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僕の魔法学校が女子高に突っ込みました。  作者: 真北哲也
僕の魔法学校が女子高に突っ込みました!
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「ごめんなさい。」



飛鳥会長にお詫びをした。それと同時に深々と頭を下げる事も忘れてはいない。



ーーーー



何故に謝っているかと言うと、それは百合子と綾子さんをこの魔法学校にいれてしまった事だ。しかもだ、魔法学校の心臓部と言われる操縦室。鈴塔から脱出した時に宙に浮いている学校を目指して進んでいると、一ヶ所にライトが煌々(こうこう)と光っている部分を発見。これはなんだろう?と思い近づくとそこは、コンクリート作りのトンネルが続いており、照明はオレンジ色であった。いかにもこっちに進めと思われたので、そこから侵入。長いオレンジ照明を抜けると、最初に出発した操縦室にたどり着いたのだ。



それと、もうひとつ、僕たちが乗ってきたエアバイクが破損していたのだ。ヘッドライトステーの部分が少し歪み、ライトの投影が下向きになってしまっていた。ステンドグラスに突っ込んだ時は大丈夫だと思っていたが、エアバイクから降りて、明るい場所で見たとき、その破損部分を発見してしまった。……こりゃ会長に怒られるな。と、想像した。




僕が頭を抱えている一方で、百合子達は初めて来た魔法学校に驚いていた。彼女達もマスコミの報道によって知っている模様だが、内部に関しては知らない。操縦室をまじまじと見つめている。幸いに、会長は居ない!良かった!と、思っていたら…




「達哉、任務ご苦労様」




その声を聞いたとたんに僕の背筋が凍った。あ!百合子達を学校に入れている!エアバイクを壊してしまった! 連絡を無視してしまった! 一瞬にして僕の脳裏に危険感が走った。 そして、僕は会長の顔を見ずして、謝罪をしたのだ。




ーーーー



一瞬の静寂が部屋を支配した。この後に「なにやってるのよ!」と大きな声が帰ってくると思っていてたが、それが来ないのだ。あれ、おかしい?! 僕は恐る恐る顔をゆっくりと上げた。会長の顔は僕の方ではなくて、百合子達の方を見ていた。



「その制服は聖女のね… 達哉!」



いきなり、僕の事を呼ばれたのでびっくりした。これは言い訳をしなければ行けないと思った、部外者の事を説明しようとする僕の口が開こうとした時だ。



「もう!そっちの子、怪我してるじゃないの! 何故気がつかなかったの!」



怪我をしている? 会長の指摘で僕は百合子達を見た。すると、綾子さんの方が右手の甲を押さえていた。僕は慌てて近寄った。



「大丈夫?! どこ怪我してるの?」



「大丈夫です。大したことないですから

!」



そう言うと、綾子さんはさっと後ろに手を隠した。だが、僕は構わず強引に右手を掴んで戻した。



「血が出てるじゃん!大変だ!」



白い手の甲に(べに)が滲んでいる。たぶん、ステンドグラスを突き破った時に破片で切ってしまったのだろう。気がつかなかった事を悔やむ。僕はポケットからハンカチを取り出し彼女に渡した。が、そこに飛鳥会長が割って入る。



「達哉…あんたね、絆創膏とかは持ってなかったの?古いわね…ハンカチなんて」


「え」



会長に注意された後に、操縦室に直江さんが入ってきた。丁度いい良いタイミングだった。直江さんを呼ぶ。



「直江さん!魔法で治してほしいんだけど…できるかな?」



「どんな怪我?見せてみて」



綾子さんのはおずおずと傷口を直江さんに見せる。直江さんはそこに掌を近づけると、緑色のモヤが発生した。綾子さんはビックリして手を引っ込めようとする。



「大丈夫だから!信じて!」



僕は思わず大きな声で言ってしまった。一瞬驚いて僕の顔を見たが、彼女はじっとしていてくれた。暫くするとモヤが無くなって行き、傷口もすっかりと無くなる。驚愕の顔で自分の手の甲を何度も見る綾子さん。そして、信じられないものを見たと言う顔をしている百合子。あ、二人は魔法見るのは初めてか。そんな二人に飛鳥会長が言う。



「お二人とも魔法学校にようこそ。歓迎いたします……と言いたいところだけど」



そこまで言うと会長は口をに噤んだ。何かあった事を察した。僕も百合子達二人も黙ってしまった。



「達哉にはまだ報告してなかったけど、さっきマスター…… いや、総理が国会議事堂に行ったの。今回の事について魔法学校校長の立場で事情を聞きたいと言われたらしいわ」



「え?!それってヤバイのでは!?」



会長と直江さんの顔がシュンと暗くなる。それから、モニターの電源を黙ってつける。僕らは注目した。そこには国会中継特番と名を打った番組が放送している。どこのテレビ局も特別番組を組んで放送…世間が注目している。




【総理。今回の事件に対しての弁明や説明をお願いします】



議長と呼ばれる人が総理に促す。中央の机にマスターが移動する。あれは疲れきった顔つきだ。



「あー、今回の件につきましては想定内と言うか…… 」



「想定内?!どういう事ですか?」



「あー、それについては、証人を呼びたいんでよろしいでしょうか?」



証人?! どういう事だろう? 飛鳥会長に目を配らせたが、本人も初耳も言える表情で画面を食いるように見ている。あれ?会長も証人の事を知らない?


気になるマスターの証人発言。僕らは固唾を飲んでモニターを見いった。

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