表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/125

1.世界の敵

初投稿です。文章を書くのは苦手なので、温かく見守っていただけると嬉しいです。投稿は不定期で更新するつもりです。

 ――ここは、魔法と剣の国、アイルクス王国。長い間平和だったこの国は、ある一人の男―ヴァイス公爵、別名『闇の邪王』―によって混乱の中にあった。しかし、何人もの人を殺したとされている彼は、決して証拠を残さなかった。よって国王でも打つ手がなく、日々頭を悩ませていた。


 ある日、国王―ゲオルグ·サン·アイルクス―がいつものように執務室で頭痛の種に対応して、自分の無力さに思わずため息をつくと、


「―『闇の邪王』に対抗出来る子が生まれた」

「!?」


 国王は驚いてあたりを見回したが、声の主は見つからず、しかし尚も声が響いてくる。


「かの者は未だ邪王の魔の手が伸びていない家に生まれた。何らかの印を持つだろう。かの者と純粋な仲間に祝福を―」

「女神、様……」


 声が聞こえなくなっても、しばらく国王は呆然としていた。彼が我に返ったのは、書類を大量に抱えた宰相が入室してからだった。


「陛下、対応策を考えましたので確認を――陛下?」

「未だ邪王の魔の手が伸びていない家……」

「陛下―ゲオルグ!大丈夫か!?」

「印を持って―うん?クリスか、どうした?」


 宰相ことクリストファー·フォン·セイレンベルク公爵は書類を机に置き、親友であるゲオルグ国王の肩をつかんで揺さぶった。


「いくつかの案件の解決策を考えて来たんだが…」

「おお、ぜひ聞かせてくれ」

「いや、この話は今度だ。疲れている頭には難しいだろう。それより、何があった?ゲオルグが呆然とするなんて珍しい」

「クリス…この話は内密に願うんだが…」


 親友を信頼して話すことにしたゲオルグがそう前置きすると、クリストファーは周りに防音魔法をかけ、話を促した。


「つい先ほど、私に女神様のお告げがあった。『未だ邪王の魔の手が伸びていない家に、ある印を持つ、邪王に対抗出来る子が生まれた』と」

「邪王の魔の手が伸びていない家、か…」

「どこがあるだろうか?今や市井はもちろん、上位貴族でさえ奴にやられている」

「私に思いつくのは、この国の根本のアイルクス王家、我がセイレンベルク公爵家、代々魔導師長を務めるフォルティス公爵家、騎士団長のアークウェル侯爵家、確実なのはこの辺か」

「そうだな。確かにクリスのところ以外は孫が生まれている」


 ゲオルグが納得したように頷くと、クリストファーが少し微笑みを浮かべた。


「ああ、それなんだが…実はつい先日私のところにも生まれたんだ、かわいい女の子が」

「なんと…めでたいことだ。うむ、そうだな。今度、子供たちを見に行こう。印がついていれば、間違いなくお告げにあった子だろう」 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ