第2話
変な夢を見たが気にすることなくいつものよう
に行動する。顔を洗い朝食の準備をする。朝食を
食べ学校へ行く準備をする。7時になったら家を
出る。自転車を10分ほど走らせ駅へ向かう。そこ
から15分ほど電車で移動し、そこからは徒歩で学
校に向かう。
25分ほど歩くと正門が見えてくる。正門をくぐり抜け、玄関に行くといつものように生徒指導の教師が女子生徒に注意をしている。気にすることなく下駄箱で内履きに履き変え、教室へと向かった。そして教室前の廊下に荷物を置きそこにいる男子生徒たちに話しかける。
「おはよ」
「「「おう」」」
これだけだ。別に嫌われているわけでもない。だいたいこれで朝の挨拶は終わる。そしてお互いに別々のことを始める。一人は携帯を構い、一人はやっていない宿題をやり、一人は何処かへ歩いて行く。なんてことのない日々。
時間がたつにつれ徐々に生徒が増えていく。通っている高校は女子の比率が高いため、男子はHRが始まるまでは廊下にいる。
「このイベントやったか?」
「もう終わってる」
「さすが課金勢」
「まだ10万くらいしかしてないから」
「次の映画どこで撮る?」
「海岸は前回やったから公園でよくね?」
「じゃあ来週の日曜な」
「ごめん、俺無理だわ」
HR開始のチャイムが鳴るといつものように頭皮の寂しい教師が
「教室入れ〜」
と気の抜ける声で廊下にいる生徒たちに呼びかける。それぞれが自分の所属しているクラスに入り、HRが始まる。
これがいつもの日常だ。