黒幕が見えない。
黒幕が見えない。
夢って途中までしか見してくれない。もんさ。
ここは大阪の古びた団地である。ここの5階兄正雄と弟の幸一の兄弟は、母親と一緒に三人で暮らしていた。
ある時、テレビを見ていたら団地のベランダからガラスが割れる音がした。
「ガッシャン」
テレビ「この後9時からはあのドラマが帰ってきた!!絶対に家にひきこもり、世間を渡っていかないニートとその家族の人情物語。わたセケ!」
振り向くとそのベランダには正雄と同じくらいの男がいた。
正雄「ひっここ5階やぞどうやって登ってきたんや。」
男「正雄だな。お前を殺す。」
幸一「なんのために。」
男「それは言えない。いくぞ!!」
男は正雄に向かっていった。
スッ・・・
正雄は間一髪よけた。
正雄「とりあいず団地の屋上へ逃げるぞ!!」
幸一「おう。」
母「わかった。」
男「待て!!」
屋上までは1分ぐらいだが、いつもより時間が長く感じた。
正雄「ハァハァ取りあいずあいつを・・・」
幸一「おう」
母「だれかおらんの!!だれか!!」
男「はぁはぁ。こんな寂れた団地助けに来る人なんておらんわ。いまや年寄りばかりしかおらん。民泊でもしたらどうだ。だいたい。12時までに正雄お前を殺さないと組織に即。俺が殺されるからな。だいたいなぜお前が殺される対象になっているかということがよくわからない。黒幕に聞かないと。12時までにこの屋上6階からお前を落とし殺す、お俺の命を生き長らえてやる絶対にな。そうしないと結局組織にお前も殺されるさ。さあ行くぞ!!」
男は人気ドラマ「わたセケ」並みの長台詞で現状を説明した。あと殺す理由言えないのではなかったか。
正雄「ぐおおおおお力強いな、お前」
男「フッ」
幸一「だがなこっちには二人いるんだぜ。行くぜ兄貴!!」
男は強かったが、まあまあ喧嘩の強い二人兄弟には数的優位で不利が見えていた。
それから二時間三十分立とうとしていた。素人と言うより人間が戦うには限界を超えている時間だ。
男「はぁ・・・肩があがらねぇ・・・」
正雄「はぁはぁまだやるぜ。」
幸一「もうすぐ12時だぜ。」
正雄と幸一は二人いるので倒そうと思えば倒せたが黒幕というやらをみるために、12時まで時間を引き延ばした。
あとの30分はお互い疲れも見えてきているのでゆったりとしたバトルが続いた。
男「ああっもう12時・・・」
ヘリコプターの音が聞こえてきた。これはおそらく黒幕の登場だろう。
ヘリコプターのドアが開かれようとしたその時。
ドンッ、ドンッ、バシッ
母「はよ起きろや!!」
朝蹴られて起こされる正雄であった。
正雄「黒幕ぅ・・・は?」
母「何言ってるんや。あんたは。」
正雄はそこで気づいた。夢だった事に。まさか途中までしか見せてくれないどころか一番良いところで目覚めるなんて。正雄はまた気づいた。
正雄「俺ニートやし、もう一回寝ればええか。」
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