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闘う! もんすたぁガールズ  作者: へぼめし
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第5話 ルビーアイ捕獲大作戦! その2

「――で、魅麗。俺とライムはどうしたらいいんだ?」


 聡樹はケータイに向けて喋った。

 一行は現在、町一番の歓楽街を訪れている。

 都会ほど華やかなものではないが、娯楽施設や飲食店などは一通り揃っており、中でも、もんすたぁずファイトリーグの予選に使われるコロシアムがあるのが最大の特徴だ。

 この歓楽街は高校への通学路でもあり、ここを抜けた先には商店街がある。


『とりあえず適当にぶらついてて。ルビィもお兄ぃのことを探してると思うから、もし出会ったらなるべく人気のないところに誘い出して』

「わかった」

『あと、ケータイはハンズフリーで通話状態にしておいてね。状況の把握がしやすくなるから』


 ちなみに聡樹と魅麗は通話し放題のプラン(恋人同士向け、深い意味はない)を組んでいるため、通話料の心配は不要だ。


「了解だ。……ところで、真理はどうしてる?」

『隣でむくれてるよ』

「そうか……」

『それじゃ、あたしたちは隠れて尾行してるからね。お兄ぃの健闘を祈ってるよ』


 健闘といっても、聡樹にやれることなんてルビーアイをおびき寄せるエサ役くらいしかない。

 我ながら情けない限りだ。そう思いつつ、聡樹はケータイをハンズフリーに設定し、通話状態のままポロシャツの胸ポケットにしまった。


「俺たちは適当にぶらぶらしてろってさ」

「わかりました。では適当にぶらぶらしましょう」


 聡樹はライムと連れ立って歓楽街に踏み込んだ。

 休日の正午前ということもあって、結構な数の人間が遊歩道を行き交っている。


「……そうは言ってもなぁ」


 なにもせずに、ただぶらぶらするというのもいかがなものか。

 ルビーアイだって、こちらを見かけ次第襲いかかってくるわけでもなし。必要以上に緊張することもない。

 聡樹がどうしようかと考えていると、ライムが遠慮がちに話しかけてきた。


「あのぅ、サトキさま。もしよろしければ、少しだけ私のワガママに付き合っていただけませんか?」

「珍しいな、ライムがワガママなんて。なにかしたいことでもあるのか?」

「はい。実は、ウィンドウショッピングがしたいんです」


 ライムは少し頬を赤らめて言った。


「私、ウィンドウショッピングが趣味で、それがささやかな楽しみなんです。せっかく新しい町へ来たので、機会があればしてみたいと思っていまして」

「なんだそんなことか。いいぜ、結局ぶらぶらすることには変わりないし」

「わあっ、本当ですか? ありがとうございますっ。私、誰かと一緒にウィンドウショッピングするの初めてなんです。スライム族のお友達はみんな、人間の町へは出たがりませんから」


 ライムは手を合わせ、本当に嬉しそうな笑顔を見せた。

 相変わらずライムのひまわりが咲いたような笑顔はすごくかわいい。聡樹なんかは一週間も一緒に暮らしているのに未だに慣れない。ついつい顔が赤くなってしまう。

 聡樹は視線を逸らして鼻の頭をぽりぽりしつつ言った。


「ライムはどんな店を見たいんだ?」

「はい、お洋服が見たいです。できればその、かわいいのがいっぱいあるところがいいです」

「かわいい服か……。俺そういうのあんまり詳しくないんだよなぁ」


 聡樹は母親の買ってきた服を文句言わずに着るタイプだ。


「魅麗がそういうのに詳しいからちょっと聞いてみるか」

『あのさお兄ぃ、これデートじゃないからね、勘違いしないでよね』


 聡樹がケータイを取り出す前に、胸ポケットから魅麗の声がした。

 ハンズフリーモードだからこちらの会話は筒抜けのようだ。


「べ、別にそんなつもりないって。なにもしないってのも落ち着かないからさ」

『ん~、それもそうだね。この通りの右側にピンクベリーっていう洋服店があって、そこはかわいい服いっぱいあるよ』

「さんきゅ魅麗、助かるぜ」

『おバカ聡樹』


 唐突に罵倒された。真理の声だ。めちゃくちゃ機嫌悪そうな声だ。

 聡樹は返事に困ったので聞かなかったことにした。


「とりあえずライム、魅麗の教えてくれた店に行ってみようぜ」

「はい、ピンクベリーですね。とっても楽しみです」


 聡樹とライムは右手に注意しながら歩いた。

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