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皆が一斉に驚いた。テレビや新聞などのメディアなどで見ない日はないと言われている、この国の内閣総理大臣が居たからだ。この総理大臣の支持率は高い。あらゆる斬新な改革案を出し、国力を向上させているのは確かだ。無論、反対する野党などがいるが、まるで、奇跡の様に総理大臣はするりと批判を潜り抜ける。それも支持率が高い理由なのかもしれない ……
ざわ…ざわ…
教卓の前では、総理大臣がハニカミながら口を開いた。
「あー、生徒の皆さん、急な目的地の変更にご迷惑をかけてしまいました。ここで、私から謝罪を申し上げます…… アイム総理」
一瞬、時が止まった様な気がした。サブいよりもまさかの総理大臣の親父ギャグ。皆が驚いていた。
「…… あー、ウケなかった。ごほん、 それは兎も角、皆さん魔法学校に入学おめでとう! 本当は保護者の皆様にも出席をして貰いたかったのだが、まだ、大人数を収容する体育館などが完成してなくてね。新入生だけしかできなかったのだ。面目ないっ! 」
なるほど、母親も「何故なの? 保護者の方はご遠慮下さいって、あんた、大丈夫なの? 」とか、心配していたな。
「あー、まぁ、私からは以上である! これを校長式辞とします! 」
え? 校長式辞? 教室にいた生徒達はざわめいた。そして、その疑問に思ったん一人の生徒が手を上げて、総理に質問を投げ掛けた。
「あの …… 総理大臣がこの魔法学校の校長先生なんですか? 」
「あー、そうだよ! 堅苦しいから総理大臣とか止めてね。私ことは校長かマスターと呼んでくれると嬉しいなぁ」
総理大臣改め校長先生は眩しい笑顔を作りながら、質問した生徒にサムズアップをした。 かっこええやん。素敵やん。
校長先生は話を続けた。
「では、君たちの先生を紹介しようと思う。さっきも会ったと思うが…… 」
そこまで言いかけた時に、教室の扉が開いた。そこから飛び出してきたのは、真木先生である。
「あら〰少し遅れちゃったわね〰 どんだけ〰改めまして、今日からあなた方の担任になる真木でぇ〰す。真木ママって呼んでもいいわょ」
どうやってここまで来たのだろうか? それも息を切らさずにピンピンしていた。たしかここって空に浮いてるだよな? 真木先生も魔法使い? いや、違う意味での魔法使いかもしれない …… それとも魔界の妖精?
僕の考えが迷宮入りに差し掛かろうとしていた時に、今度は、僕たちと同じ制服を着た少女が教室に入ってきた。 髪はロングで目付きはキリリとしていて、所謂、勝ち気な性格っぽい様な事が伺えた。
「マスター! 無事に安定飛行に成功しています。これから何処に向かえば良いですか? 」
「あー、そうだな、まだまだ生徒達に説明をしなきゃいけなから、このままぐるぐると回っていてくれないか? 」
「了解しました。マスター」
校長先生をマスターと慕っている女子。いったいなんなんだろう?
すると、その少女が僕らの方に顔を向けた。一瞬にして皆は緊張してしまった。
「皆さん初めましてこんにちは。私はこの第一魔法学校の初代生徒会長にして新入生の吉沢飛鳥といいます。よろしくお願いします」
ん? 生徒会長? マジかよ。