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僕の魔法学校が女子高に突っ込みました。  作者: 真北哲也
火山活動停止作戦
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クギギグシャ!


目の前まで迫ってきていた岩石が、じゃがいもを乱切りされたように、上手い具合にバラバラにされた。 突然の出来事だったので一言を言うので精一杯。


「「た…… 助かった」」


僕と会長の声が重なった。 この一言を言い終わった後に背中から荒げた罵倒が飛ぶ。


「もー! 今さっき注意したばかりじゃないの!! 大きい岩石が飛んでいくるから気を付けるようにってぇ! あんたがよそ見してたからこんな事になったんだからね! あほ!!」


会長は僕の背中を叩いたり、つねったりして抗議をぶちかます。 【凄い痛かった】


「ご、 ごめん。ついついぼ~っとしてまして」


「ぼ~っとしてて、じゃないわよ! この馬鹿達哉! 」


怪獣の様に騒ぐ会長をなんとか宥めていると、 近くにエアバイクが止まる。 それに乗っていたのは、高橋さんだった。


「二人とも大丈夫? 危なかったわね! 」


にっこりと微笑む高橋さんの片手の拳にはビリビリと電気が充満していていた。 魔法での僕らに近づいていた岩石を破壊してくれたのだ。 僕らに気を使いながら、 掌に込められた電気は、 縦横無尽に飛び回りながら、他のエアバイクに迫り来る特大の岩石などを粉々に粉砕していった。


「あっちゃ~、結構大きい岩石が飛んでくる様になったわね。 さっきまでは粒子が細かい砂とかが舞っていたのに…… 」


冷静に分析を開始している高橋さんに会長が吠えた。


「ちょっと! 遅いわよ理恵! あんたは雷の魔法が使えるから、障害物とかの破壊と警備を速やかにやるようにって伝えていたわよね! 」


「だって~、こんなに多く岩石が舞っているなんて想定外だし~ まだまだ、こんなに降ってくる地点じゃないわよねっ! 」


ぼりぼりと、ヘルメット越しに頬を掻く高橋さんはきっと反省はしていない。 会長のまた始まった説教をうんざりと聞き流していた。 それでも、会長の怒りはずーと続いていたが、とうとう怒りは収まっていった。


「も、もういいわ…… 理恵! 今回のこと多目に見るけど、今度は真面目にやってね」


「了解! りょーかい!」


全然反省の色が見えない高橋さんは、サムズアップをしながら答えていた。この人は楽しんでいる。 そして、僕らは真っ直ぐに目的地に向かう途中では、 やはり、 巨大な岩石が降ってきて、 僕ら魔法学校の生徒達は慌てたが、 高橋さんが雷の魔法を飛ばすことによって打ち砕かれていった。 その時の高橋さんは楽しむように「やぁ! やぁ!」と掛け声と共に電撃を飛ばしていた。


「うんうん! やっと私もこの魔法の扱い方がわかってきたわ! おもしろい! 」


「理恵! そろそろ、目的地だよ!へらへらしてないで集中! 集中!」


「はいはーい」


そんなこんなで僕達は目的地に到着した。 ここまで来るのに結構、 苦労したが、無事に辿り着いた。 僕達はエアバイクを地上に着けた。


「さて、ここからが本番だからね! さっき説明した作戦(ブリーフィング)通りに実行するからね! 」


「「了解!! 」」


高橋さんと僕は同時に頷いた。 実はここは神山山(かみやまざん)ではなくて、 その隣にある神子山(みこやま)の梺である。 では、何故、この山に来たかと言うと、 話は魔法学校操縦室での会長と僕との会話まで遡る……



―――。



「 もっ! まだ解らないの? ここにこうすれば火山を止めることが出来るかも知れないでしょう?」


「あ、なるほど! …… もっと詳しく説明お願いします。」


「自信はないんだけど、あくまでも想像で立てた停止作戦よ! 神山山(かみやまざん)の隣にある神子山(みこやま)と言う死山に注目してほしいの。 この山は神山山(かみやまざん)とまったく同じ作りだから、こっちにマグマ源を地下から移動させて、 空っぽの死山に分けるのよ! そうすれば、神山山(かみやまざん)のマグマは地上には出なくなって、噴火は止まる! 」


「そんなに上手く行きますかね?! もし、地下にマグマが大量にあったらどうしますか?! 死山のキャパを超えるぐらいあったら! 」


「これしか考えられる方法がないのよ! 絶対に成功させるわ!」




―――。



神山山(かみやまざん)の梺の地下からマグマ源を移動させる。 果たして、どの様な方法で移動させるのか? 僕は疑問に思っていた。 僕は作戦(ブリーフィング)の詳しい事は聞いていなかったのだ。 会長は「あんたに説明しても解んないと思うから、あんた抜きでみんなには説明したの! このアホ!」と、 会長からまた理不尽な怒られ方をした。 僕の存在って……


僕がブルーな気持ちになっていると、着地した後ろの雑草林からこちらに向かってくる足音が聞こえた。 誰だろう? と、 僕らは注目しているとそこには迷彩服を着た男が向かってくる。


「パターン迷彩色! 自衛隊です」


会長は反射的に叫んだ。


「君達! 何をやってるだ! ここは避難地域に指定されてるだ! 危険だから帰りなさい!」


自衛隊の隊員は一人ではなく、三人ほどの分隊組であった。どんどんと僕らに迫ってくる。


「やばい。 こんな所で捕まっては作戦が…… 」


会長は覇気を無くした声でつぶやいた。



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