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僕の魔法学校が女子高に突っ込みました。  作者: 真北哲也
入学準備と百合子
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8

時は夏休みの後半に差し掛かろうとしていた。そろそろ、秋の気配を感じるのであろうかと、思っていたが、夏はまだまだ本領発揮していた……



僕は今、そんな真夏の学校の応接室にいる…右の頬を大粒の汗がすっと流れた。なんでだろう、学校って場所は涼しい場所ってないんじゃないの?



そんなことを考えながら、ソファに腰を落としていた。午前中に担任から(話があるだ、学校に来てくれ)と連絡を受けたからだ。 到着した時には、校長と担任が校門前で待っていた。何事か?と思ったが、どうやら僕を待っていたらしい…まさかの校長までもがいるなんて、余程の話が待ち受けていると僕は思った。



「ごめんな。夏休み中に呼び出したりして」と話を始めたのは、僕の担任の田中先生である。先生も額に汗をかきながら、僕に麦茶を手渡した。




「ビックリしましたよ。急に家に電話来たんで、急いで来ました」




「ごめんなーまぁまぁ、麦茶でも飲んでくれ」




僕は麦茶で喉を潤した。コップを置いた時に気がついた。




「あれ? 校長先生はどこに行ったのですか?さっきまで居ましたよね?」




「校長はお客さんを迎えにまた、校門に行ったよ。…実はそのお客さんがお前に用があるらしい……




「僕に用? ……なんですか? 」




「わからないんだよな、俺もさっき校長から直々に呼び出されて、君の生徒の佐藤君を呼んでくれって急に…すまんな)




「……そうですか うーんなんだろう? 」



そんな話をしていると、校長が入ってきた。良いとタイミングだった。校長は黒いスーツを着た男を伴っていた。



校長は「悪いね。呼び出したりしちゃって」と詫びを入れてから、客の紹介をし始めた。



「こちらは、内閣府の事務次官の時貞さんです。佐藤君に大事な用があるらしいだ」




「こんにちは時貞です。よろしく」




がっしりとした体格の男であった。内閣府と聞いた瞬間に僕は悟った。


あ、魔法の事か!と…


時貞さんは、僕に話をかけてきた。




「早速だけど、佐藤くん?君は不思議な事ができるよね? 」




「ええ……身に覚えはありますよ。掌から火と氷が出せます」




その発言を聞いて、田中先生は驚いていた。【校長は前もって内閣府からの連絡で把握済みだったのだろう…… 】時貞さんは、それを無視したように話を続けた。




「今、君の様な不思議な事が出来る少年少女達の所に、私のような政府各関係者が行っている。君の担当は私だ」




「そうなんですか。僕にどのような要件なんですか? 」




「その前に、君の不思議な能力を見せてほしい。本当にそんな事できるのかと思ったんだ」




「いいですよ。見せましょう」




僕は、先ほど半分まで飲んでいた麦茶の上に掌を翳した。そして、キューブアイスを注ぎ込んだ。



目の前の大人達は驚いた。




「うわ!これはまるで魔法だ!テレビなどの報道を疑っていたが…信じられない! 」




「まさか…俺の教え子に居たなんて…本当に不思議だな」




「……全国から集められた報告書の通りですね。初めて見た」




【※上から、校長、田中先生、時貞さんの順である】


……



周囲のざわつきが収まった所で、時貞さんが口を開いた。




「そろそろ私の目的を話そう。私達、政府各関係は君達の様な不思議な能力を持った、子供達をある特殊学校に入学させる為に、面会をしている。その特殊学校とは、魔法学校なんだ。勿論、政府公認のね」




「魔法学校ですか?僕をですか?」




「そうだよ。ほとんどの少年少女達は入学を希望したよ。ほぼ全員かな」




僕は、なんだかドキドキしてしまった。僕と同じ事が出来る子達と学校に通えるなんて…行きたい!




「わかりました!僕を入学させてください! 」




「わかった。了承したとしていいんだね。後、入学試験とかは無いんだよ。ここにサインをすれば入学手続きは終わる」




無試で入学出来るなんて、僕はうれしくなってしまった。



サインを終えると、時貞さんは、「後の事は後で追って説明する」と言った。校長と田中先生は、時貞さんからの説明があるらしく、学校に残るらしい……一方、僕は帰された。



……




家に帰ると、母が何やら誰かと話していた。お客さんでも居るのだろうか?玄関からでも話し声が聞こえた。


「ただいま」と言って、靴を脱いだ。魔法学校入学の話を直ぐにでも伝えたかった。 慌てて、リビングに通じる廊下を早足で向かった。




「早かったわねーおかえりなさい」




「……おかえり」




二人の女性の声が僕を迎えてくれた。片方は母親の声だ。もう片方は誰だろう?と、思って視線を向けた。


そこに居たのは幼馴染みの百合子であった……

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