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僕の魔法学校が女子高に突っ込みました。  作者: 真北哲也
僕の魔法学校が女子高に突っ込みました!
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73 魔法学校教室内編


「…… 気がついたら、大きな桃がゆっくりとこちらに流れてきたんだよ! それが夜中の3時にさ! 信じられるかい? 君たち?! 」



そこまで聞き終えると、どっと笑いが起きた。クラスの半分以上は爆笑。



飛鳥会長が教室飛び出していった後の教室では授業はせずに、残りの時間は森先生の雑談タイムとなった。



森先生の過去の話や雑学などが語られていき、みんなは話を興味津々に聞いていた。 先生の話術はとても面白く、飽きが来なかった。これも森先生の凄さなのだろうか? それともテレビ出演などで腕を磨いたのだろうか? 改めて、森先生のカリスマ性の高さを思い知った。



「そしてその桃から…… あれ? ちょっと耳がキーンと来ているなぁ? おかしいなぁ…… 他の人もそうかい?」



そんな話中に腰を折るかのような違和感を先生は示した。 ふと、気がついた生徒は何人かは挙手をした。 実は僕も数分前からキーンと言う耳鳴りのようなものを感じていのだ。 少し先生の声が聞こえずらくなっていたので気にはしていた。



「信二君はキーンと来ているかいっっ?!!」



耳が遠くなっているかせいだろうか? 隣の席の信二君へ少し大きな声を出した。



「うん。俺も少し感じるよ」



僕とは対照的に、うんと頷く仕草をしながら、口を動かした。僕には少し聞こえずらかったがジェスチャーと口の動きで分かった。…… でもなんだか様子が変だ。



「ねぇ!あれ見て!」



生徒の一人が声を上げた。教室の窓を指を指しているので、みんなもそちらに顔を向けた。



この魔法学校は空を飛んでいるので、窓の外は青空か天気が悪いと鉛色が広がっている。ところが、今回は少し高い山の山頂付近が見えたり、鳥が飛んでいる姿が見えたのだ。普通なら見えないのに。



「これってさ、この魔法学校の高度が下がっているって事よね?」




「……… 」



誰かが言ったがそれをみんなは答える事ができなかった。返した言葉は無言だ。そして深刻そうにじっと窓を見る。



「なるほど!耳がキーンとしていたのは! これは先生も気がつかなかったなぁ!いやー失敬したね君たち!」



森先生が大きな声を出した。多分、心配する僕たちを安心させようとしたのではないだろうか?



「大丈夫! この学校を運転しているのは人工AIなんだろ? それか吉沢さんなんだろ! 彼女がサービスで少し低空飛行してるんだよきっと!」



それは(いな)! あの飛鳥会長だよ!森先生はまだあの会長の行動の怖さを知らないんだよ! 僕は何度も振り回されたんだ! 僕はそんなことを口には出せずに、心の中で叫んだ。 クラスメートの半数は森先生の言葉で少し落ち着いたが…… 騙されてはいけなよ!


僕は隣の信二君を見た、彼は僕とは視線を交わさずに落ち着いていた。だが、僕は見逃してはいない。 少し小刻みに震えていることに! ズバリ!彼は怯えているのでしょう!!!



少ししてから、教室のスピーカーから嫌な警告音と共に機械的な声が響いた。




【警告します!このままでは本機体は数分後に建物に衝突します! 進路を避けてください! 警告しま……】



「「えっっ!!!?」」



クラス中に驚愕の声が響く!


やはり、この佐藤達哉の勘は間違ってはいなかった。 嫌な予感の波長は心にひしひしと伝わっていたのだ。 僕はそっと目を閉じた。



【今までありがとうみんな】



心の中でそう呟くと、机に顔を埋めた。

もう終わりなんだ。何もかもね……



僕が死を覚悟した時に、襟首をギュッと引っ張られた。思わず苦しくなって、ぐへぇっと声を上げる。涙目で犯人の顔を見たら、それは信二君である。



「達哉君。 その格好では衝撃には耐えられないよ! さぁ、机の下に潜って不時着時の姿勢を取って、早く」



信二君に促されて、机の下には潜った。気がつくと先生や他の生徒達も机の下に潜って姿勢を屈めていた。僕も慌てて真似をした。



【安全のために乗組員は姿勢を屈めてください!! 幸運を祈ります】



この無機質なアナウンスの後に、大きな衝撃と悲鳴が襲った。





「「「うわぁぁぁっっっ!!!!」」」





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