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僕の魔法学校が女子高に突っ込みました。  作者: 真北哲也
おおまかに振り破って ~魔法学校野球編~
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そこまで言うと、飛鳥会長は腕を組んで皆を嘲笑うような眼を向けた。


こちら側の見ている人間には会長の姿が妖艶に見えた。……奴はもったいぶっているっっ!!


「会長! …… 誰なんスか? 教えてくれっス! 早く!!」



岩間君がしびれを切らして会長に質問を投げ掛けた。 普段は大人しい岩間君が必死なのが珍しかった。 僕らも彼と同じ心境だ。 熱い眼差しを会長に一人に向けた。




「そうね… この事をみんなに言う事をすっかり忘れていた私に責任はあるわね。 本当は明日辺りに紹介しようと思ってたけど……わかったわ! 今ここにそのマネージャーを呼ぶわ!!」



「「「っっっ!!!」」」



ざわ……ざわざわ……



ビックリした。 いきなりの急展開に僕らは少しざわついたが、会長はそんなこともお構い無しに、自分のジャージのポケットとからスマホを取り出して、電話を掛け始めた。



「もしもし! 私だけど… ええ、そう。 明日じゃなくて……今から……ええ、」





物事がすんなりと進んでいる…… 僕たちも知っているクラスメートかな?



「…… それじゃ、校庭に早く来てね! 本当にいきなりでごめん! それでは」



あっさりと通話終了。


会長はスマホを仕舞うと、僕らに言った。



「本人からOK出たから、今から来るって! あっ! 噂をすればっ!あれよ!」



そう言う会長が指差した方を見た。僅か数分後に来るなんて…… 校庭の遠くから、砂煙が巻き上がっているのが見えた。 ここからでは火災と見間違う程の大きさだったが、ちょっと焦ってしまったが、あれは人工的な物だと解った。 と言うことは、あれは生き物が走って巻き上げていると気がついた。だとしたら、物凄いスピードだし、まるで漫画だ。 ずっと見ている、走って来ている者が段々と此方に大きくなってきた。


あ…あれは



「もしかして…あの人」



僕が気がついた矢先に、東さんが声を発した。 他の人たちも気がつき始めた。近づいてくる人物の服装は真っ白な白衣、下は黒スラックス、そして、身長はあまり高くはない。何処かで見たことある。 その人物は僕たちの目の前でピタッと止まった。



「みんな~お疲れさんどんだけぇ~♥️今、飛鳥さんから紹介されました、マネージャーの真木です♥️一生懸命に皆さんのサポートをしたいと思ってますぅ~~どんだけぇ~よろしくぅ♥️」



さっきまでの淡い希望を還せ!!と、言わんばかりの喪失感。あれ? 岩間君が膝から崩れ落ちて涙を流している。東さんなんて眼が死んでる。 噂のマネージャーとは真木先生だったのだ。まさかの展開に驚いた。



「会長…… 騙しましたね? 僕らを……」



自分でも驚くらいの低い声が出たと思った。



「騙してなんてしてないから! あんた達が勝手に期待してたんでしょ?! バカね!!」



ふんっ!! と、言いそうな口調で僕らを一喝した。… ほう、 あくまでも僕らと争うのですね? 本気だな!? よしっっ!! 佐藤達哉の本気(マジ)を見せてやる! 勇気を振り絞った。



「会長! 本日で僕はこの部 …… 」



「却下!! 途中での退部は許しません!と言うか、 出来ません!」



失敗した。あえなく怒りの電撃退部は出来なかった。 会長は僕を睨めつけた。



「あなた達は真木先生がマネージャーになるメリットとか解らないの? 保健室の先生だけど、先生は医師免許も取得してるのよ! 只の保健室先生なら軽い怪我とかは治療できるけど、医療行為は禁止されてるの! 真木先生なら注射とか診断も出来るんだから! 」



…… いや、注射とかは要らないだろう。 僕らはそう思ったが、ここで余計なことを言うと会長が怒ると思うのでやめた。 あと、直江さんがいるから回復魔法で万が一も大丈夫だと思うが……



「直江ちゃんがいるから怪我とか安心だと思っているでしょ? だけど、直江ちゃん自身が怪我をしてしまったら、不味いでしょ? そんな時に真木先生がマネージャーだったら安心でしょ!」




…… 確かにそうかもしれない。




会長の発言で一気に皆は納得な雰囲気になった。 話題に登った直江さんも首を縦に降っている。



飛鳥会長は策士だっ!

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