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薔薇の花と百合の花が
「六月の花嫁は、幸せになれるんだってよ」
昔々あるところ 二組のカップルがいましたとさ
幸せになりたいと 二組は結婚を考えていましたとさ
果て果て困ってしまいます とある六月の事件です
男を愛してしまったは これまた男なのでした
偏見は尽きないけれど それにもめげず二人は愛し合っていました
いつまでも恋人のままじゃなく そろそろ結婚したいなんて
そうして結婚することを決意したのでした
二人の間に立ちはだかるのは 高い高い壁で
世間と言う名の鬼が 二人の愛も決意も認めてくれなくて
愁いを表しているかのように 窓の外は雨模様
二人に陽は当たらない 続く曇天
哀しみ表すかのように 窓の外 雨が降り出して
深紅の薔薇が濡れて美しく 二人の愛を嗤っていた
女を愛してしまったは これまた女なのでした
偏見に尽きないけれど それでもめげず二人は愛し合っていました
いつまでもルームメイトではなくて 夫婦として紹介したくて
そうして結婚することを決意したのでした
二人の間に立ちはだかるのは 辛い辛い山で
社会と言う名の鬼が 二人の夢も未来も閉ざそうとするから
憂いを表しているかのように 傍を歩く蝸牛
二人に陽は当たらない 溶ける蛞蝓
悲しみ表すかのように 傘の下 蛙が嘆き出し
月白の百合が濡れて美しく 二人の愛を眺めていた
昔々あるところ 二組のカップルがいましたとさ
幸せになりたいと 二組は結婚を考えていましたとさ
果て果て困ってしまいます とある六月の事件でした
儚く散っていった 二組のカップルがいましたとさ
とある六月のことでした 嘲笑うように花が開いたのです
薔薇の花と百合の花が
