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闘う! もんすたぁガールズ  作者: へぼめし
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第1話 お届け! もんすたぁガール

 そして、八年後――


『おめでとうございます! 照井聡樹(てるいさとき)さま。あなたは、日本もんすたぁ協会主催・もんすたぁマスター認定試験に合格しました。つきましては、最初に契約するもんすたぁを下記のリストからお選び下さい。後日、契約の指輪と共にご自宅まで送り届けいたします』


 日本もんすたぁ協会の公式ホームページで自分の合否の発表を黙読し、その後音読し直してようやく内容を理解する。そして聡樹は歓喜の叫びを上げた。


「いいぃぃよッッッしゃあああぁぁ! 苦節八年、不合格になること三三回。ついに、ついについについに、俺はもんすたぁマスターになったんだああぁぁひゃっほおおぉぅい」


 あの夢のはじまりから八年。

 一六歳の高校一年生になった聡樹は努力と落胆を交互に重ね、ついに念願のもんすたぁマスター認定試験に合格することができた。

 その代償として遊び時間のほとんどは認定試験の勉強に費やされ、おこづかいのほぼ全ては受験料へと消えていった。熱心という言葉では片付けられないくらいに心血を注いできたのだ。

 さらには学校での成績が壊滅的な惨事となり、通信簿には棒とアヒルが列をなした。県下最低レベルとはいえ、公立の高校に入れたことは奇跡としか言いようがないと中学の担任教師に言われたくらいだ。自分でもそう思った。

 だがそれだけの犠牲を払うに値する夢だと、聡樹は頑なに信じてきた。その信念が今日、確信に変わったのだ。こんなに嬉しいことはない。

 ともかく、今はこの喜びを誰かと分かち合いたい。

 誰がいいだろう。両親は仕事が大好きで、案の定今晩も家には居ない。

 だとしたら妹の魅麗(みれい)だろうか。魅麗ならきっと喜んでくれるだろうが、正直あまり気は進まない。

 だが今はこの喜びを誰かに伝えないと、自分の中でどんどん膨らんで身体が破裂して死んでしまいそうだったので、聡樹は自室を出て魅麗の部屋へ向かった。


「おーい、魅麗、いるか~?」


 声をかけながらドアを開けると、そこには妹の魅麗が立っていた。ピンク色のフリルの下着姿で。


「きゃー、お兄ぃのえっち」


 棒読みでそう言って、魅麗はスタイル抜群の身体を悩ましげにくねらせ、手で大事なところを隠す。が、全然隠れていない。てゆうか隠す気が感じられない。表情もとっても嬉しそうだった。


「……。悪い、邪魔したな」


 聡樹はそのままドアを閉めた。


「あ待って、お兄ぃ待って、服着るから待ってっ」


 中から妹の必死な声が聞こえてくる。

 やっぱりここに来たのは失敗だったと思いつつも、聡樹は律儀にドアの前で待機した。


「で、お兄ぃ、あたしに話があるんでしょ?」


 ファンシーなピンク色のベッドに腰を下ろした魅麗がそう尋ねてきた。

 一応服を着てはいるが、胸元が大きくはだけた服で、豊満なバストとその谷間がこれでもかと強調されている。下も丈の長さがきわどいミニスカートで、組んでいる脚の隙間から中身が見えそうだ。

 聡樹はそれらの危険部位から必死に目を逸らし、答える。


「ああ、実は俺――」

「もんすたぁマスター認定試験に合格したんでしょ?」

「なっ、知ってたのか?」

「お兄ぃの歓喜の叫びがあたしの部屋まで聞こえてきたから」

「あ、そっか。悪い、ちょっと興奮しちまって」


 聡樹は照れ隠しに鼻の頭を掻いた。


「ううん、あたしも嬉しいよ。お兄ぃが夢を叶えたんだもん。お兄ぃの喜びは、あたしの喜びだよ」

「み、魅麗……お前ってやつは……っ」


 魅麗の暖かな言葉と笑顔に、聡樹は胸の奥がじんわりと温まるのを感じた。目頭も熱くなり、危うく涙がこぼれそうになる。

 魅麗は容姿端麗にして成績優秀。おまけに運動神経も抜群で、その上さらに兄想いときたもんだ。こんなにできた妹をもって、聡樹は自分を日本一幸せな兄だと思った。

 ……まあ、その兄想いが少し限度を超えすぎているのが問題ではあるけども。それが世界一ではない理由だ。


「ん? ちょっと待てよ。てことはお前、俺が来るのをわかってて服を脱いでたな?」


 ギクッ、と魅麗の肩が波打つ。そしてつつーっと視線を逸らして。


「えーなんのことー? 魅麗わかんなーい」


 吹けもしない口笛をひゅーひゅーする魅麗の姿に、聡樹はこぼれかかった涙が涙腺の奥に引っ込むのを感じた。


「ま、まあともかくお兄ぃ、合格、本当におめでとう。それで、最初に契約するもんすたぁは決めたの? 確かお兄ぃ、ドラゴンがいいって言ってたよね」

「あっ、そうだ、まだ途中だったんだ。悪い魅麗、俺手続き終わらせてくるわっ」

「あ待ってお兄ぃ、ドラゴンを選ぶんならちゃんと一番下の注意事項を――」


 バタンッ。

 聡樹は魅麗の部屋を飛び出して自室へ急ぎ戻った。

 最後に魅麗がなにか言っていたようだが、ほとんど聞き取れていない。

 ドラゴンなんちゃら~と言っていたような気がする。たぶん、『ドラゴンてかっこいいよね、あたしも大好き』とかそんな感じだろう。ようやく魅麗にも男のロマンというものが理解できてきたようだ。善きかな、善きかな。

 テキトーに決めつけて、聡樹はもう一度パソコンのモニターと向かい合う。

 合格発表のメッセージの下にはもんすたぁの種族の名前が並んでいた。

 日本もんすたぁ協会にはたくさんのもんすたぁたちが登録している。

 マスターが契約したい種族を選べば、日本もんすたぁ協会がそのもんすたぁに「ご指名入りました~」と連絡を入れる。つまり、日本もんすたぁ協会はマスターともんすたぁの仲介役も担っているというわけだ。

 スライム、ゴーレム、グール、サスカッチ、クラーケン……順番に目を通していき、目当てのドラゴンの名前を探す。


「ド、ド、ド、ドラ、ゴン……あったッ」


 その雄々しい名前を見ただけで聡樹は再び感極まり、全身の鳥肌がスタンディングオベーションした。

 幼少の頃からの憧れであるドラゴンと、ついに契約することができるのだ。

 ドラゴンと契約したらまず、クラスメイト全員に自慢をする。

 それから厳しい修行や強敵(ライバルと読む)との戦いを経て信頼関係を構築し。

 そしてゆくゆくはもんすたぁずファイトリーグで華麗に優勝し、チャンピオンとなって。

 さらに十年連続で王座を防衛し、史上最強のチャンピオンとしてハルマゲドンの戦いが勃発するまで語り継がれていくことになるのだ。


「完璧だ……俺の人生完璧だぜッッ」


 己のブリリアントでグロリアスな未来に心を震わせる聡樹。

 通信簿に『前向きなのは大変よいのですが、なんでも自分の都合のいい方へ解釈してしまうきらいがあります』と毎年のように書かれていただけはある。


「さあ、ついにこの瞬間がきたぜ」


 聡樹は震える手でマウスを操作する。

「初めてのもんすたぁは、ドラゴンッ、キミに決めていたッッ」


 勢いよく宣言してドラゴンのチェックボックスをクリック。そして即座に手続き完了のボタンをクリックした。

『手続きが完了しました。あと少しでキミも、もんすたぁマスターだ!』


「やったぜッ」


 ガッツポーズ。


「さーて、今日はもう寝るかな。やれることもないし」


 後はただ、契約の指輪とドラゴンがやってくるのを待つばかりだ。今から楽しみで仕方がない。

 聡樹はさくっとパジャマに着替え、ベッドに身体を放り投げた。


「うおー、心臓のどきどきが収まらん。こりゃ寝れるかな~」


 一分後。


「グオー、ゴガー」


 聡樹はON,OFFの切り替えの早い男なのだ。


「グガー、ドラゴン、いっけぇ~むにゃむにゃ」


 寝言をのたまい、幸せそうにニヤニヤと笑う。


「いまだひっさつ、ドラゴンぶれしゅ……ぐう、ぐう……」


 どうやら夢の中での聡樹は、一足早くもんすたぁマスターになっているようだった。


 そして翌日の朝。


「――ぃ。お兄ぃ――きて。お兄ぃ、起きてってばぁ~」


 鼻に掛かったような甘ったるい囁きが、まどろむ聡樹の耳たぶをくすぐる。


「起きないの~? ……ウフフ、チャ~ンス」


 その瞬間イヤな予感が全身を駆け抜け、聡樹はぱっちりと目を開ける。

 視界いっぱいを覆っていたのは人の顔だった。サラサラの長い髪が帳のように周囲を遮り、その顔以外はなにも見えない。

 閉じられたまぶたは長いまつげが縁取り、すっきりとした小さな鼻、そして薄ピンク色のぷるぷるとしたくちびる。まごうことなき美少女の顔。それがゆっくりと迫ってくる。

 聡樹はすかさずそのビューティフルな顔面をアイアンクローに捉えた。

 そして寝起きのしわがれた声で呻くように言う。


「魅麗、なにやってんだよ」


 天使のごときビュリホーフェイスの持ち主、魅麗は顔をわしづかみにされながら「たはは」と笑う。


「いや~、お兄ぃがなかなか起きないから、眠り王子の目を覚ます目覚めのチューをしよっかなって痛たっ、ご、ごめっ、ごめんなさいお兄ぃっ痛たたたっ」


 しばらく魅麗の悲鳴を聞いた後、聡樹はアイアンクローから解放してやる。

 魅麗はこめかみをなでさすり、その目尻には透明のしずくがこんもりと小山を作っていた。


「う~、ヒドいよお兄ぃ~」

「ぜんぜんヒドくありませんっ。まったく、毎朝毎朝性懲りもなくお前というやつはっ。もっとフツーに起こせんのか」

「フツーって? お兄ぃのいきり立った朝の生理現象を××××して静めながら上目遣いで『おはよう、今日も元気いっぱいだね』って言えばいい?」

「ブッ! なお悪いわバカチンッ、それのどこがフツーだよっ。てゆうか年頃の女の子がそんな言葉を口にするんじゃありませんっっ」

「え~、恋人同士ならそれくらいフツーじゃない?」

「兄妹ッッッ、俺たちはキョ・ウ・ダ・イッッ、アーユースタンダード!?」

「お兄ぃ、それを言うならドゥーユーアンダースタンドだよ」

「う、うるせいっ、俺は中学三年間英語の成績はオール1だぞっ」


 威張ることじゃないと思う。と魅麗の表情が言っている気がした。


「とにかくだっ。俺はもう起きたから。そんでこれから着替えるから」

「どうぞどうぞ、あたしに構わず」

「出てけって言ってんだよっ」

「もー、お兄ぃったらシャイなんだから~。わかったよ、着替えたら早く降りてきてね? 朝ご飯冷めちゃうから」


 ムフフって感じのちょっとむかつく笑顔でひらひらと手を振りながら、魅麗は部屋から出て行く。


「まったく。ウチの妹ときたらホントにまったく」


 ぶつくさと文句を言いながらベッドから出て着替えを始める聡樹。

 今日は日曜日で学校が休みなので、ジーパンにTシャツ、そして上から軽く一枚羽織って済ませる。暑くもなく寒くもない五月上旬の気候にはこれぐらいが丁度いい。

 着替えたら一階に降り、洗面所で顔を洗ってから魅麗の待つダイニングへと向かう。

 ダイニングのテーブルには魅麗の作った朝食が並んでいた。

 献立は和食だ。ご飯に味噌汁、あじの開きに大好物の納豆までついている。

 魅麗は洋食好きなのだが、聡樹が和食好きなためそれに合わせてくれているのだ。なんとも甲斐甲斐しい妹である。これならさっきのプチデビルなイタズラも許せてしまう。


「さすが魅麗、今日もうまそうだな~。それじゃ、いっただっきまーす」

「はい、た~んと召し上がれ」


 聡樹はさっそく、小さな器に入った納豆を手に取る。そして納豆を箸でぐるぐるぐる~っと力一杯かき混ぜた。

 見る間に納豆はネバネバ~っとした糸を大量に立たせる。納豆はかき混ぜればかき混ぜるほどアミノ酸やら甘みが引き出されて美味しくなるのだ。だから聡樹は必ず百回以上はかき混ぜる。ポイントはタレやカラシを入れる前にかき混ぜることだ。


「お兄ぃってば、いっつも納豆たくさんかき混ぜてるけど、疲れない?」

「疲れるさ。糸が増えると抵抗が増して力がいるし。でもな、こうした努力の先には最高の結果が待ってるんだ。それを手に入れるためなら、俺は労力を惜しまないッ」


 ぐるぐるぐるぐるぐる~っ。

 納豆をかき混ぜる聡樹の手の動きが加速する。

 努力の先にある最高の結果。それは昨日手に入れたもんすたぁマスター認定試験の合格だってそうだ。

 過去に聡樹は度重なる不合格で心がくじけそうになったとき、必ずこうして納豆をかき混ぜた。

 納豆だって、がんばってかき混ぜ続ければすごく美味しくなる。だから諦めずに挑戦し続ければ、必ず合格できると信じることができたのだ。

 だから聡樹にとって納豆とは認定試験合格の最大の立役者であり、最高の恩人なのだ。いや、納豆だから恩納豆か?

 ともかく、このねばりつく糸のように、聡樹と納豆は切っても切れない関係にあるのである。


「うっ、うう……ありがとう、ぐすっ、ありがとう納豆……」

「お兄ぃ……納豆かき混ぜながら泣くのやめなよ……」


 それからしばらく、朝食を摂りながら照井兄妹は団らんを満喫する。

 両親はそろって仕事の虫なため、この団らんに参加することは少ないが、聡樹は魅麗がいたので寂しいと感じたことはない。魅麗も『お兄ぃがいるから』と言ってくれている。

 それにもうじき新しい家族が増えるのだ。そう、ドラゴンだ。

 ドラゴン族はもんすたぁの中でもプライドが高くて気むずかしいことで有名なので、うまくやっていかれるか少しは心配だが、魅麗も『ドラゴンてかっこいいよね、あたしも大好き』と言っていた(気がする)のできっと大丈夫だろう。


「ところでお兄ぃ、あたし今日出かけるからね」

「今週も出かけるのか? 友達とか?」

「うん、まあそんなところ。町をぶらぶらするだけだから、心配しなくても大丈夫だよ」

「わかった。もし何かあったら、すぐに連絡してくるんだぞ? 最近、他の町で物騒な事件が起きてるみたいだからな」

「うん、わかってるよお兄ぃ。ねぇお兄ぃ、あたしがいないと寂しい?」

「別に~」

「もうっ、そこはウソでもいいから寂しいって言って欲しいな」

「……寂しいよ。ウソだけど」

「も~、お兄ぃったらぁ~、ウフフ」

「アハハハ」


 そんな感じで団らん終了。後片付けと皿洗いは聡樹の仕事だ。



「それじゃお兄ぃ、行ってくるからね」

「ああ、気を付けてな」


 朝食の後、聡樹と魅麗は手分けして掃除と洗濯を終わらせ、今は午前十時頃。

 予定通り魅麗が出かけるので、玄関で見送りをしているところだ。


「お昼ご飯はラップして冷蔵庫に入ってるから、レンジでチンして食べてね」

「わかった、ありがとな」

「で、お兄ぃ、わかってるとは思うけど――」


 魅麗の顔が少し険しくなる。


「あたしがいない間に女を連れ込んだりしたら、許さないから」

「なに言ってんだよ、連れ込もうにも相手がいないってーの」


 聡樹は彼女イナイ歴イコール年齢だ。もんすたぁマスター認定試験の勉強に熱を上げていて、それどころではなかったせいだ。ということにしている。


「どうかなー、お兄ぃのコト狙ってる女が若干約一名いるみだいだし」

「えっ!? だ、誰だよそいつはッ、教えろ、教えなさい魅麗ッ」


 聡樹が餓えた狼のごとくがっつくと、魅麗は露骨に嫌そうな顔をして言った。


「お兄ぃの幼馴染みの」

真理(まり)が~っ? ないない、それだけは絶対にないって。俺を狙ってるんだとしたら、それは(タマ)()るためだろ」


 真理は聡樹の幼馴染みで、同じ高校に通っている女子だ。暴力的な女で、小学生の頃はよく理不尽な理由で殴られて泣かされたものだ。これは聡樹の黒歴史ベスト一〇に入っている。そんな真理を、魅麗は親の仇のように毛嫌いしていた。


「ふ~ん。ま、あたしはお兄ぃのこと信じてるからねっ。それじゃ、ばいばーい」


 最後には笑顔に戻って、魅麗は出かけていった。

 その後ろ姿を見送りながら、ふう、と聡樹は一息つく。

 魅麗はああ言っていたが、自分の方こそボーイフレンドがいるだろうに。

 聡樹は友人たちから、魅麗がワイルド紳士なイケメンと一緒にいるところを見た、という報告を何件か受けている。それも一年ほど前から。

 その時は、これで兄離れしてくれると助かる、と思っていたのだが……現在はご覧の有様だ。

 両親が不在がちな照井家では、聡樹は魅麗の兄であり、親代わりでもあった。

 聡樹も子供で加減がわからず甘やかしすぎてしまったせいか、魅麗には必要以上に懐かれてしまったのだ。

 このままではいけない、と聡樹は思っている。だから、そのワイルド紳士なイケメンには期待していた。

 もちろん、魅麗に相応しくない男なら追っ払ってやるつもりではいるが。


「さーてと、俺はなにするかな」


 今までなら認定試験の勉強に取り組むところだが、もうその必要はなくなったのだ。ドラゴンさえやってくればやりたいことは目白押しなのだが、それまでは正直なにをしていいか思いつかない。趣味といえるものも特になかった。

 しばらく考えてみたが結局特に思いつかず、とりあえずテレビでも観ることにした。

 リビングのソファーにどっかりと腰を下ろし、リモコンでテレビを点ける。


『それでは、次のニュースです』


 ニュースの内容は、もんすたぁと思われる少女がもんすたぁマスターを狙って傷害事件を起こしているというものだった。さらには同一犯と思われる無銭飲食が十数件も起きている。

 実はこの事件は一ヶ月ほど前からよその町で頻発しており、今回とうとう聡樹が住む町でも同様の事件が起きたのだ。

 もんすたぁの犯罪を専門に取り締まる警察組織、『もんすたぁ犯罪対策機関』がすでに動き出しているらしいが、未だに犯人のもんすたぁは捕獲できていない。


「おいおい、ついに俺たちの町にまで来やがったか。……魅麗のやつ、大丈夫かな……まあ、あいつはもんすたぁマスターじゃないから狙われないとは思うけど」


 とはいえやはり心配だ。聡樹は魅麗に連絡を取るかどうか迷ったが、やっぱりやめておくことにした。

 魅麗のことだ、自分が心配していると知ったら飛んで帰ってくるだろう。そうなったらせっかくの休日を満喫しているのに悪いし、一緒にいる友人にも迷惑をかけてしまう。

 いや決して、帰ってきた魅麗に『こうなったら、お兄ぃがあたしと遊んでよ、ウフフフフ』とか言われながら迫られるのが怖いからってわけじゃない。断じてない。きっとない。たぶんないんじゃないかな。まあちょっとは――


 ピン・ポーン。


 聡樹の思考を断ち切るように、どこか間の抜けた機械音がリビングに響いた。来客を告げる呼び鈴の音だ。


 ピン・ポーン。


 念を押すように、もう一度鳴った。


「はいはい、どちらサマですかっと」


 聡樹はテレビを消してから立ち上がり、玄関へと向かった。


「ずびばぜーん、ドロル急便でーず。デルイざーん、いらっじゃいまずがー?」

「はーい、今開けます」


 聡樹はロックを外して玄関戸を開けた。

 玄関戸の向こうには、一抱えほどもある段ボール箱を抱えた、巨漢の鬼のようなもんすたぁ、トロルがいた。ちゃんと制服を着ている。


「デルイザドギざんにお荷物でず」

「ごくろうさまです」


 トロルは大きな身体をねじ込むようにして入り口をくぐり、三和土まで入ってきて玄関に荷物を置いた。最初は見えなかったが、大きな箱の上には掌ほどの小さな箱も乗っている。

 トロルは伝票とボールペンを取り出し、


「ごごにザインを」

「はいはい……これでいいですか」

「ありがどうございまじだー」


 礼儀正しくお辞儀をして帰って行った。

 今のトロルのように人間社会に溶け込み、役割を担っているもんすたぁは決して少なくない。

 人間と同列ではないものの、人類に匹敵する知的生命体である彼らはちゃんと専用の法律で守られ、様々なところで人間を助けている。

 マスターと共にもんすたぁずファイトリーグ優勝を目指して戦うもんすたぁはその中の一部なのだ。


「俺に荷物か。随分とデカイけど、誰からだ?」


 段ボール箱の上面に張られた送り状から送り主を読み取る。

 送り主は『日本もんすたぁ協会』となっていた。


「えっ、まさかもう? 早くないか?」


 速達と書かれてはいるものの、手続きをしたのは昨日今日のことだ。それに、この妙な大きさの箱も気になる。


「この箱の中にドラゴンが……? いやまさか、いくらなんでも宅配便ではこないだろ、あの誇り高きドラゴンが。それに、ドラゴンが入るほど大きくはないし」


 では中には一体なにが? それを確かめるためにも、箱を開けてみなければなるまい。

 聡樹は自室へ運ぼうと、大きい段ボール箱に手をかける。が、


「……重い」


 無理をすれば持ち上がりそうではあるが、とても部屋までは持って行けそうにない。

 仕方がないのでここで開けることにした。

 まずは小さい方の箱を開けてみる。

 中にはアンティークのオルゴールのような綺麗な箱が入っていて、そのまた中には、赤い宝石をあしらった指輪が二つ、収まっていた。


「契約の指輪だ」


 その指輪は、人間の体内で生成される『マナ』と呼ばれるエネルギーを効率よくもんすたぁに譲渡するための道具。

 マナとは人間にとっては不必要で、しかしもんすたぁにとっては酸素と同じくらい重要な力の源だ。

 もんすたぁは体内でマナを生成できず、空気中にあるマナだけでは生きるのには足りるが、その身に秘めた力が十分に発揮できない。

 力を求めたもんすたぁが人間のマナを欲して取り交わされた交換条件が、現在におけるもんすたぁとマスターの関係の始まりと言われている。

 二つ一組の契約の指輪をマスターともんすたぁで交換して身につけることにより、両者合意の上の『契約』となるのだ。


「これが本物の契約の指輪」


 聡樹は指輪を一つ手に取り、自分の薬指にはめてみる。


「うおーっ、カッケェ!」


 掲げてみると、赤い宝石がきらりと光った。

 あの夢の始まりから八年、この瞬間を何度思い描いたことか。

 あの時は夢でしかなかったが、今はもう夢じゃない。聡樹が努力と情熱で勝ち取った現実だ。


「かっけぇ……」


 しばらく聡樹はうっとりとその輝きを眺めていたが、大きい箱のことを思い出してハッと我に返る。

 小さい箱には契約の指輪が。では、大きい箱には一体なにが?

 それを確かめるために、封をしているガムテープを引っぺがし、そろりと中を覗いてみる。


「……なんだこれ」


 中には、外箱より二回り小さい水槽が入っていて、水槽の中は薄緑色をした液体のようなモノで満たされている。箱と水槽の間には緩衝材として丸めた新聞紙が敷き詰められていた。


「うへっ、気持ち悪いなコレ。嫌がらせかなにかか?」


 聡樹はそっと手を伸ばし、恐る恐る、指先で薄緑色の液体に触れてみる。

 ぷにょん。


「ひゃうっ!?」

「うおっ!?」


 じゅるじゅるじゅるっ。


 聡樹が触れた途端、薄緑色の液体がものすごい勢いで盛り上がり、なにかの形を成していく。


 じゅるりらじゅるりら、じゅるるるるっ。


 それは人間だった。一つの頭、二本の腕、二本の脚。緑色の不気味な液体は、あっという間に人間の……それも、同年代くらいの少女に姿を変えていた。

 鮮やかなエメラルドグリーンの長い髪と、同じ色の大きな瞳をもち、その肌はとても白くて美しい少女。

 聡樹はその姿を見た途端、思わず顔を背けた。


「ふ、ふわぁ、びっくりしました……。私、どうやらうっかり眠ってしまっていたようです。あのぉ、すみません。ここは、どこですか?」

「お、俺ン家……だけど」


 聡樹は顔を背けたまま、少女を直視せずに答える。その顔はほんのり赤くなっていた。


「えっ、そうなのですか。では、もしかして、あなたがテルイサトキさま……」

「そうだけど……」

「ああ、よかったです。あの、初めまして、私は――」

「あ、あのさっ」


 たまらず、聡樹は声を上げた。

 少女がビクッと反応する。


「な、なんでしょう?」

「その前に、その……なにか着てくれない?」

「え?」

 少女は自分の身体に視線を落とした。そして直後、

「ッきゃあッ」


 短く悲鳴を上げて足元の水槽の中にうずくまる。

 そう。少女は服を着ていなかった。全裸ナウだ。


「ご、ごごごごめんなさいっ。わ、私、うっかりしてて服の構築を忘れてっ……すみません、今すぐに――え?」


 尖った耳まで真っ赤にして全裸でうずくまる少女に、聡樹は自分の上着を脱いで羽織らせた。


「すぐに着る物持ってくるからさ、それまでそれで我慢してくれな」

「あ、あのっ」


 できるだけ少女を見ないようにして、逃げるようにしてその場を離れる。

 そしてそのまま二階へ駆け上がり、魅麗の部屋まで行く。


「悪い、魅麗。ちょっと借りるぞ」


 魅麗は服をたくさん持っているので、一着くらいはいいだろう。たぶん。

 クローゼットから、たまたま目に付いた白いワンピースを拝借する。


「あとは……」


 下着だ。

 さすがにノーパンというわけにはいかないだろう。


「ゴクリ」


 生唾ゴックンし、聡樹は可愛らしいピンクのタンスの取っ手に手をかけ、ひと思いに開けた。

 タンスインザワンダーランド。そこにはズラーッと、小さく畳まれた下着がぎっしりと詰まっていた。彩りも非常にカラフルで、まるで宝石箱のようだ。


「ごめん魅麗、ホントにごめん」


 別にいやらしい目的に使うワケじゃない。でも謝っていないと心中から湧き出す罪悪感や背徳感に押し潰されそうになる。

 とりあえず、一つ手に取ってみた。

 黒の総レース。


「うわっ、いくら何でもこれは派手すぎるだろ……魅麗のやつ、中学生のくせに……」


 元に戻して次を手に取る。


「なんだこりゃ、なんで真ん中に切れ目が入ってるんだ、意味ないだろこれじゃ」


 その意味はウブな聡樹にはわからない。次。


「……ひも?」


 布がほぼない。却下。


「ええぃ、フツーのはないのかフツーのはっ。……お、これなんかいいんじゃないか?」


 ごく普通の綿パンツだ。柄は白と水色のしましま。

 なんだ、まともなのもあるじゃないか、と聡樹は少し安心した。

 魅麗には悪いが、これを拝借することにする。


「……さすがにこれはバレるワケにはいかないな」


 妹のパンツを盗む兄。

 バレた時のことは恐ろしすぎて考えることができない。魅麗は普通の妹とはちょっと違うのでなおさらだ。

 でもこれだけの数があれば、ちょっとこう全体的に位置をずらして隙間を埋めればバレないだろう。たぶん。覚悟を決めてタンスを閉める。

 聡樹は後ろ髪を引く罪悪感を振り切り、白いワンピースとしまぱんを持って玄関の少女のところまで戻った。


「あ、おかえりなさい」


 少女は聡樹の上着を羽織って水槽の中に体育座りしていた。

 聡樹は拝借してきた白いワンピースとしまぱんを少女に差し出す。


「これ、着なよ。俺は後ろ向いてるから」

「は、はい。ありがとうございます」


 少女に背を向け、待つことしばし。


「もう、いいですよ」


 聡樹は少女に向き直る。


「どうですか、似合いますか?」


 少女は口元に軽く握った手を当て、頬を染めて感想を尋ねてくる。

 エメラルドグリーンの長い髪に、白いワンピースが驚くほどマッチしていた。それによく見れば、顔もかなり可愛い。お世辞抜きで美少女だと思う。


「うん、ああ、似合ってるんじゃないかな」

「本当ですか? 嬉しいです。初めてが優しい人でよかったです」


 少女は花が咲いたような可憐な笑顔を見せた。その笑顔のまぶしさに、聡樹はまた少女を直視できなくなる。

 照れ隠しに鼻の頭を掻きながら、聡樹は少女に尋ねた。


「ところでさ、きみ、誰なの? たぶん、もんすたぁだとは思うけど」

「あっ、すみません、申し遅れました。私はスライム族のライムと言います。ふつつか者ですが、これからよろしくお願いしますね、マスター」


 少女はぺこりとお辞儀をした。


「……え、なんだって?」


 聡樹は自分の耳を疑った。この少女が自分のことを『マスター』と呼んだ気がしたのだ。


「え、あの、スライム族のライムです。これからよろしくお願いします、マスター。二人で一緒に、もんすたぁずファイトリーグ優勝を目指してがんばりましょうね」


 ご丁寧にもう一度ぺこり。

 ……聞き間違いではない。

 少女はにこやかに微笑みながら、確かに言った。

 聡樹のことを、『マスター』と。


「きみ、スライム族なの?」

「はい、スライム族です。この度は我が一族をご指名いただき、光栄です」


 スライム族といえば、ザコもんすたぁの代表格という不名誉な称号を与えられ、もんすたぁマスターたちによる人気投票では常にワースト1,2を争う不人気もんすたぁだ。

 もんすたぁずファイトリーグで決勝トーナメントに姿を現したことは過去に一度もなく、一般の知名度が低いために人間社会からも冷遇されている種族である。


「俺が、きみのマスターなの?」

「はい、テルイサトキさまが私のマスターになられるお方だと、日本もんすたぁ協会からお聞きして参りました」

「……なんで?」

「え、はい? すみません、どういう意味でしょうか、マスター?」

「いや、そのマスターってのはおかしいって、なにかの間違いだろ。俺が選んだのはドラゴンだ。スライムなんかじゃない」


 間違いないはずだ。自分は確かにドラゴンを選んだ。だからスライムがやってくるのはおかしい。

 ライムと名乗ったスライムの少女はみるみる顔を青くする。


「そ、そんなっ、間違いありません。私は確かに、テルイサトキさまがスライム族をご指名されたとお聞きしましたっ」


「そこまで言うなら、ちょっと待っててくれ。確認してくる」


 ライムは眉をハの字にして心配そうな顔をしている。

 聡樹はひとまず彼女をその場に残し、再び二階へと上がり、自分の部屋へ向かった。

 そしてパソコンを立ち上げ、日本もんすたぁ協会の公式ホームページにアクセスする。

 トップページで自分のIDとパスワードを入力し、ログインして、昨日行われた手続きの内容を確認した。


「……な、なん……」


 そこには信じがたいことが書かれていた。


『照井聡樹さま。まことに残念ですが、厳選なる抽選の結果、ドラゴンとの契約権は獲得できませんでした。あなたさまは第二希望のもんすたぁを選んでおりませんので、規約に従い、日本もんすたぁ協会があなたさまに相応しいもんすたぁを厳選し、派遣いたします』


「なんじゃこりゃあああぁぁぁッッッ」


 ドラゴンは抽選?

 第二希望のもんすたぁ?

 日本もんすたぁ協会が勝手に厳選?


「聞いてないぞ、オイ」

「あ、あのぉ~、マスター?」


 おずおず、といった声に振り返れば、部屋の入り口に身を縮こまらせたライムが立っていた。

 聡樹はライムに向かってつかつかと歩み寄り、目の前に立つ。


「あ、あの?」

「チェンジで」

「……はい?」

「チェンジで頼むっ! 俺、初めてのもんすたぁはドラゴンって心に決めてるんだ。だからきみとは契約できない」


 ガガーン! ライムの顔がそう言っている。これ以上ないってほど、ショックを受けた顔だ。

 聡樹の胸がチクリと痛む。


「ま、待ってくださいマスター! たっ、確かに私たちスライム族は力も弱く、属性攻撃は苦手で、見た目や感触が気持ち悪いってよく言われますっ。でもっ、物理攻撃には無敵だし、戦い方次第でどんな相手にだって勝てる可能性がありますっ。ど、ドラゴンにだって対抗できる秘策を用意してあります、だからきっとマスターのお力に……」


 チクリチクリ。


「ごめん。ドラゴンじゃなきゃだめなんだ。ドラゴンは男のロマンで、俺の夢なんだよ……」


 八年前からの、子供の頃からの夢なのだ。スライム少女には申し訳ないが、こればかりは譲ることができない。


「そんな……。人気のないスライム族を選んでくださった方がいたって。私たちに、名誉を挽回する機会を与えてくださる方がいたって。私、本当に嬉しかったのに……。ご恩返しに、マスターになってくださる方に全力でお仕えしようと、心に決めてきたのに……」


 チクリチクリチクリ。


「……ごめん」


 聡樹の本気を悟ったか、とうとうライムはうつむいてしまう。


「……いいんです。マスター、いえ、テルイサトキさまは、ドラゴンと契約を結ぶという夢があり、私は手違いで選ばれてしまっただけ。ドラゴンとスライムですから、どちらがいいかなんて比べるまでもありませんよね。ドラゴンは強くて、かっこよくて、誇り高くて……。それに対してスライムは弱くて、気持ち悪くて、卑屈で……。スライムなんて、スライムなんて……スライム……なんて……うっ、うぅっ……うわあああぁぁぁんっっっ」


 真珠のような大粒涙を振りまきながら走り去るライム。

 聡樹は思わず声をかけそうになるが、それだけはどうにか押しとどまることができた。


「泣かせちゃったよ……女の子」


 相手がもんすたぁでも、女の子は女の子。

 泣かされたことはあっても、泣かせたのはこれが初めてだ。


「こんなに、痛いのか」


 まるで、心臓が針のむしろにされているような感覚。初めての聡樹には、この痛みは少々度が過ぎる。

 聡樹はふらふらとした足取りでベッドへ向かうと、そのまま仰向けに寝転んだ。


「はあ……」


 大きなため息を一つ。

 そして聡樹は目を閉じた。刃向かい難い現実から目を逸らすように。

 穴だらけの心も、寝て覚めれば癒えているかも知れない。そう、信じて。



 夕方になって目が覚める。

 胸の痛みは薄くなっていたが、気分はモヤがかかったように晴れない。

 なんとか気晴らしをしようと机に向かってマンガを読む。

 いつもは腹がよじれるほど笑えるギャグマンガも、なぜかあまりおもしろくなかった。


 コンコン。


「お兄ぃ~、いる~?」


 ノックの音と共に魅麗の声が聞こえた。どうやら聡樹が寝ている間に帰ってきていたようだ。


「魅麗か、どうした?」


 返事をすると、魅麗がドアを開けて入ってきた。

 聡樹はぎょっとした。魅麗がものすご~く笑顔なのだ。ニヤニヤというか、ニマニマというか。ともかく120%満面の笑顔だ。


「えへへ~、お兄ぃ~ぃ?」

「ど、どうしたんだよ魅麗。なにかいいことでもあったのか?」

「んふふ~。いや~ちょーっとね~。意外だなぁ、って思って」

「な、なにが?」

「お兄ぃってさぁ、意外とマニアックなんだね~? 念のために買っておいて正解だったよ~」

「おい魅麗、一体なんのハナシ――」


 スッ、と魅麗が耳元にくちびるを近づけ、囁いてくる。


「あたしからの合格祝いだよ。『返さなくて、いいからね』」

「――ッッッ」


 絶句して硬直する聡樹に、魅麗はもう一度満面の笑みを向ける。その頬にはうっすらと赤みが差していた。


「じゃあね、お兄ぃっ。いっぱい使ってねっ」


 パチリとウィンクした後、パタパタと部屋を出て行く魅麗。

 聡樹はイスから崩れ落ち、がくっと床に膝と両手をついた。


「なんてこった」


 そして一言、深い絶望を込めて呟いたのだった。

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