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しろねこ姫の不思議な力  作者: しーにゃ
第3章 貴族しろねこ姫
61/125

α‬-Y ヒロインの幸せ

短いので2話同時公開とします

 ああもう、何もかも上手くいかないわ!あの平民のせいでシリウスルートは潰えたし、閉じ込めたのに助け出されたらしいし。何よりシリウスがあいつを気にかけていたなんて!


「信じらんないわ!」


 仕方ないからハーレムルートに入ろうとしてもあの三人なかなか『制圧』にかかんないし、折角ノエルにかけたのも解除された。それに授業でペアになろうにも、私はBクラスに落とされたから一緒の授業が受けられない。


 ゲーム通りなら、今頃はシリウスと仲良く勉強とかして、悪役令嬢にいじめられたりしているはずなのに。というか、あの悪役令嬢何なの!?ゲームじゃ水属性だけだったのに、何で全部使えるのよ!そんなのおかしいじゃない、ヒロインは私よ!()()()()()()()()()











 イライラしながら過ごしていると、ある時夢を見た。幸せそうな私の隣には、背の高いとんでもないイケメンが微笑んでいる。真っ黒な髪を伸ばし、漆黒の瞳を持つ、かつて生きていた世界にもいそうな姿の彼は、私に言った。


『学院の地下においで、幸せにしてあげる』


 その甘い声に、幸せそうな笑顔に、虜になった。たかが夢、されど夢。以前見た夢では『制圧(サプレッサー)』が実際に使えるようになったし、彼にどうしてももう一度会いたい。


 次の日の放課後に、私は()()()()のある場所に向かった。小屋を出現させて中に入る。『発光(フラッシュ)』で明るくしながら階段を降り、ドアを開け放して部屋に入った。











 そこには先客がいた。奥にあるドアを見つめ、何事か呟いている。その黒髪に心が高鳴る。きっと、夢で会ったあの人に違いないわ!


「あ、あの……」

「ん?」


 そっと声をかけると、彼が振り向いた。それがやけにスローモーションに見えて、鼓動が速くなる。振り向いた彼は、やっぱり夢で見た彼で。


「ああ、待ってたぞ。我が呼んだのだ。約束通り幸せにしてやろう」


 ま、まさかの俺様系!? 見た目はものすごく優しい王子様みたいなのに、だけどとても似合ってる。私は伸ばされた手を取った。


「はい、お願いします」

「名は何というのだ?」

「ユリ……ユリアンナです」


 噛んでしまった。だけど仕方ないじゃない?目の前にイケメンがいて、しかもじっと見つめられてて。自分でも赤くなっていくのが分かった。あぁぁっ、やめて、じっと見つめないで、恥ずかしい!


 一方で私を見つめたままの彼。私が赤くなっていくにつれて、嬉しそうに………ならなかった。


「ほう、ユリアンナか。良い名前だ」


 暫くして告げられたその言葉にさらに顔が火照る。そうよ、私はこの名前が、ヒロインである証拠の名前が気に入ってるの。


 そこで、彼の名前をまだ聞いていない事に気がついた。思い切って聞いてみる。


「あのっ、貴方様は何という名前なのですか?」

「我か?……ヴィートと呼んでくれ」

「ヴィート様……」


 名前を呼ぶだけで心が温かくなる。ああ、幸せだわ……流石はヒロイン、ちゃんと幸せになれるんじゃない。ゲームにこんな隠しキャラいなかった気もするけど、そんな事はどうだっていい。私が幸せならそれで良いのよ。


「ユリアンナ、ちょっと良いか」

「はい、何でし………ひゃっ!」


 惚けっとしていた私はヴィート様に声をかけられ、ハッとした所で彼に引き寄せられた。温かくて、それでいて硬い胸に耳が当たる。ヴィート様の規則正しい鼓動が聞こえてきて、私まで落ち着いてくる。そっと腕を回されてもう片方の耳も塞がれ、私には彼の鼓動しか聞こえなくなった。だから、彼が何か言っていても分からない。


「……"我に従え、全ては我の思いのままに、『支配(コントルナス)』"」


 その後どうしたかは覚えていない。だけど、ずっと私と一緒にいてくれる。どこにいても私を幸せに導いてくれる。


『ユリアンナ、地下に来い』

『勉強するぞ』

『もう一度やれ』


 その度に私は幸せを噛みしめる。私はヒロインだもの、このくらいの幸せなんて、当然よね!

この先暫くユリアンナは出てこなくなります(ヒロインなのに……)

忘れた頃に出てくる……かな?

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