Vol.1 幻×綴
遂に始まりました!
そしてお待たせ!!!!
やっとの五章!!若きジジ達の学生時代を
楽しんで欲しいなー!!
コロナも落ち着いて来たけど気を抜くなよ!!
コメディ満載の千刃花をとくと見よ!!
では楽しんで!!
ルビウス
曝 え 曝 え 骨身諸 とも
躯に映るは 我が身か明日か。
轍に刻むは彼の顔 誰ぞ。
日も暮れ時超え僕は幻視る
連連なるままに
連連なるままに
懐かしき日を 墓なき幻を
N
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作者 REN’sJackson
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
ナーベルク士官学校篇
Vol.1 『幻 × 綴』
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N
ラミオラス帝国三軍が一角
天王軍 団長 ルビウス=ドレーク。
堂々と宣戦布告したその男の目は
地球、ましてや幾千もの星や宇宙塵 などよりも遠く
遥か遠い過去を見ていた。
ルビウス
「「僕はいつでも見ているよ。
この宇宙からね。」」
N
"神の世代"と呼ばれたあの時代へと
運命の終末が
ガギリガギリと巻き戻る。
ルビウス
「さて、どう出るか見物だね...みんな。」
N
時は大きく遡り
ここは世界地図の西に位置するナーベルク帝国。
椿家が代々皇帝位 を継ぎ
現在は 椿=ナーベルク=義統が統治する
君主制国家である。
正血統である椿家の他に
建国に携わった五人の騎士達がいた。
その末裔は現在でも財力、権力共に
ナーベルク帝国を支えており
今ではマーティン家を加え
六大貴族と言われる家があった。
椿家の分家にあたる鍔騎、
ルシファンブルク、ブルダニア、
グレイ、バンジャマン家は
絶妙なバランスで拮抗し合い
帝国民の羨望を集めていた。
ラミオラス帝国との長きに渡る戦争を繰り返し
領地を拡大し続けては鬩ぎ合う大国である。
ナーベルク帝国が他国に恐れられている
理由の一つに特殊かつ屈強な軍の存在があった。
それは
〜帝国特務戦闘部隊〜千刃花と呼ばれる組織である。
通称、千刃花と呼ばれ
一刃花隊から八刃花隊という戦闘部隊から
補助、通信を担う"九根"と呼ばれる組織があった。
千刃花の部隊長はそれぞれ
神の力を宿した刃を保有しており
他の国に対し、圧倒的な武力差を見せつけてきた。
神の刃をその身に宿す者を
鞘花と呼び
戦時に置いては鞘花の能力と
神の力を真似た古代からの秘術
刃術を駆使し戦闘で活躍した。
ナーベルク帝国には
帝都ルシファンブルクという首都があり
その周りは皇帝の住む巨城ダリアと
街々を守る様に広大な樹海と
侵入不可と言われる巨大な絶壁の存在があった。
まるで要塞の様な樹海も、聳え立つ絶壁も
全て、鞘花による能力で
作りあげられた物だった。
そして更なる軍力の拡大、良質な兵の育成を目的とし
六大貴族であるブルダニア家が所有する
ブルダニア諸島の
アトラース、メノイ、エピメンタ、プロメーテ
全てを提供し、エダ=ブルダニア三世が創設したのが
ナーベルク士官学校だった。
在校生徒数は総勢722名
ナーベルク士官学校には複数のクラスがある。
所在地アトラース島の
基礎体力、基礎訓練、戦闘訓練をはじめとする
実技が優秀な者のみが集められた特化クラス"A-1st"
所在地メノイ島の
政治や歴史、考古学、教養をはじめとする
勉学が優秀な者のみが集められた特進クラス"B-1st"
所在地エピメンタ島の
医療に携わる知識や看護、戦闘救護をはじめとする
医学が優秀な者のみが集められた特効クラス"C-1st"
所在地プロメーテ島の
魔進開発や設計、科学といった
近年増設されたクラス
技能が優秀な者のみが集められた特技クラス"D-1st"
大まかに四つの特殊クラスがあり
それぞれの島は校舎と大きな橋で繋がっている。
そして、それぞれ一般クラスとしてABCDの下に
2nd、3rdとクラスが分けられていた。
半年ごとにある試験によってランクが変わっていき
3rdから2ndへと上がっていく。
皆、1stを目指し日々、励んでいる。
そして、壮絶な試験を乗り越え
三年の課程を修了すると
各 クラス1stで1名のみ首席が選ばれる。
首席に選ばれると一年間ナーベルク帝国軍へと入隊したのち
千刃花への配属が確約される。
他の者はナーベルク帝国軍の各部隊に入隊し
試験をパスするか戦果を上げない限り
千刃花に配属される事はない
〜帝国特務戦闘部隊〜千刃花とは
それほどまでに狭き門なのである。
間
N
ーーナーベルク士官学校 入学から1か月後
特化クラスA-1st教室内にてーー
ルビウス
「ーーと。まぁ、こんな感じだ。
今日の授業は。
なぁ、聞いてるのか?
って、マーティン!!!
なんで君は寝てるんだ!!」
アキレイ
「グーーーーzzzグーーーzzz」
ルビウス
この居眠りをしている赤髪の青年は
マーティン家の長男だ。
そして、ナーベルクが誇る魔進会社の御曹司。
実質、ナーベルクの魔進業界のシェアを
独占しているほどの巨大な企業でもある。
近年、戦争が苛烈さを増すと
戦闘魔進の割合が高くなり
今では生産する6割の魔進を
戦闘魔進として作っている。
だが、いつも寝不足なのか
基本、居眠りばかりしている男だ。
そして、見た目によらず喧嘩がめっぽう強いらしい。
よし、怒らせないでおこう。
N
すると、本をパタンっと閉じて
爽やかに微笑む青年は
見向きもしないで口を開いた。
ラナンキュラス
「フフッ。
アキレイらしいね。寝かせてあげなよ。」
ルビウス
「マーティンが教えてくれって言うから
わざわざ話してやったんだぞバンジャマン!!」
ラナンキュラス
「またオンジューム先生の部屋で
魔進を組み立ててたんじゃないの?」
ルビウス
この金髪の色気ダダ漏れ微笑み男は
ナーベルク帝国の罪人に刑を執行する一族である
六大貴族の一角、バンジャマン家の次男。
幼い頃から剣を持たされ
いかに素早く首を斬り落とすかを
練習させられているらしい。
甘いマスクに軽薄な態度。そして、恵まれた容姿からは
全く想像つかないほどの生い立ちだ。
時折見せる冷徹な顔は正直言って怖い。
よし、怒らせないでおこう。
ジジ
「放っとけよそんな奴」
ルビウス
この目つきの悪いふてぶてしい態度の男は
六大貴族の一角、ルシファンブルク家の長男。
ナーベルク帝国の首都ルシファンブルクと言えば
知らぬ者はこの世界にいない。
首都の姓を冠する建国の一族の影響力は計り知れない。
そして何よりIQ 値130を超える天才と噂されている。
おまけに
次期ルシファンブルク銀行の頭取と言われているらしい。
金の力で戸籍さえも抹消出来ると
豪語しているのを聞いたことがある。
よし、怒らせないでおこう。
ジジ
「ラナンの言う通り昨日は帰りもしねーで
魔進いじってたぜ?」
ルビウス
「やっぱりか!!そのせいで時間を無駄にした!!
ルシファンブルクからも言ってくれないか!!」
ジジ
「嫌なこった。」
ルビウス
「だいたい、マーティンは
魔進技能の特技クラスD-1stだろ!
なんでわざわざ特化クラスのA-1stにいるんだ!」
ラナンキュラス
「編入したんだよ。今日からね。
自分んちの会社で学べる事を
学校に行ってまで学びたくないんだってさ。」
ルビウス
「結局寝てるじゃないか!!
だいたい、ルシファンブルク!!
君はB-1stだろ!!」
ジジ
「あ"ん?俺がいちゃぁ悪いのかよ」
ルビウス
「いちゃ悪いだろ!!
君は隣の島に帰りたまえ!!!!」
ツバキ
「ジジも今日からA-1stだ。」
ルビウス
「ぇえ!?!?」
ツバキ
「知らぬのか。それは貴公の落ち度。
腹を斬るほかない。」
ルビウス
「斬らないよ!!!
むしろ授業内容を教えてるんだぞ?」
ツバキ
「くだらぬ」
ルビウス
この冷静沈着な物言いの男は
六大貴族、鍔騎家の跡取
皇帝直下の近衛部隊を代々務める騎士の家系。
通りでお堅い訳だ。
だけど数年前に鍔騎家は何者かに襲撃を受け
女、子供を除く家の者は暗殺されたらしい。
その中でも皇帝の妾の子であるツバキは
ルシファンブルク家に匿われていた為
無事で済んだと聞く。
現在は鍔騎家の隠れ屋敷に住んでいるらしいが
その所在は一部の人間しか知らない。
仮に知った者は殺されるらしい。
よし、怒らせないでおこう。
ジジ
「そういうこった。
知ってる事、教わんのは時間の無駄だ。
なぁ?義忠」
ラナンキュラス
「フフッ。かと言ってすぐに1stに
来れちゃうあたり、さすがだよね。」
ルビウス
「いや、待て。
君もだバンジャマン!!!
さっきからシレッといるが
君はC-1stだろう!!
なんで、さも無関係な立ち位置に
平然と座ってるんだ!!」
N
するとラナンキュラスは首を横に振り
ため息をつくと、紅茶を飲みながら本を読みはじめた。
ルビウス
「無視!!無視するのか?」
ツバキ
「ラナンも今日からA-1stだ。」
ルビウス
「何!?
君たちは自由なのか!!??
入学試験はどうしたんだ!?!?
成績と適正で割り振られただろ?
あれは歴史ある儀式なんだぞ!?
それを故意に変えるとは!!
ナーベルク士官学校をなんだと思ってるんだ!」
ジジ
「暇つぶし」
ツバキ
「覇道」
ラナンキュラス
「カフェ」
アキレイ
「グーーーッzzz」
ルビウス
「ふ、ふざけてるのかー!!!
だいたい、鍔騎!!
覇道ってなんなんだ!!覇道って!!」
ツバキ
「我が覇道を歩む為の過程に過ぎぬ。」
ルビウス
「厨二かよ!!!」
ツバキ
「貴公も我が覇道に落ちた石ころに過ぎぬ」
ルビウス
「なんで急にディスってきたんだ!!」
ツバキ
「でぃ...ディスっ...ディスるとはなんだ。」
ジジ
「相手をけなす事だ。」
ツバキ
「なるほど...そうだ。
私は貴公をディ...ディスっ...ディスったのだ。」
ルビウス
「いーよ!!無理して使わなくて!!」
ラナンキュラス
「ズズーッ。はぁ。
それとルビウス
苗字で呼ぶのはやめてくれないかい?」
ジジ
「クックックッ
俺はどっちでも構わねーけどな。」
ラナンキュラス
「今日だって僕らのことを話す授業だったろ?
あまり、貴族だって事をみんなの意識に
刷り込ませたくないんだよ」
ルビウス
「今更か!?
君たちだけだぞ!!!
飛行機で登校してるのは!!
本来なら寮に泊まるべきなのに
君たちだけは自宅から通ってる!!
何のために寮があると思ってるんだ!!
ブルダニア諸島は本国から離れてるからだ!!
でも君たちはその必要がない!!
何故なら飛行機で通ってるからだ!!
その時点で貴族意識を見事にすり込まれたよ!!
それに、君ら3人が来たせいで
他のクラスメート3人が
立って授業受けてたんだぞ!
そういう事さえも本人に言えないぐらい
君たち貴族の力は強大なんだ。」
ジジ
「チッ。」
ラナンキュラス
「そうだったのか。
てっきり何かの罰だと思っていたよ。
すまないね。君たち。」
N
ラナンキュラスはそういうと
手早く小切手を書いた。
ラナンキュラス
「ほら、ジジも。」
ジジ
「ったく仕方ねーな。ほらよ。」
N
ずっと立っていた生徒達は
その小切手をもらうと
驚きのあまり腰を抜かした。
ジジ
「なんだよ。
初めからそうやって座ってりゃ楽だったのによ」
ラナンキュラス
「少ないけど、明日からもっと良い机を買うといい。
これはせめてもの礼だ。」
ツバキ
「ラナン、心配はいらぬ。
机は学校が用意してある。」
ラナンキュラス
「そうなの!?」
ジジ
「まじか!!
じゃぁなんで、ねーんだよ!!」
ツバキ
「アキレイが作業机として
裏側に持って行っていた。
それ故に無かっただけだ。」
アキレイ
「グーーーッzzzz」
ルビウス
「...それを早く言ってくれよ!!」
ジジ
「チッ、アキレイかよ。」
ラナンキュラス
「まぁ、とっておきなよ。
迷惑かけてしまったね。」
ルビウス
「はぁ。金で解決するとは全く貴族らしい。」
ジジ
「じゃぁ、渡した金を返してもらうか?」
ラナンキュラス
「そんな事しなくていいさ。
迷惑かけた。それなりの詫びとして
菓子折を持っていくよりも喜ぶと思うよ。
僕らはそういう場面を何度も見てきた。」
ジジ
「ぁあ。そうだな。
大人はみんなそうしてんだよ。」
ツバキ
「故に人の浅ましさも、情も見えるというもの」
N
すると、乾いた感情が辺りを包み込んでいく
ルビウス
「君たちがどう思っているか知らないが
帝国民で六大貴族を知らない者はいない。
生まれたその日から大ニュースだ。
何かある度に報道されていく」
ジジ
「そんなウザってぇのいらねーんだよ。
普通がいんだよ。普通が。」
ルビウス
「嘘をつけ!!!ルシファンブルク!!
貴族の財力を使って
自分たちの飛行場を作ったのは誰だ!!」
ジジ
「バカが。飛行機で来るんだから
飛行場がなかったら、どこに降りるんだよ。」
ルビウス
「少しは貴族の名に誇りを持て!!
バンジャマンもルシファンブルクもマーティンも
そういう発想がーーー」
ラナンキュラス
「ルビウス。頼むよ。」
ルビウス
「グッ...分かった。
苗字ではもう、呼ばないよう気をつける。」
ラナンキュラス
「あっ。ただし、ツバキは例外だけどね。」
ルビウス
「それは何でだ」
ラナンキュラス
「いいから、いいから。
とりあえずそんな感じで頼むよ。」
ルビウス
「...分かった。」
ラナンキュラス
「ありがとう。ルビウス」
N
ラナンキュラスはニコッと笑うと
遠い場所から黄色い歓声が上がった。
ジジ
「ったくよぉ。
お前みてぇーな奴を
インテリクソメガネって言うんだぜ?
真面目かよ。な?義忠」
ルビウス
「なっ!!イ、インテリクソメガーー」
ツバキ
「くだらぬ。私は帰る。」
N
すると、終業の時間を知らせるチャイムが鳴り
ツバキは誰よりも早くサッと立ち上がった。
ジジ
「っしゃー。俺も帰ろっーと。
今日は放課後訓練ねーだろ?
まぁ訓練っつっても
ほぼ、あんなの筋トレだけどよ。」
ラナンキュラス
「明後日からだろ?
A-1stの実地訓練は。
でも今更刃術の基礎やってもねー。」
ツバキ
「入学から1か月まではクラスやランク、分け隔てなく
座学が基本だという。
貴公らも知っているだろう。
アザミをはじめとした1stの担任を持つ四人の授業は
明後日からだ。」
ジジ
「そういえば
アザミの奴にも入学式以来あってねーな。」
ラナンキュラス
「今思えば担任の意味無いよね。それ」
ジジ
「割と自由に出来たんだからいーじゃねぇか。
校内でタバコ吸って謹慎させられてんじゃねーか?」
ルビウス
「いや、暴行事件起こして留置所にいると聞いたが...」
ジジ
「んな事よりもいこーぜ。
明後日からきっとやべー授業ばっかだ。
明日は休みだし好きな事しよーぜ」
ラナンキュラス
「別にいいけど
今日は何をするんだい?」
ジジ
「決まってんだろ。
ほら、行くぞ。ラナン、義忠
アキレイ!!ったく!!パシン
いつまで寝てんだよ!!!」
アキレイ
「ん??もう終わったのか??」
ルビウス
「マーティっ...アキレイ!!!
せっかく僕が教えてたのに
なんで君は寝てるんだ!!!」
アキレイ
「ん?ぁあ!!悪い!!!」
ルビウス
「悪い!!じゃないだろ!!!
いつもいつも夜遅くまで魔進ばかり
いじっているからだぞ!!!
だから君はーーー」
ラナンキュラス
「まぁまぁ。落ち着きなよ。」
ジジ
「よっしゃ!!!行くか!!」
アキレイ
「行く?」
ツバキ
「私は行かぬ」
ジジ
「何言ってんだ義忠。
お前も行く場所、変わらねーだろうが。」
N
そういうと教室を出ようとした。
ジジ
「あっ。」
N
ジジは立ち止まりルビウスの方を振り向いた。
ジジ
「お前も来いよ。」
ルビウス
「僕は寮に帰る。
君達みたいな不良と関わると内申点に響きそうだからね。
勝手に行きたまえ。」
ジジ
「頭の固い男だな。
たまには羽を伸ばしてもいいだろうが」
アキレイ
「そうだな。
勉強の礼もしたい。来いルビウス。
俺の特製 海上 小型 魔進
"2NOT蜥蜴 THE END"を見せてやる。」
ルビウス
「なんだ!!その物騒な名前は!!」
アキレイ
「なぁに。他の船と変わらん。
ただ対空ミサイルを積んでいるだけだ!!」
ルビウス
「物騒じゃないか!!」
ラナンキュラス
「フフッ。ツバキの言ってた通り
面白い人だよね。」
ツバキ
「変な事は言っていない。
事実を言ったまでだ。」
ジジ
「クックック...俺たち貴族に
あそこまではっきり言って来れる奴も珍しいよな?」
ルビウス
「なっ!!」
ジジ
「いいから来いよ。真面目ちゃん
俺たちが色々教えてやるよ。」
ルビウス
「誰が真面目ちゃんだ!!!
って待て。そもそも 行くって どこにだ!!」
アキレイ
「俺も知らん!!!」
ルビウス
「知らないのかよ!!」
ラナンキュラス
「フフッ」
ジジ
「ほら、行くぞ。ルビウス。
外泊申請は済ませてある。」
ルビウス
「外泊申請!?!?何を勝手な事を!!」
ジジ
「うるせーな。来い。」
N
ジジはルビウスをキッと 睨 んだ。
ルビウス
「ひ、人を殺した事ある目つき...
ま、待て!!僕は何をさせられるんだ!!」
ジジ
「行くぜ」
ルビウス
((...一体どこに連れてかれるんだ))
N
5人が教室を出ると
人混みがザザーッと割れて
一瞬で花道ができた。
しかし、女生徒達が後から流れ込み
黄色い歓声を上げながら押し寄せてきた。
ルビウス
「グッ!相変わらず!!凄いな!!」
ジジ
「うるせー!!だけだ!!
オラ!!邪魔だ!!ドケ!!!ブス共!!」
ラナンキュラス
「やぁ。子猫ちゃん達。
アハハ、それは受け取れないよ。
だって、僕は君には勿体無い。
ほら、危ないからお下がり。」
アキレイ
「パンなど!!いらん!!
何で俺にはパンなんだ!!」
ツバキ
「...斬る」
ルビウス
「斬るな!!!!!」
N
ーー数分後ーー
ナーベルク士官学校 貴族飛行場
ジジ
「はぁ...はぁ...。
ったくめんどくせぇな!!!
いつもいつも!!」
ルビウス
「グッ...制服が...よれてしまった...」
ラナンキュラス
「困ったな...
この手紙の量は返事を返すのが大変だよ。」
ルビウス
「返すな!!」
ツバキ
「鍔騎家で我等専用の校舎を
建てられるかどうか...検討してみよう。」
ルビウス
「建てるな!!」
アキレイ
「何で...パンなんだ。」
ジジ
「ほら、今日は誰んとこのだ?」
N
ジジは飛行場を見渡したが
一機も見当たらなかった。
ラナンキュラス
「今日はジジの所だろ?」
ジジ
「あ!?そうだったか?」
アキレイ
「まさか、呼んでないのか。」
ツバキ
「案ずるな。」
N
ツバキは空を指差した。
ジジ
「ぉっ!!!」
N
上空には大きな文字で
ルシファンブルクと書かれた飛行魔進が
ゆっくりと降下してきていた。
ハッチが開くとそこから
ジジの双子の姉 プラムが出てきた。
プラム
「ご機嫌よう。皆様。」
ルビウス
ルシファンブルク家の長女
ジジの双子の姉。
開校以来、最高成績で入学した才女。
無言の笑みとその美しさは誰もが虜になると言う。
だが、やはりジジの姉。危険な匂いがする。
怒らせないでおこう。
ジジ
「悪いな。プラム」
プラム
「どうせ忘れると思ったので
手配しておきました。」
ラナンキュラス
「流石だね!!プラム
ジジと違って機転が効くね!」
ジジ
「あ"ん!?
プラムが用意するって分かってただけだ!!」
アキレイ
「危うく歩いて帰る所だったぞ。」
プラム
「このナーベルク士官学校は海に囲まれていますから
歩いて帰るのではなく泳いで帰るのよ。」
アキレイ
「それは参ったな!!競争するか!?」
プラム
「しません。」
ルビウス
「歩いて帰らなくても
定期船なら1日かかるが帰れるぞ。」
ツバキ
「ありえぬ。
貴公はそれで良いだろうが
先ほどの混乱の比では無い。」
ラナンキュラス
「そうだね、逃げ場もないからね。」
ジジ
「逆に海に沈めてやってもいいが
後処理が面倒だな。」
ルビウス
「何!?あの女生徒達は
海まで追いかけてくるのか!?」
アキレイ
「なりかねん。だがそれもいい!!
みんなで競争だ!!」
ラナンキュラス
「フフッ。アキレイらしいね。付き合うよ!」
ルビウス
「付き合うな!!!」
プラム
「あら?そう言えば...
そちらの殿方はどなたですか?」
N
プラムはルビウスを見ると
不思議な顔をしていた。
ルビウス
「も、申し遅れました。
ルシファンブルクご令嬢。
僕はルビウス=ドレークと申します。
このナーベルク士官学校で
特化クラス"A-1st"に在籍しております。」
プラム
「まぁ!!
義忠様が言ってた
騒がしくて しつこい方!!!
でもとても優秀な殿方だと
お聞きしていますわ。
確か...入学試験は座学3位。基礎体力は8位。
内在刃汽数値は7位でしたわね?
平凡な家庭にお生まれになって
可もなく不可も無い人生を
歩まれて来られたとお聞きしましたわ!」
ルビウス
「なっ!!そんな事一体誰にーー」
プラム
「私はプラム=クリーク=ルシファンブルク
と申します。ジジの姉でありナーベルク士官学校では
特進クラスB-1stです。
お見知り置きを」
N
プラムはニコッと笑うと
ツバキの元へと駆け寄った。
プラム
「義忠様、就学お疲れ様でした。」
N
プラムが駆け寄るのを横目に
アキレイはルビウスと話していた。
アキレイ
「気にするなルビウス。
ジジの姉だぞ。元々口が悪い。」
ルビウス
「あれは天然なのか?」
アキレイ
「一見、おしとやかに見えるが
平気で心を切り裂いていくぞ。
まさに口頭テクニックだ。
せいぜい気をつけるんだな!!!」
ルビウス
「わ、分かった。」
ラナンキュラス
「フフッ見てよ二人
前からあんなに仲良かったっけ?」
ジジ
「知らねーよ。
プラムは昔から義忠に ぁあだ。
まぁ特に最近はな。」
ツバキ
「迎えに来てもらってすまない。
ご苦労だった。」
プラム
「いえ、滅相もございません。
お疲れでしょうし
今日は日差しが強いので
早く帰りましょう。
さぁ、皆様どうぞこちらへ。
新しく通学用に購入した
ルシファンブルク家専用飛行 魔進"CH-01"です。
お乗り込みください。」
ラナンキュラス
「見たことないと思ったら
そういう事だったんだね。」
アキレイ
「俺が整備したんだ。ついでに加速燃料5倍だ!!
対戦艦用のミサイルも積んであるぞ!!!」
ラナンキュラス
「いや、いらないからそれ。」
ジジ
「だから高かったのかよ!!!」
アキレイ
「積んでしまったものは仕方ない!!」
ルビウス
「言い切ってしまう所が
アキレイらしいな...」
N
一同は
ルシファンブルク家専用飛行魔進"CH-01"に乗り込むと
それぞれの席についた。
すると機内アナウンスが流れた。
ラナンキュラス
「ん?この声って...」
アキレイ
「ぁあ。リナリアだ。」
ジジ
「あいつにやらせると意外に上手いんだぜ?」
プラム
「そうですね。
リナリーは昔から絵本を読むのが
とても好きでしたから。」
ルビウス
「リナリアって...マーティン家の...」
ツバキ
「そうだ。アキレイの妹だ。」
♪1
アナウンス
((皆さま、
本日もルシファンブルク家専用飛行魔進"CH-01"
ナーベルク本土 行を ご利用くださいまして
ありがとうございます。
この便は最新のAIを搭載しており
自動操縦となっております。
ん?何これ...な、なお、本機体が攻撃された場合
ただちに迎撃...迎撃!?
ちょっと兄さんコレーー!!!))
ルビウス
「何だこのアナウンスは!!」
ジジ
「おい!アキレイ!!
まだ変えてなかったのかよ!!」
アキレイ
「...忘れていた!!!」
ラナンキュラス
「相変わらず面白いね。アキレイは」
ツバキ
「毎回聞かされたのではたまらん。」
プラム
「ウフフッ 何度聞いても面白いですわ。」
アナウンス
((ゴホン!!まもなく出発いたします。
シートベルトを腰の低い位置でしっかりとお締めください。
なお、レーザー光線を使用...
レーザー光線!!??
もう!!!こんなのいらないじゃない!!!))
ルビウス
「もはや戦闘機じゃないか!!」
アキレイ
「かっこいいだろ?」
ルビウス
「どこが!?」
ツバキ
「なぜ、波動砲ではないのだ。」
ルビウス
「厨二かよ!!」
アキレイ
「その手があったか...
次からそうしよう。」
ジジ
「いらねーよ!!」
アナウンス
((梅樹園空港までの飛行時間は
20分を予定しております。
それでは、ごゆっくりおくつろぎください。
もう!!!兄さん!!!!どういうこと!?
いくらかかっーーーー))
ツバキ
「...波動砲」
N
すると、ブチッとアナウンスが途切れた。
ルビウス
「...梅樹園?
ツッコミどころが多すぎて
何から言えばいいのか分からん。」
N
ーールシファンブルク家敷地内
梅樹園空港ーー
ラナンキュラス
「ふぅ。やっと着いたね。」
ルビウス
「す、すごいな...
初めて来た。」
N
ここはルシファンブルク家の巨大庭園
季節が来ると一般公開し、梅の花と人々が賑わう。
その美しさはナーベルク帝国の観光名所として
有名な樹園である。
ツバキ
「私は帰る。」
プラム
「あら、お帰りになるのですか?」
ジジ
「いーや。ダメだ。
今日は色々とやることがあるからな!!」
ラナンキュラス
「それで、どこに連れて行かれるんだい?」
アキレイ
「やる事って何だ?」
プラム
「行ってからのお楽しみですわ」
ジジ
「まぁ、乗れよ。パチン」
N
ジジが指を鳴らすと
とてつもなく長い移動用陸上魔進が
目の前で止まった。
ルビウス
「な、長い...ゴクリ
こんなもの超セレブしか乗れないだろう...」
ジジ
「なんだ?初めてか?
そこまで広くねーぞ。」
ルビウス
「広く!?これでか!!」
プラム
「本当に面白いですわ。ねぇ?義忠様」
ツバキ
「私は行かーー」
アキレイ
「敵襲に備えた方がいいな...
マシンガンを付けてみよう!!!」
ジジ
「いらねーって!!」
ツバキ
「私は帰っーーー」
ラナンキュラス
「そうだ!!スパークリングワインで
乾杯しようか。ルビウスの歓迎を含めてね。」
ルビウス
「歓迎!?」
ジジ
「なら、車載冷蔵庫にあるぞ」
アキレイ
「気が効くな!!
何に合わせるんだ?
もらったパンなら沢山あるぞ!!」
ツバキ
「私はいらーー」
プラム
「そうですねぇ...プリンがありますわ!!」
ルビウス
「待て待て!!プリン!?プリン!!!??」
プラム
「義忠様が好きなグミもありますわ!!」
ツバキ
「なん...だと...しかし、私は行かーー」
ジジ
「じゃぁ決まりだな。」
ツバキ
「私は帰っーーー」
N
ーー10分後ーー
ルビウス
「なんなんだぁあ!!!ここは!!!!」
N
帝都ルシファンブルクの繁華街を抜け
高層ビルが立ち並ぶ摩天楼を抜けると
巨大なドームの地下の一室へと入っていった。
そこには"スタジオ音•跳•飛"と書いてあった。
ラナンキュラス
「スタジオ... 音•跳•飛...」
ジジ
「そうだ。」
アキレイ
「なかなか広いな!!!」
プラム
「ウフフッ」
ツバキ
「何故、私はここにいるんだ。」
ルビウス
「一体何をする気なんだ!!」
N
鏡貼りの壁に
100名は収容出来そうな地下の一室。
そこには沢山の照明や機材が置いてあった。
ラナンキュラス
「フフッ...分かったよ。
これは僕の写真集を撮るんだね。
全く...それならそうと早くーー」
ジジ
「ちげーし、いらねーし。」
アキレイ
「なるほど...
新たな魔進を皆で開発するのか!!
よし!!手元にある設計図はコレしかーー」
ジジ
「いい加減にしねーとリナリアにチクるぞ」
ツバキ
「くだらん。
ここは最強の刃術を編み出す修行の場だ。
貴公らは早々に立ち去るがーーー」
ジジ
「最強の刃術ってなんだよ。」
ルビウス
「まさか!!!
私の誕生月が今日だと言うことを知ってのーー」
ジジ
「おい、初対面で誕生月 祝うくらいなら
俺が生まれてきた事を毎日 祝え。そして祈れ」
ラナンキュラス
「フフッ、まさか僕をモデルにーー」
ジジ
「おい!!てめーらいい加減にしねーと殺すぞ」
ラナンキュラス
「じゃぁ、な、何のために...ここに来たんだい?」
プラム
「早くいったら?ジジ
皆さん、お待ちかねよ?」
ジジ
「クックックック
そう焦るなプラム。
毎年、秋になるとナーベルク士官学校で
何があると思う?」
アキレイ
「想像もつかないな...」
ルビウス
「もしや...ナーベルク士官学校
秋の大イベント!!」
ツバキ
「...ただならぬ、においがする。
やめろ、ジジ。
それ以上、口に出すことは許さぬ」
ジジ
「まぁ聞けよ義忠。
今年の会場はここ
ガーベラ=グレイ記念ドームだ。」
プラム
「1万人は収容出来ますわ」
ラナンキュラス
「1万人...まさか!!!紅茶の試飲会!!」
アキレイ
「俺はパン食い競争などやらんぞ!!!」
ツバキ
「全校生徒 対 私で殺し合うのか...」
ジジ
「んなわけねーだろ!!!
お前らもっと真剣に考えろ!!」
プラム
「ウフフッ...本当にご冗談がお好きなのですね。」
N
すると、プラムが手を二回叩いた。
プラム
「パパン
お待たせしました!!
お入り下さーい。」
N
続々と白い布で包まれた何かが運ばれてきた。
アキレイ
「何ごとーーー」
ジジ
「これを!!見ろ!!!!!」
N
ザザーッと白い布を勢いよくめくった。
ラナンキュラス
「これは...」
ルビウス
「何を考えているんだ...」
アキレイ
「本気か?ジジ」
ツバキ
「私はやらぬ」
プラム
「皆様、よろしいですか?
すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが
ナーベルク士官学校には由緒正しき
秋の恒例行事 である帰郷祭があります。
先月の生徒会会議にて
その全容が明らかになりました。
協議の結果...今年は
チーム対抗刃術バトルロワイヤル。
来年は生徒同士で
出し物を出し合う野外芸術祭
そして、最後の年は誰もが知っている
男女ペアの卒業舞踏会です。」
ルビウス
「チーム対抗刃術バトルロワイヤル に
野外芸術祭だと!?
士官学校で刃術を
競い合うのは分かるが
野外芸術祭なんて
僕は聞いたことないぞ!!」
ルビウス
((卒業舞踏会なんて最悪だ!!
僕はダンスなんて踊れない!!!
それに、男女ペアという事は...))
プラム
「6年に一度開かれるそうですよ。
そして、来年がちょうど6年目だそうです。」
ツバキ
「チーム対抗刃術バトルロワイヤル...
我が覇道の錆としてくれる!!!」
ラナンキュラス
「フフッ...腕が鳴るね。アキレイ」
アキレイ
「プラム!!
魔進は出場...出来ないのか?」
プラム
「出来ません。
あくまでも生徒同士になります。」
ルビウス
「アキレイ!!
君は何でも魔進を絡ませようとするな!!」
ルビウス
((コイツら...卒業舞踏会など
眼中にないのか!!!
女の子を探さないといけないじゃないか!))
アキレイ
「どうしたルビウス
汗が凄いぞ。」
プラム
「大丈夫ですか?顔色が悪いですわ」
ルビウス
「い、いや、何でもない」
ラナンキュラス
「オーケー。話しは何となく分かったけど
それでジジ...それをどうするんだい?」
N
ラナンキュラスが指差した先には
様々な楽器と数々の機材が置いてあった。
ジジ
「見りゃあ分かんだろ?」
ツバキ
「それを片手に戦う気か?」
アキレイ
「ちがうなツバキ
それを参考に武器を作るんだろう!!」
ラナンキュラス
「何を言ってるんだい?
見たところ全てが高級品...
恐らく、今から紅茶を片手に
楽器を観賞するのさ。」
ルビウス
((女の子... 女の子... 女の子... 女の子!!))
プラム
「ウフフッ。
皆さんどれもハズレですわ。」
ジジ
「クックック...
来年の野外芸術祭に向けて
俺達でバンドを組むんだよ。」
ラナン・アキレイ・ルビウス
「ぇえーーー!!!」
ツバキ
「なん...だと?」
ルビウス
「バンド!?
い、一体何を考えているんだ君は!!!
そもそも!!ナーベルク士官学校に
遊びに来ている訳ではないんだぞ!!」
ジジ
「よく言うぜ。 帰郷祭 の話ししてた時
興奮してたじゃねーかよ。」
ルビウス
「そ、それは...違っ...
だが何故バンドなんだ!!」
ジジ
「お前ギターな。」
ルビウス
「え!?」
ジジ
「アキレイはドラム」
アキレイ
「ぬぉ!?」
ジジ
「ラナンはキーボード」
ラナンキュラス
「えー。」
ジジ
「義忠は...」
ツバキ
「やらぬ。やらぬと言ったらやらーー」
ジジ
「ベースな。」
ツバキ
「な!!?」
ジジ
「んで、俺はギターボーカルだ。」
ラナン・アキレイ・ツバキ・ルビウス
「ッッッ!!」
ラナンキュラス
「それは聞きづてならないね。
ボーカルこそが花。
そもそも僕が得意なのは
ピアノじゃなくてバイオリンだよ?」
アキレイ
「俺だってドラムを叩いた事はないぞ!!
出来るのはピアノだ!!」
ジジ
「毎日トンカチで何か叩いてるだろ。
変わんねーよ。」
アキレイ
「そ、そうか。」
ツバキ
「バンドなどくだらぬ。
チーム対抗刃術バトルロアイヤル以外の 帰郷祭に
興味は無い。」
N
するとルビウスが口を開いた。
ルビウス
「ぼ、僕は...ギターが弾ける。ま、まさか!!」
ジジ
「だから連れて来たに決まってんだろ。」
ルビウス
「何!?」
プラム
「フフッ。楽しそうですわね。
良いではないですか。それに...ねぇ?ジジ」
ジジ
「クックック。
俺がお前らの反応を予測出来なかったと思うか?」
ラナンキュラス
「どう言う事だい?」
ジジ
「やっぱり知らねーんだな。
プラム説明してやれよ」
プラム
「ナーベルク士官学校では
半年に一度、A-1stからA-3rd
それぞれ成績別にランクを分ける為の
過酷なテストが行われます。」
アキレイ
「何!?そうなのか!!??
半年に一度あってはたまらん!!」
ラナンキュラス
「え?知らないの?
有名な話しじゃないか。」
ツバキ
「フンッ。寝てばかりいる貴公には
さぞ、一大事であろうな。」
ラナンキュラス
「アキレイ。君なら大丈夫さ。
士官学校を辞めても会社があるじゃないか。」
アキレイ
「そう言う問題では無い!!」
プラム
「フフッ。それぞれのクラスの定員は決まってますの。
特に1stの最下位者と
2ndの最上位者は紙一重。
成績のみならず才能が認められれば2ndの者は
1stの者と試験関係なく入れ替えられる。
特にラナンとアキレイは座学が嫌いでしょ?」
ラナンキュラス
「僕は机に向かって教科書と語り合う時間がないのさ。
常に世の女性が僕を求めているからね。」
ルビウス
「何だそのタラシみたいな言い訳は!!」
ラナンキュラス
「事実は小説よりも奇なり。さ」
プラム
「アキレイだって勉強する時間よりも
魔進をいじっていたいのでは?」
アキレイ
「当たり前だ!!
いつか来るであろう巨大ロボット戦争に備えて
巨大人型魔進兵器を作るのが夢なんだからな!」
N
メラメラと燃えるアキレイを見たルビウスは
ため息をついた。
ルビウス
「ハァ。オンジューム先生も同じ事言ってたな...」
ツバキ
「座学だろうが訓練だろうが関係ない。
遊びに付き合う暇など私にはない。
貴公らで勝手にやれば良いだけの事。」
プラム
「修行の時間が増える。と考えたらどうでしょう?
試験対策は生半可では出来ないと聞きます。
それに義忠様。
人を率いる者は民と触れ合い共有する事も大切ですわ。
同じ目線で語らい、同じ目線で考える。
どれも必要な事です。
帝国民がいてこその帝なのですから。」
ツバキ
「...そうか。」
プラム
「フフッ。素直な義忠様は可愛いですわね。」
ツバキ
「な!?」
N
プラムがニコッと笑うとツバキは口を噤んだ。
ルビウス
「ジジ、僕らは一体何を見せられてるんだ。」
ジジ
「なんだよ?見てわかんねーのか?
義忠が照れてんだよ。」
プラム
「フフッ」
アキレイ
「プラム。それでどう言う事なんだ?」
プラム
「あ、そうでしたわ。
帰郷祭 最優秀チームは
試験をパスできるのです。」
ルビウス
「何!?!?
あの過酷な試験をパスできるのか!?!?
それはかなり大きい!!」
ラナンキュラス
「待ってくれ。
パスと言うのはどう意味合いがあるんだい?」
アキレイ
「確かに...降格させられないA-1stの者が
試験をパスするのは分かるが。」
ツバキ
「プラム。
最も無意味なのは3rdでは無いか?」
ジジ
「大有りだっつーの」
プラム
「3rdの者が 帰郷祭で
最優秀になった場合は
昇格し、成績下位者が降格しますわ。」
アキレイ
「なるほど。
それは死に物狂いでやってくるだろうな。」
ツバキ
「卒業舞踏会は何を競う。」
プラム
「卒業舞踏会はただのイベントですから
何も競いませんわ。」
ツバキ
「ならば出る意味などない。」
プラム
「そんな事はありません。」
ツバキ
「何?」
ラナンキュラス
「卒業舞踏会では
帝国の要人が集まるんだよ。
噂では...あの千刃花大隊長
オルケイディア=ハル=マリアも来る。」
N
すると、この場の空気が一瞬凍りついた。
ツバキ
「オルケイディア...ハル...マリア」
ルビウス
「超大物じゃないか...」
アキレイ
「あまり表舞台には出てこないと聞いたが
毎年来るのか?」
ラナンキュラス
「いや。豊作と思われる年にしか来ないらしい。
千刃花に直接勧誘される事もあるみたいだね。」
ジジ
「でも、調べてみる限り3年間の成績で選ばれる
卒業舞踏会のメインを飾れた上位5名が
声をかけられるみたいだぜ?」
プラム
「そうです。
もちろん。上位に選ばれるものは常に1st。
私達は3年間降格せずに好成績を出し続けるしかないです。」
ルビウス
「5名か...この中の誰かは落とされるんだね。」
アキレイ
「俺は落ちる気はない!!」
ツバキ
「貴公は真っ先に落ちる未来が見える。」
アキレイ
「何!?」
ジジ
「悪りぃけど俺は手段を選ばねーぜ?」
プラム
「私も負けるわけには行きませんわ。」
ラナンキュラス
「僕は...あまり興味ないかなー」
ルビウス
「本気か!?」
ジジ
「じゃぁ空けとけよ。その椅子」
ラナンキュラス
「だってさ、みんなと楽しく過ごせるなら
僕はそれでいいから。家督は兄貴が継ぐし。」
アキレイ
「ラナン。そんな事言ってるから
親父さんに無理やり入学させられたんじゃないか?」
ラナンキュラス
「フフッ。親父は関係ないさ。
僕は親父の言葉なんかで入学したわけじゃないからね。」
アキレイ
「...そう言う事か。」
ルビウス
「ん?どう言うーー」
ツバキ
「くだらぬ。そんな事よりも
大事なのは卒業試験。
そもそも、卒業出来なければ千刃花に入る事など叶わなぬ。」
ルビウス
「...卒業試験」
ラナンキュラス
「毎年、卒業試験は極秘で行われるし
口外も許されていないみたいだね。」
アキレイ
「...とか言いつつも知ってるんだろ?プラム」
プラム
「残念ながら...知り得ません。
もちろん調べようと試みましたが無理でした。」
ツバキ
「どんな試験であっても
どんなに過酷であっても
私は千刃花に入隊し
必ずや鞘花となる。」
ジジ
「なれるさ。義忠ならな。」
プラム
「えぇ。間違いなく。」
アキレイ
「俺もなるぞ。必ずな。」
ルビウス
「まずは居眠りをしない事から
始めるんだアキレイ!」
アキレイ
「それは無理だ!!」
ラナンキュラス
「アキレイはリナリーくらい尻を叩いてくれる人が
そばにいないと...まず無理かな〜。」
アキレイ
「何だと!?リナリアは絶対に千刃花になどいれん!!」
ラナンキュラス
「フフッ。まぁ...今のままじゃ無理かもね。」
ツバキ
「ラナン。貴公はどうなのだ。」
ラナンキュラス
「僕は後方でみんなを支援できればいいかなー。
だって、みんなに死んでほしくないじゃない。」
ツバキ
「フンッ。まるで貴公がいれば
我々が死なないとでも言いたげな物言いだな。」
ラナンキュラス
「フフッ。それはどうかなー」
ジジ
「俺は知ってるぜ。
ラナンは抜け目ねぇってな。」
アキレイ
「だな!!」
プラム
「そうですわね。」
ツバキ
「フン。」
ラナンキュラス
「みんなひどいなぁー!」
N
すると一同は笑った。
全員
「アハハハッ!!!」
ルビウス
「...凄いな。」
アキレイ
「どうした?ルビウス」
ラナンキュラス
「何がだい?」
ルビウス
「僕は勘違いしていたよ。
君達ほどの貴族はもっと不真面目で
もっと楽観的かと思っていたから」
ジジ
「真面目かよ。
分かってねーなインテリクソメガネ。」
ルビウス
「インテリクソメガーーー」
ジジ
「俺たち貴族の殆どが
この国の期待を背負ってる。
生まれてからずっとだ。
国を護るべき人種だってな。
帝国軍にもなれねぇ様な奴は
たちまち爪弾きにされるって事だ。
帝国に尽くさぬ貴族に貴族としての価値は無しってな。」
アキレイ
「そう言う事だ。
生まれながらにして貴族として重圧に耐えながら
生きていくしかない。
だが、ごく自然じゃないか?
自分の生まれた国を護りたいと思うのはな。
そこに貴族も庶民も関係ないと俺は思うぞ。」
ラナンキュラス
「ルビウスだってそう思うから
ナーベルク士官学校に来たんだろ?」
ルビウス
「僕は正しい事をしたいだけだ。」
プラム
「正しさとは人の考えによって変わりますわ。
ルビウスの正しさが私達と同じ事を願います。」
ルビウス
「な、何て恐ろしい事を言うんだ君は!!」
プラム
「いえ。言葉の綾ですわ。」
ルビウス
「ぼ、僕は千刃花に入隊して
この国のために尽くす!!
それが国民としての義務だからだ!!」
ジジ
「相変わらず真面目だなー。
それがアダになんなきゃ良いけどよ。」
ルビウス
「き、君まで言うのか!?」
ラナンキュラス
「まぁまぁ。この先の事なんて
分からないじゃないか。今はさ。今を楽しもうよ」
ツバキ
「くだらぬ。私は帰る。」
N
そう言ってツバキは帰ろうと扉に手をかけた。
ジジ
「おっと、そうはいかねーぜ義忠。」
ツバキ
「何の真似だ。」
N
ジジはツバキの肩を掴んだ。
ジジ
「バンド名考えてねーだろ?」
ルビウス
「バンド名!?!?!?
そんなのいらないだろ!?」
アキレイ
「バンド名かぁ...」
ラナンキュラス
「本気かい?」
ツバキ
「私はベースなど弾いた事がない。
他をあたるのだな。」
プラム
「義忠様は
コントラバスをお弾きになられます。同じですよ。
それにこれも覇道の一部。避けては通れませんわ。」
ツバキ
「...グッ。
我が覇道を口にするとは...おのれプラム。」
N
そう言ってツバキは肩を落とすと
扉から手を離した。
ルビウス
「納得してるのか?あれで...」
ラナンキュラス
「ツバキの覇道はよく分からないからいいんじゃない?」
ジジ
「よし!バンド名を決めるぜ!
何か思いつく奴いるか?」
N
ジジはホワイトボードを持ってきて
意気揚々と話し始めた。
ジジ
「カッコいいのがいいな!」
アキレイ
「よし!ボンボンバーなんてどうだ!!」
ジジ
「ダセェ。」
ラナンキュラス
「美しき花園と書いてラナンはどうだい?
エデンみたいでカッコいいだろ?」
ジジ
「吐き気がするからやめろ。」
ツバキ
「暗黒月面隊」
ジジ
「却下」
ルビウス
「夢みる僕らのコンチェルト!!ってのは」
ジジ
「夢みる何だって!?」
プラム
「キングオブプリンス。略してしてキンプーー」
ジジ
「色々やめとけ!!他にねーのか?」
アキレイ
「よし!!ザ・ミサイルズ!!」
ラナンキュラス
「エリシオンプリンス!!!」
ツバキ
「キングオブサムライ」
ルビウス
「夜ノ騎士 !!」
プラム
「禁忌貴公子 ーー」
ジジ
「やめとけって!!見えない何かに殺されるぞ!!」
プラム
「そ、そんなぁ!あんまりですわ!」
ラナンキュラス
「僕のエリシオンプリンスは
高貴な響きがまるで僕でいいじゃないか!!」
ルビウス
「夜ノ騎士 は
ナーベルクを護る騎士って感じで
僕はかっこいいと思うんだが!!」
ツバキ
「何が騎士だ。くだらぬ。」
ルビウス
「えーー!?
ツバキだけには言われたくない!!」
ツバキ
「キングオブサムライこそ至高。」
アキレイ
「ザ・ミサイルズだって
なんかドーンって来てバーンって感じで
いいじゃないか!」
プラム
「フフッ。皆さん楽しそうですわね。
私めが思いつく名前など...」
ジジ
「もういいだろ...じゃぁこの中から決めるぞ。
あみだくじを用意して来た。
それぞれ考えた名前を書け。
おっと、プラムお前はダメだ」
プラム
「あんまりですわ!!」
ツバキ
「案ずるなプラム。
キングオブサムライがその脈絡を受け継ぐ。」
プラム
「義忠...様」
ジジ
「さぁ、書け」
N
ジジがそう言うと
5人はそれぞれ用紙にバンド名を書いた。
ジジ
「おし。俺たちのバンド名は...」
アキレイ
「ザ・ミサイルズ!!」
ラナンキュラス
「エリシオンプリンス!!!」
ツバキ
「キングオブサムライ」
ルビウス
「夜ノ騎士 !!」
間
ジジ
「ザ・ミサイルズだ!!!
異論は認めねー!!!」
アキレイ
「おっし!!!」
ラナンキュラス
「そんな!!!僕が...この僕が...ミサイルズ!!
ダサすぎる!!!」
ツバキ
「グッ...すまぬプラム」
プラム
「お気になさらないで義忠様
プラムは嬉しかったです。」
ツバキ
「無念」
ルビウス
「なんて破天荒な名なんだ...」
ジジ
「うるせぇ。
ちゃっちゃっと始めっぞ」
N
ブーイングの嵐だったが
何とかバンド名を決めた5人は楽器を手に取った。
ジジ
「おっ。そうだ。
講師は用意したぜ。パチン」
N
ジジが指を鳴らすと扉から講師陣が入ってきた。
アキレイ
「用意周到だなジジ。」
ラナンキュラス
「抜け目ないのはどっちかなー?」
ツバキ
「おのれアキレイ...許さぬ」
N
ーー数時間後ーー
手解きを受ける5人は
短時間でみるみると成長した。
アキレイ
「一拍めと三拍めにバスドラで
シンバルは常に刻んで二拍めと四拍めにスネアか」
ラナンキュラス
「ピアノじゃくてキーボードだと
こんなに綺麗なシンセサイザーが幾つも鳴るのか...」
ジジ
「ドラムとベースはリズム隊って言ってな
バンドの要だ。ぜってぇズレんなよ!」
ツバキ
「足を引っ張るなアキレイ。
さっきから走り気味だぞ。斬る」
ルビウス
「斬るなー!!ったく。
どうしてツバキはすぐ突っかかる!!
何でなんだ?」
プラム
「初めからそうでしたから今更ですわ。」
ルビウス
「そうなのか。
そういえばプラムはどうするつもりなんだ?」
アキレイ
「そうだ!何をするか決まってるのか?」
プラム
「私は照明と演出、そして作曲を担当させてもらいます。」
ジジ
「お、そうだ!!
プラム!!音源 聞かせてやれよ!!」
プラム
「フフッ。そうですわね。」
ラナンキュラス
「もう用意したのかい!?」
アキレイ
「早いな!!いつの間に作ったんだ!!」
ルビウス
「君達双子はなんでそこまで用意周到なんだ!!」
ツバキ
「...コソコソしていたのはそれだったとは...解せぬ」
ジジ
「先の先を読む。
これは戦の基本だぜ?」
プラム
「全部、ジジが考えた事ですわ。
面白いほど上手く行きましたわね。フフッ」
ラナンキュラス
「全く...相変わらずだよ。」
N
するとプラムはスタジオのスピーカーを機械に繋いだ。
ジジ
「作詞はもちろんこの俺様だ。聞いて驚くなよ?
これが俺たちの曲!!unleash だ!!」
♪2
ルビウス
あの頃、まだ幼い僕らは
一晩中、夢を語り合っていた。
そして、未来に
確かな希望を見出だしていた。
そう。
ナーベルク帝国の全てを知る
あの日までは。
N
----------------------------
作者 REN’sJackson
ー千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜ー
ナーベルク士官学校篇
Vol.1 『幻 × 綴』(完)
----------------------------
※BGMがある場合は終わるまで待つ
配役変更一覧
----------------------------
N▶︎▶︎▶︎ガーベラ
プラム▶︎▶︎▶︎N
チン兼任ツバキ
----------------------------
N
おまけ
チン
「お嬢様...いかがなさいましょう」
ガーベラ
「おいチンゲンサイ!!
アチシをここで降ろせーーー」
チン
「お嬢様...私の名前はチン=ジャイジャイです」
ガーベラ
「えぇい!!降ろせったら降ろせぇ!!」
チン
「お、お嬢様!!座席を!!そんなに!!
蹴らないで下さい!!!お嬢様!!!」
ガーベラ
「窓をブチ破って誘拐だぁー!って
叫ばれたく無いなら降ろせぇ!!!」
チン
「そ、そんなぁあ!!!」
N
ーールビウスサイドーー
バンドを結成した翌日
ガーベラ=グレイ記念ドーム入り口 前にて
とてつもなく長い移動用魔進が
続々と目の前に止まった。
ルビウス
「おはよう!!
今日も清々しい朝だ。
いやぁまさか最高級のホテルを取ってくれているなんて
流石はルシファンブルク家!!
素晴らしい夜景に素晴らしいディナー!!!
こんな事なら毎日連れ出されても構わない!!
...いや。それは嘘だ。」
ジジ
「ふぁ〜 」
ルビウス
「無視!?」
ジジ
「ふぁ〜 ねみぃ。
ん?ルビウスかよ。何でいるんだ?」
ルビウス
「君たちが呼びたてたんだろ!!」
ラナンキュラス
「おはようジジ。
ん?ルビウス?わざわざ出迎えてくれたのかい?」
ルビウス
「違うよ!!!呼ばれたんだよ!!」
ラナンキュラス
「やぁ。朝から元気だねぇ。紅茶でも飲むかい?」
アキレイ
「ルビウス!!迎えに来てくれたのか!!
わざわざすまないな。
そうだ!!新しい魔進の実験台になってくれ!」
ルビウス
「なるか!!!!知ってるぞ!
56SU機能を搭載していない魔進は無いんだって!!」
アキレイ
「よく知っているな...ではどうだ!?」
ルビウス
「ではってなんだ!!!
何故僕が受け入れている体で話が進む!!」
アキレイ
「仕方があるまい。
機能を試すには実践あるのみ!!
それで何でいるんだ?」
ルビウス
「だぁかぁらあ!!!君達がーーー」
ツバキ
「私の道を塞ぐとは良い度胸。斬る。」
ルビウス
「ぬぉおーー!!!斬るな!!!」
ツバキ
「...ルビウス。貴公が何故ここにいる。」
ルビウス
「君達が呼びつけたんだろ!!!」
ツバキ
「そうか。ならば用はない。」
ルビウス
「なんだそれ!!!
わざわざ早起きしたんだぞ!!」
ツバキ
「早起きは三文の徳と聞く。」
ルビウス
「だからなんだ!!!
まさか、誰一人覚えてないのか!?
ハァ...来なければ良かった。」
N
ルビウスはため息をつくと
ジジが口を開いた。
ジジ
「あ。そうだ。」
ルビウス
「ん?」
N
そう言って手渡して来たのは
一枚の紙だった。
ラナンキュラス
「ん?どれどれ?」
アキレイ
「なんだこれは!?」
ツバキ
「...ん?これは...」
N
すると、ルビウスは絶句した。
ルビウス
「な、な、な、な、な、なんだこれは!!」
ジジ
「あ?請求書。」
アキレイ
「随分 と贅沢したみたいだな!ルビウス!」
ラナンキュラス
「マッサージまで受けちゃってさ。」
ツバキ
「金の無い者に渡すとこうなると
分かりきった事。」
ルビウス
「待て待て待て!!
僕が勝手に呼んだんじゃないぞ!!
マッサージも食事も部屋も用意されていたんだ!!」
ジジ
「おい。贅沢しといて何言ってんだ。」
ルビウス
「ギクッ!!」
ジジ
「金...払うよな?」
ラナンキュラス
「まさか...払わないのかい?」
アキレイ
「そうだ!!その身体を担保にして
実験台になるのならば俺がチャラにしよう!!」
ツバキ
「出来ぬのなら...斬るのみ」
ルビウス
「まっ、まってくれぇえええ!!!!!」
ジジ
「プッ」
アキレイ・ラナンキュラス・ジジ
「プッハハハハハハ!!!!」
ルビウス
「え?」
ラナンキュラス
「ま、待ってくれぇだってさ!!」
ジジ
「腹いてぇぇ!!!」
アキレイ
「担保は本気だぞ!?」
ツバキ
「...くだらぬ茶番だ。」
ルビウス
「ほ、本当か!?」
ラナンキュラス
「あー面白かった。はい、ジジの負けぇ!」
ジジ
「チッ」
アキレイ
「昼飯はジジ持ちだな!!」
ジジ
「ったくよぉ。信じんなよ。」
ルビウス
「無理があるだろ!!」
ジジ
「俺がそんなケチクセェとでも思うのかよ。
誕生月祝いだ。俺たちからくれてやったんだよ。」
ルビウス
「な!?」
ツバキ
「...有り難く思え。」
ラナンキュラス
「これからよろしくね。ルビウス」
アキレイ
「良かったな!!」
ルビウス
「君達...」
N
ーー数分後ーー
スタジオ音•跳•飛にて
ジジ
「今日はプラムはいねぇが自主練だ。
譜面を持って来た。ほらよ。
まずは基本的なコード進行なんだがーーー」
N
すると、バンっと誰かが扉を勢いよく開けた。
ガーベラ
「見つけたぞ!!お前ら!!」
N
そこに立っていたのは銀髪の幼女
六大貴族の一角、グレイ家の長女だった。
ルビウス
「ガーベラ=グレイ!?」
N
するとジジに向かって突進していった
ガーベラ
「天誅なりぃい!!!!!」
ジジ
「あ"ん!?」
ガーベラ
「テヤァ!!!!!!!ァァァア!???
グヘッ!!フゴ!!ガハッ!!」
ルビウス
「ジジ!?」
ジジ
「何でテメェがここにいんだよクソガキ」
ラナンキュラス
「大丈夫かい?ガーベラ?」
アキレイ
「いつもながら盛大にやられたな。」
ツバキ
「騒がしい奴がまた来たのか」
ガーベラ
「まだまだまだまだぁ!!!トォオリヤァア!!」
N
ーー数分後ーー
ガーベラ
「ウェエエエン!!!!」
ラナンキュラス
「ほら、こっちにおいでガーベラ。
性懲りも無く挑むからこうなるんだよ?」
ガーベラ
「だってぇ!!だってぇ!!!
前髪がぱっつんなんだもーーーーん!!」
ジジ
「あ"ん!?」
ルビウス
「そんな理由で!?!?」
アキレイ
「ハハハハッ!!面白い理由だな!!」
ガーベラ
「ベーーーーッだ!!」
ルビウス
「泣き止むの早いな!!」
ツバキ
「それで、何をしに来たガーベラ=グレイ」
ガーベラ
「ここはグレイ家の所有地!!
理由が無いと来れない訳じゃないもんねぇー!」
ツバキ
「邪魔だ。失せるがいい」
ガーベラ
「やーだね!!そのゴキブリみたいな前髪切ったら
帰ってもいいけど!!!」
ツバキ
「ゴキ...ゴキブ...リだ...と!?」
N
するとツバキは片膝をついてしまった。
ジジ
「しっかりしろ義忠!!!
お前の前髪はゴキブリなんかじゃねぇ!!」
ツバキ
「ゴキ...ブリ...」
ラナンキュラス
「あーらら。
ツバキはそう言う事言われる耐性ないからねぇ」
アキレイ
「ガーベラ!!失礼だぞ。
仮にも六大貴族の長女なら気品を持て!!」
ガーベラ
「うるせぇい!!友達いないからって
ネジばっか回してんじゃねーよ!!」
アキレイ
「友達は...俺達...友達だよな!?な!?」
ラナンキュラス
「ちょ、アキレイ!!肩を揺らさないでくれ!!」
ルビウス
「な、なんて怖い者知らずなんだ...一体この子は...
ねぇ、君。あんまり人を揶揄うのもーー」
ガーベラ
「誰だお前」
ルビウス
「ぼ、僕はルビウス=ドレーク!!
ナーベルク士官学校ーーー」
ガーベラ
「モブは黙ってな!!」
ルビウス
「モ、モブ!?!?
た、確かに僕は君達と比べればモブかもしれない
いや、モブだからこそココにいるのでは!?
まさか...そのキャラ付けの為だけに僕は呼ばれた!?
そ、そんな事はーーー」
ラナンキュラス
「気をしっかり持つんだルビウス!!」
ルビウス
「ハッ!!ぼ、僕は...ルビウス...ドレーク...モブさ。
ち、違う!!誰がモブだ!!!」
ジジ
「ハァ...んで?何で来たんだ?
理由がねぇならカルミアさんにチクるぞ。」
ガーベラ
「ほほーん。そんな事言ったら
シルバに言ーちゃお言ーちゃお!!
あーらーらこーらーら」
ジジ
「や、やめろ!!!」
ルビウス
「シルバ!?シルバってC-1stの担任か!?」
ラナンキュラス
「そうだよ。シルバ=グレイはガーベラの叔母。
つまり、五刃花隊カルミア隊長の妹君さ。」
ルビウス
「そうだったのか!!
それは...恐ろしい。」
ラナンキュラス
「ぁあ。カルミア隊長も頭が上がらないんだ。
しかも元、五刃花隊の副隊長。
今はグレイ総合病院の理事も勤めてるから
お急がしいお方なんだよ。」
ガーベラ
「分かったか?モブ!!」
ルビウス
「誰がモブだ!!」
ツバキ
「グッ...私は権力になど屈さぬ!!」
N
ツバキはゆっくりと立ち上がった。
ガーベラ
「ゴキブリ」
ツバキ
「ガハッ」
ジジ
「義忠ぁあ!!」
N
しかし、再びツバキは片膝をついた。
ジジ
「おいガーベラ!!何の真似だ!!」
ガーベラ
「だってぇえー面白い話し聞いたからぁ!」
ジジ
「誰にだ!!」
ガーベラ
「リナリアちゃん!!」
ジジ
「おい!!アキレイ!!」
アキレイ
「な、何だ!!」
ジジ
「リナリアに喋ったろ!!」
アキレイ
「喋った!!何が悪い!
可愛い妹に俺がする事を言ったまでだ!!」
ジジ
「お前のせいで義忠がこんな事に!!」
ツバキ
「ゴホッゴホッゴホッ...ジジ。
俺を置いて...先に行け
我が封印が解かれる...その前...に」
ジジ
「義忠ァァァア!!」
ルビウス
「何の封印だ!!」
ラナンキュラス
「あんまりツッコむと体力持たないよ?」
ガーベラ
「それでそれで!?バンド組むんだってぇ!?」
ジジ
「お前に関係ねーだろ」
ガーベラ
「アチシにはあるもんねー!!
会場はココなんでしょー!?
リナリアちゃんと観に行こうって
アチシ約束したからねー!!」
ジジ
「ハァ!?」
ガーベラ
「リナリアちゃん言ってたよ!?
ジジは素敵な歌詞を書くってぇ」
ジジ
「お、おま」
ガーベラ
「なぁにぃ...ポエムでも
くれてやってんのぉ??
ぉぉお!!サムッ!!!」
アキレイ
「ポエムって何だ?」
ルビウス
「よく分からない単語を不規則に並べるあれだ」
ジジ
「ちげぇよ!!」
ラナンキュラス
「フフッ。ラブレターさ」
ジジ
「ちげえって!!!」
ツバキ
「ガハッ...詠唱のたぐいだ」
ジジ
「義忠!?」
ガーベラ
「アチシもぉ見たいなぁって
リナリアちゃんに頼んだらぁー」
ジジ
「テメェまさか!!見たのか!!」
ガーベラ
「全部捨てちゃったって!!」
ジジ
「ガハッ!!!」
アキレイ
「ジジ!!!」
N
ジジはフラッと後ろに倒れてしまった。
ルビウス
「な、なんなんだコレは...」
ラナンキュラス
「さぁね。時間はある。もう少し付き合ってよ。」
ルビウス
「...そ、そうか」
N
ーー数時間後ーー
ガーベラはちょっかいを出しながらも
5人の演奏を楽しそうに見ていた。
ラナンキュラス
「ガーベラ。なんで動画とってるんだい?」
ガーベラ
「え、いつか結婚式に流せるじゃん!!」
ツバキ
「一体誰のだ。」
ガーベラ
「さぁねーー」
アキレイ
「そうだメシでも食ってくか!?」
ルビウス
「ジジのおごりだろ!?」
ガーベラ
「え!!アチシは丸焼きがいい!!」
ルビウス
「遠慮を知らない子供なんだな」
ラナンキュラス
「遠慮?僕らに遠慮なんてないよ?」
ルビウス
「そ、そうなのか」
ジジ
「腹減った。飯にするぞ!!」
ガーベラ
「もうテイクアウト頼んだよ!!
ケルベロ豚の丸焼きと
どんぐりフィッシュの煮付けね!!
ジジのカードで切っておいたから!」
ジジ
「なんだと!?...ん!?
カードがねぇ!!!テメェまさか!!
すったもんだやった時に盗みやがったのか!!」
ガーベラ
「隙だらけの前髪だったぜ!!」
ジジ
「返せ!!」
N
ーー1時間後ーー
たらふく食べた6人は楽器を置いて座っていた。
ルビウス
「初めて食べた...まさか頭が3頭ある豚だったとは」
ラナンキュラス
「美味しかったね。」
アキレイ
「味も最高だった!!」
ジジ
「...いくらだったんだ一体」
ツバキ
「馳走になった」
ガーベラ
「よし!!楽しかった!!
アチシ帰ろっと!!!」
ジジ
「テメェ...」
N
すると、ガーベラはクルッと振り向いた。
ガーベラ
「そうだ。リナリアちゃんから手紙預かったよ!」
ジジ
「何!?」
アキレイ
「手紙だと!?手紙などもう何年もーー」
ガーベラ
「はい、ジジ。」
アキレイ
「何!?」
ラナンキュラス
「フフッ。アキレイ残念だったね。」
アキレイ
「ジジに何のようなんだ...」
ガーベラ
「あ、そう言えば、決まったってね!アキレイ!!」
N
アキレイは急に神妙な面持ちになった。
アキレイ
「ぁあ。そうだな。」
ガーベラ
「もちろん休むんでしょ?」
アキレイ
「そうだな。」
ツバキ
「また良からぬ事をしているのではあるまい。」
ジジ
「休む!?何をだ!?」
ルビウス
「何の話をしてるんだ?」
ラナンキュラス
「何か...あったのかい?」
ガーベラ
「何って...明日は」
間
ガーベラ
「リナリアちゃんの手術でしょ?」
どうだった?
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最下位の名前を選びました!
みんな応募ありがとう!!
次回も楽しみにしてくれよな!
ジニアズサイドストーリーCパートで会おう!!