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僕の魔法学校が女子高に突っ込みました。  作者: 真北哲也
魔法学校入学
25/91

24

ゆっくりと雨が降りしきる教室の中で、僕らはそれぞれの席に座り、校長先生の話を聞いていた。先ほどの事件があったのが原因だろか? 皆の表情は少し気落ちしてる様にも思えた。




「あー、私からの説明は以上ですね。では、それぞれの寮の方に移動して、休んで下さい」




なぬ?! 寮だと? 僕は驚いていると、丁度左側の席の真二君が、潜めて声をかけてくれた。




「…… その顔は入学てびきを読んでいなかった顔だね」




「うん。読んでなかった」




「ここは、全寮制の学校になっているので、入学から入寮すると書かれてたよ」




「あ、そうなんだ」




真二君と話をしたら、少し落ち着いたような気がした。だけど、やっぱり、先ほどの事件を経験したから、気が落ちてると言った方が合ってるかもしれない ……

そそくさと席を立った。教室のドアから出ようとしたら、校長が僕の肩をゆっくりとポンポン叩いた。びっくりして、振り向くと校長の表情が【後の事は任せなさい】と言いたげな顔をして、僕の退室を見送ってくれた。ありがとう。校長!




出た先の廊下には、生徒達がゆっくりと歩いていた。寮の場所わかるのかな?僕はその生徒達行く方向に着いて行く事にした。


いつの間にか隣には、真二君がいたので、喋りながら歩いた。




「真二君、寮の場所ってわかるの? 」




「…… さっき校長先生が説明してくれたよ。廊下に出たら右にまっすぐ行くと寮に着くってさ」




「全然聞いてなかったよ」




「仕方ないよね。さっきのことあったからさ」




「うん」




気にしていた。やっぱり、喧嘩はいけないと思っていたけど、挑発に乗ってしまった僕 …… 何回も何回も思い出してしまう。




「落ち着いたらでいいんじゃないの? 謝りに行きたいんでしょ? 」




真二君は僕の表情から心を汲み取って、優しい助言をくれた。友達っていいな、と思った。




「うん。行こうと思うよ」




「これから三年間は一緒だからね。それがいいよ」




ーー


しばらく歩いてると、Yの字に分かれる廊下に差し掛かった。左が女子寮で右が男子寮。 【立て札がY字の中央に書かれていた】


男子寮の廊下を真っ直ぐと、進むと両壁に名前のプレートが書かれていて引き手ドアが並ぶ部屋街に着いた。男子生徒達はプレートの名前を確認しながら、部屋に入っていった。僕達も進みながら、自分達の名前を探した。




「どうやら、寮室は二人一組の部屋割りらしいね。一緒なら良いけど」




「うん。やっぱり、知らない人と一緒になるのはちょっと戸惑うよね。俺はさっき他の人達と喋ったけど、まだ、なれないね。出来るなら佐藤と一緒がいいな」




キョロキョロと探して、部屋を探していたら。




「「あ! 」」




二人の声が同時に上がった。そこには、僕と真二君の名前が書いてあったのである。


僕達は顔を合わさると、さっそく部屋に入った。


電気を着けると部屋の中は、ベッドが二つと机などが並び、一般的な二人部屋の様な内装であった。




「あれ? 普通だね。魔法学校の寮だからさ、イギリスの私立学校の寄宿舎の様なイメージがあったんだけど …… これじゃ、少し広いビジネスホテルの一室だよね」




「俺はあんまりこだわらないけど」




二人の部屋の感想は様々であった。


それから、二人は部屋の捜索をしていると、真二君が【これ見ろよ!】と呼んだのでそっちに向かった。そこにはバルコニーに出られる大きな窓があった。




「すごいね! 真二君! これなら、洗濯物も一気干せるくらいの広さだよ! 」


「 …… そこなの? 注目するところは? 」


呆れたような顔を作って僕を見ながら、大きな窓を開いた。バルコニーに歩みを進めると、真二君は夜空に指を指した。




「洗濯物の事もいいけど、あれが毎晩見られるなんて良いと思わない? 」




指を指した所には、丸い満月が踊っていた。先ほどの雨は止んでいたので、はっきりと確認できる。




「うわぁ …… 綺麗だね」




回りからも歓声が上がっていたので見渡すと、やはり、バルコニーが各部屋に備え付けてあったので、皆が同じ月を見ていたのだ。




「まぁ、入学初日にいろいろあったけど、何とかやっていけそうな気持ちだな。こんな月を見ていると」




「本当にそうだよね。真二君。改めてよろしくね」




「ああ、こちらこそ」




僕達はがっちりと握手をした。



ーー


夜も老けていき、僕達はお風呂に入った後に床についた。 【浴室も完備されていた。】 まさか、その日に入寮するとは思っていなかったので、パジャマはTシャツとパンツ一枚で我慢することになった。【仕方ないね】


そろそろ良い感じに眠りに落ちようとした時に、ドアからトトンとノックをする音がした。僕は寝てしまった真二君に気を使いながら、ドアにむかった。




「誰だろう? こんな夜中に来る人って? もしかしたら見回りの警備員さんとか?




そう思いながら、ドアの鍵を開けた。



「はい、どなたですか? えっ! 」




思わず驚いてしまった。何故なら目の前にいた人物は、生徒会長の飛鳥さんだったからだ。





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