大人な君へ
着物姿の君 大人になったんだね
幼かった君はもういない 顔に残る面影が恋しい
すっかり大人な君 成長したんだね
僕の知る君はもういない 僕より大きくなっちゃって
少ししか経っていないつもりだった
それなのに 君はこんなにも成長して 僕はこんなにも老いていた
ごめん 謝ることしか出来なかった
君の成長を隣で見守り 喜んであげるべきだったのに
素敵 見惚れることしか出来なかった
大人になった君を あの頃の君と同じようになんか見れなくて
友達と燥ぐ君 子供みたいだけれど
幼かった君はもういない 顔に残る面影が悲しい
すっかり大人な君 成長したけれど
僕の知る君も少しいて 僕を躊躇い戸惑わせるんだ
知らない女だと思いたかった
それなのに あの日と変わらぬ君もいて あの日の僕なんていなくて
ごめん 謝ることしか出来なかった
君の成長を素直に喜び 抱き締めてあげるべきだったのに
素敵 見惚れることしか出来なかった
大人になった君を 老い耄れは女としてしか見られなかったんだよ
二十歳になったんだよ 大人っぽいでしょ
僕を見付けた君は そう言ってその姿を見せてくれる
ああそうだね もう子供扱いは出来ないや
そんな僕の言葉は本当で 子供扱いなんて出来なくて
ごめん 謝ることしか出来なかった
君の成長を隣で見守り 隣で老いて逝くべきだったな
素敵 見惚れることしか出来なかった
大人になった君を 君として認識出来なくなっていた
変わってしまってごめんなさい
変化を見られなくてごめんなさい
どうすればいいんだろう
大人な君へ