといけないんだ!!」
アキレイ
「まぁそう怒るなって。
今日はそのお礼だ。沢山、食え!!
最高級のメシが食えるぞ!!
ジジんちのメシは美味いからな!!」
ルビウス
「結局、君がお金を出すわけじゃないだろ!!
しかも…こんな窮屈な…
タキシードまで着させられて!!
なんだこのカマーバンドって!!
ただの腹巻きじゃないか!!」
ハミデル
「ケッ。カマーバンドも知らないのか庶民め!!
カマーバンドはタキシードに必須なんだよ!!
ウエストラインをスッキリ見せて
後ろ姿もかっこよくキマるんだよ!!
哀れな庶民に教えてやろう!!
ブラックタイ、カフス、カマーバンドは
3種の神器。
社交においては当たり前なんだよ!!」
ルビウス
「じゃぁ何で君だけ蝶ネクタイなんだよ!」
ハミデル
「そうだよ!!
何で俺だけ蝶ネクタイなんだよ!!」
アキレイ
「ん?
エビネが2人の為に仕立てた時
そっちの方が似合うと思ったんだろうな。
ハム!似合ってるぞ!!」
ハミデル
「痛っ!!!」
N
アキレイはハミデルのサスペンダーを
パチンッと弾いた。
ハミデル
「覚えておけ…パパに…
言いつけてやる!!!」
アキレイ
「そうだハム!ルビウス!
お前達はこういう服は持ってなかったろ?
俺からのプレゼントだ。」
ハミデル・ルビウス
「え?」
ルビウス
「良いのかい??
だってこの生地…凄く高いだろ??」
アキレイ
「気にするな。
俺らと居れば着る機会は増える」
ルビウス
「アキレイ…」
ハミデル
「こ、こんなんでこの前の焼肉が
チャラになると思うなよ!!!!!!」
アキレイ
「ぁあ!!思ってないさ!!
でもその服1着で
飛行魔進ぐらいは買えるぞ?」
ハミデル
「どうえええええええ!!!!!!」
ルビウス
「タ、タキシードで!?」
アキレイ
「そのタキシードはMARtHCOMPANY 特別製。
耐久性なら世界一のタキシードだ!!
左のカフスを押せば…ほら!!な??」
N
しかし何も起こらなかった。
ルビウス・ハミデル
「ん?」
アキレイ
「よく見てみろ!」
ルビウス
「えーっと。何も分からないけど」
ハミデル
「フンッ!!壊れてるんじゃ無いか!?」
N
そう言ってハミデルは
カフスを何回も押していた。
アキレイ
「や、やめろ!!ハム!!
それ以上押したら!!!!!」
ハミデル
「え?」
ルビウス
「ハム!!!!!」
N
ハミデルのタキシードは
風船の様に膨らみ始めた。
ハミデル
「な、なな、何だこれ!!!
アキレイ!!止めてくれ!!!
いやぁあぁあ!!パパぁあ!!パパぁあ!!」
N
ハミデルはボールの様に跳ね
玄関ホールをゆったり転がっていった。
アキレイ
「ハァ…。
5回以上連続で押したら
耐衝撃モードに切り替わるんだ。」
ハミデル
「パパぁぁぁあ!!!」
アキレイ
「1回押せば一瞬、艶が出たあと
耐熱、耐冷、耐気圧、耐刃汽、防刃、防弾が
付加されるんだ。」
ルビウス
「そ、そうなのか…
って要らないだろ!そんな機能!!」
アキレイ
「その名を…
自動殺戮機能"56SU"」
ルビウス
「物騒な名だな!!」
ハミデル
「そんな事いいからぁあ!!
僕を助けてえええええ!!!!」
アキレイ
「ハム!!蝶ネクタイの真ん中を押せるか?」
ハミデル
「こんな状態で押せるか!!!」
ルビウス
「玄関ホールの花瓶とか割ったら大変だって!
ハム!!!ちゃんと弁償するんだぞ!!」
ハミデル
「無慈悲か!!!!」
アキレイ
「なるほど、本来なら1分で戻るんだが
押しすぎると耐衝撃モードが
なかなか解除されないんだな。」
N
アキレイは紙にメモを取り始めた。
アキレイ
「ハム!!着心地はどうだ!?」
ハミデル
「最悪だよ!!!」
アキレイ
「電気は走るか??
そろそろ流れてもおかしくないんだが!」
ハミデル
「電気が流れるの!?
いやぁあぁあ!!!
早く助けて!!!」
アキレイ
「そんな事より空気圧がどれくらいか
教えてくれ!!!体感でいい!!
なんキロパスカルだ!!」
ハミデル
「分かるか!!!
って!!なに人の身体使って
データ取ってんだよ!
早く助けてよぉおおお!!」
ルビウス
「アキレイ、蝶ネクタイを押せばいいんだね?」
アキレイ
「ちょっと待てルビウス。あと少しだ。
ハム!!いくつか質問する!!」
ルビウス
「鬼か!!!!」
ハミデル
「ちくしょうめ!!!」
N
するとプシューッと音を立てて
ハミデルのタキシードが元に戻った。
ルビウス
「も、戻った…」
ハミデル
「ハァ…ハァ…僕を…
実験動物の…豚にしやがって…ハァ…ハァ…
アキレイ!!!
僕をこんな目に遭わせた事を後悔させてーー」
アキレイ
「3分弱か…思ったより短いな!!
悪い!!ハム!!
もう一度やってくれないか!?」
ハミデル
「誰がやるか!!!!!!」
N
ーー数分後プラムサイドーー
玄関ホールにて
デルフィ
「中入っても...凄いわね…」
N
扉を開けると21畳の玄関ホールがあり
その奥にはインナーホール
そして、中庭へと続く扉があった。
ジミー
「広すぎる…シャンデリアが眩しい…」
プラム
「少し案内しましょうか。」
デルフィ
「い、いんですか!?
ちょっと!ジミ子!!これ!!」
N
デルフィはそう言うと
ジミーにMangoroid を投げ渡した。
ジミー
「え?」
デルフィ
「アンタは今日、アタシのカメラマン!、
沢山ラブリィ掻っ攫うわよ!!」
ジミー
「嫌です。」
デルフィ
「いいから!!撮るのよ!!」
N
ジミーはプラムに目配せをすると
プラムはニコッと微笑んだ。
プラム
「構いませんわ。
いつもお客様ばかりですし。
ではコチラへどうぞ。」
N
プラムは左にある緩やかな階段を昇った。
プラム
「ここはキッチンと朝食室です。
24畳ありますわね。
朝方ここからみる外の景色は
とても素晴らしいですよ?」
デルフィ
「広すぎ!!!全部大理石!!!
ほら!!ジミ子!!!
優雅なアタシを背中から撮って!!!」
ジミー
「は、はい…。
ソーセージッ!!マフィン!!」
デルフィ
「え?ちょっと!?
タイミング分からないんーー」
ジミー
「す、すみません…
もっとゆっくり言いますね…
ソーセージッ…マフィン!!」
デルフィ
「ジミ子??普通でいいんだけど…
ジッに合わせるの?
それとも、マフィンに合わせるの?」
ジミー
「両方です。」
デルフィ
「両方!?!?」
ジミー
「ソーセージッ!!マフィン!!!!」
デルフィ
「無理無理無理無理!!!
シャッターどこで押してるのよそれ!」
ジミー
「えーっと…セ。です。」
デルフィ
「分かるか!!!」
ジミー
「ソーセージッ!!マフィン!!セット!!」
デルフィ
「え!?ちょっ!!
セが2つ…どっちのセなのーーー」
ジミー
「ソーセージッ!マフィン!セット!!
もう1枚行きます。
ソーセージ!!マフィン!!セット!!!」
デルフィ
「ありがとうありがとうありがとうありがとう
もういい!!自分で撮るから!!!」
ジミー
「デルフィさんって変な人ですね。」
デルフィ
「アンタが言う!?」
プラム
「ウフフ。あまり馴染みの無い掛け声ですね。
私も聞いたことありませんわ。」
ジミー
「ニヒッ。
プラムさん…は何て…言うんですか?」
プラム
「私がお撮りしましょうか?」
デルフィ
「そんな!!滅相もない!!
プラム様が撮ってくれるなんてそんな!!」
プラム
「私こう見えても
写真を撮るのは得意なんです。
ジミーさん、お借りしても良いですか?」
ジミー
「え、あ、はい」
プラム
「ではグランドフロアはそこそこにして
1階に行きましょうか。」
デルフィ
「え?1階ってここですよね??」
プラム
「ウフフ。面白い人ですね。
上が1階ですよ??
ここがグランドフロアです」
ジミー
「ニヒッ。私でもそれは分かりますよ…」
デルフィ
「あ、あー!!
そ、そうよね!!!
ほら、アタシんちって普通の家庭だったから
階段なかったのよ!!オーホッホッホ!!
お城ってグランドフロアというのね!!」
ジミー
「プラムさん…本当に知らないみたいですね」
プラム
「教養って大切ですね。デルフィさん」
デルフィ
「ヴッ…は、はい。」
プラム
「では!!1階に案内しますね!!」
N
プラム達は再び玄関ホールを抜けて行くと
階段を昇りロングギャラリーという長い廊下を
歩いていた。
そこには様々な絵画が飾られていた。
デルフィ
「うわぁ…」
ジミー
「凄い…」
プラム
「お父様が世界中から名画を集めているの。
どれも素敵な絵画ばかりなんです。
特に私のお気に入りは…
これです。ウフフッ」
N
プラムが指差したのは
目つきの悪い子供の絵だった。
ジミー
「ニヒッ…怖っ」
デルフィ
「こんな顔した子供いるのね…
これは一体なんですか?プラム様」
プラム
「ウフフッ。これはジジの肖像画です。」
デルフィ
「ジジ様!?!?!?
どおりで高貴で
この世の終わりを見たかの様なご尊顔!!」
プラム
「可愛いでしょう??
怒られた後に描かれたので
こんな無愛想なんです。
でも、またそこが可愛いらしいというか…」
ジミー
「な、なんで怒られたんですか?」
プラム
「随分前の話ですわ。
アキレイが元々あった絵画に
落書きしてしまったの。」
デルフィ
「えー!!名画にですか!?」
プラム
「家族が集まった肖像画です。」
ジミー
「そ、それは怒られますね。」
プラム
「新しく描いてもらったばかりだったんですが
ジジはその絵が嫌いで
いつも 睨 みつけていたんです。
そんな折、アキレイが落書きしてしまって…」
デルフィ
「そんな…」
プラム
「面白いんですよ?
アキレイは絵心が無くて
その絵が本当にひどくてひどくて。
今思い出すだけでも笑ってしまいそうです。」
N
プラムは懐かしそうに
ジジの肖像画を眺めては笑っていた。
プラム
「でも…その時初めて
ジジがその絵を見て笑ったんです。
今でも忘れられません。
残念ながらその家族絵はジジが破り捨てて
あの時、撤去されましたけど。」
ジミー
「で、でも何で
ジジさんが怒られたんですか?」
プラム
「さぁ?私忘れてしまいましたわ」
N
するとデルフィはジジの肖像画の前に立った。
デルフィ
「プラム様!!記念に1枚!!」
プラム
「ウフフッ。ジジにバレたら
デルフィさん大変な目に遭いますけど
撮りますね。はい、ジャム!!」
デルフィ
「早い早い!タイミング分からない!!
それに待ってくれます??」
プラム
「え?」
デルフィ
「と、撮らなくて結構です!」
プラム
「え?いいんですか??」
デルフィ
「プラム様今サラッと
とんでもない事言ってませんでした!?」
プラム
「はい、ジャム。ですか?」
デルフィ
「それもそうだけど!!
その前!!!」
ジミー
「た、大変な目に遭うって…」
プラム
「ええ。お気になさらないで。
はい、ジャム。」
デルフィ
「気になるわよ!!!!
ちょっと!!撮らないでぇえーー!」
プラム
「画角ですか?」
デルフィ
「そっちじゃなくて!!!」
ジミー
「どんな目に遭うか気になります…ニヒッ
火炙りですか??水責め??島流し?」
デルフィ
「そんな目に遭うの!?重罪!?」
プラム
「ウフフ。
口座の凍結と出生登録の抹消です。」
デルフィ
「社会的に断罪されるの!?怖っ!!!!
プラム様!!撮らなくていいですから!!」
プラム
「でも、もう2枚撮ってしまいましたし…
ジジには伝えませんから。ご安心を」
デルフィ
「夜も眠れなくなるじゃない!!
今すぐ消すわよ!!!!」
N
そう言ってデルフィは
プラムからMangoroid を奪い取り
震える指で写真を消した。
デルフィ
「ふぅーーー。
これで消しましたから!!」
N
デルフィはプラムにMangoroid の画面を見せた。
プラム
「は、はい。残念です。」
ジミー
「残念…どっちの意味ですかねニヒッ」
プラム
「では、こちらへどうぞ」
デルフィ
「あー!怖かった!!」
ジミー
「残念。」
デルフィ
「ちょっとジミ子!!どういう意味よ!!」
N
プラムは続いて
ドローイングルームに案内した。
ドローイングルームとは
1階にあるリビングルームの事を指す。
23畳もあるこの部屋には
高そうなソファに大きな毛皮が敷かれていた。
プラム
「どうしても紹介したくて…」
デルフィ
「紹介???」
ジミー
「何をですか?
まさか…この毛皮…」
プラム
「私のペットです!!」
デルフィ・ジミー
「え!?!?」
N
するとプラムはドローイングルームの奥にある
扉を勢いよく開けた。
プラム
「こ、これが私の…ペット…」
ハミデル
「美味いな!!これ!!!」
ルビウス
「こんなステーキは食べた事がない!!
なんかこう!!ジューシーで
なんかこう!!美味い!!!」
ハミデル
「黙れ庶民が!!
貴様の食リポ聞くと不味くなるだろ!!」
ルビウス
「失敬な!!!」
プラム
「え、あ、あの…」
ジミー
「ペットって…この2人ですか?ニヒッ」
デルフィ
「プ、プラム様クラスになると
ペットのスケールが…もはや奴隷ね!!」
プラム
「ち、違いますわ!!!!」
N
ドローイングルームの先には
カウンターとキッチンがあり
用意されていた食事を
ハミデルとルビウスがつまみ食いしていた。
プラム
「お2人とも!!」
ハミデル・ルビウス
「え?プラム様?」
プラム
「晩餐会はまだですよ!?」
ハミデル・ルビウス
「ゴホッゴホッゴホッゴホッゴホッ」
ハミデル
「これはこれは…プラム嬢
いつ見ても…お美しい。ゲフッッ
まるで先程、味見したソースの様な瞳。
高級ポークの様な滑らかな髪。
僕はハミデル=アブラハム。探偵さ。」
プラム
「はい?」
ハミデル
「そう、世の美しい女性を見つけては
あとをつける。そして、機を見計らって
声を掛ける。それが僕さ」
ルビウス
「ストーカーだろそれ!」
ハミデル
「黙れ庶民が!!
ストーカーの意味も知らないくせに
でしゃばるんじゃない!!」
ルビウス
「知ってるよ!!今君が言ったこと
全部そうだよ!!!」
ハミデル
「探偵だって言ってるだろ!!
邪魔をするな!!!プラム嬢が
僕に向ける眼差しに嫉妬したのか!?」
ルビウス
「その眼差しは嫌悪だよ!!!」
N
顔のひきつるプラムは
蔑む様な目つきでハミデルを見ていた。
すると、ハミデルはプラムの手を取り
甲に軽くキスをした。
ハミデル
「Je suis tombé
amoureux de toi, ma belle❤︎ 」
※訳 美しいあなたに恋をしました。
プラム
「je ne suis pas intéressée
alors laissez -moi tranquille」
※訳 興味ないから離れなさい
N
するとプラムは素早くハミデルから離れ
香を取り出した。
ハミデル
「フフッ。何を言ってるか
分からないけど…
僕に…プレゼントかい??」
ルビウス
「知ってる言葉を言っただけか!!」
N
ハミデルはそう言って口についたソースを
拭うとウィンクをした。
ルビウス
「ハム!!僕でも何となく察せたぞ!!
プラム怒ってないか!?」
デルフィ
「ゲェ…」
プラム
「"情愛の香"ーーー」
アキレイ
「準備出来たぞ!!!!
お!!プラム!!デルフィ!!…と…」
プラム
「アキレイ…」
ジミー
「愛喜恋良 さん!!!」
デルフィ
「アキレイ様ぁぁあ〜」
N
ジミーはアキレイの手を取り
高速で話し始めた。
ジミー
「私、ジミーって言うんです。
あ、でも地味だからジミーって訳じゃなくて
でも地味なんで存在すら認識されてるかは
分かりません。でもしてませんよね。
ほら、私って地味ですから。ニヒッニヒッニヒッ
あ、今のはジミージョークです。ニヒッ。
ちなみに綴はJ・ i ・ m ・ i ・ yでジミーです。
私を知らなくても私は知ってます。
妹のリナリアさんの事とか体重とか身長とか
好きなものは魔進 ですよね?
私も好きなんです。魔進 。
今ワラ人形をどうやって魔進 として
魔改造するか悩んでいて
アドバイスくれたら嬉しいです。
あの好きです。お友達になってくれますか?
お友達なんて烏滸がましいですよね。
いいんです。友達じゃなくても。
ただ、恋人にしてくれますか?ハァ…ハァ…」
アキレイ
「恋人!?と、とりあえず
お、落ち着いてくれないか?
ルビウス水を取ってくれ」
ルビウス
「あ、あぁ!!
おい、ハム!それ以上ウィンクしてたら
殺されるからやめとけって!!!」
ハミデル
「え!?」
デルフィ
「グヌヌッ…ジミ子のくせに!!!!
アンタもアンタよ!!プラム様に
いきなりズッキューンなキスをかますなんて
時代が違えば死刑よ!!!!」
プラム
「時代は繰り返されるの。
ハミデル=アブラハム!!」
デルフィ
「プ、プラム様も落ち着いて!!
ほら!そこのメガネ!!」
ルビウス
「ぼ、僕か!?」
デルフィ
「そうよ!!メガネかけてんの
アンタしかいないでしょ!!!
プラム様にも水!!それと拭くもの!!
手の甲にソース付いてんのよ!!」
ルビウス
「わ、分かった!!
って何で僕が君にそんな事
言われないといけないんだ!?」
デルフィ
「女の子に話しかけられただけでも
アンタの人生に歴史が刻まれたじゃないの!
有り難く思いなさい!!」
ルビウス
「そ、そうだな。
ありがとう!!!今持って…来ないよ!!
ひどい言い草だな!!!!」
デルフィ
「話してる暇あったら持ってくんのよ!!」
ルビウス
「あーもう!分かったよ!!
プラム!!ハムには手を出さないでくれよ!
同じチームなんだ!!」
プラム
「そんな事…関係ありませんわ!!」
ハミデル
「フフッ。プラム嬢…
凄い事になってるね。
僕のことはもちろん知ってるよね?
そうさ!!デリシャスハムハムの御曹司!!
この僕がハミデル=アブラハムさ!!!」
プラム
「失礼にも程がありますわ。
見ず知らずの私に
そんな不遜な態度。
死を持って償うべきだと思いません?」
ハミデル
「ぁあそうだね。庶民め!!
プラム嬢に対して口の効き方がなってないね!
死罪に値するよ。
まるで腐ったローストビーフの様だ!!
フハハハハハッ!!!!」
プラム
「違います!ルビウスではなくてーー」
アキレイ
「ほら、落ち着いて飲むんだ。ゆっくりな。」
ジミー
「カッコイイ…」
アキレイ
「俺を見てないで
ほら、ゆっくり…」
ジミー
「ゴクゴクゴクゴク 。
ありがとう…ございます。」
アキレイ
「少し腰をかけよう」
ジミー
「はい。」
N
すると、アキレイはソファに座った。
そして、その上にジミーが座った。
アキレイ
「え!?あ…俺はソファじゃないぞ。
動転してるのか??こっちだ。
全く、小さい頃のリナリアみたいだな。
よし、そうだ。元気になる技があるんだ!」
ジミー
「キャッ」
N
アキレイは立ち上がって
ジミーを担いだ。
アキレイ
「それっ!!」
N
そして、勢い良く投げた。
ジミー
「ぇえええ!!グヘッ!!」
アキレイ
「ハッハッハッ!!
リナリアとは小さい頃に
よくこうやって遊んだんだ!
どうだ?元気になったか!?」
ジミー
「グフッ」
ルビウス・プラム
「アキレイ!!!」
ルビウス
「何してるんだ!!!!!」
プラム
「小さい頃の話ですよそれは!!
女性に乱暴してはいけませんわ!!」
アキレイ
「何言ってるんだ!!
リナリアは喜んでたぞ?」
デルフィ
「ジミ子!!大丈夫??」
N
急いで駆け寄ると
ジミーの目はハートを描いていた。
ジミー
「はらほろはにほへ〜❤︎」
デルフィ
「何よこれ!!
し、幸せそう…」
ルビウス
「だ、大丈夫か?君…って幸せそうだな!」
ハミデル
「見損なったぞ!アキレイ!!
女性が嫌がる事をしてはいけない!!
そんなの1年前から知ってるだろ!!」
デルフィ
「普通は小さい頃に習うのよ!!」
ルビウス
「何でつい1年前なんだ!!」
N
するとプラムは
ルビウスが持ってきた水を手の甲にかけて
布巾で拭っていた。
プラム
「全く…」
N
騒がしい様子を聞きつけた執事や料理人が
わらわらと出てきた。
プラム
「心配ありませんわ。
お仕事にお戻りになってください。
あと、お料理をつまんだ方がいらっしゃるので
追加をお願いします。」
N
そう言ってハミデルを 睨 みつけると
ドローイングルームから出ていった。
ルビウス
「やっぱり怒らせたな」
ハミデル
「そうだな。謝っておけ庶民のゲスが。」
ルビウス
「僕じゃなくて君だよ!!」
ハミデル
「え!?」
デルフィ
「そうよ!!
手の甲にキスはするし
ソースはつけるしウィンクはするし
怒って当然だわ!!!」
ハミデル
「フフッ、これだから庶民はダメなんだ。
嫌よ嫌よも鬼は外
好きよ好きよも福は内。さ。」
デルフィ
「気は確か!?」
アキレイ
「ハッハッハッ!!
そんな言葉もあったな!!」
ルビウス
「無いよ!!」
N
気を取り直したプラムは2人を引き連れ
衣装部屋へと移動した。
ーー数分後ダイニングルームにてーー
ルビウス
「凄い…」
ハミデル
「フルオーケストラ…」
N
テーブルには豪華な食事
月明かりが見える広間にはフルオーケストラが
音楽を奏でていた。
アキレイ
「プラム気合い入ってるな!!」
ルビウス
「それにしても豪華すぎやしないか?」
ハミデル
「僕がいるんだ。当たり前だろう?」
ルビウス
「ハァ。羨ましいよ君って奴は…」
N
すると扉が開き
学生服からナイトドレスに着替えた3人が
優雅に入ってきた。
その姿にルビウスとハミデルは
瞳を奪われてしまった。
ルビウス・ハミデル
「うわぁ…」
アキレイ
「遅いぞ!プラム!」
プラム
「アキレイは相変わらずですね。
世辞の一言も言えないのでしょうか。」
デルフィ
「ちょっと…後ろのチャック
ちゃんと閉まってるんでしょうね!!」
ジミー
「閉まりませんでしたけど
髪長いから隠れますよ。ニヒッ」
デルフィ
「声でかいわよ!!」
ジミー
「ニヒッ」
デルフィ
「プラム様細すぎるのよ…
こんな事ならダイエットすれば良かった」
プラム
「心配なさらないでお綺麗ですよ。
チャックも閉まってますから」
デルフィ
「ちょっとジミ子!!
なんで嘘ついたのよ!!」
ジミー
「ニヒッニヒッ
なかなか閉まらなくて
時間かかった仕返しですよ」
N
アキレイ達は立ち上がり
プラム達の椅子をゆっくり引いた。
プラム
「フフッ。そこは知ってるんですね。
アキレイ」
デルフィ
「フンッッ」
ルビウス
「ったく…なんて態度するんだ君は」
ジミー
「あ、ありがとうございます」
ハミデル
「早く座れ。パパに言いつけるぞ」
ジミー
「ヒィッ」
プラム
「ゴホン。
今宵はお集まり頂きまして
ありがとうございます。
チーム対抗刃術バトルロアイヤル
クラス代表選抜戦を見事勝ち抜いたお祝いとして
この場を設けさせて頂きました。
ごゆっくりとルシファンブルク家の料理を
ご堪能ください。」
ルビウス
「ちょっと聞いていいかい?ハム」
ハミデル
「庶民。それはフォークと言って
食べ物に刺して使うんだ左手に持て。
右手にはナイフと言ってそれはーー」
ルビウス
「知ってるよ!!
そこじゃないよ!!」
ハミデル
「じゃあなんだ」
ルビウス
「ジジはなんで家に帰ってないんだ?」
ハミデル
「僕に聞いて分かる訳ないだろ!!
アキレイに聞けよ!!」
ルビウス
「席が遠いからだよ!!
聞いてくれないか??」
ハミデル
「何でそんなの気になるんだよ!
ジジさんはお前の恋人か?」
ルビウス
「んなわけないだろ!!!」
アキレイ
「ジジなら好都合だ。って言って
出かけたぞ。」
プラム
「ゴホン。今更ですが皆さんに
ご紹介いたしますわ。
こちらは私のチームメイト
A-1st所属
デルフィ=インダダークですわ。」
デルフィ
「こんばんわ。アキレイ様。
そして、その他一同。」
プラム
「A-1stですから
面識あって当然ですわね。」
アキレイ
「そうだな!!あの時はすまなかった!!」
デルフィ
「いいですわ。お気になさらないで。
たかたがバレーボールですから
オーホッホッホ!!!!」
ルビウス
「まさかプラムと同じチームになって
代表に選ばれるなんて…」
デルフィ
「それもアタシの実力。当然ですわ!
オーホッホッホ!!!!」
ハミデル
「何だ庶民の癖に偉そうに」
デルフィ
「あら?そう言えば…
どうして肉加工業者が
ここにいるのかしら?
材料をおろしたら帰るのでしょ?」
ハミデル
「肉加工の会社はデリシャスハムハムで
僕のパパが経営してるんだ!!
僕はアキレイ達を
助けてやったヒーローだぞ!」
アキレイ
「んまぁ、それはそうだ。」
ルビウス
「君は焼肉の恩だろ!」
ハミデル
「そっちじゃない!
いや、それもそうだけど
試験は僕なしじゃ突破は無理だったろうね!」
アキレイ
「ハムの活躍は凄かったからな!!」
ルビウス
「ほぼ、ジジのおかげじゃないか…」
プラム
「えーっとハミデルさん?
どうして今日はここに???」
アキレイ
「俺が呼んだんだ!チームメイトだから
礼を兼ねてな!!!!」
プラム
「アキレイ?お礼というのは
あなた自身がするものであって
今日は私の会なんですよ?」
アキレイ
「俺がいなければココに来られなかったんだ。
だからこれは、俺からハミデルへの礼だ!」
プラム
「そ、そうですか。
ハミデルさんはD-1st所属だと
お調べしました。特に興味は無いので
後はご自由にどうぞ。」
ハミデル
「プラム嬢。
お招きありがとう」
N
そう言ってハミデルは
またもやウィンクをした。
ルビウス
「君のハートは特注品だな!!」
デルフィ
「アキレイ様とメガネだけだって
聞いたのにどおりで変だと思ったわ!」
ジミー
「アキレイさんがいてくれれば
私は何でもいいので。」
プラム
「そしてこちらは
私と同じB-1st所属
ジミー=ナスヴェッター=ゼンゼマン。
とても優秀な方ですわ。」
ジミー
「さ、先程は失礼しました。
改めましてジミーです。
あの…これ今日の為に作って来ました。」
N
ジミーは椅子から立ち上がり
アキレイの元へ行くと
ワラ人形を手渡した。
アキレイ
「お、おう。ありがとう」
ジミー
「お、お裁縫が得意なんです。
もし、縫って欲しい物があったら
私に言って下さい。ニヒッ」
ルビウス
「アキレイ。受け取っちゃダメだ。
それはワラ人形と言って呪いに使う物だぞ!」
アキレイ
「何!?!?」
ジミー
「違います!!
そこには好きな人の髪の毛を入れて
想いを込めて釘を打つと
願いが叶うんです!!」
ルビウス
「釘を打ったら死ぬんだよ!?それ!?」
ジミー
「違います!!願いが叶うんです!!」
ルビウス
「いや…だからそれは」
ジミー
「そんな…一生懸命…午前2時から起きて
頑張って気持ちを込めて作ったのに…
ルビウスさんヒドイです!!」
デルフィ
「ジ、ジミ子?それ…大丈夫???」
ジミー
「大丈夫です!!私!!
アキレイさんの事なら
何でも知ってますから!!」
ハミデル
「ヒューヒュー」
ジミー
「ア、アキレイさんなら
釘とカナヅチはお持ちでしょうから
後はお任せします!!」
デルフィ
「違う!そうじゃない!!」
プラム
「ま、まぁ、少し変わった子なんです。
受け取った後のことはお任せしますわ」
アキレイ
「願いが叶う…か。
ありがとうジミー。」
プラム
「えーっと…
それとこの方はA-1st所属
ルビウス=ドレークさんです。」
デルフィ
「知ってます。金魚のフンでしょ」
ジミー
「え…臭そう」
ルビウス
「おーい!!
臭くない!!僕は臭くないよ…な?」
ハミデル
「え?」
ルビウス
「やめろ!!!」
プラム
「入学してから
ジジ達と仲良くしてくださっています。
姉としても私個人としてもね。」
デルフィ
「どうせお金目当てなのは見え見えよ!」
ハミデル
「何!?この乞食が!!」
アキレイ
「ハム、デルフィ。
俺の友達を悪く言うな。
ルビウスは…金がないだけだ!!」
ルビウス
「そのフォローは期待と違う!!」
ハミデル
「ケッ!!
六大貴族のアキレイやプラム嬢と
仲良くしてるからって
調子に乗らない事だな!!!」
ルビウス
「君は味方なのか?敵なのか!?」
ハミデル
「いや、友達だ!!」
ルビウス
「アメとムチがすごい!」
アキレイ
「2人とも面白い奴なんだプラム」
プラム
「ウフッ…ウフフ!!
楽しそうですね。アキレイ」
N
その後、晩餐会は数時間続いた。
アキレイは夜風をあたりに
フルオーケストラがいた窓辺 近くの庭にいた。
アキレイ
「願いが…叶う。か」
N
ワラ人形を片手に夜空を見上げると
プラムがやってきた。
プラム
「楽しめましたか?」
アキレイ
「ぁあ。凄い気合いの入れ方だったな。」
プラム
「そうですか?」
アキレイ
「俺たち以外と笑ってるプラムは
初めて見たぞ。
友達ってのは良いだろ?」
プラム
「友達。ですか。
スウィンピーが恋しいです。」
アキレイ
「やめておけ。
魔草植物は危険な物も多い。
しかも、植物ではなく妖精型はな。」
プラム
「 スウィンピーは危険じゃありませんよ。」
アキレイ
「だとしてもだ。人間にしておけ。
ようやく同年代の女友達が出来たんだ。
互いに意見し合える存在は大切だ。」
プラム
「アキレイ達みたいにですか?」
アキレイ
「俺たちは尊重とかはないな」
プラム
「そうですね。」
N
するとプラムはワラ人形に目を向けた。
プラム
「それ、どうするんですか?」
アキレイ
「さぁな。分からん。
捨てるわけにもいかんしなぁ」
プラム
「本気で信じてます?
願いが叶うって。」
アキレイ
「さぁな。」
プラム
「いつも食べ物ばかり貰っていたアキレイが
ようやく貰ったのがそれなんて…
ジジ達が聞いたら笑いますね。ウフフ」
N
そう言ってプラムは去っていった。
ジミー
「こ、こんばんわ」
アキレイ
「ジミーか。」
ジミー
「嫌でした?…その…それ」
N
ジミーはワラ人形を指差して言った。
アキレイ
「あ、いや、こういう貰い物は初めてでな。」
ジミー
「知ってます。
でも、願いが叶うのは本当ですよ。
普段作ってるモノとは違って
真面目に作りましたから。
私…アキレイさんには
幸せになって欲しいんです。」
アキレイ
「俺に?どうして?
充分、今でも幸せだぞ?」
ジミー
「裕福な家に恵まれた環境
競い合える仲間。
綺麗な妹に忠実な執事。
羨ましいです。」
アキレイ
「…ぁあ。」
ジミー
「でも、何か欠けてませんか??」
アキレイ
「俺に欠けているモノなんてないさ。
満足してる。ジミーはどうなんだ?」
ジミー
「私の事なんていいんです。
それよりもーーー」
アキレイ
「ジミー?」
N
するとジミーはアキレイの両手を握った。
アキレイ
「お、おい大丈夫か?」
ジミー
「アキレイさん!!」
アキレイ
「どうしたんだ…」
ジミー
「復讐…したいんですよね?」
アキレイ
「…何?」
ジミー
「ご両親の事、知ってます。」
アキレイ
「何でそれを…
一体どこでそれを知った!!!!」
ジミー
「私…アキレイさんの事なら
何でも知ってますから」
アキレイ
(( 何だ…と?))
ジミー
「ニヒッ」
N
----------------------------
作者 REN’sJackson
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
ナーベルク士官学校篇
Vol.9 『 藁 × 縋』 (完)
※音楽がある場合終わるまで待つ
----------------------------
N
おまけ
配役変更一覧
----------------------------
ルビウス▶︎▶︎▶︎N
ジミー▶︎▶︎▶︎幼少期ジジ
アキレイ▶︎▶︎▶︎幼少期アキレイ
N▶︎▶︎▶︎カシャバ
デルフィ▶︎▶︎▶︎ノスポーラ
プラム▶︎▶︎▶︎幼少期プラム
----------------------------
N
ーー数年前エスタワイス城にてーー
幼少期アキレイ
「ジジどうしたんだよ。
いっつも 睨 んでるよなー」
幼少期ジジ
「早く行こうぜ」
幼少期プラム
「ジジが 睨 んでるから
待ってたんでしょ!?」
幼少期ジジ
「うるせーな。
ほら、行くぞ。
リナリーもラナンも待ってんだろ」
幼少期アキレイ
「ジジ。ノスポーラさんの事
嫌いなのか??」
幼少期ジジ
「何とも思ってねーし。」
幼少期プラム
「ジジは怒ってるのよ。」
幼少期アキレイ
「怒ってる??何に??」
幼少期ジジ
「プラム!それ以上言ったらブン殴るぞ」
幼少期プラム
「はいはい。」
幼少期アキレイ
「隠し事は無しだぞ!ジジ!!」
幼少期ジジ
「隠してねーよ。」
幼少期アキレイ
「じゃあ話せるだろ?」
幼少期ジジ
「…気に食わねーんだよ。
お母様もお父様もノスポーラもな。」
幼少期アキレイ
「何でだよ。
カシャバさんも良い人だろ?
ノスポーラさんも。
居なくなった…お母さんもさ。」
幼少期プラム
「ジジ。大人になりなさいよ。
お母様は出ていったきりだし
お父様はノスポーラを家族として迎えたの。
だから仕方ないじゃない」
幼少期ジジ
「気に食わねーんだよ。」
幼少期プラム
「…ジジ。
先行くよ。その話はまたにしよ。」
N
そう言ってプラムは
走ってグランドフロアに向かった。
幼少期アキレイ
「そう言えば
さっきラナンから貰ったんだよ。
少し絵の勉強をした方がいいってな!」
幼少期ジジ
「チッ気取りやがって」
N
アキレイは絵の具と筆をジジに見せた。
幼少期アキレイ
「だから一緒に練習しようぜ!!」
幼少期ジジ
「はぁ!?」
N
そう言ってアキレイは
家族絵に向かって大胆に筆を走らせた。
幼少期ジジ
「アキレイ…」
N
するとプラムやリナリア、ラナンキュラスが
やって来ると同時に
アキレイ画伯の絵が完成した。
それを見た途端あまりの悲惨さに
一同は盛大に笑った。
ーー1週間後ーー
ロングギャラリーにある新しい家族絵に
落書きをしたとして
父であるカシャバの書斎に呼び出されていた。
カシャバ
「ジジ。何故こんな事をした。」
N
破り捨てられた家族絵が並べられていた。
幼少期ジジ
「別に意味なんてない」
カシャバ
「ルシファンブルク家の者は
意味のない事などしない。
正直に言いなさい。」
幼少期ジジ
「だから意味なんてねーって。」
カシャバ
「知っている。
通るたびに 睨 みつけている事も
新しい母であるノスポーラを
お前が好いていない事も」
幼少期ジジ
「うるせーって。」
カシャバ
「ハァ…。ジジ。
何が気に食わないんだ。」
幼少期ジジ
「何も。」
カシャバ
「母が恋しいのか?」
幼少期ジジ
「誰が。」
カシャバ
「よせ。
帰らぬ者は帰らん。
お前はルシファンブルク家を継ぐ者として
しっかりせねばならんのだ。
メソメソする時間があるなら
勉学に励め。」
幼少期ジジ
「満点以外取った事ねーけど。」
カシャバ
「今はまだ。な。
これから成績などいくらでもひっくり返る。
油断するな。」
幼少期ジジ
「してねーし。
1点でも間違えたら言えよ。」
カシャバ
「全く。反省の色どころか
父を 睨 みつけるなど。
ジジ、明日から毎週お昼は家にいなさい。」
幼少期ジジ
「何でだよ。
明日はアキレイ達と遊ぶんだって!」
カシャバ
「明日は。じゃないだろう。
明日も。だろう。
それと、ノスポーラにも謝りなさい。
彼女はとても傷ついている。
自分の家族絵に変わった途端に
落書きされ、剰さえ
破り捨てられた事にもな。」
幼少期ジジ
「やだね。」
カシャバ
「ジジ。いい加減にしなさい。
外出禁止令を出しても良いんだぞ。」
幼少期ジジ
「チッ。分かったよ。
もういい?寝る」
カシャバ
「全く…」
N
ジジは書斎を出て
ダイニングルームを通った。
するとそこにはノスポーラがいた。
幼少期ジジ
「ノスポーラ…」
ノスポーラ
「ジジ…」
幼少期ジジ
「悪かったーー」
ノスポーラ
「謝らないで。
私…気にしてないから。
お父様に何て言われたの??
大丈夫???」
幼少期ジジ
「後で自分で聞けよ。寝るから俺」
ノスポーラ
「もう夜も遅いものね。おやすみなさい」
N
ーー翌朝ーー
カシャバ
「抜け出そうものなら
分かっているな?ジジ。
考えうる全ての隠し通路には
見張りを立てている。
それに、プラムもいるぞ」
幼少期プラム
「抜け出したら直ぐ連絡するからね。ジジ」
幼少期ジジ
「裏切りやがったな!!」
幼少期プラム
「元々手を組んでないもの。
裏切りとは言わないのよ。」
幼少期ジジ
「チッ」
カシャバ
「ほら、来たぞ」
幼少期ジジ
「何が?」
配役変更一覧
----------------------------
ハミデル▶︎▶︎▶︎画家
----------------------------
画家
「やぁ。ジジ」
画家…
みんなラナンキュラスズサイドストーリーは読んだかい?
え?まだ見てないって?
ブラウザバック して直ちに読みなさい。
そして、またこの話を読み直しなさい。
どれだけの事なのか分かるでしょう。
あ、ファンクラブで
今回は衝撃的な裏話を公開します。
俺からすると衝撃的じゃないんだけど
スタッフ的にはそうだったらしくて笑
月額500円だから気が向いたら
はいってやって下さいね!
詳しくはホームページへ!
千刃花でググればすぐ出るぜ!